股・戯れ言


BBS

酒田24アワーパーティーピープル〜ドライビング・ノース出張ツアーズその4

> イアン・ブラウンのステージにローゼズのメンバーが(BARKS)
>
> イアン・ブラウンのステージに、ストーン・ローゼズの元バンドメイトで
>現在プライマル・スクリームのベーシストとして活躍するマニが参加し、
>2人でローゼズの曲をパフォーマンスした。これは3月24日(木)に
>行なわれたブラウンの<King Monkey's>UKツアー、ブラックプール公演で
>の出来事。つかの間のローゼズ再結成に観客は大喜びした。
>
> NME.comによると、ブラウンは90分のソロ・パフォーマンスの最後に
>「拍手でマニを迎えよう。みんな、マニだ」と叫び、彼を紹介。その後、
>2人はローゼズのヒット曲「I Wanna Be Adored」をパフォーマンスしショウを締めくくったという。
>ブラウンはこの夜、ソロ・パフォーマンスの際にもローゼズの曲を披露して
>いるが、ローゼズのバンドメイトとのパフォーマンスに観客の熱狂振りはひ
>としおだったようだ。
>


アイワナビーアドーゥーオーォーをやったのかよ!
見たかった!
むしろサマソニ、イアンとマニが一緒に出るなら行くってば!(まだどうしてもサマソニには素直に行く気になれない)
ちなみに、こんなニュースも。

> ザ・ハッピー・マンデーズ、イースター公演に続いて夏フェスに出演が決定!(NME/VIBE)
>
> ザ・ハッピー・マンデーズおよびザ・ファームが、3月27日の早朝に2夜にわたって開催されたスペシャル・イースター公演を終了した。
>ロンドンのブリクストン・アカデミーで行なわれたこのライヴ・イベント
>「48 Hour Party People」を大成功のうちに終えた彼らだが、
>続いてこの夏開催されるフェスティバル「Get Loaded In The Park」にも
>出演が決定したという。
>

ハピマンもこの勢いに乗じて日本のフェスに来てくれー
たーのーむー
サマソニでいいから!(ああ、今年のサマソニはUK色だ、ホントに)
ついでにインスパが物凄く見たい今日この頃。さすがにインスパは無理か。
てか今なにやってんだろう。


というわけで、再び東北出張シリーズ。酒田編でございます。


2日目夜

酒田でまにさんと一年半ぶりに再会。
おお、今日の枕話がローゼスのマニの話だったことと見事に符合したな。
まにさんは私の人生で出会った人の中でも指折りのリアル版レコスケで、指折りのマンヨッパニストな方だ。
私もイアンばりに「拍手でまにを迎えよう。みんな、まにだ」と紹介したいくらいのナイスガイです。
まにさんといえば大瀧詠一やスタカンやパブロック、そいからアシッドジャズ(!)というイメージだったんだが、久々に会ったまにさんが
「今、一番聴きまくっているのはサンボマスター」
と言った時は度肝を抜かれました。NRBQとサンボマスターしかほとんど聴いていないという具合。
サンボマスターはホントに世の男性の心を鷲掴みなんだなぁ。いや、男性って言い方は適切じゃない。言い直そう。
サンボマスターは世の男子心を鷲掴みなんだなぁ。
乙女心の正反対の言葉が思い浮かばないので男子心と言っておく。もっと正確な言葉は「童貞心」だろうけども。(ああ、処女っておとめとも言うからそっちのほうがドンピシャだなホント)
まにさん曰く「もうね、声がバービーボーイズなのよ!」とのこと。そう言われるとコンタの声に聞こえなくもない。あと「〜ですか皆さん!」という語りがたまらんらしい。

そして夕食は「だるま寿司」というすし屋へ。
「酒田はなんといっても魚だからね!」というわけで、次々におすすめを出してもらったんだが

ほんとに美味い!

あまりの美味さにビックリした!
私は断然白身魚好きなんだけど、どの白身魚も美味しくて美味しくてしょーがない。海の幸マンセー。海老を炭火焼で丸ごと食べたのがたまらんかった。
そして筍や豚の角煮も出るという素晴らしいすし屋でした。
角煮がまたやわらか。
あ、もちろん飲みましたよ。
ここで飲んだ地酒は「杉勇」という銘柄のものでした。昼間に立ち寄った遊佐のお酒だそうだ。
杉勇という字面から超辛口の男の酒!東北男児の生き様!みたいなものを想像していたのだが(ラベルの字なんか髭文字だったし)、これが意外にも濃厚でも淡麗でもなく飲みやすい。スマートな印象すら受ける。やや辛口ですが。
熱燗にすると東北男児ぶりを発揮したりするのかもしれん。熱燗だと私の想像通りの胸毛(繰り返すがラベルの髭文字からの連想)な酒になったりして。こんだけ飲みやすいとそうでもないかもしれんが。
まあ、飲んだり食ったりもさることながら、まにさん・サダエさんとの会話も楽しかったです。ほんっと久々だっただけに!
お土産として、北上で買った藤村さんのところの「タクシードライバー」を渡したら「ああ!気になってたんだよね!」と喜んでもらう。さすがはまにさん、映画秘宝読者だわ。
そのタクシードライバーをそのままだるま寿司で冷やしてもらう。なんて粋なすし屋なのだろう。主人のアツシさんはプロレスの話にも精通していて、プロレス話もひとしきりした。アツシさんはノア好きだというから全日系であったが、まにさんは新日系なので微妙に違っていたが。それでもW★INGの話とかを結構したような記憶が。
そして味わったタクシードライバーは・・・これこそ濃厚でマッチョな純日本酒でしたよ。こちらのほうが東北男児という具合。熱燗にしたら香りがとてもよいらしい。
だるま寿司の自家製日本酒もいただきました。寿司だけでなく日本酒も旨いなんて、ほんと日本海一男前なすし屋ですよだるま寿司は。
酒田に行ったら是非是非。


すし屋を出た後はトゥモローというショットバーへ。
私は酒飲みではありますが、「おとなのお酒の飲み方」はできないのでショットバーに行くこと自体珍しい。そしてカクテルを飲むなんて機会もほとんどなかったので何を頼んでよいのかオロオロ。
まにさん(すでにヨッパ)が「オリジナルカクテルを作ってもらえばいいんだよ」と言うので、作っていただきました。
水色というか青のカクテル。
ああ、私は青っつうか紺ばかり身に着けているだけあって、青というイメージで作ってもらえたんだなー。ありがたや。そしてシャリシャリしてうまい。
まにさんはすし屋の後半から絶好調だったが、ここにきてさらに盛り上がって声がでかくなっていた。私も声がでかいが、勝てねえ。ヨッパとは声がでかくなることなのかもしれん。周りは迷惑かもしれないが。
カクテルを2杯ほど飲んだところで、なんだか疲れてしまったのでこの夜は終了。
なかなか渋い店だったので長居したかったんだが。今度酒田行った時はもっとこの店で飲みたいなー。

なんにせよまにさんは酒田ではホントに顔が広いなと思った。
ゆるぎなきローカルネットワーク。毎日飲んでるようだったが、すばらしいよ、いやまったく。
まにさんこそ24時間パーティ(=飲み)ピープル!おマンチェ!酒田のベズ!(背の高さとか)

そろそろ生理痛がしんどくなってきたので続きの鶴岡編はまた明日。
2005年03月30日(水)

ユーズ・遊佐・イリュージョン〜ドライビング・ノース出張ツアーズその3

昨日、足をくじいたのですが、家に帰ってよくみたらくるぶしがボッコリ腫れていたのだった。
やっべーなー、左足首は昔骨折したことがあって、次に折ってたら「ボルトを入れる」と言われたんだよなー20年くらい前の話だけど。
しかも20年前に骨折したのは、たんに角を曲がっただけなのになぜか複雑骨折をしたのだった。いまだに「なぜ、角を曲がっただけで・・・!?」と思う。
その後、中学生の時に
「電源コードに足を引っかけて、こける時になぜかとっさに右手の親指で全身を支えようとして骨折」
という骨折を経験したんだった。超人のつもりだったのかと。
ああ骨折。でも小学校高学年〜高校生の時の憧れは「骨折で入院すること」だったんだけどな。今はダメだ、骨折してる場合じゃない。
なぜならば・・・

その前に東北出張・遊佐編

2日目昼

秋田から新潟行きの特急「いなほ」に乗る。
日本海沿いの線路を走る列車に感動。12月のいわき→水沢移動時には太平洋沿いを走ったので両沿岸を制したことに軽く満足感を覚える。
覚えている内に知らぬ間に寝る。午前中の作業で疲れたらしい。
パッと目が覚めたら目的地の駅だった。上着もろくに着ないまま慌てて降りる。荷物も袋3つなので大変だ。

降りた駅は「遊佐」という駅でございました。
AVサイト「エヴィサン」の管理人兼ニート・遠藤遊佐嬢と同名の駅でございます。酒田に行くにはちょっと時間が余ってるし、どうしようかなと思いながら路線図を見たらこの「遊佐」という名前が目について、どうしても降りざるをえませんでした。
ネタのためだけですよ、ここで降りたのは。
って、まあ、ネタのためだけってわけでもなく、温泉があるらしく、こんだけ東北を回るのであれば温泉にも入りたかったと思っていたわけです。
しかも遊佐には「あぽん西浜」という町営温泉があって、これまた遠藤さんゆかりの2ちゃんねる用語「あぼーん」を彷彿とさせるのでちょうどよかったのでした。

遊佐駅からタクシーに乗ってあぽん西浜へ。
平日の午後だったからだろうか、老人がとてつもなく多い。雨が降っていたんだが、内風呂にあまりに老人が溢れかえっていたので露天風呂に入る。
当然濡れる。半端なく濡れる。
まあ、あとで頭洗えばいいや、と思ってたらおばあさんがあたまにビニール袋を巻いたまま露天風呂に入ってきたのでびっくりした。顔の部分だけちゃんとビニールから出るように工夫してあンの。やるなぁ。
内風呂に移って風呂に浸かってたんだが、やっぱり老人がいっぱい入ってきたので退散。
あれなんだろうか、福祉の一環で老人は温泉タダとかそういうのがあるんだろうか。
お湯は茶色だけど透明でよかったです。作業で腰を痛めていたのでよかった。
しかし湯上がりにサロンパス(秋田で購入)を貼ったらじんじん痺れた。
そして臭い。サロンパス臭い。
まあ脱衣所全体が湿布の匂いでイッパイでしたが。

温泉を出てさあ酒田に行くか、と決める。
行きは遊佐からタクシーで来たが、帰りは徒歩で吹浦という駅に出られるらしい。これは歩いていくしかないだろう。
しかし外はあいにくの雨。
しかもタクシーで来たので傘を持っていないという有様。
受付の人に忘れ物の傘を譲って貰う。心底ありがたい。
そんな感じで温泉を後にしたのだが、徒歩とはいえども徒歩15分である。遠い。荷物は重い。雨は降っている。まさに悪条件である。
教えられたとおりに道をすすんでいくと日本海が見えてきた。
ああ!日本海!
11月にいわき作業に行った際は太平洋を見てぼんやりした。寝図美よこれが太平洋だと思ったりした。というわけでこれは是非とも日本海も制したい。そして2つの海を制したってだけで軽く満足感を覚えたい!なんの自慢にもならんけど!

・・・と思ったが、日本海側に歩いていくことはやめた。
なんつっても雨強すぎ。海に流れ込んでいる川の水面も大荒れなのだから、海の荒れ方はハンパないことだろう。そもそも川だって柵がいい加減な感じでしか建っていないのだから、海は本当にキケンである。
雨が強いのだから当然人影もない。
ぶっちゃけ、私は海が怖いのである。
海って何がいるかわからないのでこわくね?って誰に対する問いかけかは知らないが。ほんとに何が沈んでいるのかわからないのが怖くてしょうがない。
いわきの漁港に行った時も海こえーと思ったが人影があったのまだ耐えられただけだ。人がいなかったら行ってないわ。
そもそもいわきの漁港は「海で遭難した人のための記念碑」が建っていて、もう、それを見ただけで足がすくんだほどである。そして近くの海水浴場は何年か前に閉鎖されていた。閉鎖されていたのを知らなくて釣りの人にまじってそこに行ったけど、閉鎖の看板を見ていたら行っていなかったことだろう。
そんなわけで日本海もこわかったー。
川の防波堤から日本海を臨むと、岩に鳥居のようなものが建っているのが見える。もうそれだけでダメ。こわいよーホントこわいよー。人が一緒なら平気だが、さすがにひとりでは無理だ。
しかもその岩のあたりに何があるのかをうっすら知っていたのでさらに足が進むわけがなかった。







これを薄暗い雨の中ひとりで見に行く勇気はないのです。
海難事故で亡くなった漁師の霊を鎮めるために明治元年に作られた貴重なものではあるらしいが・・・神様、ゆるしてくれ。大目に見てくれ。
「十六羅漢」という言葉だけ聞いて、とっさにパタリロ西遊記を思い出し、盤古羅漢(バンコラン)とか飛雄糸(ヒューイット)とかがいるんだわ!と当初は喜んでいたんだが。ヘタレだったわ俺。度胸試しとかできなかったわ。
そそくさと逃げるように駅へ。

その後順調に酒田へ。
余談だが遊佐の駅も吹浦の駅も駅員が女性でした。そして羽越本線の車掌さんも若い女性だった。
俺もJR東日本で働きたいと思うことしきり。

なんだかんだで酒田着。
ほどなくしてまにさんが迎えにきてくださった。
まにさんと会うのはこの酒田訪問以来だなぁ。ざっと一年半ぶりか。
会って早々、あまりの荷物の多さに「家出?」ときかれる。
まあ、そんなもんだ。


眠くなったので酒田編は次回に。(ひっぱるなぁ、酒田)



ちなみになんで骨折している場合じゃないのかというと、の続きは

「今週末、沖縄出張だから」

なのです。
初の沖縄上陸ですよ!今までさんざん東北ばかり行ってたのに今度は沖縄!しかも南国!でもどこに行って良いのかサッパリわからん、という具合。
今のところ沖縄での楽しみは「デューティーフリーでの化粧品購入」くらいしか浮かばないんだけど、どこに行けばいいのでしょうか。
沖縄でオススメの場所なんかがありましたら是非ご一報を。
メールは8thekey@infoseek.jpでござんます。
2005年03月29日(火)

タイム・秋田ータイム〜ドライビング・ノース出張ツアーズその2


わたくしの永遠の想い人であるクリス・コーネル様。
そのコーネル様のオーディオスレイブがニューアルバムと共に世界ツアーを行うそうだ。

>北米ツアーの後、バンドはヨーロッパに飛んで、
>5月下旬〜7月初旬にかけて、スペイン、ドイツ、イングランド、
>スウェーデン、オランダで、フェスティバルに出演したり、
>アリーナ公演を行ったりする。

フェスティバル回るのか!
だったら是非とも、是非とも日本にきていただきたいのです。
公式サイトにも飛んでみたが7月終わりまではツアー日程書いてなかったけども、数日後には更新されていることを望んでおりますとも、フジロック参戦が。

あと、髭属性のわたくしとしましては、こちらの方のライブに行くつもりでおりますとも。
うわーいい男だなー

俺は絶対!ヒゲ好きニシャンだと改めて思った。


そんなわけで東北出張、第二の都市秋田編

1日目夜

夕方に秋田着。
一度目の秋田は「情緒が欲しいから」とかいう理由で小さな街角旅館に泊まったのだけれど、二度目の今回はかなり町中に宿泊。
なぜかというと、今回の出張は実は単独行動ではなくうちの会社の営業が来てたから。ついでにいうとお客さんも来てたから。
今まで、ほとんどの出張を単独でやってきた私にとっては、他の人間と一緒に行動しなければならないのはかなりの苦痛であった。いや、お客さんは東京で何度も顔を合わせている人だからいいのだ。
問題はうちの営業である。
こいつが、うちの会社のほかの人誰にきいてもすこぶる評判が悪い奴なのだ。
かくいう私も、年末のいわき→水沢→山形出張時にこいつに迷惑をかけられた経験があった。(ここ参照
見た目はちいせえオッサンなんだが、なんというか話し方がやたらハキハキしていていちいち癇に障る。余計なことしか言わないし、とっさの判断が間違いすぎだし、最終的にどうにかなったものをさも自分の手柄のように話すのだ。
要するに出しゃばりなのである。出しゃばりでバカ。あーなんでこいつ秋田まできてんだよ、こなくていいよっていったのに。
といっても来てしまったのでしょうがない。
しかし、ホテルのロビー(幸いにも別のホテルであった)にまで迎えに来たり、あらかじめ「いろいろ調べておきましたから」とお客さんに付け焼き刃の知識をひけらかしたりする姿には心底いらついた。
何かにつけて「インターネットで調べたんですよ」を連発するあたりなんか、一時期の橋田壽賀子かと思った。のちに酔いが回ってきて自分から言っていたが、「インターネットでですね、2ちゃんねるのまちBBSを隈無く見るんですよぉ」だってよ。俺、そんなん利用したことねえよ!
また、同席したお客さんがかなりの酒好きで、ワインが趣味らしくワインの話をいろいろ聞いていたら、「是非ともそのワインの話をインターネットで流すべきですよぉ」なんてアドバイスしてやんの。
うるせえよホント。お客さんも苦笑ですよ。
もうすでにやってるかもしれねえだろうがよ。
そんで、私にも
「出張をそんなにしてるんだったら、インターネットで公表すべきですよ」
とか言ってきやがった。
ホントにうるせえ。
もうすでにやってるんだってばよ。
しかもそんだけベラベラ話していろいろ頼むくせにほとんどメシも食わないわ酒も飲まないわで(遠慮しているのではなく単に弱いだけ)、私とお客さんはどんだけきりたんぽ鍋を食べさせられたことか。うまかったけど。
しかしこいつの異常なほどいい格好しぃなところを利用して、
刈穂大吟醸
新政純米酒
飛良泉純米酒
高清水本醸造原酒
などを次々に飲むことが出来た。
それだけは感謝しておこう、タダだったし。刈穂の大吟醸は大変淡麗でさっぱりしていて美味でした。

で、店を出たところで営業はヘロヘロだったんだが、お客さん(ホントに酒好き)が「まだ早いからもう一軒行きましょう」と言ったので行く。
さすがに二軒目に関してはリサーチしていなかったらしく、バカ営業は「この店どうですか?」とチェーン店のようなところを言ってきた時はビックリした。「いや、カウンターの店とか行きましょうよ」と言って、ちょっと古い飲み屋へ。
おばちゃんがひとりでやってる店で、変わった日本酒お願いします、と頼んだところ、由利正宗の古酒と縄文能代を出してもらう。
由利正宗の古酒は、ほんとに変わったコク。口に含むと濃厚なんだが、飲み口はむしろ淡麗。口当たりで好き嫌いが分かれるような気もするが。そして縄文能代!これは前に本で読んだことがあって、香りもいいし軽いしいわゆるワインのような日本酒かと。秋田で飲んだ日本酒の中ではこれが一番気に入りました。

そんな感じにハタハタの薫製や比内鶏食べたりして終了。
しかしお客さんはホテルに戻った後も飲みに行ってしまったらしい。

2日目
朝から作業。
お客さんは具合悪そうだった。当然か。
私はあそこで止めておいてよかったと心から思う。作業の方は、一部トラブルがありながらもなんとか終了。
バカ営業がさっさと帰るというので心から感謝する。
といっても私も12時49分の新潟行き特急いなほに乗らないと酒田には行けないので、自由になる時間は1時間弱。お客さんもまた、飛行機の時間のために秋田で自由になる時間は2,30分であった。
というわけで前日、おばちゃんの店で教えてもらった秋田地酒が買える店に行って地酒購入。お客さんも私も選んだのは飛良泉の新酒であった。今思えば縄文能代買えばよかった気もするんだが、新酒のほうが「現地でしか買えない感」がある気がしたので。
そこでお客さんとはお別れ。特急まではあと50分。さあ、どうするか・・・
迷うことなく駅前の市場へ。
ここの「市場いちばん寿司」という回転寿司が忘れられなかったのです。
前回の秋田出張時にタクシーの運転手、市場の魚屋の人に「絶対うまいから」と強力推薦されて訪れていたんだが、ほんっっとに安くてうまいのです。
とくに牡蠣の軍艦巻が!
ああ、ほんとに絶品。鮮度もバツグン。
それが二貫で230円ですから。
しかし時間が殆どなかったので牡蠣やすじこやヒラメなどをぱっぱと食ってすぐに退散。ああ、時間がなかったのが本当にくやしい。
しかも時間がないうえに、会社の子に「きりたんぽを買ってきてくれ」と言われたことを思い出す。
電車が出るまでほとんど時間がないのに急いでクール宅急便のきりたんぽを注文して郵送。そして駅のコインロッカーに預けていた荷物を取る。
ギャー!鍵どこに入れたかわかんねー!
あわてふためくうちに発車の時間が迫る。
ほんとに乗り逃しはできないのだ。なぜならばこれに乗り遅れたら次に出るのは14時50分くらいだから!
出ーーーたーーー!(浅草キッド調)
必殺!2時間に1本の田舎電車!
しかも各駅!
何時間かかるんだよ!そんなわけには行くまい。

というわけで大荷物を持ちながらホームまで駆け下りて、バタバタ走ってなんとか乗車。
発車の1分前であった。
向こうのホームからは青森行きの特急が発車していた。
ああ、秋田からは青森も行けたんだなぁ。「青森に縁がねぇぜ!行こうと思っても行けやしない」とか思ってたが、東京→秋田→青森→北上→仙台というルートもアリだったんだな。
まあ、この後は酒田に行くんだが。
今度の秋田出張時は青森に行くことにしよう。

ちなみにこの秋田滞在中泊まっていたホテルの地下がライブハウスでございました。泊まった当日はニコチンのライブがあったらしい。どうりでその日、7SECONDSのTシャツを着ていた俺はジロジロ見られたわけだ。
ホテルのロビーにミチロウが表紙のチラシが置いてあったりして、変わったホテルだなとばかり思っておりました。でも惑星やPE'Z、ゴーイングアンダーグラウンド、銀杏BOYSなんかも来てるとこらしい。
興味があるアーティストがぶつかってたら見に行ってたんだがな。バカ営業と飲みに行くよりはるかにいいでしょうそのほうが。


そんなわけで、次の滞在先、酒田編に続く。

いや、酒田に行く前に寄り道をした「遊佐」編に続く。
2005年03月24日(木)

セカンド北上ング〜ドライビング・ノース出張ツアーズその1

しかしまー、相変わらず出会い系メールは多いですな。
私もいちおうメンヘル人間ではないので、出会い系で送られてきたメールを「んもう!私にこんな誘惑メールを送ってくるなんて!」とか真に受けるようなことはないのですが、最近PCのほうに送られてくる出会い系メールがすべて
「東京ラブストーリー」
というサイトからなのはさすがに疑問です。「カンチ、セックスしよ!」効果は21世紀も有効なのか。まあ出会い系=セックスなのでドンピシャではあるわけだが。それともあれか、バブル期に柴門ふみの洗礼を受けた世代をターゲットにした出会い系サイトなのか。(そうすると俺は微妙に世代が違うんだが)
そういえばもう3年以上前の話だけど、台湾では東京ラブストーリー吹き替え版やってたっけ。柴門ふみは未だ安泰だ。もう恋愛のカリスマは北川悦吏子に取って代わられたとばかり思ってたけど、アジア方面があったしな。
ああ、今じゃもう北川も古いか。次は誰だ?yoshi?

余談だが、愛知万博における記念塔(太陽の塔みたいなやつ)をデザインしているのがフミヤートだと聞いて反吐が出ました。

つうわけで東北5日間の旅日記。

今回の東北は出張だったのです。
出張目的地は秋田。この日記ではすっかり書き忘れているのだが、実は11月のはじめにも秋田に出張行ってました。というわけで4ヶ月ぶりの秋田なのです。いやあ、まさか半年もしないうちに秋田に二度も行くことになるとは。
ちなみに前回の秋田出張時は作業終了後、新幹線で仙台に行ったのだった。(行きは飛行機だったのです)
その時に秋田は案外遠くないんだな、ということが判明していたのでこれはもう、東北行けるだけいってまえと決意したのでした。
というわけで仕事2日間に3日間(振休含む)をくっつけて5日間。
海外旅行ばりですよホント。むしろ海外行けよと。って仕事も含まれるのだから行けるわけがないんだが。
ちなみに回る順は北上→秋田→酒田→山形→仙台。酒盛り、宿泊は1日1都市まで!どんだけ疲労するつもりなのだ俺は。

1日目
朝早くの新幹線に乗り込み、最初の目的地・北上へ。
秋田入りするのは夕方でいいとのことなので、その前に電氣菩薩でおなじみの喜久盛社長・藤村さんに会うことにしたのです。
北上に来るのも今年2度目である。2ヶ月半ぶりの北上は、未だに路上に雪が残っておりました。っても1月に比べればだいぶ減ってはいたのだけれど。
焼肉ヤマトの駐車場で藤村さんと落ち合う。車から降りてきた藤村さんはスーツ姿で片手には酒瓶。さすが酒蔵の社長である。
一方俺は、まだ出張一日目なのにかばんが2コ。家出してきたかのようだ。
さっそくヤマトで昼飯。ホントならば、北上にも一泊して酒を飲みたかったところなのだが、つーかこの数日後に北上で「わっかビールと喜久盛飲み放題まつり」が開催されるということだったが、スケジュールの関係上泣く泣く断念。でも昼から冷麺やレバ刺しを食いながらわっかビールを呑んだりしたのだからまあいいとしよう。てか夕方から大丈夫なのか、俺。
この際に藤村さんがくれたおみやげがすんばらしい。
なんと、今度喜久盛から発売される赤犬の純米酒「赤犬大艶会」のサンプルをくれたのでした。ああ、ありがたや。さっそくヤマト内で呑みましたわ、思いっきり持ち込みだけど。常温だったが、むしろ常温向けの濃厚なお酒でした。
ヤマトの冷麺も相変わらず美味。昼からそんな感じでうまいものに囲まれつつ、いろいろな話で盛り上がる。それにしても藤村さんとはしょっちゅう会ってる気がするな、ものすごく離れたところに住んでいるハズなんだが。お互い長距離の移動が多いからか?
この食事の際にきいた、愛知の「義侠」というお酒の話がおもしろかった。飲んでみたいなぁ、そして「ふたつの山田を守る会」も気になるところである。リンク先なんもねえし。
あとここに載っている社長の講演がすごい。とんでもない強気ぶりだ。
「アメリカでもそうだが蒸留酒でアル中になった人の肌はがさがさだが、日本酒でアル中になった人の肌はつるつるだ。」って言い切ってるし。これはホントなのか?

なんだかんだと盛り上がって結局昼飯なのに1時間半くらいヤマトに滞在。
この後、お仕事のある藤村さんとはお別れし、駅前の物産店へ。
喜久盛のお酒は毎回ココで買うのです。今回の北上訪問の目的は「清酒 タクシードライバー」を購入することだったのです。先月の映画秘宝に広告が載ってましたが、通販のみという話だったんだけど北上ではちゃんと売ってるのですよ。
タクシードライバーを眺めて感慨に耽っていたところ、店員のおばちゃんが来て
「それはねぇ、とっても強いお酒なんですよぉ。変わってるんけどねぇ」
と話しかけられたので、
「ああ、社長さんと友達なんで知ってますよ」と答えたら
「ああら、あの坊ちゃん?がんばってるんだねぇ」とまるで親戚のように藤村さんのことを話していたのだった。そこから藤村さんのお父さん、おじいさんの話までしていた。
すごいな、有名人だな。セレブだわ。

ここで購入したタクシードライバーは数日後に再び登場。

僅かな時間であったが、北上を後にして秋田に向けて出発。
北上から新幹線で盛岡に出て、そこからこまちで秋田に行こうと思ってたのだがちょうど東北本線盛岡行きがきたのでそれに乗って盛岡に行くことにする。
だいたい1時間くらいか。
こまちは1時間に一本なので、ちょうど盛岡着いた1時間後に発車らしい。
時間が微妙に余ったので、予想外にも盛岡下車。ああ、そういえば盛岡で降りるのは久々だ。どれくらいぶりかというとたぶん、この出張以来なので軽く1年4ヶ月ぶりですよ。しかもこの出張、前の部署の時のことだしな。なつかしーなー。これ以前は年に2回くらい盛岡行ってたんだけどな、スノボのために。
久々に降り立った盛岡で一番驚いたのはフェザン(駅ビル)地下おみやげ街がリニューアルされていたこと。フェザン(アルファベット表記だとなぜかFES”AN。Sに濁点て)自体も中身の店が大分変わっていたな。
本当はじゃじゃ麺でも食いたかったところだが、先ほど冷麺を食ったばかりだったのでそんな余裕はなかった。あと、私の以前行ったことのあるじゃじゃ麺屋はダイエーの近くだったしな。

そんなわけでマツキヨでうだうだ買い物したり(女子ですから)した後、こまちに乗り込んで秋田に向かったのだった。
しかし、こまちって秋田盛岡間は自由席アリだったのかよ。知らなかったので損をしたわ。


秋田編に続く





2005年03月23日(水)

玉姫様も大縣様(notオーケン)もご乱心〜東海出張二日目

本日の昼に偶然「徹子の部屋」を見たら、ゲストがからくりテレビのボビーでした。
徹子の許容範囲も変わったなぁ。
私はからくりを見てないので、ボビーのおもしろさはわからなかったのだが(一緒に見ていた母は「ボビーはほんっと面白い!」と太鼓判だったが)、
「ボビーさんは広尾のレストランでバイトしてたのよね」と徹子が言うと
「してねぇよ」
と返すのが最高に笑った。「俺、言ってねえよ」「広尾じゃねえよ、代官山だよ」と常に徹子にタメ口。徹子も「〜ねえよ」と言われるたびに顔が引きつっていた。徹子の鬼門は「会話を禁止されること」だとばかり思っていたが、「言葉遣い(=タメ口きかれること)」だったとは。
さらに追い打ちをかけるように、ボビーが腕の筋肉を見せ、徹子が褒めると
ボビーは徹子にも力こぶを作らせ
「おばばの割には結構あるねぇ」
と言うのだった。
おばばと呼ばれるのにもとまどう徹子。
スタジオからは笑いが起こっていた。(明らかに笑う場じゃないんだけど、笑いを抑えられない感じの笑い)
徹子は自分自身で「ボビーは厨房なんかで日本語を覚えたから職人のような言葉遣いなのね」とわけのわからないフォローを入れていた。自分を抑えるのに必死だったのだろう。
日本語も日本の老人に敬意を表すのもとても難しいことですな。

さて、東海出張小牧編。

ヒルトン宿泊は朝食つきだったのだが、朝からメロンばかり食いまくる。
うーまーいー。
私は季節はずれの果物が大好きなのである。春先に風邪を引けばメロンが食べたくなるので買いに行って「この日が今年の俺のメロン記念日」と決めるのだが、それは例年だいたい4月か5月なのです。今年は2月25日であった。記録更新。
そして名鉄で一路小牧へ。
小牧といっても正確には小牧駅ではない。地図をよく見ると最寄りの駅は
田県神社前」
ではないか。ああ!ちんぽの神様が俺を導いてくれているよ!
毎年3月15日が豊年祭で、去年もおととしも3月15日はこの神社を訪れていたのだが今年はちょっと早めに訪れることになった。
まあ、神社にお参りの前に作業行きましたけどね。
小牧は、針金装着済みでした。すなわち具体的作業ナッシング。
軽く点検などをして退散。いち早く田県神社に向かいたかったが、再び地図を見ると田県神社前駅よりも近いところに別の駅があった。タクシーを呼ぶのも面倒くさいのでその駅まで歩いていくことにする。
田舎で徒歩をなめてはいけない。
地図を見る限りではそんなに遠くないのだが、歩いてみたら20分弱。しかも当方、作業道具てんこ盛りのカバン担いでいるもんで20分は地獄の道のりであった。上司には「今日は大して働いてねえんだから歩けー」と言われたが。
目的駅までたどり着くと、あらま、こちらは無人のモノレール駅なのね。
長い時間待って乗車し、乗り換えをしてやっとこ田県神社へ。
ああ、約345日ぶりの大男茎形(おおおわせがた)様・・・
毎年豊年祭時にしか訪れてなかったので、閑散とした田県神社は初であった。
のんびりと参拝。いつもは外人がギャーギャー騒ぎながらちんぽ像写真を撮りまくっててゆっくり参拝もできないのだが、今年はこの男根はすべて俺のモノなのだった。
今年出産のみやらさんのために安産お守りを購入。
田県神社は男根で有名だが、実は女の神様の神社なんだそうで(御歳神と玉姫命/でも御歳神ってのはたぶん男の神様だと思うんだが)、そんな由来なんかもじっくり読めたのだった。男根を祀っていて、神様の名前はたまひめのみこと・・・悪いチンポに騙されたり苦労かけさせられたりしている女子は皆、田県神社に行くべきですね。

という具合に参拝を終えた後のこと。
私の股に違和感が起こったのであった。
ん?なんだ?何が起こったんだ!?

・・・・生理!?

わたくしは大変な生理不順で、2ヶ月平気で来なかったりするのですよ。先月末に来てたので、今月は28日しかねえし、生理の来る予兆もなにもなかったのでまさか約28日周期で生理が来るとは思っていなかった。
神様って本当にいるんだな!
玉姫様なだけに!
ウソのよな本当の話。神社の前に薬局があるので走って入って慌ててナプキンを購入。でかいナプキンしか置いてなかった上に、紙袋に入れずにビニール袋の直接入れられたのは残念だったが、今はとにかくナプキンをつけることが先決。駅まで戻ってトイレを借りる。
しかし慌てていたせいで個室内につけられていた非常ボタンを背中で押してしまい、ブザーが1,2分鳴りっぱなしで大迷惑をかけた。申し訳ない。

しかし神様にあまりに感動をしたし、このまま帰るのも忍びなかったので
「これは、田県神社の夫婦神社でもある大県神社にも足を伸ばすべきなんではないか」
と思い、大県神社(ご神体はもちろんマンコ)にも行くことに。
田県神社は毎年訪れていたから場所もわかっていたが、実は大県神社はどこにあるのかわかっていなかった。しかし「田県神社からそんなに離れたところにはなかったはず」という知識だけはうっすらあったので最寄りの駅は楽田駅ということはわかっていたのに徒歩で行くことにする。
これが無謀どころの騒ぎではなかった。
線路沿いに進んで行ったんだが、なんとなく田県神社前駅→楽田駅間のどこかにあるんだろうと思っていたので(ちなみにこの間の畑沿いには犬のうんこがイッパイだった)、歩いていくが大県神社らしきものは一切見つからない。
どうしたものか。
線路と平行に存在する県道(国道?)に歩道橋があったので
「高いところに登って杜のようなものがある/でかい屋根(=神社の屋根)が見えたらきっとそこが大県神社なんだろう」
と思い、歩道橋に登ってあたり一帯を見回した。
すると、森とでかい屋根のようなものがすぐに発見されたので、そちらに向かって歩いていくことに。
これがほとんど民家の横を通り抜けたり畑を通り抜けたりせねばならず、思ったより遠い。やっとの思いで辿り着いたところは・・・

でかい民家とそこの庭の雑木林

なんだよ!もっと手入れしろよ!
こんなダミー作ってんじゃねえよ!
振り出しに戻る。っても歩道橋まで戻るのはアホらしいので、隣駅の楽田駅を目指して歩いたのだが、これがまた遠い。さっきも書いたがwith作業道具てんこ盛りのカバン持ちだし。
県道のようなものが見えてきたのでショートカットして行こうとしたら、畑でかすぎ。県道に出たら出たで道のりは遠い。横をブンブン車が通りすぎていく。こんなところを歩いている人間なんか俺しかいねえ。
この時点で3キロは歩いた。
しかもブーツだったのですよ私。ホントに足がもげるかと思った。
えっちらおっちら歩いてなんとか楽田駅に到着すると、駅前に
「大県神社の記念碑」が建ってやンの。
大県神社は私が歩いてきたのと反対側に存在していたのであった。
なんのための歩行だったんだ。
で、駅の反対側を見ると、でかい屋根と森のある地帯が見えた。
そこかよ!
もう諦めて電車乗って帰ろうと思ったが、そこにあったのなら帰れねえよ!
というわけで、その巨大屋根を目指して再び徒歩。
こいつも駅から見ると近くにあるように見えるのだが、実際は細かい道がたくさんあるので遠かった。途中、上司から電話が掛かってきて「もう新幹線乗ってるでしょ?」と聞かれたが、まさかまだ小牧にいるとは言えまい。「いやぁ、もうすぐ名古屋に着くんですよ」とウソをついたらそんな時に限って近所の人が通り過ぎて不審な目で見られる。
そうして辿り着いたのは・・・

巨大な寺

またダミーかよ!
ふざけんなよ!
ホントに疲れ果てた。もうダメだ、と思い元来た道を戻る。
駅を横切ることの出来るでかい県道に出たところ、左手側に再び歩道橋があり、ああ、あれに登ればまた見えるんだろうか、でももうそこまで歩く気力がねぇ、と思っていたら!
歩道橋のすぐ近くに鳥居があるではないか。
大県キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
やっと、会えたね(5キロぶりくらいに)
これは行くしかなかろうと思い、歩いて鳥居の正面に立った。
俺の目の前にあったのは・・・

「諸鑵神社」という神社

違うのかよ!
ダミー多すぎだよ!
ちなみにもろくわじんじゃと読むらしいのだが、社自体は鳥居から1キロくらい離れたところにあったので無論進む気にならず。しかもそれこそうっそうとした森だし。近ければお参りしたところだが・・・いや、もうこれ以上は歩けなかった。ダメだった。
ことごとくトラップに引っかかる俺。
もう半狂乱気味で駅に戻ったところ、地図があってそこを見やると、駅から1.5キロ以上進んだところだった、姫の宮。
歩いていけるわけがない。そりゃ駅前にタクシーがいるはずだわ。
まんこへの道は果てしなく遠い。
セックスって、やっぱり簡単にしてはいけないことなのね。精子だって辿り着くのは何億分の一だしな。


疲れ果てたまま名駅へ。
寝ていたらあやうく乗り過ごすところであった。
ここからの顛末は2/25に書いた「ナゴヤン・コーリング」で。
大県神社、いつかはリベンジしなくては。
2005年03月21日(月)

贅沢しー・ゴーズ〜東海出張一日目

東北5日間の出張兼レジャーから帰って参りました。
呑んだ!食った!楽しかった!
が、今日書くのは2月の終わりにあった東海地方出張話でございます。
タイムラグが多い日記で申し訳ない。

というわけで東海出張。
以前の日記に

>来週は東海ツアーですよ俺。
>一泊二日で東海四箇所を巡る旅です。
>その4箇所が「四日市・小牧・岡崎・沼津」で1日のうちに2箇所を回らなきゃ
>いかんのだ。さあどういう組み合わせで回るべきなのか。
>これまた無謀なことを・・・どうなってんのだ一体。
>四日市・沼津と小牧・岡崎ってのはなしだからなぁ。
>でも、小牧岡崎間できっとあんまきが買えると思うと胸が弾むのです。うれ
>しくてたまらん。名鉄バソザイ!

と書きましたが、実際のところは2カ所しか回りませんでした。
なぜならば
・出張期間は2日間厳守
・作業は12:00〜13:00限定
だったからなのです。
つまり、どうあがいても2カ所しか回れないということ。というわけで先輩さんと半分ずつ出張に行くことになりました。
私がチョイスしたのは四日市・小牧の2カ所。
三重県にどうしても行きたかったんだ。これでワッキーに地名しりとりされても三重県の地名を言えるようになったな。もう地名しりとりやってないけど。

そんなわけで朝早くから一路名古屋へ。
しばらくぶりの出張だったので、浮かれ気分で選んだ朝食は新潟のどっかの駅弁である「小鰭寿司」。朝からどんだけ贅沢なんだ。
しかし実際は酢が効きすぎでしんどい朝食であった。
寝ている間に名古屋到着。ここから近鉄に乗り換えて目的地まで向かうのだが、近鉄の急行に乗るにはまだ早い。
そういえば、ケーブルが一本足りないかもしれないなぁ、とぼんやり思っていたので、駅前のビッグカメラへ。生活倉庫がビッグカメラに変わって、なんだよ変わってるんじゃねーよ需要ゼロだよバカ、とばかり思っていたんだがこの時ばかりは「ああ、ビッグカメラになってよかったな」と思った。
が、その思いはすぐさま消えた。
私が欲しかったケーブルはただのメス9ピン-メス9ピンのリバースケーブル(別にオス/メスでもいいんだが)だったんだが、探すのも面倒なので近くの店員に「どこにありますか?」と尋ねたら、そっから右往左往の大騒ぎ。
他の店員を呼んで、その店員が他の店員を呼んで、という具合になんだか大げさなことになってしまった。探すだけで15分以上。
なんとか見つかって事なきを得たが、最初から自分で探せばよかったわ。
なんて後悔してる場合ではなく、近鉄に間に合わないではないか。
急いで近鉄乗り場まで走るが、いかんせん太閤口から近鉄までは遠いのよ。
名駅内でカーチェイスばりに(車乗ってないけど)走り、なんとか辿り着いた。早く乗らねばー、と思ったところで切符を買わなきゃとまごまごしているうちに
乗ろうとしていた急行が走りすぎていく・・・!

やっちまったー!

久々に乗り過ごしである。しかも目の前で。
残されたおんなのむなしさといったら!

さてどうするか、と思ったらすぐ後に特急が出るという。正直特急に乗るまでもない距離なのだが、こうなったら特急で追いつくしかないわと思い、急いで特急券を買い求めいざライドンタイム。
そんなわけで口実つきだが、特急に乗ることに成功。しかし物凄く近い距離なので15分くらいで降りることとなる。もったいなかったかな、さすがに。まあ、私は新横浜に行くのに東京駅から新幹線に乗ってしまう女ではありますが。

しかし降りてみて更に失敗。
私の目的地の駅は急行/各駅しか止まらないのだが、特急停車の駅で各駅停車が待っているとばかり思っていたのだ。それが、乗り継ぎナシ。
すなわち、名古屋から特急の後に出た急行に乗れば一本で行けたということ。
特急代、ムダだったのかよ。
乗ってしまったものはしょうがない。気を取り直して、急行で目的駅まで。その駅に到着したら今度は乗り換えである。ローカルな私鉄に乗らねばならんのだ。なんだかとても関口宏の息子っぽいなぁ俺、などと思いつつ乗り換え。
幼稚園児がたくさん乗っておりました。
途中自転車を引いた人が電車に乗ってきてビックリした。そういうのもアリなんだなぁ、ローカル私鉄は。

到着した駅にタクシーを呼んで作業をする。
タクシーを待つ間に先輩から電話がかかってきた。
今回の作業は、
「機器にとある針金をとりつけること」
というマヌケ極まりない作業だったのだが、先輩の行った場所はもうすでに針金がつけられていたらしい。「俺、やることないやー」という声が聞こえてくる。うはー私もこんな遠くまで来たのにやることナッシングなんてことになるんだろうか、と心配しつつ現地入り。
私の行ったところは見事に針金ついてませんでした。一応やることがあってよかった。

その後、元来た道のりを戻って名古屋へ。
こんなふざけた仕事ではあるんだが、次の日も作業場所まで行かないと針金がついているかわからないので、帰ることはできないのである。
というわけで名古屋でホテルに入って別の仕事をしなければならないのだが、さすが好景気の名古屋。
ホテルがどこも満室なのである。
好景気とはきいていたが、この「名古屋無宿状態」にブチ当たるまで実感はなかったのだった。小牧まで行って泊まればいいじゃないかとも思ったんだが、小牧は小牧で満室という思ってもみない事態。
これはどうするべきか・・・いや、正確には満室ではないのだ。とっても高いホテルは空室があるにはある。けどもホントに高い。出張費は限度がある。
どうするべきか。

かなり悩んだ末に、もうこうなったら泊まってしまえ、飛び込んじゃいなよ!(同窓会風)と思って飛び込んでしまいました。
ヒルトン名古屋に。
作業員風情が泊まろうとは、ヒルトン姉妹も想像しなかったであろう。しかもそんなショボい作業のために!君はショボイ作業のために泊まれるか!(杉良風)
というわけで早速泊まってみたら、山形出張以来のツイン部屋。ヒルトンも満室に近い状態だったらしい。思い切って泊まってみてよかったわ、高いけど。
かなり高い階の部屋だったので景色もよいったらありゃしない。
そんなわけでしばらく仕事して電話して、いい塩梅の時間になったので大須へ出かける。
また靴買ってしまった!古靴!そんなに靴が好きか、俺。

で肝心のメシ。
出張時のメシはいろいろ大変だ。まあ、ひとりでフラリと入るのにももう慣れたわけだが、それにしてもどこに入って良いかわからん。
歩いているうちに外に「田酒」「三千盛」などの名前が書いてある看板の出ている店を見つけて、ああ!田酒!と思い、フラフラと入店。
これが当たりでした。なめろうやししゃもと一緒に呑む田酒や輝乃吟(辛口でスッキリ、むしろさわやかな酒だったな)は本当にうまかった。名古屋メシもあったことはあったが、それ以外のメニューがおいしい店でしたわ。
店の人と日本酒の話や名古屋の酒事情(名古屋は酒文化が根付かない場所らしい)、そこからなぜかドカベンの話になりマンガの話に発展し最後は音楽話となったのだった。名古屋のレコ屋を教えて頂いた。
ちなみに焼酎ブームの次に来るのはなんと「梅酒ブーム」だそうだ。
そうなのか、梅酒は想像してなかったわ。ビールブーム?とか勝手に思っておりました。

翌日の小牧編に続く


余談だが、サマソニのメンツはすごいことになってんな。
ティーネイジファンクラブ!!!!!!!!!!!!
トレント・レズナーもぎゃー!ヤッター!と思うが、俺は10代ファンクラブをちょうど見たいなぁと思ってたので嬉しい限りです。
あとクリス・ロビンソンは2年連続来日じゃないのよ。ていうかリッチ・ロビンソン!ミュージックライフの切り抜きとかいまだに持ってるハズ。
そしてT駄くん待望のLA’Sも来るとは思わなかったわ。
イアン・ブラウンもこっちだしな。
・・・行くかー。
2005年03月19日(土)

ストップ・滅入りing・センス

ゲット・アップ・キッズ解散
残念だな、勿体ないな。カヴァー曲のセンスがものすごく好きだったのに。
エモコアなのにニューオーダーにキュアー。そして当然のようにリプレイスメンツ、ピクシーズ。清い、彼らはとても清かった。
とりわけ彼らのリグレットは!
私も数少ないDJ体験の中でかけさせていただきましたわ。秀逸。ホントにいいバンドだった。
そんなわけでここ2日間ゲットアップキッズの「サムシング・トゥ・ホーム・アバウト」ばかり鬼のように聴いていたのだが、昨晩見たある番組がきっかけでその後はフェイス・トゥ・フェイスの秀逸カバーソング集「スタンダード&プラクティシズ」を聴いているところだ。

そのきっかけとなったのは「スーパーテレビ情報最前線」
途中まで、「ヨン様からのホワイトデープレゼント」というフレコミの映画「スキャンダル」を見ていたんだが、我が家の韓流どもから「この映画はヨンのケツ出すぎ。ウザイ」と非難が入ったので、適当に変えたところでぶち当たったのがコレ。その夜の特集は
「本当の自分を見つけられない女たち」
でございました。
ザッツ・メンヘルテイメント!
と、是非ともポール・ウェラーに声高に歌ってもらいたい。
メンヘルにもネットで書き散らすとか、虚言とか、被害妄想とかストーキングとかいろいろありますが、この特集で取り上げられていたのは「タトゥー/ピアッシングをする女たち」でございました。
そういや最近タトゥーを入れてる女の人って多いですね。フジロックなんかに行くと「君たちは普段、一体何をやっているのだ」と問いたくなるくらい刺青入りの人が多いからな。まあ、女性の刺青よりも、見える部分にも平気で刺青しまくってる若い男子のほうが不思議だ。ニートなんかよりはるかに不思議なので誰か生態を調べて欲しい。
彼らの収入源はどこなのかホントにわからん。どこで働いているのかもわからんし。働かないで親の金で刺青入れまくってたらニートよりタチが悪かろう。
それはさておき。
大阪のパニック障害の女の子(20歳)が、自宅から出ることができないので「これを彫ったら外に出る勇気が持てる」と言ってタトゥーを入れていたのですよ。
何かの行動のきっかけとしてのタトゥー、まあ、それ自体はいいだろう。きれいにまとまりすぎてる気もするけど。

しかしそこからは目を見張りましたよ。
彼女が選んだタトゥーの模様は、いや、模様じゃなくて文字は
「NAMIE AMURO」
だったのですよ。

今日びアムロて。

いや、アムロを否定しているわけではない。むしろアムロは昔に比べて今はとてもいいとすら思う。歌も旨くなったし何よりきれいになったしな。しかし何故「今日びアムロ」。ハタチの熱病にしてはアムロは時期がずれているのではないか。私が心配することではないが。
言うまでもなく、そのアムロはタトゥーなので消えないのである。
ピート・タウンゼンドに言われるまでもなく「一生仲良くやってけよ」ということである、腕のアムロと。
いつか絶対後悔すると思うのだが、どうなのでしょう。
母親も「それで病気がよくなるなら」とタトゥーを許していたが、まさか安室奈美恵と彫られるとは思わなかっただろう。
どうせ彫るならコンパスと墨汁で彫ればよかったのに、安室なら。

で、笑ったのが、安室の名前を彫ったらその子、外に出るようになってやんの。
そしてショッピングモールみたいなところでダンスしてんの。スマップ中居のような具合で。
「夢はダンサー」だって。なんだよこれは。
フィクションであることを切に祈る。あのタトゥーもきっと消えるんだよね?
ホントに彫ってないよね?

で、なんでフェイス・トゥ・フェイス秀逸カバー集を聞き出したのかというと、チョイスというものは大変大事なものだなぁと思ったから。
この子がアムロではなく違う言葉を選んでいたならば・・・でもダンサーで他の人物名が浮かばねぇな。サムとかカバちゃんとかマイケルしか浮かばない。そっちのほうが汚点になるわけだが。
タトゥーに限らず、カバー曲でも選ぶセンスというのは残るものとして大事だと思う。
フェイス・トゥ・フェイスはその点、素晴らしいセンスなのだ。前述のゲット・アップ・キッズ然り。「スタンダード・アンド・プラクティシズ」で選んでいるアーティストといったら!
ラモーンズ、フガジは彼らのパンク/コアスタイルからすると納得だと思うが、スミス!イネクセス!ポーグス!サイケデリック・ファーズ!あたりは唸りぱなしです。素晴らしすぎ。ジャーブレイカーにピクシーズにシュガーもさすがである。サイケデリック・ファーズなんかこのアルバム聴いて「いいバンドだな」と思ったほど。
さすがは名曲「ビッグ・チョイス」を歌っている人たちなだけある。
センスは本当に本当に大事なのだ。
私も仕事用ファイルにいろんなバンドのシールをべたべた貼ったりしているが、将来「これは貼らなきゃよかった」と後悔しないようなシールを選びたい所存である。
ブロックパーティ、恥ずかしいバンドにはならんでくれよ。2枚貼ってしまってるから。


ところで、明日から東北巡礼の旅なのです。
今回はすごいよ。北上→秋田→酒田→山形→仙台ですから。
ああ、こんなに東北回るのにまたもやノー青森だ。
いつになったら辿り着くのだ。
2005年03月15日(火)

ファンレターは恥ずかーDo!

時たま、無謀にもアメリカのインディーレーベルに直にメールオーダーすることがあります。
アマゾンで買えばいいじゃん、とも自分でも思うのだがそのサイトだけで売ってるCDとかTシャツというものがあったりするのでこればっかりはしょうがない。
まあ、単なるメールオーダーですから、クレジットでパッパと注文すれば一週間もすれば日本の我が家まで送られてくるわけです。
その際に、ごくたまにですが、親切なインディーズのレーベルの方などは「注文はこれでよろしかったか?送ったけど届いたか?」という旨のメールを送ってきてくださることがある。(機械的注文内容を送ってくるメールとは別にだ)アマゾンでも中古屋から買うとそんなメールが届くことはよくあることで、「無事届きました、ありがとうございました」というようなメールを返すわけだが、当然、アメリカのレーベルの方にも同じようなメールを返すわけです。
このメール作成ってのが、私の生活の中で唯一の「英語を使わなければならない機会」となる。半年に一回あるかないかくらいの頻度だが、これを書く時にいつもとてつもなく苦労をするわけです。
形式的に「ありがとうございました」というメールを返せばいいだけの話なんだが、アメリカのインディーロックにどうしても思い入れがでかすぎる(そしてアメリカインディーはレーベル至上主義)私は「気の利いたメールを返したい」と思ってしまうのである。
どんな見栄だよ。
と、自分で自分が呆れてしまうことしきりだ。別に普通のお礼メールでいいじゃねえか、と思うのだが、「ものすごくファンなのですよ」的な一言を気の利いた感じに添えたいと切望し、でもその「気の利いた表現がわかんねえ」と壁にぶち当たり、簡素な中学生英語的表現だとマヌケだなと気後れし、結局普通のお礼メールを返すことで落ち着くのである。
そしていつも後悔する。そしてすぐに忘れて半年後くらいに同じ苦労にブチ当たるのだった。

先日もメールオーダーをしたのですが、送られてきた品物というのがアーティスト直々に発送されたものでした。
しかもそのアーティストの方は、私が「私の座右の銘はこの人の歌詞のココなんだ」と思い続けてる(かれこれ9,10年か)方で、その喜びと驚きはハンパありませんでした。ああ、あのお方が俺住所を書いてくれている、「koto-ku」と書いてくれてるよ(郵便なんだから当たり前だが)、江東区はシャブ中が多い区ではないよ・・・この封筒は捨てられん、と浮かれ続けましたわ。
で、あまりにも嬉しいので感謝メールを出したいのだが、これまた気の利いたことを書きたいと思っている自分がいる。
ていうか、むしろファンレターを書きたいと思っている自分がいる。
ファンレター。こいつは「気の利いたお礼メール」より更に一段階上じゃないか。気の利いたことを連続的に書かなけりゃならないじゃないか。


で き る の か ?


あと、ぶっちゃけ、今までの人生でファンレターを出したことがないんだ俺は。ハガキ職人はやってたことあるけど。
世間一般ではファンレター>ハガキ職人なのだが、なぜかファンレターのほうが恥ずかしかったのです。今思えば伊藤政則にハガキ読まれていたことのほうが遙かに恥ずかしい過去なんだけれども。(しかもそれを偶然高校の同級生に聞かれてて死にたくなった)
ファンレターは一度だけ書いたことはあった。
スティーブ・ウィリアムスとゲイリー・オブライトに。
ああ、ありえない。俺、ホント、ありえない。
そしてこの時も「こんなの気の利いた手紙じゃねぇ」という理由で投函は断念したんだった。ああ、甘酸っぱい気持ちがよみがえってきたわ。
ファンレター界(どこにあるのか知らないが)ではとびきり奥手な俺。
でもまあ、せっかくの機会なのでファンレター処女は喪失してみようと思います。出してみる、ポストに入れてみるだからこの際はファンレター童貞を切るといったほうが適切か。
よく考えたら「処女なのに経験豊富を演出」みたいだもんな、気の利いたことを書こうとするのは。そんな桜井亜美の小説のようなことは極力避けたい。(ヴァージンエクササイズという小説を後学のために立ち読みしたんだが酷かった)

あともうひとつの心配としては、こないだ「FBI心理捜査官」を読み返した私が悪いんだがジョン・ヒンクリーという人のよな「ストーカーサイコパスなファンレターを書いてしまうんではないのか」という心配である。自分でも何故それが心配になるのかわからないが。何も考えずに「きみ、処女なんだろ?」とか書けるようなタマならばこんなこと心配しないんだろうけど。
まあ、それは大げさな話として、「英語手紙のルール」というのがいまいちわからないので、失礼に当たるような手紙/メールを書いてしまうんじゃないのかと思うのです。

ああ、でもホントどうやってファンレター書けばいいんだろう。
どうやって「君が恋しい」と留守電に言えばいいんだろう、ってフレーズはリプレイスメンツか。いや、留守電に吹き込むわけでもなく恋しいっていうほど萌えでもないんだけどさ。そもそもリプレイスメンツ、関係ないことこの上なしなんだが。
「俺は何度も間違いを起こしてきた、これからも繰り返すだろう」とはかの、私に直発送して下さったミュージシャンが歌ってました。それを英和辞典片手に訳してたのはおぼこな高校生時代のことだ。いまや時も流れ、英和辞典なんかどこ行ったかわかんねという状態だったのだが、本日は久々に「歌詞を訳す」という行為をやってみましたわ。
一曲で終了。
すぐに競馬に出かける始末。
課題曲はシュガーの「ヘルプレス」だったので比較的カンタンだったのだが、
「もう何度も何度も、君って頼りないなと思わされるわ/おまえ、全然ダメだわ」「今のおまえはダメ以下だわ」と訳していくうちに、ボブ・モウルド兄貴に説教されているような気分になりました。
英語の歌詞はいつもいろいろな真実を教えてくれるのだな。
そういう感謝を英語で書きたいんだけども、俺、英語に関してはホントにヘルプレス状態だからなぁ。なんとか抜けだしたい所存。
英語と日本語ってニュアンスが違うから、とても難しいなと思います。
そういや俺の日本語会話はほぼ「ニュアンス」「ベタなギャグ的言い回し(いわゆるもじりとか)」「勢い」だけで成り立ってるな。この日記の毎回のタイトルに特に顕著ですが。
英語にはそういうごまかしやギャグ的言い回しがきかないからな。
あ、ボブ・モウルド兄貴の「Boblog」というネーミングセンスは立派なオヤジギャグだとは思ってますけどね。さすが日本のプロレス好きなだけある。とくに好きなのは全日だったしな。三沢ファンか。
2005年03月13日(日)

ガイデッド・バイ・デカヴォイシズ

好むと好まざるに関わらず、神に与えられた「資質」があるとすれば私の場合それは
「声がでかい」
ということに尽きるであろう。
プラス太い。低い。響く。3Hである。
Hとはいっても決してHな声というのは含まれない。
プラスだみ声ときた。声のヘレンケラーと言っても過言ではない。
先日、別部署でお仕事をしていた際に電話が鳴ったのでとったのだが、相手の方が一発で私だとわかってました。こんなとこにいるはずもないのに(まさよし風)何故わかったのか?と尋ねたところ
「声が太くてでかいから」
と言われてなんとなく敗北感。なんとなく非クリスタル。
そして、昨日の晩、会社内線で電話をしていたら周りから
「ものすごく盛り上がってたね!」と指摘されること数多。
どちらかというとデリケートな話をしていたから小声のつもりだったのに。

声に関しては、大は小を兼ねない。
これは私が突き止めた人生の絶対真理である。

そして声の大きさが自分デフォルトとなると、小声でしか話せない(その人のデフォルトなんだろう)人間に関してイライラすることがよくある。
なぜかというと、自分の声の大きさ基準なので、耳が小さい声を感知できないようになってしまうからである。実際私はデスクの向こう側から小声で話しかけられてもその声が聞き取れない。「はぁ?」「え?」と聞き返すのだが、これは非常に感じが悪い。3回くらい聞き返すから。
なのでたまに聞き取れなくても「そうですねーアハハ」とか適当に返すのだが、
そうすると「俺の話聞いてた?」などと聞き返されてさらに感じが悪くなるばかりである。
最近は「つんぼなんでねぇ、すいませんねぇ」と言うようにしております。大体ドン引きされるけど。(でもつんぼって差別用語じゃなくて耳が遠いって意味だってあるじゃないか)

自分の声がもっと素晴らしかったら、などと考えることもしばしばだが、本来の声とは違う声を出すという発想は決してない。
女子の方々の中には「高音妙ちきりんウィスパーボイス」とか「ロリ声」を出すことに苦心している方がいるが、あれは明らかに地声じゃないということがバレバレなのでやめたほうがいいんではないか。
というか高音ウィスパーボイスって声の中では「美人」に分類されるのでしょうか。私が思う声美人は、いわゆるラジオドラマでも通用するような凛とした声である。すなわち聴き取りやすいことが必須条件となる。(これには話し方の技術も携わってくるので、純粋声美人とはまた違うかも)それに対して高音ウィスパーボイスのような声はよく聴き取れないのだから、すなわち不快感を伴うわけで、決して実用的ではない。むしろ不愉快な声に近いはずである。(まあ「個性的」といってしまえばそれまでだが)
いや、生まれた時から「囁く」以上の能力を持たない声(ナンシー関は賀来千賀子がこれだって書いてたな)は囁く以上の能力が必要ない生活環境ならば問題なしだが、人間、生活するうえで「叫ぶ」時だってあるし「語る」時だってある。
「論ずる」時だって「嘆く」時だって「謳う」時だって「歌う」時だって「吠える」時だってあるわけだ。それらすべてを「囁く」声で表現できるわけでもなかろう。
あー何が言いたいのか、もっと具体的に言ってしまおう。人工「高音妙ちきりんウィスパーボイス」や人工「ロリ声」は言葉の伝達手段として使われているのではないからイライラするんだよな。
その声の使途は「オトコによく見てもらうため」だから。
稚拙でイノセントで無垢で甘えん坊でフシギでちょっとHなオンナノコ。いや、「オンナノコ」と女の子をカタカナにするあたりだけの強調といってもイイだろうこの際。
そういう演出は実際どれくらい男性に有効なのか。
私には判りかねる。私に判ることは、そういう女子っちゅーのはオトコがいない現場などでは無意識のうちに高音ウィスパーボイスが地声に戻ったりするということだけである。タチが悪い。どうせなら一貫してくれ。
先日もそんな「高音作り声」女子を見ました。話しているうちにだんだん地声に戻ってきててイタかった。

ちなみに男性は比較的「作り声」というものに苦心してないように思われるが実際はどうなんだろう。ベッカムのような「口を開かなきゃいいのに」と言いたくなる高音ボイスの人って結構多いからな。
でも無理に作っている人だってきっといるのだろう。細川俊之の地声が実は高音だったらいやだけど。

話が逸れた。
昨晩、地元駅を降りたところで父親(井筒監督激似)に「マサー、マサァァー!!」と大声で呼びかけられた時に「ああ、俺の声のでかさは遺伝なんだ」と思った、ということが書きたかったのだった。
ちなみに声が野太かったりしゃがれたりするのもこの人の遺伝子である。
うちの父はダミ声ですから。うちで飼っていたインコは、父が言葉を教えていたんだが「ジジ」という言葉しか覚えられませんでした。濁声で濁音の言葉教えてたから。しかも鳥なのに濁った声で発音してたから。小鳥のさえずりの対極。
鳥に言葉を教える時は高音の澄んだ声が必要なのです。
2005年03月10日(木)

(明日は午前休しないように)そろそろ寝なくちゃ

歌詞を載せたりするのは(ダイナソーJr.とセバドーを除いて)好きではないんだが、某友人のために載せよう。

なんだかどうでもよくなって午前中サボってしまった
みえすいた言い訳をしたらよけい滅入ってきた
昨日の夜彼女が食べてたポテトチップスの袋
テレビを見ながら飲んでたビールもそのままテーブルに・・・
さえない日々だとは思う
いろんな事考えちゃいるけど
「電話くらいよこせ」と家族は言う
話せることは別に何もないけど
「つまらない」とよく彼女は言う
もうすぐ正午 そろそろ行かなくちゃ

ドアを開けると冷たい空気がぎゅっと耳をつかんだ
ノブに手をかけたままぼくは息をすいこんでみる
すれちがった痩せこけた犬が僕の方を見てニヤッと笑った
白い息がわざとらしいくらいいちいち絡みつく
週末になればもうすこし
いろんなことマシになるのかな
「愛しているの?」と彼女は言う
いつもうまく返事は出来ない
「シケた顔をするな」と友達は言う
ため息はもういい そろそろ行かなくちゃ

「大人になれよ」と誰もが言う
僕にしか見えない夢はもういい
「ごめん」と口癖のように僕は言う
言い訳はいい そろそろ行かなくちゃ


俺のよな20代後半サラリーマン(正確にはわたくしはOLですが)にはいろいろとこたえる曲です。スガシカオ先生は偉大だ。
ちなみに私の場合の「みえすいた言い訳」は

1位 生理痛(上司に「おまえは月に3回くらい生理がくるんだな!」と言われる)
2位 偏頭痛/具合が悪い(たいていの場合酒飲みすぎ)
3位 言い訳しようがなくて「寝坊した」と正直に告白(そして振休消化なんだからと開き直る)

です。最後の言い訳じゃないし。
あと、週末は楽になるのかというと週末作業ばかりなのでむしろ地獄。
しかしスガシカオは数少ない「信頼できる」歌手ですよホント。(あと俺的に信頼できる歌手はスパゴーの八熊)なんつーか、童貞臭がどこかに残ってる感じがいい。童貞パワー全開開き直りは苦手なもんだよな。シカオ先生の場合は童貞モラトリアム(椎名アッポウぽくて嫌な語呂だが)とでも言っておこうか。
名前がカタカナじゃなかったらもっと信頼できるんだけどな。須賀鹿夫。あ、今漢字にして初めて気付いたが本名じゃないのかコレ。

某友人は急いでスガシカオを買いに行くべき!「4FLUSHER」に収録されております。

調べたらスガシカオ、本名だったわ。
菅 戈止男
おお、なんて名前なんだ!ますます偉大だ。
ちなみに私は子供が産んだら「鳳月(ひろこ)」か「檀(まゆみ)」にしたいと思っておるところです。前者はこないだテレビに出てた70歳くらいのオバハンの名前。後者は古事記読んでたら出てた。なんかヤンキーぽいが。
つうか子供産む予定すらないが。(予定すらないのに結婚式の時は「マーキームーン」流したいとか考えがち)
2005年03月08日(火)

過激恋愛依存症アトラクション

久々に純粋・読書読み日記(この日記のカテゴリは旅ではなくて、実は「読書読み日記」なのですよ)をしたいと思います。
私は前評判が悪いものに関しては徹底して読まず嫌い・見ず嫌い・聞かず嫌いをしていたのですが、そういう度量の狭さイクナイ!と思いまして、
「読む前からイヤな予感がしてたが、読んでみたらさらにイヤな気分になるんだろうと思われる本を読むキャンペーン」を行うことにしました。
悪循環なキャンペーンだな。しかし、読んでみたら案外おもしろかったということもあるかもしれないので、これはいわば未知の世界への冒険なのである。

ルール
1.「話題になった/話題になっている」作家の本を選ぶ
2.古本屋で200円以下で購入する
3.どんなにつらくても最期まで読む


そんなわけで第一回目にチョイスされたのは「桜井亜美」。
前評判によると
「援助交際、近親相姦、集団レイプ、オヤジ狩り、引きこもり、エイズなどさまざまな状況に置かれている人間の恋愛がよりリアルに描かれている。」
「現代の若者の日常を切り取った様な生々しい世界と美しい言葉で綴られる恋愛。」
わたくしも一応、現代人なので心して挑みましたよ。
「イノセントワールド」が一番有名らしいが、古本屋で見つけたのは「トゥモロウズ・ソング」というやつだったのでそれを読んでみました。表紙写真が蜷川実花。ぬかりねぇな、という印象。

で、読みました。
安い。
この一言に集約される。
まず本の薄さと字の大きさに驚いたんだけど、それ以上に中身のなさに驚愕でした。
なんつっても主人公が「高校に行ってなくて、ヴィヴィアンの服が大好きで、クスリをやりまくって、サイケトランスが大好きで、テレパシーがあって、高層マンションに住んでいる」17歳の女の子で、相手の男の名前は「シド」(!)(17歳ホスト)ですから。
んでこいつらセックスばかりしてて、マンション工事現場を「あたしたちの記念日ィー」とかなんとかいって爆破(!!)しちゃったりする。そいでエイズ検査薬をふたりで同時に試したらエイズに感染していることが判明。
主人公の双子の姉は拒食症の引きこもりなのに、クラブで踊ってたりして、しかもそいつの彼氏は盲目のDJ(!!!)で同棲してんの。で、姉は死にかけて部屋には植物がイッパイ。姉の心の優しさで植物がスクスク育ってるとかなんとか。姉の心を閉ざした人物は中学の教師なんだが、とんでもない美貌でこいつが姉を妊娠させ、殺しかけたらしい。
んで、自分のテレパシーを使ってその復讐をしようとする。
テレパシー軍団(率いるのは盲目DJ)が協力してくれる。
美貌教師もテレパシーを持っていた(!!!!!)
んで、闘って、最終的には双子の姉が美貌教師をやっつけてシドが迎えに来てチャンチャン。エイズについては言及ナッシング。



野島伸司原作なのかと思いました。過激に次ぐ過激。
どこらへんが生々しい世界なんだろうか。というか、これは「生々しい想像」なんではないのか。テレビや新潮45なんかで「少女たちの乱れた実態」とかいう特集がよくやっていますが、そういうところで手垢まみれの知識人の方々が振りかざす「いわゆる無秩序」ばかりだなーこりゃ。
「援助交際」に重きをおくというあたりが顕著だな。
実際に援交やってたとしても、高校生内ではどうってことない「日常」で「アタシ、援交やってるから非日常のヒロイン!」なんて思ってる子はいないわけだ。
時がたって本人が「あれはよくなかった」と思わなければ非日常ではない。(まあ、これは援交に限ったことではなく、不倫でも離婚でもやってる本人が過剰に非日常/ドラマチックだと思ってたりするのも一緒だ。日常であれば問題はない)
過激=ドラマチック、ロマンチックという価値観がもうすでに「ありえない」んだよな。
「ありえない」のならば、ありえない話書いてみましたーね、ありえないでしょ?くらいの心持ちが欲しい。「ありえない」をエンターテイメントとして見せてくれているならば「ね?ありえないでしょ?」という心持ちがなくても結構だ。
この作家の場合、「ありえない」をエンターテイメントではなく、「うっとり」に着地させようとしている魂胆がミエミエで鬱陶しい。ロマンチック過激派。文字通り吐き気がするほどロマンチックですよ。

で、さらに問題なのがほんとに「うっとり」しちゃう10代の少女がいたりすることだ。
私が10代の時は野島ドラマ最盛期だったので、「未成年」やら「高校教師」やらを見ては次の日学校で話題にするということが日常茶飯事であったが、決して「うっとり」していた子はまわりにはいなかったな。「今週、またすごいことになってた」「どこまで過激化してくんだろう」「こんなの実際にないのにな!」(うちの学校は女子校だったもんで)という着眼点で話をしていた。具体的に言えば「反町、胸ペンダントに銃弾が当たって死ななかったのはないだろー」というようなことだ。
そういう「うっとり見破り装置」的なコミュニケーションが周りにない人がいるということは驚きである。コミュニケーションじゃなくても、自分の中に主観的な自分と客観的な自分を配してるだけで十分だし、そうじゃなくてもナンシー関を読むなどの方法はいくらでもあるだろうに。
で、最後におくづけ見て驚いたが、桜井亜美って同じような本を20冊くらい発表してんのな。
高校の時の先生が「ハーレクイン小説ってのは、人物設定をインプットするだけで自動的にストーリーができあがるようなコンピューターを使って書かれているのですよ!」というものすごい偏見を語っていたことがあったが、それを思い出した。ライト版ハーレクインと呼んで差し上げたい。

桜井亜美の本と並行して恋愛依存症についての本を読んでいたんだが、桜井亜美で「うっとり」してしまう人はきっと恋愛依存症なんだと思うようにした。
「感覚的な出会いを好む」「デートを重ねることによって相手を見極めずにすぐにセックスしたがる」「男性の愛してるという言葉に弱い」「四六時中一緒にいないと不安になる」「相手の現実を見ようとしない」「別れる時はストックを作ってから別れる」「恋愛にのめりこむあまり私生活がおざなりになる」などなど。
そして彼女たちはきっとオナニーをしない。
今、日本に蔓延っている「すぐにセックスできること/彼氏彼女がいる至上主義」は本当に罪深い。いろいろな価値観があっていいだろうよ。

もっとも問題なのは、こういう安易なものを私が100円で手に入れたってことか。
安い。そりゃ蔓延るよ。
100円ですら払いすぎ。図書館で借りて読んでみて下さい。


話はかわるがフジロック追加決定。
ベックもフーファイもありがたいが、そんなことよりもCKBとエディ・リーダーですよ!キャー、フェアグラウンド・アトラクション大好きなのれす。こういうロマンチック(と私自身はあまり思ってないんだが)は歓迎だ。まさにパーフェクト。
2005年03月07日(月)

ブルートレイン、車上の愛(後編)

(まずは「ブルートレイン、車上の愛」前編、中編をお読みください。続きです)

ディスカバリー・ウェストのキャンペーンが盛況なのかそうではないのかはわかりかねる。新幹線内のチャイムだって鬼束ちひろの「いい日旅立ち」に変えられているくらいだから(いや、あれは山陽新幹線区間内始発の新幹線だけに限定されてるんだろうか?)力の入れ具合も相当なものなんだろうということはわかるのだが。
なんにせよ、私にとってはこれが初の西日本横断の旅である。通過するだけで滞在はしないんだけど。
西日本はトンネルが多いという話は聞いていたが、それは新幹線に限った話なんだろうと思っていた。実際のところは、在来線も結構トンネルを潜る。いや、よく考えれば東日本の在来線だってトンネルを潜る回数は多いのだけれど。
この旅の間、トンネルを潜れば潜るほど「夜汽車のブルース」が頭をよぎった。あーなんかいいこと無いか、そう、なんかおもしろいこと無いか、、、いや、今、コレに乗ってることが一番おもしろいことだよエンケン!と言いたい。
とりわけ徳山だか新岩国だか(名前失念)で新幹線乗り換え客がどっと降りた後の「はやぶさ」は貸切具合が増して愉快でならなかった。
食堂車に出てみる。今は食堂ではなく、ラウンジとして使用されているのだがそこの客のまばらぶりといったら!ああ楽しい。ああ愉快でたまらん。
温泉にせよ食堂車にせよ飲み屋にせよ、私は「貸切状態」が好きで好きでしょうがないのである。貸切状態の快楽は夜中の会社でも味わうことができる、もっとも身近なんだけどもっとも「ラッキーじゃないと遭遇できない」快楽だと思う。
しかしこんだけ貸切状態だとステーキでも食いたくなるぜコンチクショー。
朝であるから、腹が減ってきたのである。車掌のアナウンスが入る。
「下関駅で5分ほど停車いたしますので、そちらで駅弁当をご購入ください」
ああ、もうすぐ下関なのか。
どんどん本州の一番端っこに近づいているのか。ホントに遠くにきたんだな私は。沼津も茨木も遠い昔のように思えてならない。まだ半日くらいしか経過してないけど。
下関に来たのだから是非ともふぐ関係の駅弁を食いたいところだ。朝からふぐ寿司とはステーキばりに豪勢だな。値段だって結構張るだろうに。いや、ここではつつましい駅弁を食べといて、九州に入ってからうまいもんを食いまくったほうがいいんではないか。

などと考えていたのは杞憂で終わった。
下関駅に着いた途端、電車を飛び出した車掌や駅員たちが走り回って慌てだす。

・・・売店がお休みのホームに停車してしまったらしい。

駅員の人たち、皆「あれ?」とか言ってやんの。
「あれ?」じゃないだろうよ。
てか休むなよ。
かといって反対側のホームにある売店もとても営業を行っているようには見えない。地方ローカル線駅の悲劇。シンカンセン・キルズ・ローカル駅スター。勇気ある老人は猛ダッシュで隣のホームまで弁当を買いに行ったようだが、限りなく何もないホームから眺める朝の下関の風景に侘び寂を感じてしまって、とてもダッシュなどをする気にはならなかった。
昔はこの駅から上京する若者も多かったことだろう。
人の移動が早くなり、あらゆる意味で「去る」ことだけが多くなっていく。駅だけが残される。やがて老いていく。忘れられていく。必要とされなくなる。「会いにくる」ことがなくなる。終わる。そんな風に時間が過ぎていく。
この駅を毎日決まった時間に訪れ続けた夜行列車「あさかぜ」はかなり老朽化した列車なのだろう。乗る人もだいぶ少なくなっていたはずである。
それももう3月になったら訪れることはない。
とても哀しい。
が、私だってこの駅をこの線で訪れることはもう二度とないのかもしれないのだからそんなこと言えた義理ではない。
でもいつか来ようと思った。出張にせよなんにせよ。
本州の終わりはちょっぴりさみしい。

そんな感傷に浸っている間もなく、海底トンネルを越えた列車は九州に辿り着くのである。
小倉。おぐらではナイ。
九州で小倉ですから、気分はすぐに切り替わって俺脳内は「シャウト・トゥ・ザ・トップ」でいっぱいになるのである。字面からのみの連想だけど。
軽快なリズムが頭に充満するくらいだから、小倉駅は下関とは打って変わってホームに人が結構いるのである。それなりの栄えぶりなのである。
なんでかしらないが南国の陽気な空気を感じる。これがめんたいの本場なのかとか思う。どこかに鮎川誠のようなオッサンがたくさん居るような気がする。
そんなことを思っているうちに時刻は11時30分過ぎ。
なんと、2時間35分の遅れということである。
3時間遅れていたはずだからどこかで巻き返したのだろうけど、それにしても2時間35分の遅れとは!とりあえず2時すぎには熊本に着いてくれるらしい。それだけでもありがたいと思うようにしよう。
食堂車で見かけた老夫婦は「ナイスミドルパス」(65歳以上は格安の周遊券)を使っている様で時間はあまり気にかけていないようだった。羨ましい。
時間に追われない生活をしたいものである。あ、俺が時間に追われるのは時間ギリギリまでダラダラするからだった。

畑や工業地帯の多い地域を通り抜けて、列車はだんだん街に近づいていく。
博多である。
長かったー!新幹線ならば6時間、飛行機ならば1時間半くらいで辿り着くのに18時間である。本来ならばもう熊本に辿り着いている頃だろうに。
腹も減ってきた。イライラが募る。あとどれくらいでたどり着くのだろう・・・と考えている私の視界に飛び込んできたのは、博多駅のホームで奇声を上げるガイキチの方でした。カーテンをそっと開けてホームを見ていたんだが、カーテンの向こうに人がいることに驚いたらしく、アピールするように騒ぎ立ててくる。こわい。窓を手で叩かんばかりの勢いだ。ああ、こっちは博多駅着いた記念にホームを写真で撮りたいのに!
写真を撮ろうとするとそこに写ろうとしてくるので、車両を変えてなんとか撮影をした。ホントは「博多」という表札が撮りたかったのに、かろうじて撮れたのは「めんたい」と書いてあるキヨスクだけであった。とほほ。

博多を過ぎると、実は鳥栖、久留米、大牟田、熊本という停車順らしいのでそんなに遠くはないのであった。長い長い旅もフィナーレは近い。
しかも鳥栖では東京から長い間連れ添ってきた「さくら」(長崎行き寝台特急)とはお別れとなる。長崎までの道のりはこの後も長いんであろう。そんな長崎行きの寝台特急も今(2005年3月現在)はもう走っていない。いつか乗るからね〜と思いながら鳥栖で別れていったんだが。
切ないなあ。
話は戻るが、鳥栖に着く前に車掌さんがまた回ってきて、「駅弁、どこでも買えなかったんで、鳥栖で買えるようにしましたから」と言われた。
オイオイ、鳥栖でメシ買っても熊本まですぐだろうよ。と即座に思ったが、せっかくなので鳥栖で弁当を買うことにした。
が、鳥栖ってなにが名物なのかわからにゃい。困った。
字面だけで勝手に鳥モノがうまいのだろうと判断し、どこでも手に入りそうな鳥そぼろ弁当で手を打ってしまった。
しかし、同じように寝台を降りて弁当を買う人を見るとなぜか皆うどんのようなものを買って車内で食べているではないか。テイクアウトうどん・・・?なんでそんなにうどんに群がるの?そもそも鳥栖駅の弁当売り場も「駅弁」とは書いてなくて「うどん」って書いてあるし。
その後オオツボさん(佐賀県出身)に教えてもらったんだが、鳥栖駅のうどんはそれはそれは有名なモノなんだそうだ。
知らなかった・・・やっぱりリサーチは大事ですね。

さてホントに最後のグランドフィナーレである。
晴れた空、山の向こうに見える海は有明海・・・20時間かけてここまで良くたどり着いたなぁ、と思うと涙が自然に溢れてくる。よく頑張った、俺。
ここ最近で一番何かを成し遂げた気がした。途中で諦め(=新幹線乗り換え)なくてよかった・・・

などと思うことはなく、もちろん涙なども流してなくて、鳥そぼろ弁当をこぼしたり食べたりしているうちにあっけなく熊本に到着してしまった。
時刻は14時50分。
出発したのが18時9分であるから、20時間40分の旅であった。
たぶん今後、私が南米にでも行かない限りこんなに長い移動をすることはないんじゃないだろうか。
そして熊本駅下車後は、駅直結のJR九州直営ホテルに宿泊だったのでらくちんでした。ちゃんと作業前に風呂も入れたし。

熊本行くまでがいろいろなことがありすぎたので、熊本で起こったことはそんなにたいしたことなかったな。ただ、翌日客先に直行せざるを得なくなったため、熊本でスーツ買うハメになってしまったけど。

帰りは言うまでもなく飛行機でした。早かったです。
眼前に広がる九州と四国が美しかった。


またいつか、寝台列車に乗りたい。
それまではもう、どの路線も潰れないで俺を待っていて欲しい。
必ず経費で乗るからな!
今度乗る時はちゃんとコルトレーン持ってくから!



ああ、うまくまとめたかったのにタモリ倶楽部の空耳アウォード見ながら書いたからくだらなくなってしまった。後に書き直すかもしれん。
2005年03月04日(金)

ブルーフォレストシンドローム2とウオモコンプレックス

「里谷多英、六本木のクラブで下半身丸出し」

こういうスポーツ選手のハメをはずす(実際はハメてたわけだが)系の話を聞くたびに私の頭の中をよぎるのは、小池一夫大先生の「傷追い人」だ。
そう、一流の女優、俳優、一流のスポーツ選手をすべてポルノ俳優とみなし、そいつらを使ってポルノ映画を作りまくるというスケールでかいんだか小さいんだかさっぱりわからんあの悪の組織「GPX(ゴッド・ポルノグラフィ・X-rayフィルム)」はホントに存在してもおかしくねーなーと思うんだよな。ちなみにどっかの大学の野球部の選手がホモビデオに出てたと聞いたときも「さすが神の作りしポルノ」と思ったものである。

それはともかく、「ブルートレイン 車上の愛」シリーズ書き中ではございますが息抜き文章をば。ブルートレインもさることながら、書かなきゃならない旅日記が溜まってるわ。
で、昨日も東北に行ってきたのだが、その間に「俺の好きなバンド10個」というものを考えてみた。10個で収まりきるわけがないし、「ああ、これも忘れてた!」ってのが続出すること必至だったのに、とりあえず算出してみることにした。

ダイナソーJr./Jマスシス+フォグ
セバドー
スーパーチャンク
ガイデッド・バイ・ヴォイシズ
アーチャーズ・オブ・ローフ
ハスカードゥ/シュガー
マシュー・スイート
スリーター・キニー
ロイヤル・トラックス/ニール・マイケル・ハガティ
ソニック・ユース
うる星やつら

あ、11個になってしまった。
んで、考えてみていつも気づくんだが、「ピクシーズ」が入ってないのです。ピクシーズは聴くとすんごくすんごく好きなのだけど、なんでなのかはよくわからないが思い入れを持って聴いた記憶が殆どないのである。なんでなんだろーなー。
キム・ディールなんか物凄く影響受けてるんだけどな。フランク・ブラックだって好きでたまらないんだけどな。
でもピクシーズ知った時は、シュガーを物凄く聴いてた時期だった気がする。何の手がかりにもならないんだけども。
そして意図的にアメリカのバンドで固めてみた。ティーネイジファンクラブとユージニアスを滑り込ませることができなかったのが口惜しい。ってうる星やつらはグラスゴーのバンドなんだけど。これだけは外せないな。愛しているといっても過言ではない。

話は戻るが、「これ好きだったらこれも好きなハズ」というのはよくある話で、漫画や映画でも当てはまる。しかし不思議にも「いやーあんまり思い入れないんだよねそれは」ってのって多くないでしょうか。
私の場合は小池一夫大先生の話が好きで堪らないのに、どういうわけか梶原一騎は「あしたのジョー」しか読んだことがないのです。思い入れ皆無。格闘技やプロレスが少しでも好きならば、梶原一騎はマストでしょう、というのが世の通説ではあるが、なぜか全然思い入れがないんだよなー。なんでなんだろーなー。
これも前の日記で唱えた「ブルーフォレスト・シンドローム」の一種なんだろうか。
ちゃんと読んでみたいのになー全然縁がないな。不思議だ。

話は逸れる。
というか「マストでしょう」で思い出したんだけど集英社から新創刊された「UOMO」という雑誌は何がしたいんでしょうか。ウオモ世代とか言い出すんだろうなそのうち。メンノン→スパ!→ウオモ、という雑誌世代遍歴が生まれるのかと思うとやりきれないな。
だいたいウオモって「レオン」が標榜する「コヤジ」(おしゃれなオヤジって意味らしいが、なんちゅー言葉だ)あたりを想定してるんでしょ。ああ、いやだいやだ。モテる40歳とかいう特集が蔓延って、「40歳の恋愛白書」とかいう名の不倫自慢大会とかが始まるんだきっと。年齢が上がっただけの、ホットドッグプレス世代が世にたくさんいることが暴露されてまう。キケンだ。(いや、メンノン世代なんだけどなんとなくホットドッグプレスといいたくなった)
そもそも、ウオモという名前も大体どうなんだ。魚藻?
実際の40歳くらいの人はきっと魚民なんかにたくさんいるだろうから、その辺を皮肉った名前なんだというくらいに受け止めておいたほうがいいんだろうか。
しかし見たくねぇよ、ハウ・トゥ・不倫学とか。吐き気がするわ。
2005年03月03日(木)

ブルートレイン、車上の愛(中編)

満を持してブルートレインに乗車した私の目の前には、憧れ続けたベンチシートがあった。毛布とシーツと枕と浴衣(!)がきれいに畳んで置いてある。
ディス・イズ・旅!そう思った。
ベンチシートは横になっても十分余るほどスペースがある。おまけにカーテンを張り巡らせれば立派な個室だ。ライトもつけることができる。完璧だ。
夜行列車に住むことだって可能じゃないか、と思った。
しかしいきなり横になるのも勿体ない気がしたので、毛布の山によっかかって座り、出発の時を待つ。もう頭の中は銀河鉄道999のイントロでいっぱいだ。
ブルートレインと聞いて、頭に描くものは2つある。
ひとつは先にも述べた銀河鉄道999。星野鉄郎似の顔面を持つ私としては、ポンチョ持参なのである。乗車した途端に羽織りました。
もうひとつはドカベンである。ブルートレイン学園。あそこのピッチャーは隼だったな・・・そう、私が乗っているのも熊本行き夜行列車「はやぶさ」なのだ。なんたる偶然!なんたる幸運!
ワクワクしているうちに発車。あっけない。
ウェル歌夢・トゥ・17時間の旅・・・

17時間の旅といっても、東海道線のレールを使っての旅なので、品川、横浜、大船という道順に目新しいものはない。なので、横浜過ぎ頃には知らず知らずのうちに眠りについていた。
目を覚ましたら沼津。小田原や熱海はとっくに過ぎていたらしい。
大学の頃、なんとなく授業出るのがイヤになって東海道線で沼津まで行ったことがある。大学とは無関係の友達を誘ったら130円切符を買ってついてきたんだった。(私は定期使用)沼津なんて遠いなーもうJR東日本管轄じゃなくてJR東海管轄だよ、わーずいぶん遠くまで来たんだなーなどと大騒ぎをしたものだが、それから5年。沼津は遠いところではなくなっていた。私が目下目指しているのは熊本なのだから。
ちなみにこの沼津旅は帰りの列車がテキ屋夫婦との相席で、そのテキ屋夫婦の話すヤクザ話がおもしろくてたまらなかった。旅はいろいろな人との出会いといろいろなアクシデントとの出会いだと心から思う。
熊本に行くまでに出くわすアクシデントは一体どのようなものなんだろうか。

などと呑気に思っている場合ではなかった。
沼津を通り過ぎ、静岡を通り過ぎ、順調に進んでいくはずの「はやぶさ」がなんでか知らないが菊川という駅で停車した。
あれ、この駅で停まる予定はなかったんではないのか?ベンチシートにすっかり横になっていた私は頭を上げて窓の外を見た。雨が降っているようで、ホームでは高校生がふざけあっている。田舎の駅は電車がなかなか来ないからね、そりゃ待ち時間にふざけあいもするわな、などと微笑ましく思ってから5分、10分、20分・・・動かない。電車が前に進もうとしない。
なんでだよ!
コレ特急だろうよ!
いやーな予感が立ち込める。不貞腐れて買ってきた本を読み始めることにした。本のタイトルは「妻は多重人格者」。なんでこれを選んだのかはよくわからない。別に24人のビリー・ミリガンや5番目のサリーや多重人格少女ヒロ(別人格の名前がヤンキーとかビジュアル系好き女の当て字っぽくて胡散臭かった、すぐアニメ声出すし)が好きというわけではない。適当に時間が潰せると思っただけだ。
読んでいるうちに放送が入る。
「磐田駅で起こりました人身事故の影響で、しばらく停車になります」

しまった。
新幹線に慣れた我が身はすっかり忘れていたのだった。
「寝台特急はローカル線と同じ線路を使っている」ということを。
つまり踏み切りはそこかしこにある。つまり踏み切りに置石をするバカだっているし、「ラスト・ソング」のように線路の上を歩くバカだっているんだった。
どこのバカが電車走行を妨げるんだよ。恨めしい気持ちになる。
「妻は多重人格」を読んでも読んでも電車は動きそうにないので不貞寝をする。起きる。不貞寝をする。起きる。読む。タバコを吸う。寝る。起きる。
・・・こんなにいろんなことをしてもなんで動かないんだよ!
イライラが募る。自分がせっかちであることを自覚する。
気がつけば窓の外でふざけていた高校生の姿も見えなくなっている。ああ、反対方面は動きだしていたのか。それもとっくの昔に。

電車が再び動き出したのは約2時間後のことだった。
本も終わりぐらいまで読んでしまった。磐田駅を通り過ぎると、駅の周りにはパトカーや救急車が止まっていた。何があったかは知らない。確実にいえることは、11時30分熊本着だったはずなのに、到着は13時30分以降にもつれるということだ。
作業は16時45分からだが、もしかしたら間に合わないかもしれないじゃないか・・・!
頼む、遅くとも14時までには到着しテー。(なぜならば作業前に風呂に入りたくてたまらんからだ)

そんな気持ちに駆られながら、いつしか深い眠りに落ちていた。
浜名湖を通り過ぎたことも覚えてないし、セントラルタワーの下を通過していったことも覚えていない。
名古屋までも在来線で行ったことがあったが、その時の背中・腰・尻の痛くなり具合といったらたまったもんではなかった。横になれるというのは偉大なことである。さっきも書いたが、私が在来線線路をたどって目指しているのは熊本なのだ。名古屋よりもうんと遠い。横になれてナンボである。

次に目が覚めたのは、真夜中の3時ごろだった。
どこを走ってるのかもわからないくらいの真夜中である。もう神戸辺りだろうな、と思ってしばらく窓の外を眺めていた。なぜ神戸辺りだと思ったかに根拠はないんだが、ぐっすりと眠ってしまったので関西を通り過ぎるくらいだろうと思ったからだ。というか、2時間の遅れを巻き返してくれてるだろうな、いろんなところを足早に通り過ぎてくれただろうな、という寝台列車に対する脅迫みたいな気持ちがあったのだ。とりあえず進んでくれ。停まらないでくれ。ウォーク・オン・バイー、ウォーク・オン・バーイ〜とヒュー・コーンウェルばりに心の中で叫び続ける。心臓がジャン・ジャック・バーネルのベース音のようにブンブン唸りださんばかりの勢いだった。

しかし、そんな私の期待も空しく、列車が通り過ぎた駅は「茨木」。
ああ、大阪にも辿り着いてないンだね、この列車。
泣きたい。
アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・クラ〜イ、ウォーク・オン・バ〜イ〜ウォーク・オン・バ〜イウォーク・オン・バ〜イ
という部分が脳内エンドレスになったのは言うまでもない。

と思っていたら大阪駅から乗ってきたのか、それまでもずっと乗っていたのかは定かではないんだが、乗客の女性が小声で車掌に話しかけている声が聞こえてきた。
「この列車、3時間遅れてるってことは、振替乗車できますよね?どっかの駅から新幹線に振替乗車して欲しいんですけど」
大胆な話だ。振替乗車は電車事故の場合はよくある話だが、在来線から新幹線に乗り換えて。すごい申請しているな、としばらく感心していたのだが、途中である事実に気づいてハッとする。
3時間遅れてるってことは、11時30分の到着が14時30分の到着になるってことではないか。
作業先が熊本駅から近いのか遠いのかだって定かではないのに、16時45分に間に合うのかコレ。間に合わなかったらどうなるんだ・・・間に合わなかった理由が「夜行列車で熊本に向かってたから」なんてことになったら大変だ。「だから飛行機で行けって言っただろうよ!」というみんなの声が聞こえる・・・みんなの痛みを感じる・・・正確には「オマエ、ホントにイタイ奴」と思われるのを感じる・・・
次に無感覚になる。単にすぐ眠くなったので、考えずにまた寝てしまっただけなんだが。

再び目が覚めたときは、空が白んでいた。
夜が明けたのか。夜が明けたら、一番早い汽車に乗って・・・
って、もう乗ってるしな。
と浅川マキの曲に心の中でツッコミを入れて、ここがどこなのかをまず考える。
進行方向から右手には山、そして左手には漁港らしき海が広がっている。造船所の煙突のようなものもちらほら見える。
山のふもとの街には急な階段がたくさん見えた。
・・・尾道だ!
これが尾道なのか、と思うと感慨もひとしおだった。しかも夜明けという最高のシチュエーションだ。瀬戸内海というと夕日が美しいというイメージがあるが(実際、高松に行った際に夕暮れの瀬戸内海をわたった事があるが、心の中でG線上のアリアが鳴り響いたほど素晴らしい景色だった)、朝日だって十分麗しかった。
夜行列車に乗ってきてよかったなと思う。夜行列車に失望しかけていた自分を恥じる。さよならそんな俺!

そして再び眠りについたのだが、ほどなくして車掌が「新幹線に接続しますんで、お急ぎの方はお申し出てください」と回ってきた。新岩国だか徳山だかで新幹線に乗り換えてもかまわないという。
尾道を見る前までは新幹線に乗り換える気マンマンだったのだが、もうここまで来たらこいつに乗って熊本まで行ってやらぁ。落ち着いている人間ならば新幹線に乗り換えるのが得策だろうし、俺もそろそろ落ち着く年齢にきてるのはわかっているのだ。
だけどだけども人生は長いじゃない。そう、夜行列車で行くあの街はきっといいよ。そう思った。いつだって身軽な俺じゃないか。
このままウォーク・オン・バイすることにした。

つづく
2005年03月02日(水)

字読みづらい!けどメッセージフォームです


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