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2002年07月29日(月)
2002年7月29日。


毎日新聞の記事より引用。

【青少年の奉仕・体験活動の推進策を検討してきた中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は29日、小中高校の授業の一環としてボランティア活動を実施することや、活動内容を記録する「パスポート」を自治体が作り、入試や就職試験などに活用するよう求める答申をまとめた。学校では教育活動として実施するボランティア活動なども成績評価の対象とするとしており、事実上すべての子供の参加を求めている。文部科学省はこれを受け、奉仕・体験活動を学習指導要領に盛り込むことも検討する。

 具体的には、都道府県や市町村が、高校生らのボランティア活動の実績を記録する「ヤング・ボランティア・パスポート」を作成して日常的な活動を記録し、それをもとに高校で単位を認定したり、大学入試や就職に活用することを提案した。

 小中高校では、教科や総合学習の時間、学校行事などの中で奉仕・体験活動を実施するとしており、事実上の全員参加を求める方針を示した。教科指導に盛り込まれれば、評価の対象になるが「奉仕・体験活動の評価は点数化せず、子供の良い面を積極的に評価する」としている。また、高校入試でも、ボランティア活動を積極的に評価することも求めている。

 このほか、大学でもボランティア講座を開設したり、ボランティア活動を単位認定するとともに、就職の際に企業や国が、学生の履歴書に奉仕活動の有無を記載する欄を設けるよう提言した。】

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 「ボランティア活動」とは、何なのでしょうか?この答申を読んでいると一般的に考えられている意味とは、現実はちょっと違うんだろうなあ、と思ってしまいます。
 社会への奉仕活動を「無償」もしくは「必要経費のみ」でやるものだと思っていたのですが、このように義務化されたり、成績の評価対象としていけば、確かにボランティアに参加する子供たちは増えるでしょうけど、果たして、ボランティア精神が身につくのかどうか?
 むしろ、入試のためとか、就職のためという具体的な目標のために、ボランティアに参加する人が増えそうです。
 まあ、奉仕のための奉仕、なんて発想が、現代社会にマッチしないというのは、なんとなくわかるような気はするのですが。

 しかし、考えようによっては「私たちは、ボランティアで、無償で、こんなにすばらしいことをやってるのよっ!」という、「無償」と引き換えに究極の自己満足を得ている人たちのことを考えれば、利己的な理由からでも、客観的な視点から、嫌々ながらでもこういう活動に参加する機会ができるというのは、人格形成上は良いことなのかもしれません。
 ボランティアという言葉を使うには、やや抵抗がありますが。
 24時間テレビを観て視聴者がどんなに涙を流しても、ええ格好しいで募金箱に入れた100円玉ほど、障害を持つ人の助けにはならないというのが、ひとつの現実ではありますし。