doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 Karlheinz Stockhausenのサイン

ドイツの現代音楽の作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンからサインをもらった。左の画像がそれ。

6/25(土)シュトックハウゼンの天王洲アートスフィア公演の終了後、1階中央やや後方にあるミキシング・コンソールの周りで、前日6/24の公演同様、シュトックハウゼンの即席サイン会が始まり、事前に買って用意しておいた色紙に書いてもらった。念のため、黒のマジックを持っていったものの、シュトックハウゼンが持っていた緑のマジックで書いてくれた。

第一部の連作オペラ、第二部の電子音・ノイズが立体的に飛び交う5.1chサラウンドを会場で具現化したような電子音楽もしっかりと耳に刻まれたが、それにも増して、“現代音楽の巨匠”にサインと握手をしてもらった時の緊張と興奮は、数時間経っても冷め止まなかった。
6/24、25に続き、最終日の6/26(日)の公演も観に行く予定。ちなみに、私の前列右の方の座席には、若い美女(娘?)同伴の坂本龍一がいた。

・プログラム
[24・25・26日] 《リヒト=ビルダー(光=イメージ)》(2002年/41分)〜連作オペラ「リヒト(光)」から「光の日曜日」第3場(演奏会形式)
[24日] 電子音楽《少年の歌》(1955-56年/14分) 《テレムジーク》(1966年/18分)
[25日] 電子音楽《コンタクテ》(1958-60年/36分)
[26日] テープ上演《天使=行列》〜連作オペラ「リヒト(光)」から「光の日曜日」第2場(2000年/45分)
・出演
カールハインツ・シュトックハウゼン (作曲、サウンド・プロジェクション)
スザンヌ・スティーヴンス (バセット・ホルン)
カティンカ・パスフェーア (フルート)
フーベルト・マイヤー (テノール)
マルコ・ブラーウ (トランペット)
アントニオ・ペレス・アベラン (シンセサイザー)
・シュトックハウゼン来日記念演奏会:リヒト=ビルダー(光=イメージ)(REAL TOKYO, arion-edo org
シュトックハウゼン音楽情報

2005年06月25日(土)



 Musical Baton

音楽に関する4つの質問に答え、ブログやHPを持つ5人にバトンを渡すミュージカル・バトン。海外のブロガーが始めた“不幸の手紙”風のお遊びらしい。プリンス関係のサイトで知り合ったPrince_Controlさんからミュージカル・バトンを受け取ったこともあり、回答してみた。

■Total volume of music files on my computer:(今コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
ほぼ0GB。iPodは持ってないし、購入する気も今のところはない。PCで音楽を聴くのは試聴する時くらい。当然か。
■Song playing right now:(今聞いている曲)
なし。音楽を聴く時は、いつも一対一で向き合うようにして聴いている。「ながら聴き」はほとんどしない(仕事の行き帰りにポータブルCDプレーヤーで音楽を聴いてはいるが、それは除く)。
■The last CD I bought(最後に買ったCD)
Miles Davisの『'Round About Midnight』Legacy Edition(1956年の未発表ライヴ等を追加した2CD)と、Mark Stewartの『Kiss The Future』。
■Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me:(よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
今思い浮かんだのを5曲。数時間後には違う5曲になっているかも。
・OKI featuring 安東ウメ子の「Rok Upopo」(『Hankapuy』収録)
・Jimi Hendrixの「Machine Gun」(『Band Of Gypsys』収録の同曲)
・James Brownの「I Don't Want Nobody To Give Me Nothing(Open Up The Door, I'll Get It Myself)」(7分01秒 or 9分43秒ヴァージョン)
・Bob Marley And The Wailersの「Get Up, Stand Up」(『Live At The Lyceum』- 邦題『ライヴ!』収録)
・Curtis Mayfieldの「Hard Times」(『There's No Place Like America Today』収録)

ミュージカル・バトンは、最後に「バトンを渡す5人」を紹介しなければいけないそうだが、生憎そのような方は私にはいない。所詮ミュージカル・バトンはお遊びのようなものらしいし、反則となるのだろうが、ミュージカル・バトンを渡す5人の紹介はパスさせてもらった。

2005年06月16日(木)



 アイヌ民族の西平ウメさんによるトンコリ演奏の音源

樺太(サハリン)出身のアイヌ民族である故・西平ウメさんによるトンコリ演奏などの貴重な音源が、『小泉文夫記念資料室』「所蔵音響資料(オープンテープ)」における「Web試聴可能データ」で聴ける。

西平ウメさん(OKIのアルバム『TONKORI』のブックレットに倣い、「うめ」ではなく、「ウメ」と表記した)は、樺太アイヌの弦楽器トンコリの名手であったクルパルマさんからトンコリを習ったという(OKIのCD『TONKORI』のブックレットより)。西平ウメさんの録音時の年齢は不明だが、当時すでにフチ(アイヌの女性の古老)であった模様。
音源は、1962年と67年に小泉文夫(1927-83)らによって資料・記録用として録音されたもので、ネットで聴けるのは、トンコリの演奏やウポポ(アイヌ語で歌)、曲の解説など。踊りも見せてくれたようだが、映像は撮影されてないようだ。

『小泉文夫記念資料室』の「Web試聴可能データ」で公開されている、西平ウメさん関係の音源はすべて聴かせてもらった。それら全部を聴き終えるのに2時間くらい掛かっただろうか。
トンコリ奏者のOKIが、5/22発売の新作『TONKORI』などで取り上げている「Yaykatekara」、「Retah Chiri Haw」、「Ikeresotte」、「Kent Hakka Tufse」、「Etofka Ma Irekte」、「Keeh Keeh Hetaani Paye An」といった樺太アイヌの伝承曲が、西平ウメさんによるトンコリ演奏で聴けるのがありがたいし、両奏者の同一曲での演奏比較などの点でも興味は尽きない。
西平ウメさんは、安東ウメ子さんが歌った「イフンケ(子守唄)」や「ツプ カワ カムイ ラン(湖に揺る月)」などの歌も聴かせてくれている。十勝・帯広地方のアイヌの歌を伝承する安東ウメ子さんの歌とは全く違っており、こちらの音源も興味深い。

【参考】
・OKIの演奏曲「Yaykatekara」(ダブ・リミックスの試聴)→西平ウメさんの演奏「DAT番号: 0365-1 曲・解説順番号: 04」「DAT番号: 0375 曲・解説順番号: 21」
・OKI「Retah Chiri Haw」→西平ウメさん「DAT番号: 0365-2 曲・解説順番号: 15」
・OKI「Ikeresotte」→西平ウメさん「DAT番号: 0375 曲・解説順番号: 07」「DAT番号: 0375 曲・解説順番号: 17」
・OKI「Kent Hakka Tufse」→西平ウメさん「DAT番号: 0366-1 曲・解説順番号: 04」
・OKI「Etofka Ma Irekte」→西平ウメさん「DAT番号: 0365-2 曲・解説順番号: 21」
・OKI「Keeh Keeh Hetaani Paye An」→西平ウメさん「DAT番号: 0366-1 曲・解説順番号: 08」
・安東ウメ子さん「イフンケ(子守唄)」試聴→西平ウメさん「DAT番号: 0366-1 曲・解説順番号: 11」
・安東ウメ子さん「ツプ カワ カムイ ラン(湖に揺る月)」→西平ウメさん「DAT番号: 0366-1 曲・解説順番号: 17」
・安東ウメ子さん「ヤイサマ」→貝澤ふめさん「DAT番号: 0364-1 曲・解説順番号: 07」など

「ところの民族考古学 トンコリと常呂 − 宇田川 洋」『OKHOTSK 北の異界 古代オホーツクと氷民文化』より)
トンコリを弾くアイヌ女性(北海道大学附属図書館「北方資料データベース」)

2005年06月08日(水)



 『ロックンロール・バビロン』

入れ歯が大きくずれているステージ上のマーク・ボランの写真。6/1発売のT.レックスの3枚組DVD『Born To Boogie』を見ていた時、『ロックンロール・バビロン』に載っているマーク・ボランのショッキングなあの写真を、ふと思い出してしまった。

1950年代から70年代のロックのスキャンダラスな裏面を綴った書籍『ロックンロール・バビロン』(ゲーリー・ハーマン著, 中江昌彦 訳, 白夜書房, 1988年1月30日初版発行, 原著1982年)。本書には、エルヴィス・プレスリーやジェリー・リー・ルイスの特異な性癖の記述や、自家用機の墜落事故で亡くなったオーティス・レディングが湖から引き揚げられている目を背けたくなる現場写真。ブライアン・ジョーンズの変死の5日後、150錠のソディウム・アミタールを飲んで自殺を図り、病室のベッドの枕を大量の血(?)で染める昏睡状態のマリアンヌ・フェイスフルなどが掲載されている。言わば、日本の写真週刊誌にも通じる醜い面があり、コアなロック・ファンなら誰にでもお薦めという類の書籍ではない。

日本ではそのまま掲載するわけにはいかないはずの写真が3点載っていることにも驚かされた。Tシャツ1枚のみ身に着け、ノーパンでステージに立つデボラ・ハリー。トップレス女性のステージ登場に全裸で応じるストラングラーズのベーシスト、ジャン・ジャック・バーネル。白熊の毛皮の敷かれたベッドに全裸で横たわり、イカれた表情でポーズをとるキース・ムーン。デボラ・ハリーの写真は辛うじてOKかもしれないが、後の2枚の写真は当時も今でも問題だろう。

『ロックンロール・バビロン』を買った後年、本書が地元の図書館に置いてあり、このような書籍を蔵書として仕入れるなんてと思いながらページをパラパラめくったところ、キース・ムーンの写真などに修正が入っていた。私が持っている『ロックンロール・バビロン』は、発売日に買った初版本&完全無修正だが、重版もしくは増補新装改訂版(1992年?)は修正入りなのかもしれない。
なお、海外では2002年に『Rock 'N' Roll Babylon』のペーパーバック版が出版されている。







2005年06月07日(火)



 イダキ奏者ジャルー・グルウィウィ etc.

ディジュリドゥ・コンピレーションCD『ワンガイ』・オーストラリアの先住民アボリジニが、1,000年以上前から奏でている世界最古とされる管楽器イダキ。白人によって付けられた名称ではディジュリドゥという。7月に来日予定のイダキ奏者ジャルー・グルウィウィによるイダキの演奏シーンなどの動画(約2分)が、『DJALU PROJECT 2005』で公開されている。

『ジャルー・プロジェクト − Djalu Gurruwiwi Japan Tour 2005 Official Web』の5/10付を読んだが、イダキ奏者ジャルー・グルウィウィの体調不良が心配である。7/3(日)の東京公演を始めとする来日までには、何とか回復し、元気な姿を見せてくれるよう願っている。

・カエターノ・ヴェローゾの東京での3公演―5/23 東京芸術劇場、5/24&25 東京国際フォーラムの感想やレヴューを、いろいろなHPやブログで読ませてもらった。その中では、私が観に行った5/23の東京芸術劇場(池袋)公演が、音の悪さから評判が一番悪い模様。1階中央よりやや左後方の座席の私には、言われているほど醜い音響には聴こえなかったが、東京国際フォーラム公演も観た方の音響に関する投稿文を読むと、東京初日を選んで損をした気分がするのは否めない。

・6/5(日)17:00〜17:54ON AIRのJ-WAVE『NOEVIR SAUDE! SAUDADE...』では、「感動メモリアル!カエターノ・ヴェローゾ東京公演レポート」と題し、カエターノやブラジル音楽等で知られる中原 仁氏が出演(『中原仁のCOTIDIANO』6/1付より)。裏ネタの一つとして明かされるはずの「カエターノが滞在中にCDを聴いて気に入った日本人(?)歌手の名前」がすごく気になる(→6/7追記: 「石垣島出身の唄者、大島保克」とのこと)。

・カエターノ・ヴェローゾ東京芸術劇場公演でもらったチラシで知ったが、6/21(火)23:40からのWOWOW『JAZZ FILE』で、「カサンドラ・ウィルソン・イン・コンサート」(2003年ドイツ・シュトゥットガルト)が放映される。

2005年06月02日(木)
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