空虚。
しずく。



 諦め。

泣きそうに、なった。

ずっと、消えてくれない。

いっそ、屈しようか。

その後なんて、どうなってもいいや。

我にかえって、自殺でも何でもすればいい。

もとから、逃げる気も、ない。

2002年09月30日(月)



 月一。

昨日の夜に気付いた。

なんだかだるいと思ったら、

嫌な予感が当たってしまった。

生理だ。

ナプキンを当てて、

すぐに来るだろう痛みに耐える。

「まいったな・・・。」

この分だと、もうひとつの嫌な予感も当たる。

そして、案の定。


内臓、内臓、内臓。

昨夜から、それしか見えない。

それ、プラス周りのものへの、嫌悪感。


・・・言葉を喋ってる、肉槐のくせに。


ぐるぐると、映像が回る。

死ね、今すぐ死ね、さっさと死ね。

私が欲しいのは、あんたの中身だ。


胸から腹まで切り裂いて、

臓物を取り出し、剥き出しの胸郭に触れ、

白と赤のコントラストを楽しんだ後、

手足を切り取り、損壊し、

その肉を焼いて赤ワインでわった血と共に食べる。


苦痛に悶える顔とか、悲鳴とか、

そんなのうるさいだけだ。


欲しいと思ったものが生きている。

殺さなければ手に入らない。

じゃあ、殺そう。


あなたの理論なら、そういう事になるんですけど?


かつて言われた言葉に、皮肉を込めて、そう返す。


・・・一週間、一週間の辛抱。

2002年09月29日(日)



 彼の言葉。

心に残った言葉は数あれど、

一番、揺さぶられたのがこれだった。

『自分が何かを創れるとは思えない。
 自分にできる唯一のことは破壊だと思う・・・
 ・・・もう、ものを壊すのには飽きてうんざりだ。
 誰の助けにもならないなら、人生になんの価値がある?』

2002年09月27日(金)



 守れない誓い。

また荒んだ夜になった。

カッターに手を伸ばしたのも、久しぶりだった。

そんな必要もなかったのに、

それ以外の方法もちゃんと思いついているのに。

欲望に、負けた。

「一本だけ」

滲み出した血を指にとって、塗りつけた。

爪の間に染み込んだ血も、吸い上げる。


見たくない、聞きたくない、汚い。

刺激されたその声も、うるさいとしか感じない。


想像もしなかった、嫌悪感。

(・・・そんな声で喘ぐ前に、死ねよ。)


ああ、したいしたいしたい!

頭に手をやって、髪をひきちぎる。

簡単に抜ける。

目まいもやまない。


胸に手をやって、鼓動を確かめる。

規則的に感じる振動。取り出したい。

首に手をやる。ピクピク動いている。

絞めた。

当たり前だが、呼吸が苦しくなる。

キィン、と変な音が聞こえてくる。

頭に血がのぼる。意識が朦朧とする。

そのまま、しばらく絞め続ける。

ああ、ひどく滑稽。そう思って、笑う。

(・・・吐き戻す)

手を離した。咳き込んだ。


首も、悪くない。

2002年09月26日(木)



 たった一人のともだち。

こんな辛い夜は、久しぶり。

一昨日から目眩は止まらないし、

来るはずの生理はストップ中。

時折猛烈に襲う吐き気と、抜け毛。


頼むから、そんな誘うようなこと言わないで。

冗談だってわかってても、頭は追いついてくれない。

よくわからないもやもやがお腹の中にたまってく感じ。


また少し、臆病になったみたいだ。

電話も、簡単に出来ない。


ゆっくり、ゆっくり、深呼吸。

落ち着いて、落ち着いて、大丈夫だ。


胸に手を当てて、心臓を探す。

見つからない。

腹に手を移して、その鼓動を感じた。

・・・聴診器でも、買おうかな。


つつ、とお腹を指で辿って、裂けるイメージ。

突っ込むイメージ、刺すイメージ・・・そう、ゆっくり。


目眩だけに止まらず、幻覚もひどい。

こんなきついのは、久しぶりだ・・・。


・・・電話、かけてみようかな。

2002年09月25日(水)



 この世で一番尊き日。

他に何も言えなかったけど、いいんだ。

大好きも、ありがとうも、全部それにいれたから。

それが、一番伝えたい言葉だったから。


「誕生日、おめでとう。」

2002年09月24日(火)



 内面世界。

時折、怖くなることがある。

あの人をどこまで信頼しているのか、と。

言いなりと、対等はまったく違うのだけれど。

その区別がつくようになった今でもまだ、わからない。


刃物はまだ、心の支えだけれど、

極力携帯せぬように心掛けている。

"いつでも裂ける"

そう認識すればすぐ、邪悪な想いが押し寄せてくるから。



2002/09/**

胃が痛い、と彼女が顔をしかめた。
とても心配した。どのくらい痛いんだろう?
それの場所に見当をつけて、覗き込んだ。
彼女は苦笑しながら言った。
「見えるわけないだろ。」
見たい、と思った。

2002/09/**

今日、新しい満足の方法を覚えた。
敷布団に、カッターで裂け目を入れる。
頭の中でゆっくりとそれを練り上げる。
お気に入りの死体写真からもイメージを膨らませる。
指をそっと入れる。
最初は入口、次は一気に。
触れる布の柔らかい感触じゃなく、
ぶよぶよとした塊を想像する。
とても、気持ちよかった。



鏡の前で笑顔の練習をする。

精一杯の笑顔で、やっと微笑み程度。

普段の自分がどれだけ無表情かを痛感した。

アルバイトの申し込みをした。

パソコンで情報収集もした。

なんだか、難しそうだった。

とりあえず、やってみるか。

苦笑混じりの微笑は、少し好きになれそうだった。

2002年09月22日(日)



 言ったこと・知ったこと。

拒まれなかった安堵感と、

ほんの少しの悲しみが残った。

冗談で、・・・そう、それでいいんだ。

喰い壊すことに満足感を得られないんじゃないんだ。

・・・むしろ、それにこの上ない喜びを感じるから。

だから、性的なことに関わりたくないんだ。


欲求不満でもなんでもいい。

ああ、そりゃヤりたいよ。

けど、絶対にダメだ。

抑えるとか、そんなじゃなく、本当に、自信がない。

精神的にはもういい、物理的に感じたい。


小説の様にドラマチックにそれを表現出来ればよかったのに。

私ときたら内蔵を引きずり出す事しか考えちゃいない。

まったく・・・ロマンチックのかけらもないね。

2002年09月20日(金)



 真夜中の苦笑。

うだうだ考えても仕方ないので、

無理やりにでも寝ようと思うのですが、

まったく、眠れません。


昼夜逆転の生活にそろそろサヨナラしたいので、

あまり頼りたくは無いですが、相談機関に行ってみます。

睡眠薬でも貰えば精神的にも落ち着きそうですし。


薬はオーバードーズのきっかけになるので、

出来る限り避けていたのですが、

今なら大分落ち着いているし、大丈夫でしょう。


バイトもそろそろ、本腰入れて探さないと。


学校復帰はまだまだわかりませんが、

出来ることからやっていきます。


ついでに、妄想のことも相談してこようかと。

死体の愛撫から始まって、

腹に手を入れて内蔵引きずり出して、

頬に当てて血まみれで笑うのはちと辛いです。


昼間はまったく普通でいられるだけに、余計。


ある意味本当、煩悩に乾杯。

死が性に直結してる状態は自分でもよくない、

と思えているのですが・・・ハァ。


まだまだ、です。

2002年09月19日(木)



 亀裂。

抑圧しているわけじゃない。

ただ、忘れている。忘れていられる。

この時間は間違いなく、幸せだと思える。


ここまで来ると、

もう自分はそうだと認めたほうがいいのか。

まだ、思春期、で片付けられる範囲か?

明言することで楽になれるなら、いっそしてしまおうか。


『私に必要なのは、人格でなく身体?』


まったく、頭が痛い。


行為自体は好きでもなければ嫌いでもない。

ただ、早熟と言うには早過ぎる頃にそれは覚えていた。

何度か、弟とふざけあった事もある。


あの人のことは、とても好きだ。

生きている、恋だと思ってる。


でも、性的なことが絡むと違う。

その口からそんなことを聞きたくない。

他の色んな媒体から情報を入手したくもない。

まったく、この脳内変換の速さはどうなっているのか。

妄想だ、と割り切っているのに、痛みはちっとも治まらない。


当人より私の方が深刻になってしまう、悪い癖だ。


自分が、この性癖を受け止めること。

それ自体は、簡単に出来る、葛藤もない。

"そうであるから、仕方ない"

考えるべきはどうやってそれを満たすか。


他人には間違っても言えない。

話せる相手など限られているし、

「冗談だ」と受け取られる事も、

「変態」の烙印を押される事も怖い。


愛でなく、支配。

人格でなく、身体。

「・・・ネクロフィリア、か。」

冗談であって欲しい。

正常に戻れると願いたい。

だけど、既に私は戻ってきているのに。

笑えるようになってきたのに。

どうしてここだけは変わらないんだ。


不安に、押し潰される。

また一つ、秘密を抱えるのか。


冗談であって欲しい。

(自分はそうなって欲しい。)

普通になりたい。

(特別になりたい。)


・・・自ら望んで変態になりたい人間が何処にいるんだ。

2002年09月18日(水)



 不理解。

そう、誰かに、少しだけ聞いてほしかったのかもしれない。

変だと思われてもよかった。少し、楽になりたかった。


「人間だって所詮肉だよ。」

それは、事実なのにどうして怒られたんだろう。

その時は、本当にその理由がわからなかった。


だけど、後から考えて、少し、解かった。

・・・本心からは、そう思えなかったけれど。



感情というのは、本当にわからないものだと思う。

普段なら笑ったり泣いたりといった、

ごく当たり前の感情に疑問を示す事などないと言うのに。

何かが、欠けているような気がしてならない。


まったく意識していなかった。

感情表現が乏しい、だなんて言われるまで気付かなかった。

きちんと、笑えていたつもりだった。

確かに、泣くことは出来なかったけれど、

自分が笑えない、なんて微塵も思っていなかった。


それなりに、傷ついた事は覚えている。

その痛みは、今はもうわからないけれど。


死んでいるような瞳、虚ろな瞳。

笑っているのに、引き攣っている口許。

鏡を見れば、陰気な女がそこに映る。


表情だけに限った事じゃない。

この、何かがへばりついているような、

とても形容しがたい、違和感、不快感は何だろう?


いつからこんなものを感じているのか。

何故こんなものを感じるようになったのか。


あるようでない、答えを突きつけられる。


道徳観念がないわけじゃない。

善悪の区別がつかないわけでもない。

私は普通で冴えない地味などこにでもいるような女だ。


ただ、"何か"が違う。

それは、自分を特別視したがっているんだろうか?


答えは出ない。だから、考えない。

けれど浮かんでしまったときは、少し、思考を傾ける。

暗い欲望に、飲み込まれない程度に。

2002年09月15日(日)



 親子。

・・・泣かされっぱなしだ。


彼のお父さんの著書を読んだ。

正直言ってどうかと思った。

金儲けのような感じがしたから。


幼い頃の写真があった。

赤ん坊のころ、子供のころ。

とても無邪気に見えた。瞳に光が宿っていた。

なんだか、涙が出てきた。


何の感情だろう?これは。

確かに、許される事じゃない。

けれど、私が彼に感じるのは悲哀、だ。


綺麗事なのかもしれないけれど。

最後まで彼を案じ続け、支え、背負った人だと思った。

もちろん今も、背負い続けているのかもしれないけれど。


すぐ、自分のことを考えるのは悪い癖。

だけど・・・私には、いるだろうか。

罪を犯しても、支え続けてくれる人。

私が子供過ぎて、感じ取れないだけだろうか。

あれが愛だった?・・・それとも、今が、そう?


望んで生まれてきたはずなのに、

それに罪悪感を感じるのはどうして?


決して嫌いになれないのに、好きになれないのがもどかしい。

2002年09月14日(土)



 天空の彼方へ。

よくなろうって思うのは、

それなりに痛みを伴って、

苦しくてつらいから、

また、挫けてしまいそうになる。


声出さないで泣くの、

もう慣れたけど、痛い。


ゆっくり深呼吸して、目を閉じて、

ぬいぐるみにほっぺた寄せたら、

あったかさにちょっと、ほっとした。


もちょっと、やってみる。

頑張らないで、やってみるよ。


痛いとこだらけだけど、

ちょっとずつ見れるようになる。

そう思って、やってみるよ。

2002年09月13日(金)



 モノトーン。

目覚めの一言が、「最悪だ」だった。

得体のしれない感じがずっと付き纏っている。

何度も、目が覚めた。

強烈な死の感じに耐えられなくなったから。

なのに、目を開ければその映像はどこにも残っていない。

再び眠りに落ちる。

また、目覚める。

同じだ。

そんなことをずっと繰り返して、朝になった。

まだ、付き纏っている。・・・最悪だ。


必死に昨夜の記憶を引っ張り出す。

手錠をかけた。机に座った。何か書いた。

紙に残っている文字。・・・書いたよな、確か。

それすらも、朧気。

自分の日記を開いて、昨夜何があったかを知る。

そうか、久しぶりにビデオ見てたんだ。

で、そのあと落ち着かなくなって・・・。

鮮明には覚え出せなくとも、

ぽつりぽつりと、映像が浮かんだ。


気持ちを切り替えようとシャワーを浴びて、

髪の毛を手ですくと、面白いように抜け落ちた。

手のひらに乗った黒い束を見て、苦笑する。

『はげしずく〜』

あの人のからかうような声が聞こえた。

『はげないもん、大丈夫だもん。』

交わすように呟いて、ちょっと笑った。

「・・・あの人、だけだな、私が私でいられるの。」

意地っ張りで、馬鹿で、すぐ突っ走るけど。

そんな自分でも、いーんでない?

冷静で、真面目な良い子よりも、ずっと楽しいや。

まだまだ上手く笑えないけど、

ちょっとずつ取り戻していけるよね。


・・・そう、私の頭から"死"が消えることはなく、

歪んだ妄想が消えることもまた、ないけれど。



『人間の人生はどこまでが定められたことで、
 どこまでを自分で支配できるんだろう?』

J.L.D

1991/08/14

2002年09月12日(木)



 真夜中の情事。

本当に満たされるのは、自慰なんかじゃなく、こっち。

精神的な満足度はそれの比じゃない。


今日のために、カッターの刃もあらためた。

深夜二時、揺り椅子に腰掛け、カッターを右手に持つ。

大きく深呼吸をして、ビデオの再生ボタンを押す。


・・・私は、新鮮な方が良いな。

腐ったらもう、人間って感じがしないもの。

でも、この俳優さん、足がすごくキレイ。男なのに。

・・・舐めてみたいな。でも男なんだよね。


腹に手を突っ込んで、内臓を抉り出す様を思い描く。

ああ、さすが。こんだけリアルだと、ちょっとイイ感じ。

でも、どれがどれだかサッパリだ。


生唾を飲み込んで、刃を当てる。

あ、血飛沫。・・・すごい、キレイ。

流れ出した血を唇にとって、舐める。

そう、口紅を塗るように。


・・・やっぱり、うるさいな。

喘ぎ声も、叫び声も。

黙ってろよ。そんなの聞きたくないんだ。

死なないでね、ヤだからね?

そろそろさよなら、愛してる。

この後も醜くなっても、ずっと。

「・・・自己中。」


深呼吸を、一つ。

ああ、そうそう、これだ。

真っ白くて冷たくて・・・もう取り戻せない。


ビデオはあくまでビデオ。

一番大事なのは自分の想像。

じゃないと、満たされない。


「血・・・。」

最後の、首挿げ替えるとこ、

真っ白いシーツが真っ赤になって、

壁に血が飛び散って、

肌にも返り血がついて・・・、

すごくキレイだったな。

私もあんな風に血、浴びてみたいな。


血液を、肌に塗って、

もちろんあの人にも塗って、

ちょっとずつ舐めるの。


左腕を切って、唇を当てて、目を閉じる。

浮かんだばかりの映像を想像したまま、舌を這わせる。

これは自分の腕だけれど、そうじゃない。

「きれいだよ・・・。」



二時間、たった。

ビデオは、終わってた。

口元の血を舐めとる。

カッターの刃を拭って、しまった。

ビデオを抜き取り、ケースにしまう。

「さて、と。」

目を閉じて、あける。

鏡を見て、笑う。


また明日から、普通に戻る。

とても満たされた、夜。

2002年09月11日(水)



 落ち着き。

三日連続であの人が夢に出てきた。

その事をメールで言ったら、

「そんなに逢いたい?」と笑われたけれど。

・・・そうじゃないよ、違うんだ。

「欲しい」ってシグナル、だと思う。

まだ、そんな夢は見てない・・・、見てないはず。


空想だったらそんなの日常茶飯事だけど。

飲み込まれてはいないから、私はまだ、大丈夫だよ。



今日はまだ、何も襲ってこない。

このまま眠ってしまえれば楽なのに。

あれは布団に入ればすぐ、襲ってくるから。

だけどずっと手を動かしていれば、つけいって来ない。

考える頭をなくした頃に布団に入れば、

何も思うことなく眠りに落ちられる。

だけど、夢の中は違う。

何も覚えていないけど。

強烈な死の感じだけはいつも残ってる。

何を見たか、なんて考えたくない。

私の夢から死が消えた日はほとんどないから。

*****************

『なぜ始まったのかはわからない。
 自分でもはっきりした答えはない。
 なぜこれが始まったのか真実の、
 本当の理由を知っていたら、
 たぶんやらなかったと思う。』

J.L.D

1991/08/14

2002年09月10日(火)



 晴れた日。普通。

本日、晴天。

折り込まれていた求人広告をチェック。

お茶をコップに注いで、飲み干して、着替える。

久しぶりに体重計に乗る。・・・変わりなし。

部屋に戻って、椅子に腰掛ける。

机に向かって勉強。


遊びに行きたいけど、誰の予定も立たず。

来週は行けそう?オッケイ、それで。


ごく普通の、日曜日。


「おはよう、ジェフリー。」

一番気に入った彼の写真を部屋に貼った。

いつかお墓参りに行きたい・・・、また一つ出来た、目標。

アパートはまだ残っているんだろうか。

死臭もまだ、漂っているんだろうか。


「こういう問題、苦手なんだけどな・・・。」

あの死体写真、どこだっけ。

壮絶だったけど、すごく魅かれてて。

今はもう見つからないけど・・・。

「あ、そうか。こうやるのか。」

次はネクロマンティックでも借りようかな。

デスファイルとかジャンクとか、近くにないしな、

探しに行こうかな。

「次は、と。」



どこへ行っても死がつきまとっている。

冷たい唇にキスしたい、とか、

冷えた身体を抱いてイってみたいとか。

憎い人も、殺せば愛せる?

か、と考えてそれは無理だと答えが出た。

憎しみが先行して身体にぶつけてしまうだろうから。

そしてゴミ袋に入れて捨ててやるんだ。ざまあみろ。

**

彼には未来がなかった。
どこにも向かっていなかった。
毒々しい思考を抱えたまま、
いつまでもこの部屋に座りこんでいる運命だった。
なんとしてもそれを止めなければならなかった。
今すぐ、今度こそ自分の手に操縦桿を握り、
自分自身を取り戻さなければならない。
それがなんなのかはわからなくとも。

The Shrine of Jeffrey Dahmer...

2002年09月08日(日)



 昼と夜。

明るい昼と、暗い夜。

同じものを違って見せるその二つのように。

私もまた、表情を変える。


「されない、よな。たぶん。」

左腕から流れる血を舐めとる。

いちばん簡単な、欲望の満たし方。

不思議と、痛みは感じない。

少しずつ、刃を振るう手に力がこもる。

「自分の肉、なんか美味しくないだろうな・・・。」

何ヶ所かに残った、歯形を見て、思う。


血は、もう見飽きてて、

欲しいのはその中にあるもので。


彼、のように私も鼓動を聞くのが好きだから。

今日もまた、空想で自分を慰める。


手錠をかけて拘束する。

裸に剥いて、胸に耳を当てる。

ひどく安らぐ、その音。


・・・叫ぶ、だろうか?

その声も、最初は心地良い。

だけど、段々うるさくなってくる。


私は、とても楽しいから、笑顔を絶やさない。

使い慣れたカッターで傷つけて見る。

浅い、傷がつく。

その血を、舐める。


替えの刃を、たくさん用意しておかなきゃ。

脂でギトギトになって、すぐ切れなくなるだろうから。


語りかけながらにしようか、終始無言でいようか。

ああ、写真も大事。

お気に入りの音楽をかけて。

歌を口ずさみながら。


見たいところは、たくさんある。

ああ、解剖学の本を買ってない。

仕方ない、勘で。


殺すつもりはない。

けど、お腹裂かなきゃ内臓見れないでしょ?


・・・ここで、ストップ。

空想の中の私は何でも出来る。

だけど、現実はそうじゃないんだから。

人ひとりを拘束するなんてそうそう簡単じゃないし、

体力だって、全然ないし。

ああ、そうか。薬使えばいいのか。


また、空想に戻っていく。

それにあわせて、左腕を切ることも忘れずに。

「・・・言える?言えないよ、やっぱり。」



今日、スパゲッティーを食べた。

ナポリタンのソースをあっためて、

茹でたパスタにからめた。

「血の色みたい。」

血液だと思って食べる事にした。

我ながら、ナイスアイディア。

とても、美味しかった。

**

彼は心から、喜びいっぱいに笑うこともできなかった。
微笑や作り笑いはしてみせたが、顔には表情も動きもなく、
まるで無理矢理笑い顔を貼りつけたように見えた。

The Shrine of Jeffrey Dahmer...

2002年09月07日(土)



 ネクロフィル。

とても楽しかった。

久しぶりに笑えた。

また、逢いたいと思った。

そう告げ、別れた。

残った楽しい思い出だけを抱いて、

また、歩めると思っていた。

・・・それを、許してくれなかったのは、

追いやっていた、変わらぬ、増大し続ける欲望だった。


流した涙は、同情だったのだろうか。

あの人がいなければ、彼と同じ道を歩んでいたはずの、

驚くほどに彼に似た、自分に対するものだったのか。


それは、このおぞましくも悲しい物語を紐解けば、

いずれわかることだろう・・・。



それは常に唐突で、

私のことや場所など何も考えてくれない。

消えた傷を眺め、安堵に笑おうとしたその時のこと。

脳裏に過ぎった組織。一瞬にして、表情が消えた。

縦に裂けた腕の間から覗く組織。

筋肉・脂肪・骨。間から流れ出す血液。

陳腐な想像だけですむはずもなく、

切り裂いて、覗いて見たい衝動に駆られる。

生憎ここは電車の中。カッターの持ち合わせもない。

それに多少の安堵を感じつつ、爪で紅い線を引く。

何度も傷つけられ、弱った皮膚は簡単に跡を残した。

後はそれを見つめ、空想を膨らませるだけ。


影響されやすい性質なのか、

それとも元来の性格のせいか。

"組織"がとても欲しくなる。

先程まで笑っていた私が欲しいのは、

ぬくもり、安らぎ。そんなあたたかな感情。

しかし一度表情を無くせば、

欲しくなるのは、組織・・・パーツだ。


両者のバランスはまだ保たれている。

安らぎやぬくもりはあの人によって満たされ、

組織やパーツは映像や写真といった形で満足させられる。


問題なのは、実際に触れて見たいと願う感情だ。

自分の身体にはどうしても痛みが付き纏い、

純粋にそれを楽しむ事が出来ない。

かといってもう一つの道は絶対に選んではならない。


術は身に付けた。

あとは上手く共存させる。

これからの課題は、それだ。



『自分に正常な感情を持つ能力があるのかどうか、
 よくわからない。もう長いこと泣いたことがないから。
 長いこと押し殺していると、
 それ自体なくなっちゃうのかもしれない。
 少なくとも、どこかは欠けてしまう。よくわからない。』

J.L.D

1991/08/26

2002年09月04日(水)



 キャンドル。

部屋の明かりを消し、

ローズのキャンドルに灯をともす。

柔らかな灯りと、ほのかな香り。

切り離された私の精神がそこにあった。


全身からどっと汗が噴き出す。

鳥肌が立ち、身体が小刻みに震える。

普通の生活を営もうとしている。

日々前進は、そう、少しずつでもしている。

なのに、これだけはどうしても変わらない。


「誰か、誰か死体をくれ。」

写真は駄目だ。妄想を助長させるだけだ。

映像はまだ疑似体験が出来るから、いい。


欲しい。

動物はダメだ。

人間でなきゃダメだ。

気持ち悪くなって、いいんだ。

吐き戻しても、いいんだ。

どうせ胃液しか吐けない。


すごく興奮するんだ。

内臓をなすりつけてヤってみたいんだ。


ああ、落ち着かなきゃ。

深呼吸して、ゆっくり、ゆっくり。


一緒にお風呂に入りたい、

その後ベットで一緒に眠りたい、

あなたのために料理を作って、

解体して、料理して、

ずっと一緒にいたいんだ。


そしたらずっと笑ってられる気がする。

わけるのも、見せるのも楽しいかなあ?


ああ、全部、空想で終わらせなきゃ・・・。

2002年09月03日(火)



 クリスタルガラス。

平穏とはいえないけど、

落ち着いた毎日が過ぎている。

のんびり、ゆっくり。

そう口にするだけで落ち着いてくるし、

少し、前向きにもなれる。

頑張らないだけで、笑える私がいる。

触れるだけで痛い想いもあるけど、

少しずつ、受け止められるよ。

そう、語りかけてみた。


だけど、そんな関係になるたび、

少しずつ増える不安と、迷いがある。


私があの人に望むのは、

「母親」なのか「恋人」なのか。


恋、だと問われれば、

「そうだ」と答えられる。


だけど、

恋人、を望むのか?と問われれば、

「そうじゃない」と思う。


あの人には彼氏さんがいて、

私は彼氏さん以上にはなれない。

あの人を、幸せには出来ない。

・・・少し、悲しくなるけど、本当にそうだから。


欲しいものは奪い取らなきゃ、

なんて何回か言われたこともあったけど、

私の「欲しい」は、あなたの言うものじゃない。

だから、これで、いいんだ。と思う。


不安定な、この関係。

だからこそ、不安になる。

その口からはっきりと聞いている。

私は「友達」だ。って。

・・・それだけでも、嬉しい。

だけど、私には、そう、じゃない。

恋心だと思う、だけど、望むのは恋人じゃない。


二つの色の、クリスタルガラス。

・・・蒼いのは私、紅いのはあなた。


大丈夫、少しずつ。

焦っちゃいけない、焦っちゃいけない。

急いで答えを出す必要なんか、どこにもないんだから。

2002年09月02日(月)
初日 最新 INDEX MAIL HOME


My追加