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ひとりごと。
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2006年08月31日(木)
文章書きたい症候群

…何と言うか、週が明けてからというもの、脈絡もなく、もんんんのすごっくひっっさしぶりに、妄想暴走キャンペーンに突入しています。
フィンアイはともかく(今更だ)、レヴィフュリだのベオラケだの今までは具体的な妄想対象に上がって来なかったカップリングまでがふつふつ踊っているのは何故だろう。

どこまで踊れたものかはわかりませんが、折角なのでしばらく踊って来ます。


しかしふとした疑問としては、私の日記を見ている人って突然劇場シリーズもいちいち読んでくれてたりするのだろうか。



2006年08月30日(水)
突然レヴィフュリ劇場(ついに)

 フュリーの朝は早い。
 あまり朝を得意としない彼女は、だからこそ人より早く床に就き人より早く起き出すのを心掛けている。ゆっくりと時間を掛けてベッドから抜け出し、身支度を整え、澄んだ空気の中を散歩してようやく意識が覚醒して来るといった具合だ。
 その後は愛馬の世話をしたり風を読んで今日の天候の予想を周囲に伝えたりと、する事は幾らでもある。
 最近はもう一つ、朝の仕事が増えてしまった。
「……もう…」
 今朝もまだ姿を見せないレヴィンの部屋の窓を見上げ、フュリーは城内に戻って行く。
 フュリーとは違い、レヴィンは朝の苦手な性質ではない。むしろ寝ている時間が勿体無いという人種で、子供の頃から寝ているフュリーの部屋に乱入しては叩き起こして遊びに付き合わせるという事をしていた(フュリーが朝寝坊の癖を付けずに済んだのはそのおかげとも言えるのだが)。
 それがたまたま先日、夜遊びの翌朝に寝過ごしてフュリーに起こされるという事態になった。
 その翌日から、フュリーは毎朝レヴィンの部屋を訪れる任務を追加されたのだ。
(…まったく、もう…)
 階段を上りながら小さな溜息をつく。
 それは気まぐれなレヴィンの、新しい遊びなのだろう。寝起きの悪い人間を起こすのはとても大変なのだと聞く事はあるが、その真似をしてフュリーを困らせるのが今の彼には楽しいらしい。
 それが本当に目覚められない人であればまだ優しい気持ちで訪ねられるだろう。
 だがしかし、レヴィンは明らかにフュリーをからかうのが目的なのだ。
「……レヴィン様」
 こんこん、と一応のノックを二つ。
 ドアを叩いてはみるけれど、やはり中からは「…ん――」という程度の言葉にならない声しか返って来ない。
 本当はとうに起きているくせに、外からの呼び掛けにはまともな返事をしようとしないのだ。
「…おはようございます、レヴィン様。そろそろお目覚め下さいませ」
 念のためもう一声掛けて様子を見るが、反応はない。毎朝の儀式を手順通り進め、フュリーはドアを開けた。
 部屋の鍵はシグルドから託されているけれど、今朝もこのドアには鍵がかかっていない。
(…お城の皆さんを疑うつもりはないけれど、万一の事があったらどうなさるおつもりなのかしら)
 寝る時は必ず鍵をかけて下さいと、もう何度もお願いしたというのに。
 果たしてレヴィンは、まだ寝床の中でぐずぐずと留まっていた。フュリーはまず窓を開け放って部屋に風を入れ、ベッドの脇でそっと声を掛ける。
「…レヴィン様、もう朝です。早くお目覚めになりませんと、皆さんとの朝食に間に合いませんよ」
「ああ、うん…」
「ほら、今朝も良いお天気です。風も心地良いでしょう」
「……ああ…」
 けれどまだレヴィンは布団を手放す様子がない。
 フュリーはもう一つ溜息をついた。
(一体レヴィン様は、何をお考えなのかしら)
 若草色の髪が陽の光に輝くのを見下ろしながら困惑する。
 周りの人達からは「甘えているだけなのだから放っておけ」と言われた。だがレヴィンに命令された以上、フュリーはレヴィンを起こしに来なければならない。
 それが自分の仕事なのだから。
「……レヴィン様」
 小さく呼ぶと、やっとレヴィンは片目を開けた。
 甘えているのでも構わない。いや、もしレヴィンが自分に甘えているのだとすれば、それは喜ぶべき事なのだ。
 吟遊詩人の風体でフュリーと再会したレヴィンは相変わらず飄々としていたが、それでも国を出てからの二年間、様々な苦労があった事だろう。
 もし今彼が誰かに甘えたいと思い、その相手に自分が選ばれたのなら喜んでもいいはずだ。
(…でも…)
 レヴィンの真意を量りかねるフュリーを見上げ、深緑の瞳は楽しそうに笑った。
「…ああフュリー、おはよう」
「おはようございます、レヴィン様。お目覚めになりましたか」
「いや、目覚めたいのは山々なんだがな。何故か目を開ける事が出来ないんだ」
 一度開いた片目をまた閉じ、レヴィンはにやりと笑う。まだレヴィンの『お遊び』が続く事を知って、フュリーはまた息をついた。
「…レヴィン様」
「どうやらオレは呪いをかけられたらしい。弱ったな、呪いが解けなければ目覚める事が出来ない」
「……御伽噺ですか」
 幼い頃読んだ絵本に、眠り続ける姫君の物語があった。
 それはレヴィンが殊更好んだ絵本でもあったのだが。
「そうだな、御伽噺に倣うなら、姫の呪いは王子の口付けで解けるに違いない」
「何を仰います。レヴィン様が王子様ではありませんか」
「そうか、ならばきっとオレの呪いは姫の口付けで解けるのだろう。そう思わないか、フュリー?」
「……はあ」
 曖昧にフュリーは答える。
 察するに今朝の『遊び』は、姫君のキスで幕を下ろすと言っているのだろう。その幕を用意するのがフュリーの仕事という事になる。
 だがしかし、レヴィンの望む「姫君」をどう用意すればいいのだろうか。
(…わからないわ)
 窓の外に見える陽の高さに目をやり、フュリーは時間を気に掛ける。
 シルヴィア辺りならこうした『遊び』にも気安く付き合ってくれそうだが、「姫」と言うからには踊り子では納得されないだろうか。確かに軍には王女の身分を持つ人も何人かいるし、レヴィンが望むのはその内の誰かだろうか。
 その「何人か」を思い浮かべながら、フュリーは考えた。
 けれどまさか、アイラ王女にこんな事を頼みに行く勇気はない。
 ラケシス姫は真面目で純情な方だから、そんな『遊び』には嫌悪感を示されるに違いない。
 ああでも、ひょっとしてエスリン王太子妃ならば、頬にお目覚めのキスをするくらいはお願い出来るだろうか――。
「……」
 そうして考える間も、レヴィンがこちらを窺っているのは伝わって来ていた。
「……わかりました。私、どなたかにお願いしてみま――」
「――待て待て待てっ! なんでそうなる…っ」
 フュリーが決心し、身を翻そうとした瞬間。
 手首をしっかりと掴まれ、フュリーは駆け出すのを妨害された。その力強さに振り返ると、レヴィンが身体半分起こした状態でこちらを見上げている。
 その真剣な瞳に戸惑いながら、フュリーはもう一度ベッドに向き直った。
「…あの」
「なんでそこでそうなるんだ、お前は!」
「いえ、あの…レヴィン様が、姫君の口付けでなければお目覚めにならないと…」
「……だから何故そこで『どなたかにお願い』なんだ!」
 レヴィンの声が荒くなる。掴まれた手に更に加わる力を感じ、フュリーはしばし黙った。
 自分は何かレヴィンを怒らせるような事をしてしまったのだろうか。
(……私の気が利かないから、レヴィン様はご不満なのかしら)
 そう思う間にもレヴィンは明らかな不機嫌顔でフュリーを睨み付け、大仰に溜息をついてみせる。
「……ああもう、わかった悪かった、起きればいいんだろう起きれば!」
「は…。あ、あの、その、申し訳ありませ…」
「…ああ、ふざけたオレが悪かった! ったく、そうも嫌がらなくたっていいだろう」
 台詞の後半の方は独り言のようになり、フュリーには上手く聞き取れなかった。
 ただぶつぶつと何事か口の中で呟きながらやっと寝床を離れようとするレヴィンが、確実に機嫌を損ねているのは明白だ。
 その原因の心当たりをこれと言って絞れず、フュリーはおろおろと立ち尽くす。立ち上がったレヴィンがフュリーの前を横切る瞬間、「…そんなにオレが嫌か」と低い声が聞こえたような気が、したの……だが。
(?)
 それでは文脈が繋がらない。
 恐らく何か別の言葉を、フュリーが聞き違えたのだろう。
「…あの、レヴィン様…」
 おずおずと声を掛けると、無言の視線で睨まれた。
「…何だ? お前の望む通り起きただろう、文句があるか」
「あ、いえ、……いえ、それは…」
 …わからない。
 その後フュリーは「明日からはもう来なくていいぞ」の台詞に主君の失望を悟り、数日は自己嫌悪で落ち込む羽目となる。
 その時は全く知らなかったのだ。
 レヴィンが生真面目なフュリーを散々困らせた挙句に何らかの戦果を強引にでも上げるつもりであった事など、鍵のかけ忘れに再度言及された時には「ならば夜お前がここに来てかければいい」と更にからかうつもりであった事など。
 その時のフュリーは全く、想像すらしていなかったのだ。



……生まれて初めて、「こういうレヴィフュリが見たい!」という超具体的な欲求が芽生えたので書いてみました。自分が読みたいものしか書かない私は、他の誰かが書いてくれるなら書かないという性質なので既存作品の豊富なレヴィフュリではなかなかそこまで必要に迫られません。
ひょっとしたらこの程度のネタは探せばどこかにあるのかもだけど、探す手間より書く手間を取ってしまいました。
割と満足。



2006年08月28日(月)
だっちゃ

世間の皆様はもうすっかりワールドカップの話題など過去のものになっているでしょうが、我が愚妹はドイツ代表に熱を上げっぱなしのままケーブルTVのスポーツチャンネルでドイツ国内リーグの試合まで追っかけ観戦してしまっているので、余波としてJリーグの選手よりバイエルンの選手の方が名前覚えてる人多いのではというノリの私です。
というか日本人サッカー選手の誰がJリーグに在籍しているのか(どこのチームかではない)わかりません。

しかし妹、カーンを様付けで呼ぶのはいいとして。
シュヴァインシュタイガーをシュバちゃんと呼ぶのもいいとして。
ポドルスキーをポドちゃんと言うのも流すから、ラームをラムちゃんと呼ぶのは何とかしてやれんものかと。
世代が世代なので、どうしても角生やして空飛んで電撃落として来そうなイメージなのですよ。



2006年08月27日(日)
明日はどっちだ

……ああもう、この人の事が大好きだ――!!
…と思う出来事がちらほら。

夜な夜な18禁二次創作を読み漁り、実生活では別段恋愛感情とは関わりのない愛を傍迷惑に滾らせる。
(相手が身近な実在の人物というだけで、腐女子がアレなカップリングに狂ったりオタクがメイドだのめがねっ娘だのに萌えたりするのと同次元の話だと思って頂ければ)
一体私の人生これで良いのだろうか。


……そして当事者にとって上記のたとえがそのおぞましさを倍増させるものに仕上がっているのはいかがなものだろうか。



2006年08月25日(金)
ちなみにレヴィフュリ

18禁小説読んで泣きました。
……や、うん、そういう事もあるですよ。

もちろん所謂「男性向け」という、読者に性的欲求の昇華材として提供する事を目的とした文章も世にはたくさん出回り、それはそれで確固とした存在意義を有するものだと思っておりますが。
アダルトだからってそればかりではない事もひとつ、そういうものに縁のない方がご覧になっていたらここらでひっそり主張しておこうかなと。やはり私自身の性別も含めた問題上あんまり性的欲求昇華用途の代物は需要がないので、読むものはどうしても「それ以外」の部分が重要視される事が多いですな。逆に「アダルト表現があるから」という理由だけで読むものをすっぱり制限したくないし。


しかし問題は、「アダルトものに全く縁のない人が今更ここの日記を見ているのか」という疑問だ。



2006年08月24日(木)
突然フィンアイ劇場(またか)

 そろそろか、と月の傾きを確認して思う。
 シャナンの添い寝から身体を起こし、黒髪を掻き上げて息を一つついた。
 夜番の交代の時刻が近いのだ。
「行って来るよ、シャナン」
 ぐっすりと寝入る甥の頭を撫でて、アイラは部屋を出た。
 野営をする時はもちろんの事、兵士達を城に収容する今もシグルドは夜の見張りを立てる。城には当然警備係の人員もいるのだが、それとは別に軍の兵士にも交代で夜番に立つよう手配しているのは少年軍師の進言によるものだ。
 それほどの人手を必要としない城での警戒をシグルドはアイラに免除しようとしたが、アイラ自身がそれを断った。
『いや、しかし女性に夜間の警備などさせる訳には…』
『公子は性別で兵士を分け隔てるおつもりか? 戦に身を置く以上は男も女もない』
『…だが君にはシャナンを守る役目もあるだろう』
『外敵から皆を守るのが夜番の目的であろう。それとも敵は内にいるとでも仰るか』
『…いや、そんな事は…』
『お気遣いは不要。私は一人の剣士として軍に身を預けている』
 …そう言い張ったのには、確かに多分な意地もある。
 もはや何の拠り所もない。この腕一本でシャナンを守って行くためには、性別や血筋に甘えている訳にはいかない。
 シグルドの他にも幾人か、心配をしてくれたり代わりを申し出てくれたりする声があったが、アイラは聞き入れる事はなかった。
 だがその間、何も言って来なかった者が少しだけ気になった。
(……)
 もちろん、何か言われるのを期待した訳ではないのだが。
 けれど日頃何かと寄って来る彼のこと、当然他の者のように「アイラ様がそんな事をなさらずとも」と食い付かれる覚悟はあった。その真剣な眼差しに時々気持ちを動かされてしまう事もあるアイラとしては、何を言われても動じまいぞと内心気を引き締めていたのだ。
 だからこそそんな時に限って彼が黙っているのは不思議だったし、ふと訪れた機会にはこちらから尋ねてしまっていた。
 すると彼は穏やかな瞳でこう答えたのだ。
『私が何と申し上げても、アイラ様は聞き届けて下さらないでしょう』
 …それが今度の「手」であるのかと勘繰ってしまったのは、他ならぬその寂しげな言い草にこそ固く誓ったはずの心が揺れかけたせいだ。
(…フィンめ)
 苦い気持ちを飲み下し、アイラはその槍騎士の名を胸に呟く。
 それはまだ十五だかの少年だ。まして屈強な体躯のひしめく軍においてはなおさら小さく細く見え、無邪気に笑う顔は年より幼くさえ映る。
 けれど何処で身に付けたものかそれとも持って生まれたものか、フィンは人の心を揺らす事にかけては巧みだ。むしろその幼さを意図して利用しているのではないかと訝しみたくもなる。
 たかが、…子供だ。
 何故こうも自分は彼の言葉にいちいち揺れるのだろう。
「――…」
 城の外に出ると、夜風がアイラの髪を軽く撫でた。
 携えた剣に手を掛け、息を一つ吐く。これまで夜番の間に何かことが起きたという話はないが、お役目はお役目だ。
 けれど努めてそう意識を向けながら、アイラの目はやはり暗闇の中に海の色をした髪を認める。
 ああ、またかと呆れと諦めの意を込めてアイラは口にした。
「……フィン」
「ああ、アイラ様。時刻通りですね」
 悪びれもせずに答えるフィンに、苦笑するしかない。
 確かにその都度時刻や場所の違う当番の前後を常に覚えている訳ではない。フィンもアイラと同程度の頻度で、夜番の仕事は受けているはずだ。
 けれどアイラの番の前がいつもフィンである訳はない。
「…何だ。また誰かと代わってやったのか」
「いえ、先程ここで番をしていた方に『お疲れ様です』と声を掛けたら、『もう交代か』と仰いまして」
「…何故否定しない」
「すぐに次の番の方がいらっしゃるかと思いましたから。それがアイラ様とは、奇遇ですね」
「……」
 それが決して偶然ではない事を、アイラが承知と判った上でフィンはそう言って来る。
 たとえば「当番の方の都合が悪かったようですから、私が代わりに」と。たとえばアイラが交代して程なく現れて、「寝付けなかったもので、気晴らしに散歩に」と。
 その都度律儀に手は変えて来るが、そうしてフィンはアイラの夜番の間、戻ろうとはしない。そしてアイラの次の当番が来よう直前に、すっと姿を消してしまうのだ。
 一体この少年には人目を避ける特殊な能力でも備わっているのだろうか。
「…オイフェから本を借りたのですが、この月夜に灯りを使うのは勿体無いかと思いまして」
 それが、今日の言い訳だった。
 アイラに場所を譲り、フィンは三歩離れた位置に腰を下ろす。取り出した本の頁を繰る姿は、一応「こちらの事はお気になさらず」と表してはいた。
 この件に関して、確かにフィンはアイラを止めはしなかった。
 止めはしないが、アイラに一人で立たせるつもりもないらしい。
「――…」
 それをわざわざこんなやり方で訴えて来るのだから、始末に困る。
 月明りの下で、フィンは静かに文字を辿っていた。それはまるでこちらに構わぬかのようだが、そのくせアイラが何か話しかければすぐに対応出来るのは知っている。
 現にアイラが「何の本だ」と独り言のように呟いただけで、フィンは顔を上げるよりも早く「戦術の指南書です」と答えていた。
「アイラ様もいかがですか。スサール卿から譲り受けた本だそうですが」
「…いや、私は書物は苦手だ。お前は勉強熱心だな」
「道楽ですよ」
「道楽ならもっと楽しめるものを読んだらどうだ」
「…いえ、折角時間を割いて読むのなら役に立つものをと……貧乏性ですね」
 くすりと笑う。
 不思議に思えた。こうして無理な手を使ってまで来るけれど、それでもフィンはアイラが去ねと命じれば恐らく従うはずだ。
 しかし自分はそうしない。少年の強情さに負けた振りをして、いつの間にかアイラは当然のようにこの時間を受け入れている。
 それは何故だろう。
「……眠くはないのか」
 答えは出ない。
 出ないから、アイラは意味もない会話を投げかけてフィンとの距離を繋ぐ。
「…はい、大丈夫です」
 少年は、出会った頃より少し低くなった声で紡いだ。
 静かな言葉。
「アイラ様のお側では胸が高鳴って、それどころではありませんから」
「――…」
 無邪気さを装う笑顔は、その力を自覚しているに違いないのだ。
 アイラは顔を背け、フィンの言葉に答える事を放棄する。会話が途切れるとまたフィンの指は、乾いた音を立てて本を繰り出す。
 月がその上からはらはらと光を降らしていた。
 ああ、まただとアイラは思う。
 時折聞こえる鈴の音が、揺れる心の内から響いているのに、気付いてはいた。
 …そう、気付いてはいたのだ。



2006年08月22日(火)
無利子

時々妹が好きです。

でも貸した5万円は返して貰うからな。

つーか6月に貸した時点で「ああまた忘れたりしないように日記にでも書いておかなくちゃ」と思いつつ書く事自体を忘れて早2ヶ月、さすがにこの金額になると私も忘れないようです。
しかし当初「8/20には返すから」とか言ってた気がするんだが。



2006年08月21日(月)
おしえてえろいひと(文字通り)

いわゆる「エロ本」って単価にしていくらくらいなんでしょうか。

「エロいおねーさん」でまかり通っておきながら(通ってたのか)、実は本だのビデオだのの類を一度も見た事のない私。
同人誌だのネット小説だのは色々見たんだけどもね。


ちなみにその後親切なえろいひとから速やかな教示メールを戴きました。「ありがとう! さすが!」とその時は謝意と敬意100%で返信したのですが、果たしてこの場合の「流石」が失礼に当たらないのかどうかは割と不明です。
その方曰く「ピンキリ」で、「安いのだと300円ぐらい、高いのだと1000〜2000はする」との事でしたが、はてさて。



2006年08月20日(日)
せくしゃりてぃ

カラオケに行って来たのですが。
しまった「オレンジ」も「チェリー」も聞いてない――!!
選曲が古いという突っ込みはなしです。

ちなみに帰り際男性と女性の違いがどうこうの話になり、
某1「まあつまりFITSさんを女性に含めるかどうかって事ですね」
某2「はあ?」
私「いやまあ、私が男性か女性かって質問なら大概は女性と回答されるでしょうが」
某1「往々にして男性の頭数に入っている事があるので」
……まあね。

尤も女と見なされない事に関してはその方が好都合な場合も多いと思っています。
や、女と見なされない事と男と見なされる事は必ずしも同義ではないでしょうが。



2006年08月19日(土)
まだ続くのかこのネタ

アントワネットからずるずると。
飢えに苦しむ民衆に対して
「穀物がないのならば肉粥を食べれば良いではないか」
と言ったのは西晋の二代目皇帝、恵帝だそうです。

ちなみにどっかで「中国の誇る愚帝」という名誉ある紹介のされ方をしていた。



2006年08月18日(金)
なれないだろとゆーのはさておき

自分で言うのも何ですが。
そして身近な人達が疑わしい目で見て来そうな気がしますが。
この三、四年で私は大分性格が丸くなったと思います。
多分。

ただ正直、根性悪い部分や穢い部分もきっちり握り締めたまま年を取りたいなーと思う。全く取り付く島のない悪党になる気もないが、優しくて清らかな善人にもなりたくない。

懐にはいつも毒を。
そんなキャッチフレーズで(どんな)。



2006年08月17日(木)
その後の女王様

とりあえず8/12の日記については周りの人達から「いや大丈夫知ってるよ」との反応を戴いて一安心。
ちなみにちょっと不安になってネットで調べてみたら、そもそもアレは反国王派のでっち上げであるとか別人の発言であるとか全く違う時期の別の話題に対しての台詞であるとか、ブリオッシュとは当時最高級の菓子パンであり女王は「平民達でもブリオッシュが食べられるぐらいの生活水準にしてやりなさい」という意味で言ったとか、彼女の故郷ではイーストが貴重品であり「パンが焼けなくてもお菓子ならイースト使わずに焼けるわよ」の意味だったとか、諸説色々発見出来てちょっと調べた程度ではどれを信じていいのかわかりませんでした。
まあ、昔のしかもえらいひとの言った事やましてそこに込められた本意など、今の私達が正確に捉えられようはずもないんですが。

そういや「おしえてえろいひと!」というネタは一体誰が最初に言い出したのだろう。



2006年08月15日(火)
いまのしごと

職場の女の子達が「黒人はファンデーションを塗るのか」で熱く議論しているのに参加出来ず、遠巻きに見守っていました。
若い女の子達と同じ職場で働けるのは大変結構なんですが、ちょっとコミュニケーションを取るのには労力が要りそうな雰囲気です。

というか、
「なんかたまに甲子園ってサイレン鳴って止まるよね(終戦記念日の黙祷の時間の事らしい)」とか
「うそ! かたつむりとナメクジって別物なの?」とか
「モバイルなんとかって初めて聞いた(モバイルナンバーポータビリティのこと。ちなみに彼女達の仕事内容には携帯電話の取り扱いが深く関わっています)」とか
私が会話に参加したら事あるごとに突っ込んでは話の腰を折る嫌な奴になりそうなので(かと言って全てを流していたら『女の子との会話』という本来至福であるはずの時間さえストレスになりそうなので)遠巻きにするしかないのです。

遠くに在りて愛でる分にはバカな女の子って可愛いと思います。



2006年08月14日(月)
行き着くのが「殺人臭」ならあながち間違ってないかも

某商業誌漫画で
「香水はね、トップノート・ミドルノート・ラストノートって変わるのよ」
「そして最後は名前を書かれると死ぬ例のアレになる訳だな」
「違うよ!」
というネタが割とツボに来たのですが、確か出版社違うけど大丈夫なんでしょうか。

もっとも私はサンデー連載「かってに改蔵」のマシンガンのように炸裂するジャンプネタが好きでした。
一部のオタクには大人気だったなあ、あの漫画。



2006年08月12日(土)
ちなみにブリオッシュというお菓子らしいよ

朝大分遅い時間に起きて、一人でふらふらと台所を漁っていたら母に「もらって来たケーキがあるよ」と言われる。
「や…でもそれより朝ごはん…」
「あ、パン切らしてるよ」
「え。そうなの?」
「だから代わりにケーキ」
「マリーアントワネットですか」
「なにそれ?」
……。
あの、かの王女様が「パンを寄越せ!」と叫んで立ち上がった民衆達に「パンがなければお菓子を食べればいいのに」とのたまった台詞は誰にでも通じるぐらい有名だと思っていたのは私だけですか。
正直、母の知らない事を彼女に理解してもらえるよう説明するのは大変な労力が必要なので、「いやごめん何でもないです」とあっさり退散してしまいました。

…あの、皆さんご存知ですよね?



2006年08月06日(日)
ボクサーなら減量とか

某男友達からメール。
「夏バテで体重が50キロを切りましたどうしよう」
「私は48キロと47キロの男性を知ってるからまだ大丈夫です」
何が大丈夫なのか。

昨日の夜は知人の男性三人と夕飯をご一緒し、私以外の三人が口を揃えて「ダイエットしなきゃ」と語っていました。……いや、今時ダイエットが女性の専売特許でない事は知っているけれども、その話題に全く乗れない紅一点ってどうよ。
反面、前述の通りむしろ「つーかもっと太りなさい」と突っ込まずにおれない知人も身近にちらほらいたりして、どうにも両極端です。少し分けてあげられたら双方幸せなのにね。

しかしそれが女の子なら「そんなダイエットなんてする必要なんてないって(だって二の腕の柔らかさとかあまつさえバストのサイズが失われてしまったりしたらそちらの方がいかんではないですか私の好みの問題で)!」と必死で直訴する(が大抵聞き届けられない)私ですが、男性の話題には割とスルーです。
…や、正直男が痩せてようが太ってようが私の知ったこっちゃないんで(笑)。



2006年08月03日(木)
黒木瞳も松嶋菜々子も永作博美も矢口真里もMEGUMIも(略)

仕事でたまに使うソフト、久し振りに使おうとしたら自分で決めたパスワードを忘れて開けなくなる。
先輩に助けを求めてヒント機能から再設定出来るようにしてもらう。ほら、パスワード忘れた時のために登録しておく、「好きな芸能人」「好きな食べ物」とかの情報ですよ。
しかし絶対不変の「好き」情報に乏しい私はそれすら忘れている可能性があるため、そういった設定が必要な時には極力時間の流れで変化しようのない設問を選ぶようにしています。「卒業した小学校の名前」とか「母親の旧姓」とかなら常に回答は一つだから安心。
さて何だっけ。

「卒業した小学校の名前」
「応援しているスポーツチーム」
「好きな芸能人」

……誰…?
つーかスポーツチームもあんまり自信がないです。多分あそこかなあとは思うけれども、チーム名は漢字で登録したっけ片仮名の方だっけという具合で。
そして私の好きな芸能人。…誰。


結局「上戸彩」で正解だったのですが、登録当時の私、本当にそれでいいのか…? しかし今日も一番最初に思い付いた名前だったのでやはり私は今上戸が一番好きなのか…?
謎が謎を呼ぶ。