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2002年09月09日(月)
2002年9月9日。


毎日新聞の記事より。

【総務省の家計調査によると、納豆の年間平均消費額は、80年の1289円から90年には2532円、98年には4097円と増え続けた。その後、納豆の生産量が多い茨城県でウラン加工施設の臨界事故が起き、99、00年は前年を下回ったが、02年は1〜7月の累計で2474円に達し、年間で過去最高となる勢いだ。
 消費拡大の背景は「におわない納豆」。ミツカンはにおいのもとの一つ、脂肪酸を抑える独自の納豆菌を使った「におわなっとう」を00年9月に発売した。今年1〜6月は前年同期比8%増の約1億個を売り、年間でも昨年の1億7000万個を上回りそうだ。
 大手メーカーがここ数年、においを抑えた納豆を発売し、納豆を食べる習慣があまりなかった西日本でも受け入れられてきたのが主因とみられる。】

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「アホ!こんなくされた豆なんか食えんわ、ボケ!」というのは、マンガで描かれる典型的関西人の納豆への対応。
 僕自身は、「納豆大好き!」と言えるほどではありませんが、出てくれば普通に食べるけど、自分で買ってまで食べようとは思わない、というレベルです。まあ、一人暮らしが長いですから、家でご飯を炊かないというのも、あまり食べない理由なのですが。でも、キライじゃないです。
 
 僕の母親は茨城県の出身で、「納豆は『畑の肉』っていうくらいで、すごく栄養があって、体にいいのよ」と言いながら、いつも食卓に納豆を並べていました。
 父親は関西人で、母親の手前「納豆を出すな」とは言いませんでしたが、そういえば、あまり箸をつけたのは見た記憶がないように思います。
 僕の兄弟でも「納豆キライ!この臭いが…」と公言していた者もいましたし。
 子供の頃の僕は、今から考えると母親を喜ばせるために納豆を食べていたような気がします。
 それでも、長い間食べ慣れてきたものですから、こんなふうに「におわない」ように変わってしまった納豆には、違和感を覚えてしまうのも事実。最近の納豆は「におわない」とか「納豆カレー」とか、「納豆の味がしない!」という方面でシェアを広げているらしく、「このケーキ、甘くなくて美味しい!」という言葉に対してと同じ種類の疑問を感じてしまいます。

 しかし、こういうふうに、あまりに納豆が納豆らしくなくなっていくのは、「納豆、好き!」「大嫌い、あんな腐った豆!」という、それぞれの人々の連帯意識が失われていくような気がして寂しいような気がするなあ。
「納豆、う〜ん、別にどっちでも…」って、なんだか、らしくないと思いませんか?

 このシェア拡大の裏には、品種改良もさることながら、全国に移り住んでいった関東出身のお母さんの努力が、けっこう大きいんじゃないのかな。
 納豆って、子供が自分から好んで食べるようになる食べ物ではないような気がするし。