空虚。
しずく。



 醜いほどに、綺麗だ。

謝罪の言葉など、意味がないとわかっている。
どんな言葉を吐こうとも、その傷が癒える事などないということも。
それでも、僕に出来ることは、こんなことしかなくて。
気に障る気遣いで、また君を苦しめた。
…それでも、触れていたかった。
自己満足という名の、罪滅ぼしのために。


「最低」
激情に身を任せて叫んだのは、
傷つけることすら出来ない、最低の言葉。
独りにならないと、気付かない事が多すぎて。
取り繕うような言葉ばかりが後から並んで。
結局何も、伝えることなど出来なかった。
意味のわからない涙すら、流れない。

「全部、綺麗事なのかな…」
僕の唇が紡ぎだしたのは。

甘んじて受けるべき罪のことを。どこかで怖がっていて。
傷つけていいといったのも。
許されるはずがない、とわかっていながら、
許して欲しい、と願っていた、おろかな僕の。

綺麗事。

わざと感情を殺したような君の声がまた、頭に響いて。
逃げるようにその場を去った僕の背中に、突き刺さる。
…また、一番大事な時に僕はいない。

「こんなんじゃ、仕方ないよね…」

あの時の姿が浮かんで。
また、胸が苦しくなって。
逃げたくなって。
だけど、逃げたくなくて。

向き合えもしないのに、
「傷つけていい」
だなんて。
言えるはず、ない。

でも、気付いてる。
痛みを受ける僕は、幸せなんだってこと。
本当は何より、君の方が痛いんだってこと。

"気がすむまで傷つけて"

君の気がすむことなんてないのに。

"好きなだけ、言ってよ"

僕に言葉を投げつける君の瞳が、とても哀しい事を知っているのに。

そして。

"愛してるよ"

…それが、一番君を傷つけてるのに。

***

…つくづく自分の言葉は綺麗事だと思う。
だけど、本心だ。…許されるはずもないけど。

2004年07月21日(水)



 

この日記を書くのは、胃痛がひどい時だ。
そしてそれは、大抵Sexをした後で。
アレ、は苦痛を倍増させる行為でしかないから。
それでも求めて、嫌になって、また求めて、汚しあって。
その事に安堵してしまう。まったくもって、狂ってる。

夢のような現実だった。
取りすぎたアルコールが胃壁を傷つけ、ひどく痛い。
舌打ちをひとつして、ベッドになだれ込む。
いつも最初は抵抗からはじまり、現実で終わる。
自慰の後に限りなく近い虚無が身体を満たすけれど、
まぎれもなく重ね、触れ合っていた身体は、そばにある。
「集中してよ」「何考えてるのさ」
と、夢の中でつぶやいた。
だけどそれは現実で。
暴走していた。言葉が溢れていた。
だけど本当に言いたかったのは、そうじゃない。
「…何も受け入れてはくれないんだね。こんなことしてるのに」
いっそ何も分からぬフリをして、全部ぶちまけてしまおうか。
そうすればきっと楽になれる。楽になりたい。苦しい。
繋がらない身体を重ね合ってもただ虚しいだけだ。

いつも苛立ちだけが後に残る。
じゃあ、僕の求めるセックスはなんだ。
それで本当に満足するのか?…無理なのに。

「ヤることしかないのかお前の頭は!」
とでも言ってくれればいいのに。
どうしてこうも受け入れる?
何も共有させてくれないのに。

ああ、また胃が痛い。
あんなに「好きだ」と言ったのに。
あんなに「愛してる」と言ったのに。
それが本当なのかもわからない。
…内側を抉り出したくなるよ。
いい加減、こうあることに疲れたのかな。

2004年07月18日(日)



 重み。

唯一つの欲求さえ、どうでもいい程に、力が入らない。
腕に感じるどこか懐かしい重みがとても心地良い。
言葉を発するのがとても苦しくて、
ただ死んだ瞳をして自由のきかない体を横たえていたい。

何もかもが、とても苦しい。
荒れ狂っているはずの感情をどこかに置き忘れたように。
胸の奥で暴れているものを飼い慣らすこともせずに。

ただ、手首を縛る鎖の重さがとても、楽で。
このまま誰か私を犯してくれたらいいのに、と自嘲した。
そそられるはずの欲情すら、とても面倒くさいもので。
性欲処理に使われるのがどれだけ楽だったのか、と思い知った。

すべてを失くした世捨て人のように。
ただキーボードを叩く自由のきかない手が、
喋りたくも無い言葉を紡ぎだすのを見えていない目で、見ていた。

どれが僕で、私で、君で、あなたで、お前なのか。
かき混ぜられた消化物のようにドロドロの思考を、
痛み始めた頭でまとめられずに、ただ、思っている。

何も考えられない。考えたくない。
このまま、眠らせてくれないか…
自分の身体の、切り離された思考に願う。
ただ、もう放っておいてくれ…すぐなおるから。

つうか死ね。
ああ、切れそうになる…
つうか死ね?
眠りたいんだ。眠りたい…
これをかけたままでいいから…
酒を…

ねむりたい

2004年07月09日(金)



 心が、許してくれない。

自分がどれだけガキかなんて、嫌になるくらいわかってる。
だけど、心が許してくれない。
そこまでの嫌悪感を抱いても、
同じだけの罪を自分も犯そうとしているのに。
不公平、だよな…こんなのは。

何が痛いのかもわからず、ただ痛い。
今まで経験した事も無い、激情とは違う、痛みが。
病のように身体を浸食している。

何が痛くて、何が哀しくて、
どう、したくて、どう、すれば満足するのか。
…わかってて、わからなくて、何も出来ずにいる。

こんなに苦しいのに、何が苦しいのかわからない。
嫉妬、だろうな。わかってるよ。でも、ビジネスなんだ。
その延長線上にそれ、があっても。

大人じゃないんだ。
でも、大人でいなければいけない。

わかってるよ。わかりすぎるぐらいに。
だけど、どうしたらこの感情は止まるんだよ…

わかるもんか。誰にも。
ああ…全部ブチまけてしまえば、少しは楽になれるのに。

2004年07月05日(月)
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