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ひとりごと。
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2006年12月29日(金)
湾岸警備隊

唐突に冬コミ行って参りました。FEの知人スペースで「フィンアイどころか聖戦サークル自体が少ないよう」と泣き、別ジャンルの知人スペースで「好きなカップリングの本が全然ないんですよう」と更に愚痴ったら「それは自分で出せって事ですよ!」と力強く言われました。……去年の日記を見たら別の人と同様のやり取りをした経緯が記録されていると思う。
スカラク本を買おうか買うまいか悩みに悩んで「よし、一周回って戻って来た時にまだ買いたい気持ちがあったら買おう」と結論を先延ばしにしたら戻った時に寄るのを忘れました。その程度なのか…。最終的にはシャナラクとスカユリに落ち着く非常に私好みのカップリングであったはずなのですが(作画レベルも高いのですが!)、それでも即飛び付けないのはもしかしてデューアイ前提だからですか。完璧な世界観を構築されればされるほど、少しでも自分と違うカップリングが混入してしまうと読めなくなるのはどうしたものかなあと思います。

ところで近々私的な祝い事があり、FE知人スペースで「これ、FITSさんに渡そうと思って急いで作って来たんですよ!」とお祝いを戴きました。熨斗袋に入ったそれを受け取った時に期待する顔でもしていたのか「あ、すみません、お金とかじゃないんですけど」と謝られてしまいましたが、私の期待の方向性が「えっもしかしてフィンアイ短編小説でも書いて下さったとか!?」だった事は秘密です。……こちらこそすみません。
(ちなみに中身は手縫いの小物でした。ありがとうございました)



2006年12月27日(水)
突然レヴィフュリ劇場(8/30の続きだったりして)

「…あの」
 城の中でそう呼び掛ける声が聞こえた時、フュリーはそれがよもや自分に向けられたものだとは思わなかった。
 そのために耳に届いてはいても反応を示さなかった訳だが、結果としては相手を無視するような形になった。
「…あの、フュリーさん」
 困惑した声で名を呼ばれ、フュリーはやっとそちらを振り返る。
 そこには青い髪の少年騎士が立っていた。
「あ…」
 その顔に別段見覚えはないが、とりあえずは今の非礼を詫びるためにフュリーは彼に向き直る。
「あ…あの、ごめんなさい。ぼうっとしていたものですから」
「いえ、突然申し訳ありません。レンスターの騎士見習い、フィンと申します」
 蒼い騎士は生真面目にそう名乗った。フュリーと背丈もさほど変わらない少年だが、言葉遣いや態度には年齢に相応しくない落ち着きがある。
 髪よりも深い青の瞳で、フィンは遠慮がちに尋ねた。
「…あの、失礼ですが、レヴィン様のご所在をご存知ではないでしょうか」
「あ…レヴィン様の?」
「はい。街への御用を賜ったのですが、戻ってからというものお姿をお見掛け出来ませんもので」
 口振りには出さないが、彼の顔には「困っている」と書いてある。
 フュリーは慌てて子の悪戯を庇う母親のように謝った。
「まあ、レヴィン様がそんな事を…。ご迷惑をかけてごめんなさい」
「いえ、元々キュアン様の使いに出されるところでしたから。出掛けにお会いしたレヴィン様が『ついでに』と仰っただけです」
「でも…。ああ、本来なら私が用付かる事ですのに」
 フュリーの表情を見て、少年は「お気になさらず」と返って恐縮する。フュリーは再度の自己嫌悪に陥った。
(私は本当に至らない従者だわ)
 唇を噛む。
 数日前にも気の利かぬ事で、主君であるレヴィンを怒らせた。それまでの数日間にレヴィンから与えられた「毎朝オレを起こしに来い」という命令は、その日に撤回されたまま何の呼び立ても掛からない。
 そうしてこの数日、疎まれるのを恐れてレヴィンに寄れずにいた。
 それがレヴィンに不便を感じさせてしまったに違いない。
「…本当にごめんなさい」
 フュリーが視線を落とすと、フィンはその罪悪感を拭うつもりか、むしろ笑顔で「いえ」と答えた。
 そうだ、と思い当たる。言葉を交わすのは初めてだが、時折耳に挟む「レンスター王子の忠臣」とはこの少年の事ではないだろうか。
 レヴィンの口からも話題に出た事があった気がする。その時は不肖の臣下への暗なるお叱りであるのかと、自省ばかりが先立ったけれど。
 「吟遊詩人レヴィン」を知る人は今も彼を「レヴィン」「レヴィンさん」と呼ぶ事が多いのだが(それは他ならぬレヴィン自身の希望による)、この少年がそうしないのは彼の臣下である自分に気を遣っての事だろうか。
「…あの、レヴィン様からは買い物を仰せ付かりまして」
 かさり、少年が荷物の中から紙袋を取り出す。
「お急ぎのようでしたので、戻ってすぐにお届けするつもりだったのですが」
 戸惑う瞳は、やはりまだ彼が大人になりきっていないのを語るようだ。
 天馬騎士団は女性ばかりの軍である事もあってフュリーは異性に相対するのが得意ではなかったが、フィンと話してもあまり男性という気はしなかった。
 そうと称するのは失礼というものだろうか。
「…あの、よろしければレヴィン様には私からお渡ししますけれど」
 けれどそう言った時にぱっと安堵の色を乗せた素直な表情は、「少年らしさ」を固めて作ったようなものだった。
 微笑ましささえ感じるフュリーに、フィンは申し訳なさそうに尋ねる。
「…厚かましい限りですが、お願い出来ますでしょうか」
「いいえ、そもそもレヴィン様がお願いした事ですから。ありがとう」
「恐れ入ります。…あの、実はまだキュアン様からの御用付けが全て済んでおりませんもので」
 心底ほっとした様子でフィンは紙包みをフュリーに託す。受け取ってみれば思うよりも軽かったそれを、フュリーは大切に手に収めた。
 少年は笑顔で礼を言う。
「ありがとうございます。お手数をお掛けしますが、宜しくお願い致します」
「ええ、確かにレヴィン様にお渡ししますから」
 軽く一礼。
 他の荷物を抱え直し、フィンは足早に去って行った。まだ急ぎの用があるのだろう、悪い事をしたとフュリーはその背中を見送りながら思う。
 廊下の向こうにその姿が消えてから、フュリーはその紙袋を改めて見つめた。
(…何かしら)
 詮索は無礼な事ではあるが。
 ともあれ、請け負ったからには間違いなくレヴィンに届けねばなるまい。この数日参上しなかった不忠が心苦しくはあったが、だからこそこの機会に許しを請わなければと思った。
 それともレヴィンはとうに自分を見限っているだろうか。
(――…)
 それならそれで、レヴィンの意に沿う代わりの従者をシレジアから寄越させなければならないのだ。
 決心を奮い立たせて歩き出す。フィンが探し出せなかったのは、例によってレヴィンが人の寄らぬような場所に居るからだろう。
 庭の木の上だろうか。まさかまた、城の屋根にでも上っただろうか。
 レヴィンは幼い頃から、大人でも身が竦むような高所で平然と飛び跳ねて遊んでいた。
 それは彼が、常に風の神に守られている証でもあったのだが――…。
(――…あ)
 けれどそうして探し歩くうち、フュリーの耳は風に乗せて外から流れ入る微かな音を掴まえた。
 優しい音色。
(…竪琴)
 懐かしい旋律。
 それは故郷の歌だ。シレジアでは雪に閉ざされる冬の間、人々は室内で音楽に親しむ。
 春を待ち、芽吹く季節の到来を願う歌。
 またそれは、恋の成就を祈る歌とも言われている。
(…「ああきっとその日は訪れる、柔らかな陽射し溢れる花の季節よ」…)
 自然と頭にはその歌詞が浮かんだ。
 演奏者はわかっている。軽やかな弦遣いは、「吟遊詩人」として暮らした頃も弾き続けたためだろうか。
 国を離れていた間も彼は、シレジアの曲を爪弾いていたのだろうか。
 …どんな気持ちで。
(レヴィン様……)
 予想に反して、音の主は城の庭の芝生の上にいた。
 穏やかな陽の中で演奏する姿にしばし見惚れる。
「……」
 そうしている彼を、風が優しく包んでいるのがわかった。
 幸いな事にレヴィンはまだ人の訪れに気付かない。預かり物はすぐに渡さねばとわかってはいたが、フュリーはもう少しその曲を聴いていたかった。
 もう少し。
 せめて、この曲が終わるまで。
「…ん」
 けれど熱心に聞き入ったがために、あと一歩近付いたのがいけなかったのだろう。
 まだ距離は開けてあったけれど、人の気配に敏いレヴィンはそこで演奏をやめてしまった。
「ああフィン、悪かっ――」
 振り向きながら口にした台詞は、恐らく「悪かったな」と礼を意味する言葉に繋がろうとしたのだと思う。
 しかしそれは碧眼が目標を捉えた瞬間に途切れてしまった。
「ふっ…フュリー?」
「あっ……も、申し訳ありません!」
 咄嗟にフュリーは大きく頭を下げる。
 盗み聞きをした上に、演奏の邪魔をしてしまったのだ。フュリーは更なる失態に激しく自責したが、レヴィンはそれを咎めるよりもフュリーの来訪自体に驚いているようだった。
 不意を突かれたのか、珍しく慌てた様子でフュリーを見上げる。
「なっ…なんでお前がここに…」
「あ、あの、懐かしい曲が聞こえましたもので、つい…。勝手に拝聴してしまって申し訳ありません」
「いや、それは…。……しかし、お前は」
「…はい?」
「…あ、……いや」
 小さな溜息。
 何と言い掛けたのだろうか。
「…何でもない」
 レヴィンは視線を逸らした。
 ちくり、胸が痛む。フュリーはレヴィンに、そうして拒絶されるのが怖い。
 想いが届くなど大それた事は願っていない。面白がってからかわれていても、傍に置いてもらえるならそれでいい。
 レヴィンに疎まれ払われてしまうのが一番怖い。
「……あの」
 それでもフュリーは、勇気を振り絞ってそう声を出した。
 ちらりと目をくれるレヴィンの前に、紙袋をそっと差し出す。
「…フィンさんから、お預かりしました。レヴィン様のご所望のものだそうで」
「は? なんでお前がそれを…」
「…あの、レヴィン様がどこにいらっしゃるかわからないからと…。それで私が代わりにお預かりして来たのですが…」
「あー? 何だよ、オレはちゃんと……あ」
 乱暴に聞き返したレヴィンは、しかし途中で何か思い当たったように呟いた。
 そして何やら独り言に繋がって行く。
「あんのガキ……余計な気を廻しやがる」
「え? あ、あの、私がお預かりしてはいけなかったでしょうか…」
「ああ、いや……いやしかしだな、それは…」
「?」
 差し出した紙袋を、レヴィンはなかなか受け取ろうとしない。自分はまた彼を不機嫌にさせてしまったのかと思うと、フュリーは自己嫌悪を超えて絶望したくなって来た。
 少しでも彼の役に立ちたいと、必死でしがみついた場所。
 一体自分は何の役に立っただろうと思う。
(…情けない)
 フュリーは俯いた。
 所在を定めかねる紙袋が悲しい。
「…あの」
「――…」
 レヴィンを窺う視線は、睨み上げる目に負けた。
 受け取る手を出そうとはせず、レヴィンはひらひらとそれを払う真似をする。
「言っとくけどオレはそんなもの要らないぞ。どうせ菓子だ」
「え…? レヴィン様は甘いものはあまりお好みではないのでは…」
「だから要らないって言ってるだろう。お前が食えばいい」
「あの、でも……でしたらどうしてフィンさんに…」
 じろり。
 睨む目が更に強くなって、フュリーは最後まで尋ねられなかった。
 風の抜ける沈黙。
(…?)
 どう口を開いたものかも、わからない。
 フュリーが困惑するのをレヴィンはもどかしそうに見ていたが、やがて不貞腐れた口調で呟いた。
 小さな声。
「……お前は好きだろう」
「…え?」
「お前は好きだろう、胡桃の焼き菓子だの果実の砂糖漬けだの…」
「――え」
 思わず、不器量にも芸のない反応になる。
 確かにレヴィンの挙げるそれらは、フュリーの昔からの好物だ。
 けれど、まさか。
(憶えていて下さったなんて)
 …まさか。
「あ、あの……」
 情けなくも声が震える。
「私、に…?」
「――ああ、くそっ」
 フュリーの問い掛けに、レヴィンは堪りかねたように頭を抱えた。
 驚くフュリーをよそに、そのまま大きな独り言をまくし立てる。
「だからオレはちゃんと心積もりをしてから行く予定だったんだ! それをあの野郎…」
「あ、……あの?」
「ああいや、それは何も菓子で釣ろうとか、そういう魂胆じゃなくてだな、その、気持ちというか……いや、その…」
「は、はあ…」
「いや、だからな、オレはちゃんと謝るつもりで、なのに……ったくどうしてくれるんだあのガキ!」
「?」
 最後はまたどこか違うところへ向けた暴言になった。
(『謝る』…?)
 その言葉の意味するものは良くわからないけれど。
「あ、……あの」
 大まかな文脈だけで推察してフュリーは口を開く。
 握り締めれば乾いた音を立てる紙袋。
「私は…お許しを頂けるのでしょうか…?」
「……は?」
 裏返ったレヴィンの声。
 「何を言っているのかわからない」という顔でレヴィンは見返す。そういった事ではなかったのかと、遠慮がちにフュリーは続けた。
「あの……数日前の」
「『許す』?……誰が何を」
「いえ、あの、私がレヴィン様にお叱りを受けた件で…」
「は? い、いや、あれは…」
 考えを巡らす様子で、レヴィンは何度も瞬きをする。
 風に揺れる柔らかな癖毛。口元を覆う、男性にしては細い指。
 少なくとも今その表情からは、フュリーに対しての怒りは見取れぬようだった。
 呆然と表現しても差し支えない顔つきで、レヴィンはぽつり呟く。
「……お前こそ、オレの悪ふざけに怒ってたんじゃないのか」
「え……ええ?」
 今度はフュリーが聞き返す番だ。
「そ、そんな、とんでもない…! どうして私が」
「あれからぱったり姿を見せなかっただろう! てっきりオレはお前が怒ってるものと」
「だ、だって、レヴィン様が『明日からもう来るな』と仰ったものですから…! ですから私、余程レヴィン様がお怒りなのだと思って、顔を見るのも不快と思われたらどうしようとか、色々と思い巡らせたら怖くなって、いえ、あの…」
「――は」
 あまりの事態に動揺して、ついフュリーが要らぬ事までぺらぺらと捲し立てそうになった時。
 気の抜けたような声で、レヴィンが一つ溜息をついた。
 もう一つ。長く、深く。
「は……はは。……お前の馬鹿正直さを侮っていた」
「え? あ、あの、申し訳ありま…」
「ああもう、謝るな」
 苦笑するレヴィンに止められて、口をつぐむ。
「……」
 レヴィンは複雑な表情で笑っていた。
 笑っていた。
(…レヴィン、様…?)
 涼やかな風が吹く。
 くつくつと続く笑い声。レヴィンが手招くのに従い、フュリーは躊躇いながらも側に寄って腰を落とした。
 控えめに少し距離を置くと、もっと近くと手が要求する。
「……」
 もう一歩、二歩。
 手を伸ばせば届きそうな位置までフュリーを呼び寄せ、レヴィンはまだ笑みを口元に乗せていた。
「…『来るな』と言われて来れなかったか。……まったく、お前らしい」
「え…。で、でも…」
「そうだよな、オレが言ったんだよな。…悪かったよ」
 深緑の瞳がフュリーを捉える。
(――…)
 それはフュリーを激しく揺らす力を持っている。
 風の王子がそうして謝るのに、フュリーは首を振る事しか出来なかった。言葉は胸に溢れて、やがて危うい響きに零れてしまいそうになる。
 フュリーは黙っていた。
 レヴィンがまた、竪琴の弦に手を掛ける。
「…よし、侘びとして一曲弾いてやろう。何がいい」
「え…? あ、いえ、そんな、滅相もない!」
 つい反射的にそう言って、しまったと思った。
 つ、とレヴィンが片眉を上げる。
「…なんだ。オレの演奏に不満でもあるのか」
「い、いえ、そういった事では…」
「じゃあ言え、何がいい」
「…は、はい、では…」
 ここでの遠慮は却って主君の厚意に失礼というものだろう。
 レヴィンが得意とする曲の幾つかをフュリーは考えた。それはシレジアの民が祭の時に奏でる曲だったり、異国で覚えてすっかり気に入ったという踊り子の舞いの音楽だったりする。
 けれどフュリーが一番好きなのは、幼い頃のレヴィンが初めて聞かせてくれた曲だった。
 花待ちの歌。
「…でしたら、レヴィン様。先程の曲をもう一度お聞かせ下さいな」
「……は…」
 フュリーのリクエストに、レヴィンは一瞬の間を置いた。
 そしてその間に慌てて台詞を被せる。
「……さっきの曲、か?」
「? はい、是非」
「――…」
 再び続く無言の時間。
 その沈黙にフュリーは選曲を誤ったのかとうろたえたが、辛うじてフュリーが口を開くよりも早くレヴィンが頷いた。
 渋々、という体で。
「……わかった。さっきの曲だな」
「…? あの…他の曲が良いのでしたら…」
「煩いな、お前の好きでいいと言ったろう」
「は、はい…」
「…弾くだけだぞ。歌わないからな」
「……はい」
 神妙に答える。
 弦の震える音。
「……」
 手慣らしに何度か軽く爪弾いた後、レヴィンはもう一度フュリーを見た。
 囁くような命令。
「……お前が歌え」
「…え」
「歌えるだろう」
「…は、はい…」
 前奏が始まる。
 レヴィンの演奏に合わせ、フュリーは慌てて歌詞をなぞり始めた。控えめに声を出して、レヴィンに「聞こえないぞ」と叱られる。
 次第にレヴィンの表情は楽しげに変わっていくように見えた。
 フュリーも懐かしい故郷を思い、歌ううちに自然と笑顔になる。
(…レヴィン様…)
 耳をくすぐって響く優しい旋律。
 その日二人だけで紡ぎ出した音楽は、いつまでも大切な思い出としてフュリーの胸に残っていた。
 それはフュリーがレヴィンに添う事を許された、小さな予兆であったのだから。



レヴィフュリにフィンを絡ませてみた意欲作(自称)。現時点でフィンである必然性皆無ですが、この後レヴィンとフィンのおまけ話が続く予定なので見逃して下さい。
フィンとフュリーの会話で、お互いに対しての言葉遣いをどうするのか丸二日悩んでみたのは公然の秘密です。



2006年12月26日(火)
つくしの子が恥ずかしげに顔を出します

妹は冬至を過ぎると憂鬱になるらしい。
曰く、
「ああこれから暑くなってく一方かって思うとさー…」
「いやまだ全然先だから、暑くなるのは」
「でもこれ以上寒くならないんだよ!」
「いや日は長くなるけれども寒さはまだこれから増すから」
「あーやだやだ冬が来ると鬱になるよ」
「好きなんじゃないのか冬」
「だってこの後段々温かくなって春が来るんだよ! そしたらその次夏が来るんだよ!」
「もう夏が来る事考えてんのか」
「秋が一番いいよ、これから寒くなってくかと思うと幸せだから」
――花粉症とかの理由はともかく(つーても奴も花粉症ですが)、春の訪れをこんなに苦々しく語る人ってあんまり見ない。

そういや昔「春だから」という理由で仕事辞めた事のある奴だったなあ。



2006年12月21日(木)
恐らくは「よく飽きないね」程度の意味かと(飽きるかい)

日曜日の日記について知人から一言。
「あんたまたフィンアイ書いてたでしょ、バイタリティあるねー」
……私に本当にバイタリティがあったなら、うちのサイトはもっと腐るほどのフィンアイ小説に埋もれているはずだと思う。

それでも今年は突然劇場(←時々日記で繰り広げられる小説の破片のような書き散らしの事)で何度かリハビリしているので、ここ数年の凄まじい文章離れから見れば回復の兆しがあるかと見ています。判りやすい事に私生活で精神的に余裕がないと文章書く気力もない根性なしなので、要は精神的に安定して来たのかとバロメーターにもなります。来年はまた若干環境が変わるのでどうなる事やらと思いますが、まあ良い方に転がせたらいいなと期待して。

まだ今年を総括するには早いですが、とりあえず聖戦サイトFITSにおけるこれからの展望というか野望をいくつか。
フィンアイ小説書きたいなあ。もっとこう、好感度ゼロから1000までの段階を順番に描きたいなあ。
エロも書きたいなあ。
てゆーかホリブリはエロしか書いてないな。しかし表に書けそうな話が思いつかんな。
レヴィフュリもどーにか書けないかな。
アゼル一人称のアゼティルはあと2、3本書きたいな。
シャナンとラクチェもどうにか書きたいなあ。しかしどうしてもラクチェはシャナンなのかなあ。絶対他の男の方が幸せになれると思うんだけどなあ。
スカサハとユリアは勝手にやっててくれ。
アサフィーの裏サイトバージョンが書けたら幸せだなあ。

…言うは易し。来年の話をすれば鬼瓦(違)。
カップリング以外で言えば、フィンとシャナンの絡みとか(フィンアイ・シャナラク前提で)、シャナンとスカサハの絡みとか(これは別にシャナラクじゃなくてもいいや)、一度書けたらいいなあと思います。

来年末に今日の日記を読み返したらどんな気持ちがするのだろう。なあ、一年後の自分。



2006年12月19日(火)
何かを企んでる笑顔

知人と電話をしていたらふと聞かれました。
「ねえ、自分の書いた文章が人に読まれるのって恥ずかしくない?」
「それは18禁小説をサイトで公開している私に聞いているのか?」
もちろん全く恥ずかしくない訳ではないのですが、今のところ私の周囲を見る限りでは読む側の方が恥ずかしそうです。恐らく私も知ってる人の書いたアダルトを読む時は恥ずかしいだろうなと思うから、そこは仕方あるまい。


「僕の歩く道」の最終回を見ました。毎週欠かさずとまでは行きませんが、全体の八割ぐらいは視聴したと思うので私にしては熱心に見た方です。もっとも同居の家族が欠かさず見ているからこそ出来た事ではありますが。
昨今のドラマにしては演出の仕方が好きでした。伏線や小道具の使い方が割と好みでした。流し見されたら通じないんじゃないかっていう不親切な演出も時々あったけど、通じなくても差し支えない程度の遊び心という解釈でいいのかな。テーマについては私がどうこう言えないのでそれはそれ。
うちの母は主役の演技を絶賛してました。
私は妹とお兄ちゃんの描き方が良かったなあと思います。
しかし加藤浩次は最後まで何も企んでなかったのかというのが心残りかな(笑)。



2006年12月18日(月)
Tシャツでもいいけどね

とある知人は「裸エプロンは男のロマンだ」と言いました(ちなみに別の知人は「輪姦は男の夢だ」と言いました)。
個人的には裸エプロンも悪くはないですが、私はどちらかと言うと「裸に男物のワイシャツ1枚」派です。具体的なシチュエーションで言えば「思春期の微妙な雰囲気の二人が突然の夕立で彼の家に避難(思春期なら中高生のはずだが何らかの事情があって一人暮らしでいてくれると有難い)、風邪を引くからと貸してくれた着替えに袖を通している最中」がベストです。あくまで着替えの途中であり、その状態を見られるのは読者だけです。肝心の男はふすまの向こう(中高生の一人暮らしって事で地味な設定にしておいて頂けるといい感じ! 何故ならふすまは絶対に鍵がかからない前提である上防音性にも乏しいのでドアよりも遮蔽感が薄いのだ!)で悶々としているだけ。ノーブラにシャツを羽織って、借りたタオルで髪を拭きつつ、わぁ○○君のシャツ大きい…なんて呟きながらちょっとどきどきを演出し、下は丁度パンツが見えるか見えないかの丈で裾が上下していて生足が惜しげもなく露出されていればパーフェクトです。さすがにここでノーパンだと青年誌に行ってしまうので、ぎりぎり少年誌に載せられる程度のエロがツボです。

ちなみに同様の感覚で、男物のぶかぶかの手袋をしている女の子というのもツボの一つです。
…そんな私の夢を昨日の日記に詰めてみました。



2006年12月17日(日)
突然フィンアイ劇場

 晴れた日の昼下がり。
 『彼女』がそんな時、一人で過ごす事が多いのは知っている。何故なら彼女の被保護者は晴れていれば元気に外に飛び出すのが常であり、最近では周囲の人間にも慣れたせいか叔母上の目の届かない場所で遊ぶのが殊更楽しいようだから。
 そして彼女はもともと、その甥の事でもなければ極力人と関わろうとはしない。
「…見付けました」
 だからフィンがアイラを捕まえる時は、必然的にそんな表現になる。
 あえて子供じみた悪戯っぽい顔を見せると、アイラは怒る事も出来ずに少し苦笑した。
 アイラに限らず、フィンには無意識に他人の行動を捉えておく癖がある。シグルドが時折一人で立ち寄る城下の店も何故か知っているし、ジャムカに聞かれてデューの居場所に案内した時は「なんでおいらの隠れ場所知ってんのさ!」と露骨に嫌な顔をされた。
 だが、自分の都合で彼らの『一人の時間』に乱入した事はない。決して孤独ではない彼らがそうして楽しむ束の間の『ひとり』を、邪魔していいものとも思えなかったからだ。
 ……こうしてアイラを探し当てたのは、何度目だっただろうか。
「…お前にはどこにいても見付かるな」
 ぽつり、穏やかな声でアイラが言った。
 アイラは一人が寂しい人種ではない。いや恐らく、人と居る方が気疲れすると言うのだろう。
 特に男性を相手にする時には表情が硬い。以前、失礼とは思いながらもふと指摘をしたらそんなつもりはないと否定されたけれど。
(…無意識、か)
 少しだけ苦い気持ちにもなる。
 とうに「男嫌いの戦女神」と目されて久しいアイラだが、男という性別全てに拒絶を示す訳ではない。シャナンに限らず子供という年齢は彼女から好意を引き出す対象らしく、街で剣士姿に「かっこいい」と寄って来た少年を気安く相手にしてやっているのも目撃した事がある。
 つまり自分はアイラにとって『子供』なのだろう。決して『男』ではないからこそ、こうして図々しく傍に寄る事も許されている。
 それでいい、と思う。
 それで、彼女に笑ってもらえるのなら。
「…アイラ様。『かくれんぼ』という遊びをご存知ですか」
 風に髪先が揺れるのを預け、フィンはそんな風に話題を振ってみる。
 話す内容など何でもいい。本当は、何も話さずとも構わないくらいなのだから。
 アイラは頷き、木陰に腰を下ろした体勢のまま横のフィンを見上げた。
「ああ。子供の頃は良く城の者を相手に遊んだものだ」
「イザークでもそうですか。子供の遊びというのはどこの国でも同じようなものなのですね」
「本当は私は剣の相手をさせたかったのだがな。父や兄の目の届くところでは叱られるものだから、せいぜいがそうして外遊びをするぐらいだった」
 懐かしげな眼差しが遠い場所を見る。その先には彼女の故郷があるのだろうか、とフィンは覗き込みたくなった。
 海と砂漠を越えた先。近いようで、遠いところにあったその国。
 アイラはフィンに視線を戻し、少しだけ得意そうに笑顔を見せた。
「あれはな、隠れるにはコツがある。葉の茂った木に登ってしまえば絶対に見付からない」
「はあ、なるほど…。アイラ様らしい隠れ場所ですね」
「後は家畜小屋の屋根の上だな。遠くから見ればすぐに見付かるが、近い場所から見上げても見えない」
「…なるほど」
 思わず笑ってしまう。目に浮かぶ幼い日のアイラのあまりの『らしさ』に、フィンはつい口元を緩めた。
 人形遊びよりも棒切れを振り回す方が楽しかったという王女。恐らく、今のシャナンとも比べられぬほど周囲の手を焼かす子供だったのだろう。
 勉強を教える教師から逃げ回った話も聞いた事がある。
「……アイラ様と『かくれんぼ』をするのは大変ですね」
 静かに落とした言葉に、アイラは特に何も言わなかった。
 木や屋根には登らないまでも、アイラはその気になればいくらでも逃げられるはずだ。いやそもそも隠れなどせずとも、ただ一言拒否をすればいい。
 けれどアイラはそこにいる。たとえば城を少し離れた木立の陰、花の盛りを外した庭の片隅。
 フィンが探せば、見付ける事の出来る場所に。
(……)
 それはただの気まぐれだろうか。
 他の人間の前で声を掛けて来るような事はないが、二人でいる時は不思議とアイラは色々と話を聞かせてくれる。
 …『子供』だからなのだと、もう一度自分に言い聞かせる。
「…木登りなら、私も多少は自信がありますよ」
 余計な事を考えそうで、フィンは話題を他に移した。
 その方がいい。アイラは人の表情に敏い性質ではないが、何かを崩しても困る。
 今はこのままでいい。
 このままで、いいのだ。
「…ほう? それは意外だな」
 幸い、アイラはすぐに新たな話題に乗ってくれた。
「槍と馬ばかりではなかったのか」
「レンスターにいた頃、エスリン様に大分鍛えられましたから」
「…エスリン殿か。あの方も、あれで色々と武勇伝をお持ちだな」
 くすりと笑う。アイラには珍しい他人の情報は、当のエスリンから聞いたものだろうか。
 長い黒髪が揺れる。ふとその髪に触れたい欲求に駆られて、フィンは惑う。
 迷うのだ。
 その人はあまりにも、自然に笑顔を見せてくれるから。
「……面白い。それなら競争するか、フィン」
「…は?」
 その瞳に好戦的な色が宿る瞬間を目の当たりにした。
 すっと立ち上がった体躯はしなやかな曲線を描く。
「どちらが早く登れるか。私も負けたものではないぞ」
「は? あ、あの…」
 見返して来る目はフィンよりも少し高い位置にある。けれど初めて会った時には、それはもっと遠かった。
 もっと色々なものが遠かった。
 自分はどれだけの距離を近付けたのだろう。
「――アイラ様!」
 思わず、叫ぶ。
 違う事を考えていたものだから、アイラが素早く枝に手を伸ばそうとするのに反応が遅れた。
 制止のためにその手を掴みそうになり、慌てて寸前で自制する。
「あ…の」
「何だ? 待ったはなしだぞ」
 アイラは気付かぬ様子で、楽しそうな声を返した。
 危険だとかはしたないとか、そんな言葉で止まるアイラではないだろう。そんな事を言えばむしろ不愉快になるに決まっている。
 そんな事は知っている。
「あ、……あの、せめて」
 訝しむアイラに、フィンは咄嗟に懐を探った。
 せめてこれを、とその前に差し出す。
「木肌が荒れていて、素手では不利ですから」
「……」
 アイラはその白い手袋を見、もう一度フィンを見た。
 フィンが眠る時以外は常に身に着けている手袋。懐にあるのは、それが汚れたり破れたりした時の予備だ。
「あ、あの、これはまだ下ろしていないものですから、汚くはないです」
「……」
 アイラの視線に答えたつもりだったが、アイラは更に無言で瞬きをしてまたフィンの手元に目を落とした。
 それは、他人の手を通したものに抵抗を示す表情ではなかっただろうか。
「……」
 不可解な沈黙。
 じっと見つめた後、アイラは黙したまま手袋を受け取った。
 そしてまたフィンを見る。
「…これは、お前のものか」
「あ…はい、それは予備で…」
「…それと同じものか」
「?…はい」
 アイラに指差された手を軽く持ち上げ、フィンは答えた。
「……」
 その返答には反応せず、アイラは右手から手袋に指を入れる。
 細いな、と思った。もちろんアイラが特別華奢なつくりをしている訳ではないし、たとえばエーディン公女などはもっと折れそうに細い指をしていた気がする。
 けれど死神とさえ称される戦女神の、大剣を振り回して戦場を駆け抜ける姿から誰が想像するだろう。
 目の前のこの人は、こんなにもか細く弱い。
「……」
 慣れないせいか、やっと左手にかかろうとするアイラの手の動きを、フィンはずっと見ていた。
 その手には剣士特有のまめが幾つもある事を知っている。手に限らず、軽い傷や痣程度なら絶えない事も。
 それが今更、荒れた木肌に傷付けられる事くらい何だろうとも思う。
 ただ、今ここでそれを見たくなかった。
 もし自分が手を出す事で避けられるのであれば、可能な限りの危険からは守りたかった。
「……」
 静かな時間。
 やがて五本の指を通し終え、アイラは確かめるように何度か手を握っては開いた。
 覗き込み、フィンは苦笑を口の端に乗せる。
「ああ…やはり、私のものでは大きかったですね」
「……」
 アイラはじろりとフィンを見やった。
 アイラの指先ではどの指でも白い布地が幾分遊んでいる。手首から手の平にかけても、本来収めるべき大きさに足りない分が空間を招き入れていた。
 フィンの手に丁度合うものを用意しているのだから当然だ。成長途中のフィンは体格こそまだ少年の域を出なかったが、手や足だけは大の男とそう変わらなかった。
 そうして比べてみると、改めて女性の手だなと思う。
 新品とはいえ、自分が手を通すはずだったものをアイラが着けているのは少し不思議な感じがした。
「……」
「…あの、アイラ…様?」
 不自然な間。
 口を閉じてしまったアイラに、フィンはそっと問いかけた。
 返事はない。
「アイラ様…? あの…」
「……何でもない」
「いえ、でも…」
「…何でもない」
 ふいと、目を逸らされる。
 アイラはもう一度布の余剰を確認した後、無表情に手袋から指を引き抜いた。左から右と、脱ぎ捨てるのはあっという間だ。
 さすがにそれだけ合わないものではむしろ邪魔と判断したのだろう。素手に握られた手袋が、フィンの胸元に突き返される。
 フィンは無言で受け取った。
 手の中の布にはほのかな温もりが残る。
「あ…の」
 戸惑いの色が、僅か自分の声に混じっているのに気付いた。
 先程までの笑顔が消え、アイラが若干不機嫌になっているのは感じた。それは自分の出過ぎた行為に気を悪くしたか単に合わない手袋の着脱に苛立ったか、いずれにしてもフィンが余計な気を回したのが原因だろう。
 自分のした事でアイラを怒らせたのならフィンはもっと狼狽えてもいい。それが今、意外なほど落ち着いているのに逆に戸惑った。
 アイラはフィンから視線を外したまま黙っている。
 それは怒っていると言うよりは、子供が拗ねて不貞腐れているかのようだとさえ思う。
「…アイラ様」
 改めて、フィンはその名を呼んだ。
 真剣な声色に、アイラもふと我に返ってこちらを見る。
「申し訳ありません、差し出がましい真似を致しました」
「あ……いや、その…」
 フィンは敢えて大袈裟なほど沈痛な面持ちを作った。
 慌ててアイラが取り繕うように笑顔を見せる。
「いや…悪い、何もお前を責める訳ではないのだ」
「ですが…」
「…どうも慣れないのでな、やはり私は素手の方がいい」
 ひらひらと細い指が踊る。その軌跡を、フィンは沈んだふりの目で追っていた。
 今この手を捕まえてみせたら、アイラの表情はどう変化するだろう。
 そんな場違いな好奇心が、ちらりと頭を掠めたりする。
(――…)
 アイラはいつも通りの、『子供』の相手をする顔になった。
 気を取り直したように、明るい声でフィンを促す。
「…さあ、勝負だぞ、フィン。手加減はなしだ」
「…はい」
「私に勝ったら何か褒美をやろう」
「……はい」
 アイラの気安い提案に、フィンは間を置いて頷いた。
 アイラの指す木の幹に寄って梢を見上げる。ちらちらと木漏れ日が、視界を彩って揺れた。
 レンスターにいた頃は良くこうしてエスリンに付き合わされた。彼女も必ず遊びを勝負にしてしまい、フィンは大概負ける方に回って「罰」と称したエスリンの我儘を聞く羽目になったものだ。
 もっともそれは、自分が勝って「主君の奥方に要求しても失礼にならない程度の罰」をその都度考えるのが面倒だったからでもあるのだが。
(…さて、と)
 両手の手袋を、きっちりと装着し直してフィンは呟く。
 どうするかな、と。
「? 何か言ったか?」
「いえ、何も」
 耳聡いアイラの問い掛けに笑顔で答える。
 大きく広がる枝を順に目で追いながら、フィンは考えていた。
 木を素早く登るための適正なルート、アイラとの距離の取り方、枝の上から見えるはずの景色、『褒美』の意味合い。
 …様々な事を。 




冒頭の辺りの「ジャムカに聞かれてデューの居場所に案内」の下りは、頭の中で展開していた時には「フュリーに請われてレヴィンの居場所に」だった。
しかし時系列がおかしい。悲しいかなフィンアイの恋愛未満期間とレヴィフュリの登場時期は重ならない。
そうだ、レヴィフュリとアゼティルを親世代固定カップリング(私の書く小説内、特に子世代の前提条件)としておきながらもほとんど彼らの事を書いていない原因のひとつには、フィンアイ小説の脇に出て来ないからというのがあったのでした。

…まあ、クリスマス間近という事で浮かれてみました。



2006年12月15日(金)
世の不思議

職場の忘年会に出席しました。お酒の席だと普段職場では聞けないようなプライベートな話題も出たりするものですが、私のいる部署では少なくとも三人は「付き合っていた彼氏が別の女と出来ちゃった結婚して振られた」経験のある独身女性がいる事が判明しました。うち一人はその経験が複数回あるらしい。…何と言うか、ご苦労様です。

しかしつくづく世の中、特定少数の男だけに集中して女性が寄って行く仕組みになっているのだなーと思う。



2006年12月12日(火)
情報速度

先日、居間に持ち込んだノートパソコンをダイヤルアップで繋げて「うっわ、すごい速い」と言い放った妹は、普段32kのエアーエッジでネットを楽しんでいる。
奴のすごいところはその環境で動画を見に行く事だと思う。



2006年12月09日(土)
ラブレター・フロム・××

明日公開らしい映画の関連で硫黄島絡みのドラマをやっていましたが、横から母にさらりと「おばあちゃん(私の祖母)の弟さん、この島から泳いで帰って来て生き延びたのよ」と知らされて驚きました。最早故人なので話を伺いようもありませんが、是非聞いてみたかったなあと思います。

子供の頃や学生時代、学校行事で被爆者とか戦争体験者の話を聞く機会は何度かあった気がするけど、当時大した興味もなかったが故に今となってはさっぱり内容を覚えていない。
今更ながら、勿体無いなあと思う。



2006年12月03日(日)
最後の一文は見なかった事にして下さい

地元駅前のドラッグストアで買い物をしました。思えばこの店は私が高校1年生当時、生まれて初めてのバイトをした店です。新人高校生バイトにいきなり時給850円出す世間知らずな店だったので(ちなみに当時の地元での高校生時給相場は良くてせいぜい780円ぐらいである)受験生になるまでお世話になりました。
レジ台の後ろ、特売チラシの横にバイト募集の告知が貼ってありました。
「アルバイト募集 時給800円」
……。
どうやらどっかで自分達の感覚のズレを修正したらしいが、これはこれで今時のアルバイターがこの時給に応募してくれるかどうかは疑問だ。


ところで刃霧おめでとう。



2006年12月02日(土)
単価8.25

商店街の片隅にある店で、300mlぐらいのボトル缶1ケース(24缶)198円という飲料に出会う。

品名はコーヒー入り炭酸飲料。

…何と言うか、天下のネスカフェがわざわざそんなもの作らんでもという気はする。