空虚。
しずく。



 永遠。

僕らは、きっとわかっている。
来る別離を。その意味を。その先を。
そして、気付かないふりをしている。
今だけは、虚構を現実だと信じていたいのだと。
夢はすぐに覚める。けれどまた、夢を見る。
そう繰り返して、「私」は生きようと誓った。
涙が出るほどに情けなく、罪深い生涯を、独りで。

何かを、返して欲しいとは思わなかった。
綺麗ではないけれど、汚れてはいない、と。
信じていた。
すべては、信じられなかったけれど。
特別だ、と思えるぐらいには、信じていた。
きっとそれは、他の人間には抱けない感情だろう。
この先、何が起こっても。
だから僕は、彼女しか愛せないのだ。
誰も、耐えられない。僕は狂っているのだから。
心の底から僕を愛せるのはきっと僕だけだろうけれど。
彼女は、それ、すらも受け入れてくれる。
…それもまた、おかしな話なのだ。考えてみれば。
だから、僕はこう結論付ける。
僕らは互いに狂っている。
と。

常人と違うのだ、と優越感に浸ることすら、もう出来ない。
僕は、「普通」が欲しかっただけだ。
おかしいのは、彼女を愛する事だけでよかった。
それは、僕の中ではちっともおかしなことじゃないけれど。

案外不思議なもので、そんな自分を肯定してみたら、
そんなに、悪くない、感じがした。
否定し続けていたあの頃よりは、よっぽど。
だから僕はこれが普通なのだと考えている。
僕にとっての普通。それがおかしかろうが、どうでもいい。
僕は僕が僕として生きられればそれでいい。
関わってくる人間は僕の中には入らない。
それを過去の傷と結びつけてトラウマにするのは簡単だけれど。
弱い自分をつくってみても、何も起こりはしない。
ただ、鬱になる時間が増えるだけだ。それは、面白くない。
過去は過去として、傷は傷としてずっと残る。
たまには鬱にだって沈もう。腕だって切ろう。
それでいいじゃないか。だって生きているのだから。

2004年06月12日(土)



 おぞけ。

いつものことだ、とわかっている。
ただ、それが月と重なったから、いつもより強い。
ただ、それだけのことだ。

傷つけたい。
泣き叫ぶ顔が見たい。
哀願する声が聞きたい。
怯える視線を、自分に向けて欲しい。
「どう」すれば君は「そう」なってくれる?

熱い身体を抱きしめながら、考えていた。
もっと喘いで欲しい。もっと求めて欲しい。
何も考えないで。僕だけを見て。
…それが出来ないなら、君を殺したい。

一時の昂ぶりだ、とわかっている。
ひどく冷めた瞳をした事に君はきっと気付いて、
知らないフリをしていた。

君は僕を受け入れるから、
僕は君を殺せなくなってしまう。
そう、わかっていて投げ出すのだろうか。

だから、対象が別に向く。
誰かが言っていた。
「本当に殺したい人間が殺せないから」
「別の人間を殺すんだ」
と。

ああ、あたってるな、それは。
何故なら、彼女は私のものにならないから。

気が済むまで傷つけられてよ。
もっと残酷にならせてよ。
そんな瞳をして、私を見ないで。
ただ、怯えて。泣いて、叫んで。

誰が、私を「こう」してしまったのだろう。
痛みが欲しい。
狂うほどの痛みが。
もっと、強い刺激が。
解放して…今は、抑えられないから。

「素直になんか、なりたくないよ」
「…傷つけたく、ないんだ。だって私が痛いもの」

2004年06月06日(日)



 事件。

正直言って、どうでもいい。
どうせ二、三ヶ月もすれば風化する事件なのに。
自分のことしか頭にないのに、他人事に頭を突っ込みたがる。
よっぽど暇なのか?馬鹿らしい。
それも人の勝手だけれど。
それを私に強制するのはやめてくれ。
それらしい感想を述べるのも疲れるんだよ。
自分に関係ないところにまで頭使ってられるか。
そんな無駄なことする時間が勿体ねえんだよ。

…何か起こらないかな。
誰にも起こせないような、
人間が出来るとは思えない所業が。
私を、ゾクゾクさせてくれるようなさ。
イイとこどりで悪いけど、楽しんだっていいじゃない?
何も返せないけどさ。それは許される事でしょう?
そんな汚いところが好きだよ。自分の欲望に正直な、さ。


2004年06月05日(土)
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