「海に行こう」
と行き当たりばったりな夫がクルマを走らせ、向かった先は三浦海岸のはずだったのだが、気がつくと油壺にやって来ていた。
海水浴と言うイメージとは程遠く、寂れた感のある海岸は磯遊びには最適で、子ども達は大喜び。
それがもう、
2年前の話になる。
過去日記見て、ビックリしました。去年の話じゃなかったんですな。
で、今年は去年休みを取れなかった分、いろんな夏の思い出をこの1週間に凝縮しようと言うことになり、初日、実家に行く。
クルマで30分足らずの市内に住んでいると言うのに、年に数回しか帰らないのは、年老いた母の繰り返される小言と、父の年々衰えていく姿を観るのが耐えられないから、と言うのが正直な所なのだ。
しかも、冷えると身体に良くないから、と言う理由で、独身の頃のバブリーな時代にクーラーつけてやると言ったにも関わらず、断わられたために、この時期、西日の差し込む部屋は信じられないくらい暑い。
いろんな意味で覚悟をしていくと、やっぱりこまごまと小言を言われ、その矛先はあたしだけでなく、夫や娘にまで及び、苦々しい思いをして帰宅することになった。
そんなこともあって、翌日海に行こう、と言うことになっていても、あたしの気持ちはなんだかささくれ立ったままで、気分は最高に落ち込み、しかもどういうわけか、このところ一気に太った身体は水着になるのに忍びなく、気が狂わんばかりに落ち込みは激しくなり、できたら行きたくないくらいだが、子ども達は心底楽しみにしているし、あたしとて久しぶりの休みで楽しみにしていたのだし、と、気を取り直して出かけた。
どうせなら、と海に言った帰りに、マリンパークの隣にある、海洋深層水の温泉に入ってこようと言うことにして、準備も計画も万端で臨んだ。
相変わらず、のんびりとした田舎の海という感じで、うるさい音楽もなく、ただひたすら子ども達の歓声と波の音、とんびの声に眠り誘われ、ウトウトとまどろむと、足にはフナムシが這い登ってくる。
子ども達はたくさんのヤドカリとカニと、魚を捕まえて、磯遊びを満喫し、昼食にすることにした。
朝早くから起きて用意したおにぎりと卵焼きを食べながら周りを見ると、みんなコンビニ弁当だったり、菓子パンだったりを食べていて、ちょっと自分がえらいと思った。
おなかもいっぱいになって、また少し遊んで、いざ、温泉に向かう。
海が一望できる露天風呂もあり、娘とのんびりとお湯につかり、くつろいだ。
帰りには近くの商店で、昔ながらのアイスキャンディーを買った。なつかしい味が口いっぱいに広がって、夏だなあ、としみじみ思った。
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