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2002年08月17日(土)
2002年8月17日。


「消えたマンガ家〜ダウナー系の巻」(大泉実成著・新潮社)の鴨川つばめさん(漫画家・代表作「マカロニほうれん荘」)より抜粋。

(鴨川さんが「マカロニほうれん荘」の連載終了後、抜け殻のように何もやる気が起きなくなって、宗教関係の本を読み漁っていたことを回想して)

【鴨川「結局、人間というのは、神様のことについて、何も知らないんだ、ってことが、最終的な答えだったんですけどね」
 大泉「それは素晴らしい結論ですね。水木(しげる・マンガ家)さんがよく笑い話で言うのは、「世界宗教者会議っていうのが開かれると、いろんな慈悲深い人とか、素晴らしい崇高な人がいっぱい来るから、さぞや会議が丸く治まるかというと、全然まとまらない」(笑)。】

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 確かにその通りです。各宗教の指導者なんて、慈悲深い人格者がそろっているはずですから、お互いの意見を尊重して、うまく落としどころをみつけられそうなものなのですが、現実は、自分の宗教の規律を尊重し、他の宗教に対しては慈悲深さを発揮できない場合が多いようです。
 地位が高いから、人格的にすぐれていると思い込むこと自体もまちがいのもとで、どの世界でも「人格者だから偉くなった」という人は、実際そんなに多くないわけで。
 宗教界でも、いわゆる「やり手タイプ」、仕事ができるとか、根回しが上手い人のほうが、地位が上がっていくことが多いようです。
 信者が増えれば増えるほど、組織をまとめるために、そういう傾向は強くなるようですし。
 世間には埋もれてしまった立派な宗教者がたくさんいると信じたいのですが、彼らは、なかなか指導的な立場に立つことは難しいんでしょうね。
 「人間は、神様のことについて、何も知らない」
でも、人間以外の動物は、「神様」の存在をたぶん認識できていない、というこの矛盾。