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2002年06月29日(土)
『青い春』

『青い春』@シネマライズ2F


3週連続で初日もの。先週突然ナミさんが「映画の初日舞台挨拶ってどのくらいひと来るの?」と訊くので何かと思えば『青い春』舞台挨拶の整理券を明日から配布すると言う。松田龍平くんがいるからねえ…結構凄いんじゃないかな等と話していて「これ私も観るつもりで…いつ行こうかなと思ってて」と言ったら「じゃあ一緒に整理券とっておくよ!」うわ有難うラッキー!便乗させて頂きました。そんな訳で初日のみのモーニングショウ10:30の回。朝早いと渋谷はひとがいなくて歩きやすいねー。しかしスペイン坂にはひとだかり。もう3回目の上映分のひと迄並んでいた。

観たかった理由は、プロデューサーが宮崎大氏だと言うことと、新井浩文くんが出演していること。『GO』で「めっちゃウンコしてえ」って言ってたあのコです。印象に残って、他の作品を観たいと思っていた。『青い春』は『GO』より先に撮っていたと言う、実質デビュー作。豊田監督の過去の作品は未見。松本大洋氏の原作は読んではいた。

これはいい。朝イチで観ると一日中ひきずる。歩き方まで変わります(笑)任侠映画観たおじさん達が高倉健さん化して肩で風を切って出ていくって言う伝説が解るなと言うか。男の子はもっとその度合いが強いんじゃないかな。以下ネタバレしてます。





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塚本晋也監督作品『BULLET BALLET』での真野きりなさんを観た時に思った、「その時、その場にしか存在しないツラが撮れ」ている。この作品に出演した事を、役者は誇りに思うんじゃないかな。番を張る気もなく、屋上から全てを見おろす九條、九條から突き放され暴走する青木、甲子園出場に傾けてきた情熱をなくしヤクザの道を選ぶ木村、ウルトラ警備隊を目指すピースな雪男(このひとのツラ構えはよかったわー。無表情が長回しに耐えうる)、お調子者の大田(やっぱ裕太くんは巧い!)、使いっぱからのしあがる吉村(ホームランアイスで今後の運を掴もうとする時のモノローグが素晴らしかった)、余命いくばくもないオバケ。桜が散らない数日間のうちに、彼等は散る、散る、散る。散るのか?落ちる?飛ぶ?

登場人物のツラ構えも素晴らしいが、画ヅラ全体がとにかくいい。文字通りどんどん黒くなっていく学校(視覚的に本当に黒くなるのだ)、毛虫、チューリップ、ハイスピードの多用、ベランダゲームを実写で観られると言う緊張感。

特に終盤、青木が屋上で一晩過ごすシーンのコマ撮りの美しさは絶品。噂には聞いていたが…これは大変だったろうね新井くん。いやスタッフの皆さんも。でもこんないい画が撮れるんならそら鬼にもなるってもんでしょうって言う私も鬼か(笑)ここからラスト迄の“間”は凄かった。釘付け。翌朝登校して屋上の青木に気付く九條。走る。屋上すれすれを飛ぶ飛行機の仰瞰。青木はベランダゲームを始める。屋上へ駆け上がる途中転び叫ぶ九條。ドアを開け柵を飛び越える。間に合わない。青木は落ちる。手を13回叩く。フラッシュバックとスローモーション。私の近くの席にいた女の子は、青木が落ちるところで小さな悲鳴をあげた。

無表情な彼等は、時々情緒的な面を見せる。九條が青木を散髪するシーン、クールな雪男が泣き叫びながら警察に連行されるシーン、青木をとめようと走る九條が思い出す幼い日の思い出。この感情のほころびがあると、正直ホッとするのも事実。そこで許してくれないのがこの作品なのだが。豊田監督、怖いな。他の作品を逃していたのは失敗だった。

『御法度』は観ておらず、松田くんの事もあまり詳しくはなかった。松田優作氏は好きで、映画も結構観ている。親子だってのはなるべく考えないようにと思っていたが…に、似てる…顔もなんだけど…走る姿が!凄い似てる!時々ギョッとさせられた。佇まいが美しく、目ぢからも強力。これは使うのに難しそうだな…今回のようにハマればホームラン。

新井くんは期待通り、つーか以上。このひとの存在感も凄い。本人意識してるのかは不明だが、時々ふっと見せる寂しい表情がいい。あの後半の髪型が違和感なくなってしまう馴染みっぷりもいい。今後ますます楽しみ。それにしてもウンコに縁があるね(笑)忍成修吾くんは『リリイ・シュシュ〜』の時と真逆の立場で興味深かった。いぢられかたも共通してたりね(全裸で水の中へって言う…)。

ミッシェルガンエレファントの貢献度は大きい。予告編を観た時から「これは…」と思っていたが、ハマリ度が見事。音がもう少し大きくてもいいかも。エンドロールを観てビックリ、音楽監督がウエケンですよ!知らなかった!TMGE以外にもアナラーズの曲も使われててこれは意外な収穫でした。こんな所で遭えるとはね。好みは別れると思うが、ピンとくるひとには相当いい。しかしこの人選も宮崎プロデューサーなのだろうか。『殺し屋1』の山本精一さんにもかなり驚かされたもんなあ。こうなると気になってくるのは、宮崎氏製作の次の作品『Blue』。どうくるかな。

上映後に舞台挨拶。豊田利晃監督、松田くん、新井くん、高岡蒼佑くん、大柴裕介くんが出席。2階席最前列だったのだが、松田くんはシャイなのかうつむきっぱで顔は殆ど見えなかった。あと新井くん、デカい!高岡くんは映画と全くルックスが変わっていた。皆が口を揃えて、現場は学校に通っているみたいで楽しかったと言っていた。新井くんはホントに「うち」って言うね!「原作のことは忘れてやった」と言う監督。大当たりです。



2002年06月28日(金)
予習やら復習やら

青山陽一インストアイベント@タワーレコード新宿

シングル『Come And Go』リリースイベント。残業遅刻で2曲しか聴けなかった…。昨年のベストライヴはこのひとと小林建樹くんの、やっぱりインストアイベントだったんだけど、コードの使い方がモロ好みなんですよ。声も好きだ。激ウマのギターを平熱で聴かせるおっとりさも好きだな。

昨日THE WHOのベーシスト、ジョン・エントウィッスルが亡くなった話をしていて、結構感慨深げだった。確か本当なら今日から再結成ツアーだったんだよね…。


終演後店内をうろうろ、10階から順に各フロアを嘗めていく。ペッパーズ、THE DIG迄巻頭表紙だよ。考えてみればこの雑誌に載る程ベテランなんだよなあ結成20年。そういやあ私も10年以上聴いてるしなあ。男優倶楽部の大森くんを見てニヤニヤ。『サル』では25歳で若白髪の役なので現場では「課長」と呼ばれていたとか。これから課長って呼ぼう!(笑)大倉くんやら勝村さんやら筧さんやらオイシイ面子が掲載。そろそろ筧さんの舞台が観たいな。

ズボンズ新譜試聴したら良かった。2枚目以降買ってないけどやっぱいいな。帰ってJANE'S ADDICTIONも久々に聴いてみたり。高音ヴォーカルは苦手な方なのだが、ファレルとマニックスのジェイムズは例外なんだよなあ。ファレルはかなりギリギリ(笑)て言うか、JAの曲はこのひとの声以外あり得ないからなあ。好き嫌いとかそういうものは聴いてると吹き飛ばされます(笑)ナヴァロのギターはやっぱ格好いいっす。ゴージャス。フジでは「STOP!」やってくれるかなあ、「IDIOTS RULE」聴けるかなあ。



2002年06月26日(水)
待ってられるか

外盤入荷したんで即行購入「By the Way」。国内盤もきっと買うけどね!3曲入りと4曲入りの2種あったが、「TIME」はアルバム国内盤にボーナストラックで入るので、3曲入りを購入。

シングルは前評判通り、伝家の宝刀で来たなと言う感じだ。ジョンのぺなぺなギターから急展開のどファンクもの。フリーのベースもバキバキに唄っている。なんでこのひとらはこんなに音数少ないのにこんなに分厚いグルーヴが出るかなー。展開も物凄くシンプルなのにね。この4人ならではのマジックだ。噂の新展開要素も入っている。ジョンがめちゃめちゃアンソニーとハモってる!いやー鳥肌たちました。

これが1ヶ月後にライヴで聴けるのか…ヤバいね。サビを一緒に唄う練習しとかないと!(笑)このシングル歌詞カード入ってないよ!ヒアリング出来ないよ!(ダメすぎ)やっぱ国内盤買わないとな!そういやフジロックって1日目にジョージ・クリントン来るんだよね。最終日迄残って貰って共演してくんないかなー、2枚目のプロデューサー。

カップリングの「SEARCH AND DESTROY」、「WHAT IS SOUL」ライヴヴァージョンもいい。いつまでジャムるんじゃあんたら。最高。

ビデオクリップ、そうだweb上で観ればいいんじゃんと探してみれば…Winメディア用しかありませんよ…酷いよ酷いよ!(泣)他のクリップはWMとRM両方あるので、間に合ってないだけで待ってればアップされるかもしんないけど。『Californication』からはシングルカットが5曲、2枚目以降はシングルにクリップのオマケ付盤が結構出たので、今回もクリップ付のエンハンズドCDSが出るといいな。



2002年06月25日(火)
『MTV It's Your Party! '02』

『MTV It's Your Party! '02』@SHIBUYA-AX

地上波生活故こんなイヴェントが行われることも知らず、1週間程前にひとから聞いていいな〜と思っていたら連れて行って貰えました、有難う有難う!

出演はBOOM BOOM SATELLITES、YKZ、ALFA。

ブンブンのセットリストは

1. DRESS LIKE AN ANGEL
2. BLINK
3. PUSH EJECT
4. DIG THE NEW BREED

でした。中野くんはライヴには珍しくメガネに開襟?シャツ。メガネは途中で外していた。そらなあ、あんなにびょんびょん動くには邪魔だろう(笑)。川島さんは…なんか…髪型が……ドレッドがひろがっていて鬼みたいになってました。また私が観ていた位置からは、ドラムの音を拾うためのマイクが丁度川島さんの真後ろに立っており、それが鬼のツノみたいでさ!(大笑)「鬼!泣いた赤鬼!」とツボにハマッてしまいひとりでゲラゲラ笑う羽目に…失礼しましたすんません。いやあ、中野くんばかりか川島さんまで…ふたりとも鬼になってしまったよ。見かけもだけどステージ上の有り様が鬼でね!大変だ!

川島さんの声がよく出ていて、轟音演奏を凌駕する場面もしばしば。おー、すげー。音の返りもよくて格好よかった。やっぱりサポートの平井さんのドラムは凄いな。痩せていたのでちょっと驚いた。

それにしてもバンドが出てきてからまず最初に飛んだ声援が「ひらいー!」てのには笑った。「中野ー!」「川島ー!」って声は終始飛ばず。誰か呼んでやれ!(笑)

そういやJAPAN誌にもKICK and SPINの様子が載っていましたが、それがまた凄い形相で…主に中野くんがですが。いやー、新譜が楽しみだ!

YZKは音からメンバーの服装からヒップホップ、ガレージロック、クラブくんとバラバラで結構面白かった。つーかベースの田中くんてどっかで見た気が…以前やってたバンドって何なんかな。ALFAはウワサの「エクスタシー温泉」が聴けてよかったです(笑)。

いろいろおみやげも貰えて楽しかった〜。終演後ヘイチンとごはん食べ>TSUTAYA巡り。ブンブンの新曲「BLINK」が夏の連ドラ『陰陽師☆安倍晴明』の主題歌なので、ブンブンの曲がカラオケに入ったりして!と今迄は夢にも思わなかった事が現実味を帯びてきたことにときめいてみたり。帰りはまた山手線が止まっていてぐるりと遠回りで帰宅。スポーツニュースも全て終わっていてW杯の映像が観られなかった…。カーンはどうだったのカーンは!



2002年06月24日(月)
ぎゃふっ

昨日書いたペッパーズのニュークリップ、こういう事だそうです。ヘイチンが教えてくれました。有難う有難う!

『レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー、新曲のPVで“誘拐”される』

…面白すぎる…だからアントワンがあんなにオロオロしてたのね!そういや確かにフリーとジョンがオープンカフェでごはん食べてたよ!そしてチャドがいないなあと思っていたらオチだったんかい!(笑)フルで観られていないので細かい所はまだ判らないが、どうしてアントワンは携帯とポケベルを両方持っているの?アメリカ人って両方持ってるもんなの?(認識が間違ってます<自分)タクシーの運転手はアントワンを誘拐してどうするつもりだったの?あんまりかわいいから連れて帰りたく(壊れだしたので以下略)

ああはやく地上波でフルバージョンオンエアしてくれる番組を探さねば。いいなあスペシャやらMTVやらが観られる家は!BSデジと迄はいかなくても(と言っても大森くんの出演ドラマを今BSデジでやってるけどね…(泣))せめてスカパーとかには入りたい。でもその前に盗まれたMDウォークマンとかを買いなおさないと…DVDプレイヤーも夏に買うって目標はまた先の話に。トホホ。

専門誌以外の雑誌にもじゃんじゃん載り出して嬉しい悲鳴です。有島博志氏のものが多い。このひとの記事はハッピー&ピースなので気持ちがいい。今年は7月フジロックに11月ワンマンと、新譜リリース後は日本を絨毯爆撃してくれるので嬉しい!って事が書いてあり、それに関してフリーが「日本ではいつもいろんな事が起こるから印象深い」と言っていた。そうだね来日するたんびに必ず何かしらあるもんね…ジョンが逃げたり台風が来たりジョンがあんなになってからずっと隠してた腕を初めて見せたりさ…(涙)今回はいい事が起こって頂戴よ!



2002年06月23日(日)
『Birds on Board』『The END』

ひゃーっ今ショウビズでペッパーズの「By the way」が!クリップが!うわー、うあー、すげー格好いい!ギター最高!カッティング好きにはたまらん!そしてこのクリップ、何、どうなってんの?何でカーチェイス?ああオープニング映像だから番組プログラムの画面が重なって邪魔なんじゃ!どいてくれ!ジョンが元気そうだ。嬉しいな。それにしてもちょっと聴いただけでもこのギター鬼っぷりよ。チャドが「今度のアルバムは"Very John"だよ」って言ってたのはこういう事なのか?今週からweb上の配信も解禁、オフィシャルから日替わりで「本日ダウンロード出来る曲」のお知らせが届くようになった。うっしっし。

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パパ・タラフマラ/2002年日韓国民交流年記念事業『Birds on Board』@世田谷パブリックシアター

またもや最前列。なんでだ…複数の行動が同時に起こるので、視野が広い方がいいのだけどなあとは思うけど、近くで観られる嬉しさもあるので難しい所だ。セット・衣装・ダンサー陣のバランスが均等にとれていて、どこを観ても面白い仕組みになっているので、本当は複数回観てみたい。

本日楽日だったので、挨拶も長め。皆さんいい笑顔でした。


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『The END』@D&DEPARTMENT

立花ハジメ氏を筆頭に、携帯Web上のJavaプログラミングを利用したインスタレーショングループ展。携帯用のスクリーンセーバー等を大型プロジェクターやカフェのテーブルに埋め込んで鑑賞出来る仕組み。普段は意識せずに見ているであろう画面を改めて作品として観る行為は面白かった。まあ私は携帯持ってないんで普段から見る事もないんですが(笑)展示場のビルが昔ながらの建物で、看板が出ていなければ普通の社屋と間違えて素通りしてしまっていたかも。そのギャップも面白かったです。

カフェのごはんがうまくてのう。そしてまたサッカー話。ロナウジーニョのあだなは「ぐき」(歯茎ですな)に決定。あとコンドルズはメジャーになったねえ(スタッフさんが元同僚)とか電車にいる変なひとの話。



2002年06月22日(土)
『セッション9』

『セッション9』@シネマスクエアとうきゅう

初日に行ってもうた。おかげで終映後ぴあのアンケートに捕まって、回答のお礼にアメリのポストカードを貰ったぞー、ラッキー。

実は至極シンプルなストーリーで、演出もシンプル。この手のスリラーにありがちな脅かしがない。凝ったことをしていない(と言うか凝っているように見せない)のが実はかなり効く。丁寧だ。その分こちらの想像力が肥大する。深読みをしてしまう。観客は、自分で恐怖を増幅させる。即効性がないと言うか、終わってからがかなりジワジワ怖い。なので今かなり怖い。見終わった時よりもかなり…首の後ろがうすら寒い。

撮り方がシンプルなのも、実在したダンバーズ精神病院の姿を丁寧に映したかったからだろうと思う。美しい外観の建物だ。廃墟に見えない。が、屋内はひとがいなくなった分朽ちており、それだけでもかなり怖い。実在するこの場所で撮るってアイディアも相当怖い。医療器具とか残ったままなんだよね…。

発電機のトラブルで照明が順々に消え、闇に追われる暗所恐怖症のジェフが必死で走るシーンがとても印象的。この画はよかったなー。小さめで延々流れる音楽も効果的。あー怖いよ、怖いよ!今かなり怖いよー!(泣)


その後銀座へ移動、『バーバー』リピート。やっぱいいなあこれ。演出とか画ヅラも手練で流石なんだけど、やっぱり役者がいい。特にビリーボブ。『チョコレート』の予告もあり、これも絶対観ようと思う。

シャンテシネ近所のドイツ料理屋でTATiさんとフジロックの打ち合わせとサッカー談議。何故トゥイギーはマリマンを辞めちゃったの!?とかも話す。なんでかねえ…。つい最近ガンズがちっちゃいとこでライヴをしたそうで、ロビンもいたとの事。このままサマソニに来てくれるかな。



2002年06月21日(金)
劇画くん

DJ ANIKIが「ドイツのGKカーンが好き。理由は喧嘩が強そうだから」と言っていたとO氏が言っとりましたが同感です。決勝迄残らないと日本に来ないんだよねドイツは…。いや日本に来たからって私が何をする訳でもないんですけどね。今日の試合ではアナウンサーが面白くて「カーンの眼力でボールを反らしたって感じですね〜」みたいな事を延々言っていた。カーンがカーンがって…ああこういう劇画顔好きだな〜。

劇画顔と言えばバティストゥータ、ファーストネームがガブリエル。ウチのポスペのカメはがぶりえる。劇画顔に泣かれると弱い。アルゼンチン敗退の夜はがぶりえるに沢山おやつをあげました。そして今になってバティものを漁ってみたり。そういう時にいちばん最初に手にとるのが『世界でいちばんどうでもいいワールドサッカー情報』とか言う本ってとこが自分のスタンスをよく表しています(笑)「とても生活が苦しくて、15歳くらい迄道端で卵や鶏やミルクを売っていたんだ」とかって、あんた!(泣)

しかし今になってバティにハマるとは…これ迄何度も観てきたのに。考えてみればロベルト・バッジオにも、アメリカ大会の時PKを外してうなだれる姿を観てハマッたものだった。どうも敗者に弱いらしい。Jリーグもいちばん観に行ってるのって浦和だしな…。いやでも弱いとこが頑張って最後に勝ったりすると嬉しいじゃん…勝たないままのとこもあるけどな〜。

そんな訳で?プレーと全然関係ないとこを面白がってみたり。そんなサッカーW杯もあと1週間。どこが残るかな。



2002年06月18日(火)
あー

日本代表負けちゃいましたね、残念…勝てない試合じゃなかった気がするんでなあ。まあ面白い4試合だったのでよかった。中田選手の1点も観られたし。あんなにマークされてんのによく入れるなあ。やっぱり観だすと面白い。トップレヴェルの試合が連日行われているんだもんね。

しっかし番狂わせの多いこと。友達に「イタリアのカンナバ〜ロがいいの!」と言われたので探してみようと思ったら出場停止中、ああ次の試合迄待つかと思ったら負けてしまいましたよ!もう観られないじゃん!目当てのチームもどんどんいなくなっているので、応援とかはもうどうでもよくなってきた。面白い試合が観られればいいや。

バレーもこれくらい注目度があればなあと羨ましくもあり…サッカーで盛り上がってる間に遠征でボロ負けしてますよ、トホホ。


サッカーにかまけてる間にペッパーズの露出が激しくなってます。CROSSBEATではジョンがネクタイを!ネクタイしてるよ!しかもそのネクタイかわいいやん。アントワンはジャージは似合わないと思います。でもかわいいからいいのだ!瞳がキラキラしてるからいいのだ!そんなふたりのコーラスワークが聴けるらしい新譜が楽しみで楽しみで!ああ早く聴きたいよ!なんでシングルがアルバムと同時発売なんだよ!普通1ヶ月くらい先行するだろう!それくらいギリギリ迄やってたんだろうね。全曲揃う前にプロモーションを始めたので、アルバムの全体を聴いてのレヴューが殆どない。

しっかし齢40を前にしてアントワンがこんなにキラキラしようとは誰が予想しただろうか、いや予想しない(反語)。'97年あたりのクスリやらなんやらでロン毛のタヌキみたいになってた時は「…いいの彼には唄があるから!」な〜んて言ってた自分は偽りだね!やっぱ見目麗しい方がいいに決まってるじゃん!…いやまたタヌキになっても好きだけどね。彼は別格なんじゃー。でもクリーンでいられるならその方がいいよ、せっかく今いい状態なんだからさ。

それにしてもこのひとらのインタビューはいつも面白いなあ。フリーにしてもアンソニーにしても、なかなかシッポは出さないけど。頭がキレるなと言う感じ。しかし今回まだチャドのコメントが聞けないなあ。どっか取材してないんかなー。

ジャケットのアートワーク、最近では映画監督としての知名度も高いジュリアン・シュナーベルだそうだ。彼が監督した『夜になるまえに』は、昨年観た映画でもベスト3に入る程好きだったのでこれは嬉しい!なんでもジョンの彼女がシュナーベルの娘さんだそうだ。あーもう早く来い7月9日!

BOOM BOOM SATELLITESもプロモーションが始まった感じ。中野くんが気炎を吐いてます。『KICK and SPIN』でのライヴは結構面白かったので楽しみだ。川島さんは髪型をどうにかしてください(笑)。

そんなこんなで音楽雑誌を網羅している状態に。…『クロエ』観た時に、英助の姿は身につまされたもんですが、今まさに英助状態。やばい、やばいよ。

サマソニ、SUM41がキャンセルになったそうだ。機会があれば観たいと思っていたので残念。ファンのひとはガッカリだろうなあ。…なんて、ひとごととは思えないですよ、ジェーンズもペッパーズもちゃんと来てくださいよ!そしてジェーンズのメンバーが今どうなってんのか早く教えてくれー。ファレル以外は誰なの?



2002年06月17日(月)
『Daisuke Nakayama:Drawing 2002』

『Daisuke Nakayama:Drawing 2002』@art cocoon


土曜日『クロエ』の前にヘイチンと行ってきました。東京では3年振りの新作個展。6月30日までやっています。『Daisuke Nakayama:Drawing 2002』

“コミュニケーション”をずっと作品のテーマにしている中山さんは、変わっているようで変わっておらず、変わっていないようで変化し続けている。一見かわいらしいルックスの作品たちは、あるきっかけで「あ、怖!」と気付くことがある。昨年の7月頃から描きだしたと言う白い家が燃えているシリーズも、一戸建てがランダムに建っているものや、並列のものがあり、燃えている一軒を傍観しているかのようだ。単に助けてあげないのか、助けてあげられないのか、しんと建っている家たち。よくよく観ると細かいところに火の粉が飛んでいたり、風の向き等がわかる描き方で、実物を近くで観られて良かったと思った。それにしてもかわいい。art cocoonの上沢さんが言うには「かわいいよね。でも火事に遭ったことがあるひとはやっぱり嫌みたい。観た途端に『怖い。もう観たくない』と言ってたわよ」。…だろうなあ。「ひとによって印象は全然違うわねえ」。それが面白いんだなあ。

ああ欲しい。いつか連れて帰りたいよう。分割払いとか出来ないかな。売約済みのシールが貼ってある一覧表をうらめしい目で見る。とりあえず現在自分で購入出来そうな範囲のTシャツの予約をする。3種あって皆かわいい。出来上がりが楽しみ。常設状態の三宅道子さんの作品も観せて貰う。このひとも面白いよなあ。デカい作品も観てみたい。

お茶を頂いて雑談。サッカー好きな中山さんは現在帰国中、ワールドカップ観戦巡りをしているそうです。日本 VS. ロシア戦も観たとのこと。いいなあ!そしてまた山崎まさやんの話で盛り上がり。ご当地盤『心拍数』は全部買った方がいいと勧められる(笑)。

この後ユーロスペースに行き『溺れる人』B1ポスターをおみやげ用に購入。売店のひとが棚から出してきてくれたそのポスターは折られていないものだった…あ、あれ???『クロエ』の後はタワーレコード漁り。前日サッカー日本代表が勝った(よかったね!)のでダブルポイントだったのをいい事に、買いそびれていたものを細々購入。INROCKも何年か振りに買った。だってアンソニーが!アンソニーが!エディー・ヴェダー(モヒカンになっててビックリ)との2ショットもあって貴重だ!



2002年06月16日(日)
三池崇史×有森也実『ラヴ・レターズ』

三池崇史×有森也実『ラヴ・レターズ』@PARCO劇場

今シーズンのメンツの面白い事!あまりの豪華メンツに、久々にチケットとりました。スカパラの谷中敦さん×広田レオナさんも観たかったよ、ああ観たかったよ!小市慢太郎さん×市川美和子さんも観たかったよ、ああ観たかったよ!しかし予算が、そして仕事が。あああ、あああ。しかし日曜日にこのカードを組んだって事は、それだけ注目だったのでしょうか。

劇場に入ると、明らかに普段と客層が違う。男度が高いのよ!そして何ていうか…素肌にノースリーヴの革ジャン着てるひととか、不思議なひとたちが…(笑)出てきた三池さんは黒のスーツにエナメル靴、RIKI TAKEUCHIブランドで固めています。パンツのタックが多いんだよね…ボンタン(って今も言うのだろうか)ギリギリな…。凄い迫力です。が、いつもとはここが違った、サングラスをしていない!目がキラキラなんですよ!朗読の邪魔になるからと言う理由もあるでしょうが、これはポイント高かったです。有森さんは花柄の和装にまとめ髪。美しい!

三池さんが朗読するキャラクターのアンディは、真面目で秀才で、最終的には上院議員にまでなる人物。あのルックスではどうかな…と思っていたのですが(ご、ごめん)、いざ朗読が始まってみれば、いやーハマるハマる。実直でシャイで手紙が大好きなアンディが浮かび上がる。ブロンドの髪って作品中の描写が偶然にも合っている(笑)坊主頭がちょっと伸びた金髪もいい感じです。緊張されていたのか?序盤声がとても小さくハラハラしたのだけど、それが「アンディの言葉を聞き漏らしてはいけない!」と観客の集中力を高める効果を呼びました。

有森さん朗読のメリッサは感受性が鋭く、芸術的才能に恵まれるが、精神的に病んでいく女性。少女の頃の無邪気さと残酷さ、大人になってからの悩み、子供を奪われる悲しみを、凛とした声で語りました。終盤本から目を離し、三池監督をじっと見つめていたのが印象的でした。

休憩後の後半は、観客のコンディションの崩れ(咳とか、どうしても出てしまうからね…)でぐらつく場面もありましたが、最後の手紙のシーンでは客席のあちこちから鼻をすする音が。いやー私も泣いてしまいましたよ。

アンコールでは三池さんはもうなんて言うか、客席をまっすぐ見られないんですよ(笑)猫背で細かくお辞儀をして、有森さんに拍手を送っていました。照れを見せながらも有森さんをエスコートしているところが素敵でしたよ!

8月には松尾スズキさん×荻野目慶子さんと言う強力カードがあるとのこと。平日だけに難しいかな…でも行ってみたいな。



2002年06月15日(土)
『クロエ』

『クロエ』@シアターイメージフォーラム2

初日に行く程待ってましたよ、昨年のお正月にBOX東中野で塚本晋也監督作品オールナイトがあった時、塚本監督、石井聰亙監督、利重剛監督のトークショウもあり、その時利重さんは「今年(2001年)中には公開します」って言ったんだよー。劇場がなかなか空かなかったらしい。ああ待った待った待ちました、首を長くし過ぎて伸びきってしまいました。

原作の『うたかたの日々』は、鈴木勝秀氏が演出して舞台に乗せたと言うので10年程前に読んだ。今でも時々読み返す。『クロエ』は、(あくまでも『うたかたの日々』は原案ではあるが)原作とはまた違う優しさに溢れた作品だった。利重監督は優しいひとだね。甘いと言われる所以かも知れないけど、それを突き通す強さもあるのだろう。理想を持ち続けることは難しいだけに、強さが必要だ。

以下ネタバレしてます。









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賢者の贈り物のように、登場人物は他人の幸せを考えていて、好きなひとには幸せになって貰いたいと思っている。そのために、いろんな努力をする。でも、皆が不幸になっていく。高太郎とクロエの幸せな結婚生活は、クロエの病気をきっかけに少しずつ悲しいことになる。親友の英助と日出美のカップルにも、時間がなくなる。もう少し待てば、もう少し時間があれば。

結果的に生き残った高太郎と日出美は、幸せになれるだろうか。世の中の不幸は全てクロエがあちらに持って行ってくれたが、クロエのいない高太郎には、英助のいない日出美には、これからどんなことが起こるのだろう。ひたすら、幸せになってほしいと祈る。

高太郎とクロエに懐いていた男の子は、原作でのハツカネズミかなとぼんやり思った。クロエが死んだあと、ネズミは自分の首をネコの顎の上に乗せてと頼みこみ、自殺をする。男の子は葬式帰りの高太郎に付いていく。これにはちょっとホッとした。

だんだん小さくなっていくふたりの家の再現は素晴らしかった。こんなにもふたりの仲はちいさくちいさくなっていき、光が入らなくなってきているのだ。文章だったものが実際に視覚的に再現されると、こんなにも圧倒されるのか。

前述のトークショウで、塚本さんが酒場で暴れる長回しのシーンの話はされていたので、楽しみにしていた。パンフレットの塚本×利重対談でもこのことが話題に出ており、撮る方も演じる方も思い出深いものだったようだ。いいシーンだった。永瀬正敏さんは悲しい役が似合う。ともさかりえさんの声が素晴らしかった。彼女が言うと、理想論にもぐっと説得力が増した。松田美由紀さんは強い、弱い、熱い。悲しい、悲しい。

もう少し考えたい。また観に行くよ。



2002年06月14日(金)
『KT』

『KT』@シネマスクエアとうきゅう


重量級。組織、時代に翻弄される個人の無念さと断念。カタルシスはあまり感じられない。多分狙っての事だと思う。派手ではない。だからこそ観終わった時の言い様のない息苦しさはデカい。デカ過ぎる相手に抗えないちっぽけな個人。金車雲がヘリコプターに向かって発砲するシーン、解放された金大中が、とぼとぼと家路を行く後ろ姿はあまりにも象徴的だった。

物語が収束しない。「国ヲ 愛スル心ガ 人ヲ 殺ス」「独裁者ハ ナゼ KTヲ 怖レタカ」と言う宣伝文句の根拠が見えてこない。KCIAのメンバー(特に行動隊長・金車雲)は国への忠誠心よりも、従わねば家族もろとも殺されると言う恐怖感と、家族を不自由なく養いたいから金がほしいと言う至極自然な欲が強調されている。母国語を喋れない在日二世の金甲寿の悔恨、甲寿の恋人で、彼との交際を反対した両親を捨てた俊子の物語をあれで終わらせてしまったのは残念だ。富田の恋人・政美がKCIAに受けた拷問にしても、序盤の説明だけで終わらせてしまっている。登場人物の背景がとても綿密に存在しているのに、それをもてあまし気味に終わってしまうのが惜しいと言うか…勿体ない。

しかしそういう箇所も含めて、この物語のとてつもないスケール、重さが半端じゃない。出演陣の面構えも最高。阪本監督にしか撮れない作品だと思います。これは、キます。尾をひきます。

母国語を理解出来ずに金大中のボディーガードを任された甲寿の悔しさと悲しさを筒井道隆さんが好演。だからこそもうちょっと突っ込んだ所も観たかったんだよね…。取り調べを受けている彼を迎えに来た在日韓国青年同盟の先輩・金君雄を演じた木下ほうかさんも印象的でした。優しいおにいさんて感じでな…迎えに来て、あのほわんとした声で話しかけられたらそら泣くわ!大泣きするわ!実は******だったKCIAの二等書記官・柳春成役の光石研さん、一等書記官・洪性震役の利重剛さんも、少ない台詞で(利重さんは台詞はなかった、確か)多くを語る表情がよかった。夕刊トーキョー記者・神川を演じた原田芳雄さんも、諦めからノンポリへの道を歩みつつあるのに、それを何だか輝かしいものに感じさせてしまう不思議な魅力がありました。そして金車雲役のキム・ガプスさん!任務への緊張感を漲らせた序盤、計画が失敗した時の動揺と行き場のない怒りの中盤、焦燥を背負い込んだ終盤。初見の役者さんでしたが素晴らしかったです。瞳の色が綺麗。中盤、神川が金大中に取材したホテルを張っていた時に着ていた白いシャツの襟の形が独特で綺麗だったんだけど、これが凄く似合っていました。

ウチは「コーイチ(佐藤浩市さん)が幸せになる話を観たい部」と言うのがありまして(笑)姉妹揃って佐藤さん大好きなんですよ!でも佐藤さんて幸せになる話少ないじゃん!死んじゃう話多いじゃん!た、たまには幸せになってくださいよ…。しかしこういう役柄をやればやる程生き生きしてるような気がするな、このひとは…ああいい男だよー。このひとが牛乳買ってくれるんならいくらでも自転車で転ぶね!なんて不謹慎な事を考える程格好よくてなあ。

そういえば、幸せにならない・死ぬ役が多い、インな着こなし(シャツをボトムに入れている)…これはベニシオと共通するじゃないか!と今になって気付く。ああそういう事か…(どういう事だよ)。



2002年06月13日(木)
阪本順治×宮藤官九郎『映画に出来るコト』

阪本順治×宮藤官九郎『映画に出来るコト』@シネマスクエアとうきゅう


『「KT」大ヒット&日韓W杯記念トーク・バトル』(こんなタイトルついてたんだ(笑))の最終回。先週の阪本監督×筒井道隆くん×光石研さんの回も行きたかったなあ。

「なんでクドカン?なんでクドカン?」と疑問を持ちつつ映画館へ。話が始まってそうかと気付く(遅)、彼は『GO』の脚本家。これも日韓の話ではあった。こちらはナレーションにあった通り「僕の恋愛の物語」を強調していたからなー。そしてクドカンつうとやっぱ未だに(いや今でもそうだけど)大人計画のクドカンってイメージがあるのでなあ。折しも『春子ブックセンター』のチケットがとれず見逃したばかり、休日フラッと行って当日券が簡単にとれていた頃が夢のようやのうなどとブツブツ…。いや仕方ないけども。次回はがんばりますけども。つっても舞台は二度と同じものが観られないからなー(泣)

おふたりとも殆ど面識がなかったらしく、阪本監督の方は宮藤さんの仕事は『GO』しか知らないと言うことで、しかもふたりとも人見知りっぽい(笑)。と言う訳で序盤はカタかったのですが、ゆる〜いながらも面白い話が聞けました。以下概要をまとめてみました。記憶で起こしていますのでそのままではありません、阪本監督は大阪弁です、そしてふたりとも本当はこんなにてきぱき話してません(笑)。

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宮藤●(『KT』は)こっこっこわ、こわかったですね。もう観終わって「こわかったー」って言う。この事件って、僕がちっちゃい頃に起こったことで、記憶もおぼろげだし、背景とか判らなくて。金大中って人物にしても、いいひとなのか悪いひとなのかわかんないじゃないですか。いつも結果だけが伝わってきて。大統領候補になりました、拉致されました、見付かりました、死刑宣告を受けました、大統領になりましたって。この映画はなんの先入観も持たずに観たんですけど、そういうところが少しわかったかなって感じで面白かったです。でも、こわかったー。何か起こるかも知れない緊張感がずっと続きますからね。耐えられないひともいるかも。でも、僕はそれがよかったです
阪本●(『GO』は)作り手側の裏っかわが見えなくて良かったですね。(観客からの質問「阪本監督の作品は、作り手側の熱いテンションや思いが伝わってくるので好きなのだが、裏っかわが見えないのがよかったと言うのは?」に対して)作家性はあまり見せたくないんですよ、ホントのところ。やっぱり役者で観てほしいってのがありますから。『GO』は作り手側の、現場は大変だったんだろうなーとかいう裏っかわが見えなくてよかったと言うことです。作品自体の幸福感が伝わってきた。観ていて「大変だったんだなあ、苦労したんだろうなあ」なんて思ってほしくないですよ。「ヘリ飛ばすの大変だったろうなあ、30年前の車とか探すの大変だったろうなあ」なんて(苦笑)
宮藤●(阪本作品は)『顔』や『ビリケン』のような面と、この『KT』や『新・仁義〜』みたいな面があって。両方あるのが面白いなあと思います。作家性と言うことでは、僕もあまり出したくない。やっぱり役者で観てほしいですね。あまり作家性を出しても「こういうのを」って同じような仕事の依頼ばかり来てしまうことになりそうだし

司会●宮藤さんは舞台の脚本や演出をされていますが、映画との違いは?また、阪本監督は舞台の演出をやってみようと考えたことは?
宮藤●うーん、映画だと時間をトバせるってのがいいなと思いますねー
阪本●舞台の演出ってよくわからないんですよ。上手下手とか、決まりごとも多いし。でも、これが正しいがわからないけど、映画は時間軸を見せられる、舞台は空間で見せるんじゃないかと。以前映画を観に行って、どうしてもトイレに行きたくなって途中で席を立ったんですよ。戻ってきたら『10年後』ってテロップ(笑)オシッコ1発で10年ってとこが映画だなあと(笑)
宮藤●(笑)ああーそれはありますよ。舞台だと机をかたさなきゃいけないとか、舞台転換がもどかしい時もあります。毎日出来が違いますしね、役者の調子もあるし、観客の調子もあるし。自分も出ているから役者の生理もわかるんだけど、舞台上にいて、役者にこっちに動いてほしいのにそうならないってのはある。胃が痛くなります。舞台って極端な話、客が騒ぎ出したらこっちはお手上げじゃないですか。客席の反応がダイレクトに返ってくる
阪本●舞台は、装置とか、昔のテント芝居とかでテントが開いて外から迫ってくる感じとか、どう驚かせてくれるんだろうと期待して観に行きます
宮藤●映画監督って怖いイメージがあって。いっつも怒ってるみたいな。(僕は)威圧感がないからダメなんじゃないかな
阪本●そうかなあ、僕は舞台の演出家の方が怖いですよ。灰皿投げるーみたいな(笑)
(やっぱ蜷川伝説は根強いね(笑))

宮藤●音楽すごくよかったですね。いいなーと思った
阪本●最初の『どついたるねん』の頃からやっているんだけど、脚本が出来た段階でもう音楽を依頼するんです
宮藤●えっ、そうなんだ!
阪本●助監督時代に、編集終わって、ギリギリに音楽家に観て貰ってすぐ音楽つけて、時間がないからダメ出しも出来なくて…ってのを見てきたから。脚本だけを読んで、そのイメージから音楽を作って貰う。それを聴いてこちらが感化されることも多いです。カット割りとか、かなり変わる。現場で音楽を流して撮ったり。今回もアクションシーンで、もっとカット割りをバンバンバンって細かくして撮ろうと思っていたシーンを、音楽を聴いてゆったりしたものにしたりとか。影響は大きいです
(この間クドカンは「はあー、はあー、そうなんだ」とひたすら感心)
宮藤●でもそれって、すごく信頼関係がないと…
阪本●そう、だからまず誰に頼むかってのが重要
宮藤●今回は布袋さんで。もともとそんなに音楽をずっと流しはしないですよね
阪本●今回は多い方ですね。布袋くんとは二度目ですが、普段より多く音楽を使っています。『顔』では4シーンくらいしか音楽ないですしね。脚本書く時も音楽は凄く重要で、この曲でこのシークエンスってのが先に浮かぶんですよ。で、かけながら書いたり。曲に左右されることが多いので、よく言われるように僕の脚本は破綻してしまうんですけどね。シーンの断片から浮かんで書いたりするので
宮藤●あー、それはありますね。演出する時も「この曲をこんなシーンでかけたい」って先に浮かぶのはある

(観客からの質問「フィクションとして映画の中でつく“嘘”」について)
宮藤●もうそれは個人の好みだと思うんですけどね。格好いいとか、格好悪いのが格好いいとか。『GO』で平田満さんが焼肉屋に来る話、あれは僕にとっては本当なんです。あるでしょ、お店で有名人に遭ったりすること。あれは絶対入れたかった
阪本●『KT』はある意味時代劇ですから、時代考証に嘘があってはいけない。車種とか勿論当時のものを探しましたし。でも、当時の流行の服装―ベルボトムとか、ああいうひとがポッと道歩いてたりしたら笑っちゃうでしょ?だからそういうのは入れないようにした。30年前にあったことだけど、昔の話だな〜と観てほしくはなかったですから
宮藤●最初に『KT』を観てこわかったって言いましたけど、それは昔話じゃなくて「今でもあり得るな」ってこわさだったんですよ。今観てもこわい題材でした
阪本●実際どうだったかはわからない話ですからね。資料をどんなに見ても、載ってないものは載ってない。行方不明になっているひともいるし。30年くらい前のことだから、生きている当事者も多いし、家族もいますから皆喋らないですね。関係者にも随分観て頂いたんですけど、皆口を閉ざしていて…「違う」と言ったら「じゃあどこが違うの?」って逆に聞き返されちゃうから。でも、この妄想は正しいかも知れない。そういうことが実際にあったのかも知れない。何十年後かに「ここが違っていた、ここが正しかった」ってことが判るかも知れない。その時にこの作品がまた上映されて、いろんなきっかけになればいいなと思います

阪本●ワールドカップに水かけるぞーなんて言ってたんですけどかけられたかどうか…でもこうやって沢山のひとに観てもらえて嬉しいです。ワールドカップと言えば韓国の競技場に『KT』の看板あるでしょ、気付いたひといます?(挙手を見て)おお〜。あれ凄い宣伝費かかってるんですよ、ワールドカップを観る度に『KT』のことを思い出して、友達を誘ってまた観にきてください(笑)

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その他いろいろ面白い話がありましたよ!クドカンはやたら水を飲み、阪本監督は水を飲む度いちいちボトルの蓋を閉める几帳面さが印象的でした。



2002年06月12日(水)
聞いてみるもんです

昨日書いた「『溺れる人』のグラフィックスタッフは誰だ〜」と言う話。

オフィシャルサイトの掲示板でなにげに質問してみたら、な、なんと一尾直樹監督ご本人がレスをくださいました…有難うございます!デザインを手掛けた『ウルトラグラフィックス』は会社名で、その会社の方の仕事だそうです。この会社、塚本晋也監督作品『BULLET BALLET』のグラフィックもやったところだとか。気になったわけだ…(笑)

タワーで購入したB1ポスターが折り畳んで売られていたので残念と書いたことにも、「最初から、折って配布・販売しようとのもくろみ」だったそうで、「折れたり破けたりしてるところに味がある、と思っていただけるとありがたい」とのこと。そうだったのか…読みが浅かったね自分。確かに紙がサイズの割に薄くて、袋から出して広げてみたあと、またしまう時にぐしゃぐしゃになってしまって「キー!」とか言ってたんだけど。これからは「キー!(悦)」にしようと思いました(笑)。

それにしても一尾監督、掲示板の書き込みひとつひとつに丁寧にレスをつけていらっしゃいます。いいひとだ!日記も味があります。興味ある方は見てみてね。
『溺れる人』オフィシャルサイト

その後ウルトラグラフィックスの検索をやってみたら、メンバーに山田英二さんと言う方がいらしてビビる。最初アルファベット表記だったから、大森くんが出演した『春眠り世田谷』『迷猫』の山田英治監督かと思ったよ!



2002年06月11日(火)
『溺れる人』

『溺れる人』@ユーロスペース1


昨年PFFでの特別上映を逃していたので首を長くして待っておりましたこの作品。塚本晋也さんと片岡礼子さんの夫婦って、いやんばかん!ステキ過ぎる!…とは言うものの内容はじわじわ体温が下がるもので。『とらばいゆ』では「塚本さん、結婚して!」でしたが、今回は「塚本さん、別れて!」てな作品でした(なんだそれは)。以下ネタバレしてます。





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バスタブに沈んだまま動かないクミコ。夫・トキオは彼女が死んだと思い狼狽し、泣き、救急車も呼ばずに飲んだくれて寝てしまう。クミコは翌朝目を覚まし、酔いつぶれたトキオを介抱する。妻はあの時死んだ筈だとトキオはクミコのことを訝りはじめ、異常な行動を起こし始める。

「死んだ君はきれいだった。今まででいちばんきれいだった」。救急車を呼ばなかったのは、「君を僕だけのものにしておけると思ったから」。自分の異常な性質を自覚した夫は妻に詫び、許しを乞う。「どんなことでも聞く。殺されてもいい」。男としてはここで殺して貰った方がロマンな感じで良かったんじゃないかな。トキオ本人もそれに酔っていたと思われる。しかし、クミコは現実的に離婚を切り出す。

名古屋で自主製作を続けてきた一尾直樹監督初の16mm作品。監督が講師を務めている名古屋ビジュアルアーツとの共同製作、スタッフも名古屋のひとでかためています。B級映画館のTさん(愛知県在住)によるとこの作品、地元の映画館でチェコアニメ特集や『チェブラーシカ』と同等の力を入れて推されているそうです。…え、それってチェブラーシカと同じくらい塚本さんがかわいらし(以下略)

ダンナの独占欲と身勝手さを丹念に描いているので、自分の離婚経験からこの作品を作ったと言う監督の思いを考えてしまう。ダンナの友人の説教シーンにはいささか説明くささを感じたが、脚本も手掛けた監督本人が自分の中での会話を突き詰めた結果なのだろう。編集を他人に任せたらかなり違ったものになったかも知れない。しかし、喉の奥にひっかかった小さな棘のような感覚は、思いの外静かで心地よかったりする。

最後のシーン。母親が亡くなり、葬儀の帰り道にふらふらと歩いていたクミコは「夢で見た風景」の中に立つ。今となっては、その風景が夢だったのか、現実だったのか「わからない」。クミコは、実は本当にバスタブで溺れて死んだのではないか…。トキオの妄想は、妻を意識化で死に至らしめる。クミコは夫の妄想から逃げる。逃げのびることは出来たのだろうか。そもそもバスタブに沈んだのも、トキオから逃げる為のクミコの意図だったのではないか。

と、嫌な方に考えてみました。

塚本さんは癇の強い、妄想キングな夫がハマっててなあ。怒ると声ひっくりかえるしな。よりを戻したいよ〜と迫るシーンのなっさけなさがよかったです。その反面妻を隠しカメラで監視する目つきのドロンとした切迫感は怖かった。やっぱり狂っているとしか思えない(羨ましくて言ってます)。あとこのひとは身のこなしに色気がある。名優。

片岡さんはも〜う、うっつくしい!うっつくしい!『ハッシュ!』の男ットコ前さとはまた違う、蜻蛉のような美しさで、肌の質感からなんから儚すぎて生きてるか死んでるか微妙なとこが素敵で大変。嫁にしたいです。ハスキーな声がナレーションにいいアクセントを与えていました。

作品内容とは全く関係ないので申し訳ないんだけど気になって仕方なかったこと。塚本さんの身長が、シーンによって妙に違う気が…あんなに片岡さんと身長差はないと思われ…ご、ごめんなさい。でもね、気になってね…。

メイクと衣裳(谷渡香代子氏)がよかったなあ。シンプルで、夫婦ふたりにとても似合っていた。あとこれグラフィック(誰だ!知っているひといたら教えて!エンドクレジットでは『ウルトラグラフィックス』となっていたけど)が出色です。ポスターB全で作るだけある。青がとても綺麗。イビツなタイトルロゴも作品の雰囲気を的確に表現していて凄くいい。



2002年06月08日(土)
『Style』

STARDUST☆REVUE『Style』@中野サンプラザ


姉の友人がFCに入っており、チケットを確保出来たとのことでお供。さ、最前でした。そんな、昔友人とこの学祭で観たくらいなのにいきなりそんないい席で!曲もむかーしのしか知りませんよ!いいのか!熱心なファンの方すみません。

と言う訳で知らない曲が殆どでしたが、いや〜唄も演奏も素晴らしい!特にアカペラは絶品。ヴォーカルの根本さん、すっごい痩せた?終演後連れて来てくれたおねえさんに訊いてみたら確かにそうらしい。姉は姉で「全然汗かかないから更年期障害じゃないのとか心配しちゃった」なんて失礼なことを言うし。そう、そんなこと迄気になるくらい近かったんですよ…。健康器具にハマってるそうで、通販で届いた初日に規定の倍以上使ってしまい壊してしまったとか(笑)病気じゃないならよかったよかった。

考えてみれば更年期障害を心配する程(…)このバンドも長い歴史だよなあ。だってトップテンとかで観た記憶があるもん(笑・この番組を憶えているひとは同世代)。根本さんは唄もすごいが喋りもすごく、まあMCの長いこと長いこと。あんなに喋ってるのに声はちゃんと出るし凄いなあ。痩せたし、黙ってればそれなりに格好いいのに(笑)でも喋らない根本さんは根本さんじゃないそうです、あはははは。

喋りとうたで3時間半近くやったけど、全然疲れなくて楽しかったなあ。メンバーもアンコールに応えたあと、名残惜しそうに何度も手を振って舞台をおりていきました。20年以上もやっているバンドがこんなに楽しそうなのは、何かいいなあと思いました。

翌日は「チケットがあまりにも売れないのでなんでかなあと思っていたらサッカーの日本戦の日なんだよね〜。サッカーに興味のないひとは是非来てください!(笑)」とのことで、だ、大丈夫でしたでしょうか…。



2002年06月05日(水)
思うつぼです

サッカー日本代表が勝った翌日はポイントが2倍@タワーレコード。日本は残念ながら引き分けだったのでポイントセールはないのだけど、ついつい行ってしまうわけよ…。

有島博志氏主宰の『GrindHouse Magazine』はKORNが表紙。最近ヘッドが綺麗になった気がするのは気のせいでしょうか。デイヴィッドの経営するレストランが大繁盛と書いてあるが、載っている写真ではお客はちらほらの気が…。でもごはんはおいしそうだ。ペッパーズも載ってるんで読む。アンソニーとフリーのインタビュー。

いやあ、有島さんていつもこういうどうでもいい話をいっぱい訊いてくれるんで(いや真面目な話もしてるけども)大好きだね!今回も「アルコールがダメで、飲めばぶっ倒れる」「3ヶ月前彼女が出て行ったんで犬と寝てた」「そしたら犬アレルギーになった」他アンソニーの名言多数発掘。フリーの髪は今は青い。アンソニーの犬アレルギーはなんでも頭に炎症が出来るものだったそうで、じゃあ他誌でフリーが言ってた「アンソニーの病気」ってのはこれの事かな。犬ってHowlin' Wolf?また一緒に寝られるようになるといいね!もう治ったのかな。

それにしても昨今のアントワンのチャーミングっぷりはなんなんだ。あのカリスマくんがなあ。いや今でも勿論オーラの出っぷりはすごいと思うんだけど、虚勢を張らなくてすむようになったのかな。かわいいねー(カレンちゃん@イチの口調で)

フロアをうろうろするうちに『溺れる人』限定セット(前売り券、プレスシート、ポストカード)&限定ポスター(B1、ポストカード付)を発見。うわあ!

ロシア戦の翌日迄待てば、もし日本が勝ったらダブルポイントだよ>でもGrindHouseはともかく塚本さんの限定品が…それ迄に売り切れちゃったら…>いやいやそんな、売り切れるわけなかろう>そうやって今迄逃したものはいくつあるよ!>あああああ、あああああ

…連れて帰りましたよ。家でまたGrindHouseを読みすすみ。AICレインの記事。死因はやはりオーヴァドーズだったとのこと。しかもスピードボール。ネット他で読んではいたが、実際に手に持ったものに書かれているとつらい。



2002年06月03日(月)
街中に

大倉孝二くんがいる。駅でB1のポスター見た時はビックリして、思わずバックして確認してしまった。

スモーキン・クリーンキャンペーンのキャラクターだそうで、1年間ポスターや、TV-CMに起用されるらしい。このシリーズって、一昨年真田広之さん、昨年浅野忠信くんだったよね…だ、大抜擢ではないですか…。

改めてこうやって見ると、脚長いな!スーツ似合うな!スーツ姿初めて見たかも、そういえば。て言うかこのポスターほしいよー。