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2002年09月05日(木)
2002年9月5日。


読売新聞の記事より。

【ロサンゼルス4日=森田清「マディソン郡の橋」の小説や映画で登場した米アイオワ州の木造橋で3日夜、火災が発生し、橋はほぼ焼失した。AP通信によると、橋には火の気がなかったことから、地元捜査当局は放火の疑いがあると見て調べている。

 焼失したのは同州マディソン郡ウインターセットの「チェダー橋」。1883年に建造された全長約23メートルの屋根付き木造橋で、小説と映画のヒットにより観光名所となっていた。同郡に残る他の5つの木造屋根付き橋とともに史跡にも指定されていた。】

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 「マディソン郡の橋」僕も小説読みましたし、映画も観ました。すごく風景が綺麗な映画で、あの自然の中にたたずむ趣のある橋が焼けてしまったなんて、寂しい気がします。
 そういえば、あの映画で主演女優のメリル・ストリ−プは「田舎の中年女性の雰囲気」を出すための役作りとして、10キロほど太ったというのも有名な話です。
 しかし、僕は正直言って、どうしてあの小説や映画が、あんなにウケたのかよくわかりません。感動しましたか?「マディソン郡の橋」に。
 内容的には、「短いアバンチュール(死語?)を愉しんだ主婦が、一生そのことをニヤニヤと思い出しながら生き続け、死んでからわざわざ子供たちに手紙を残して自分の精神的不実を告白し、遺族をたまらなく嫌な気持ちにさせる映画」だと、僕は記憶しています。
 僕が「裏切られる側」であるオトコだからなのか、このストーリーの良さが、全然理解できないのです。そういえば「ゴースト・ニューヨークの幻」を観たときも、恋人が死ぬとすぐに他のちょっと親切な男のほうにクラッときてしまうデミー・ムーアに、なんて尻軽な女なんだ!と憤ったものでした。
 アメリカ人はこういうのにホントに感動するの?としか思えなかった。
 結婚していても、家族がいても、誰かを好きになってしまうことはあるかもしれない。
 でも、ほんの数日の「寄り道」を純愛に仕立て上げているような気がして、なんだかバカらしいのです。不倫を美化するなっちゅうの。
 人間、ずっと一緒にいれば、嫌なことだって当然あるでしょう、飽きることだってありますよね。でもね、どうせ隠すんだったら、彼女は手紙なんか遺さずに、その秘密をお墓の中に持っていくべきだったと思います。それが、人間としての礼儀ってもんじゃないでしょうか。映画の中では子供は理解を示していましたが、現実に自分の親がそんな手紙を残して死んだら、嫌な気持ちになるか、痴呆が始まっていたのかと思うだけかと。
 ほんと、僕にとっては「夫がかわいそうに思えて、仕方がない映画」なんですよね「マディソン郡の橋」って。