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| 2002年09月15日(日) ■ |
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| 2002年9月15日。 |
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週刊プレイボーイ8/20・27合併号の記事「日本人選手がヨーロッパサッカーを変える!!」より抜粋。
(現地イギリスで取材中のフォト・ジャーナリスト、山田一仁氏のコメントより) 【正念場を迎えた稲本がポジションを奪うためのカギはいったいどこに? 山田「日本代表でやっているようなプレイをアーセナルではできなかった。なにしろ、昨季はチームメイトたちと食事に行ったという話も聞きませんでしたからね。何度かフルハムの練習を取材したのですが、まだ稲本の声は聞こえてこない。積極的にコミュニケーションがとれるかどうか。それが成功のカギを握るでしょう」】
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稲本選手、今日も1得点・1アシストの大活躍でした。スポーツ界での日本人選手の海外進出は、野球以外にも年々目立ってきています。 この記事は、プレミアリーグ開幕前に書かれたものなのですが、このコメント、ちょっと違和感を覚えるところがないでしょうか? それは、山田さんが、稲本選手が日本代表でやっているようなプレイが昨季アーセナルでできなかった理由を、技術的なことは一切ふれずに(ひょっとしたら、記事になる際にカットされたのかもしれませんけど)「チームメイトと食事に行かなかった」と表現しているところだと思うのです。 一緒に食事に行くことと、サッカーの試合とどういう関係があるんだと僕も最初は思いました。でも、よくよく考えてみると、ごく一部の芸術的な分野などを除けば、社会人にとってコミュニケーション能力、「伝える」能力というのは非常に大事だと痛感する機会は多いのです。 正確に状況を認識して、専門家に伝達する能力は、多少の知識や技術の優越よりもはるかに有益。 たとえば、家のパソコンが壊れたとき、ちょっと詳しいという理由で自分でなおそうとする人と、自分は詳しくないけれどものすごく詳しい友達に頼める人とどちらが早くなおすことができるでしょう? 野球のように投手と打者という1対1の勝負が基本となる競技は別として、サッカーなどの団体競技は、稲本選手がどんなにすばらしいプレイヤーでも、いいパスをもらえなければいいプレイはできないわけです。ボールが回ってこなければ、ペレでもベッカムでも、どうしようもない。そして、そのパスも、自分の好みに合わせたものであればさらにいいわけで。そういうのって、「伝えなければわからないこと」なんですよね。 まあ、稲本選手の場合は、ワールドカップで活躍したことによって、まわりからも一目置かれる存在になったことが、コミュニケーションをとる上で非常に役に立っているという面もあるんでしょうけれど。 もちろん、実力がなければ通用しません。でも、実力があっても、まわりとのコミュニケーションのとり方で、それが発揮できない場合って、けっこうあると思うのです。 スポーツの世界じゃない、一般の会社や組織ではなおさら。
稲本選手、今年は大活躍できそうな予感。
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