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2002年08月04日(日) ■ |
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2002年8月4日。 |
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「鳥頭紀行・ジャングル編」(西原理恵子+勝谷誠彦著・角川書店)のあとがきより。
(鴨志田穣氏が、漫画家・西原理恵子さんとの結婚当初のことを回想して)
【一緒になってすぐの頃、夜中、彼女の仕事部屋をそっと覗きに行ったところ、見てはいけないものを見たような気になり、そっと足音を立てずに居間に戻ってきたことがある。机に向かう彼女の背中は、まるでスプーン曲げに熱中している少年か、はたまた機織りをしている鶴と見紛いそうであった。絹糸が張ったような緊張感の中、狂気、熱気、集中、恐怖、興奮…、およそ言葉では書ききれない彼女の身体に溜まった感情を、必死に絞り出そうとしていた。 「これは大変なことになったぞ」 居間で酒をすすりながら予感した。サイバラと相対しているとき、それはいつも仕事をしているのと同じだ。あの女は描いて行くために生きている。】
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西原理恵子さんは、麻雀漫画や「恨ミシュラン」などで有名な漫画家です。 前に聞いた話なのですが、ギャグ漫画家というのは、常に新しいものを描いていかないといけないため、ある種の「黄金パターン」が確立されているストーリー漫画家に比べて、作家寿命が短く、またヒット作も1作限りの場合が多いそうです。 西原さんの描かれている作品は、傍目でみるとそんなに計算高い感じはしませんし(むしろ、いきあたりばったり的な印象すらあります)絵も、そんなに細かく丁寧に描かれているようには見えません。 でも、作品にかける情熱っていうのは、実はすごいものなんだなあと、この文章を読むと思い知らされます。 描いている内容が真面目だから一生懸命書いているとは限らないし、ギャグだから適当に描いているというわけでもない。 自分が笑いながら描いていれば、読者も笑ってくれるということならば、それに越したことはないんでしょうけどねえ。
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