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2002年01月29日(火)
旅行のはなし

金曜日に湯田温泉に行ってきました。随分久し振りで、温泉街のド真ん中にすかいらーくと村さ来が出来ていてビックリ。街の感じから程遠いイメージのものが…。そして大好きなお菓子屋さんがなくなっていた。「期限がないからずっと使えますよ」って貰っていたスタンプカードを持ってったのに!(泣)さびしいわー。

その他は変わったところもなく、ちょっとホッとした。相変わらずのんびりしていて、街のあちこちに狐の像があって(狐が傷を癒した温泉って言い伝えがあるんだそうで)あちこちに温泉がわいてて、足湯コーナーが。おばあちゃんが足浸けてのんびりしてたり。いつも2〜3時間しかいないで博多に移動していたので、今回はゆっくり観てまわれて楽しかった。

中原中也記念館も相変わらず。3年前、新しい文献『療養日誌』が発見されたので、それの展示も期待していたのだが、まだ実物は研究機関をまわっているらしい。うーん見たかったのだけどな。中原の生家跡に作られた記念館は小さいながらもすっきりしていて展示も見やすい。時間の流れがない様な雰囲気でとても居心地がよく、30分もあれば全部観てまわれる館内に毎回長居してしまう。今回は着いて直行、翌日電車が来る迄にもう一度行っちゃった。あー次に行けるのはいつかなー。

さて今回の旅のメインイヴェント西村屋泊。わーい泊まってみたかったんだ中原が結婚式を挙げた旅館!当時使われた三三九度の杯や披露宴メニュー迄展示してあって面白かった。身長が2cm高かった花嫁を座らせて、なおかつ中原の足の下に座布団しいて撮影したと言うちょっと妙な構図の記念写真を思い出した。奥様はまだご存命じゃなかったかな。

温泉も初めて入る。わーい大浴場に誰もいないよ!ラッキー!勿論泳ぎました(笑)10分くらいしたら他のひとが来ちゃったけど。ああひろいお風呂はいいなあ!足がのばせるっていいなあ!湿疹も治るといいなあ!

部屋も和室でリラックス〜。ごはんがうまい!うまい!涙が出そうだ!品数多過ぎる!食べきらない!うわああああん((C)イチ)ごめんなさいごめんなさい!仲居さんもいいひとで面白い話を聞かせてくれる。翌朝のごはんもうまい!うまい!涙が(以下同文)。なんかお味噌汁が異様にうまくて…普通にわかめとかねぎとかしか入ってないんだけど、なんかすっごいうまい!なんだこれ何かヤバいもの入ってるんじゃないかと思う程うまかった。何だったんだ…出汁?味噌?どうなればあんな味が〜!ああまた食べたいよー!

和室の旅館と言うと、どうも最近観た『義男の青春』を思い出してしまい(主人公・義男が、旅館で缶詰になってマンガを描く)ついつい義男ごっこをしてみたり。アホです。結構はかどりました(私信)。

そういや今回初めて知ったんだけど、温泉入るのって入湯税がかかるんだね!びっくりしたー。



2002年01月27日(日)
か、かけおち〜

『駆落ち』(ネタバレありあり)

大森南朋くん主演のNHKハイビジョンドラマ。ハイビジョン故9×16型のTVで観ないとすっごい観づらいよと言われつつ、それでもいい!と録画をお願いする。法事のため帰省する前日に受け取ったもんで観る暇がなく、実家で観ようと持って帰る。

…実家のTVが9×16型になっていた。わああああい!

内容は「純愛に身を焦がす軍人」(大森くん談・インタビュー読むにつけこのひとの言葉の扱いは独特で面白い)の話なんですが。不勉強で知らなかったけど、兵役検査って段階があったんですね。大森くん演じる雄平は、働いていた夕張の炭坑で落盤事故に遭い、肺を傷付けてしまった為丙種合格。その分召集されない訳で、何かにつけ「俺、丙種だから…」と言う台詞。あああもう可哀相だ。「お国の為に働けないなんて恥」って当時の風潮が痛い程感じられる。いたたまれない+恋人の道代(雛形あきこさん)が東京に身売りされてしまったので雄平は上京する事に。そこで心優しいひと達と出会い…。

出てくるひとが皆いいひと(人買いは別)。ヤミ屋のかねおばさん(冨士眞奈美さん)と五郎次おじさん(國村隼さん)がすっごいいいひとでさあ!気っ風がよくてさあ!なんでそんなによくしてくれるの!それは雄平がいいコだからさ!(泣)ストーリーもかなりの直球(とは言え、ありがちな反戦ドラマになっていない所は新鮮だった。赤紙破り捨てちゃったりするし)、もう涙涙。「いや今はそうでもきっと…」とか「雄平いいひとだからきっといつか騙される」なんてついついナナメに観てしまう自分のスレ具合にまた涙、トホホ。役者陣もも〜うよくて!よくて!キムラ緑子さん演じたおさわさんと、塩見三省さん演じた雄平の父親はあの後どうなったんだろう…。ここがいちばん気になったよ…あああんないいひと達がなんでこんな目に遭わなくちゃならんのだ!戦争するからだよ。

大森くんと雛形さん、よかったよー。ううううう。あんな時代じゃなければ引き裂かれる事もなかっただろうに。戦争は嫌だよ。ふたりとも長身でスタイルいいので当時の服装が微妙に似合わない(笑)でも、その板につかない感じが、この時代に生きていけなかった儚さを感じさせてた気もしたな。両者とも手の動きが凄く綺麗。抱き合うシーンが美しかったです。

CGにちょっと難あり。ストーリー展開は物凄いはやい。90分じゃ短いかな。ロミオとジュリエット並のスピード感がある分初見は圧倒されて「ええ、えええ〜!」に終始、二度目に観た時かなりじわ〜ときた。戦争は嫌だよ。地上波での放映は未定だそうだけど、終戦記念日前後にオンエアしてくんないかな。戦争は嫌なんだよ!

そうそう、こっちに帰ってみて3×4型TVで観たけど、まあ面長に映るけど観づらいて事もなく。録画してくれて有難う有難う!(私信)

法事は滞りなく終了。母親の20年忌。もうそんなに経つかなー。父親と奥さんも仲良くしてるようでよかった。母方の親戚にも久々に会えて楽しかった。



2002年01月24日(木)
山の手事情社『ぴん2002』

本公演よりチケが売れるので劇団のひとが困っているという(^_^;)カタログシリーズvol.7。稽古方法を公演として見られるのは面白い。今回も当日券なしの盛況でした。

ぴんと言うのは、ピン芸のピン。ひとりで舞台に立って何かやる。ものまねもあり、うたもあり、おどりもあり、でも作品として成り立っていないとダメ出しをくらう。その出来はピンからキリまで。ピンで外部と向き合う面白さと怖さ。

構成は『導入ものまね編』準備体操のルパム『「ぴん」の変遷編「いない人系」「生活取材系」「複数人格系」』『俳優が語る「ぴん」の魅力』『華麗なる「ぴん」の世界編』拍手のルパム、ごあいさつのルパム。ルパムと言うのは山の手独自の型を用いたダンスみたいなもの。

新作かなと思っていたけど、ベスト版と言う感じでした。おかげで名作三村さんの「自己紹介」「アルバイト」、倉品さんの「仕事をしないじいさん」、水寄さんの「オヤジ」「マリー・アントワネット」、大久保さんの「エステの人」が観られた。三村さんに至っては「おまえの自己紹介観るの3回目だよ〜」って自分ツッコミのアドリブ(?)入れてましたがその3回全部観ています(笑)

印象としては今回女優陣が強かった!パワー前提のぴんものは女優には苦しいと聞いてますが、いやいや今回は凄い破壊力だったよ…新作では大久保さんの「三代目西荻屋」がサイコーに面白かった。

このスタイルを始めてもう7年ほど経つ。かなりな訓練が必要なので、役者陣はなかなか劇団以外の活動が出来ないと思いますが、外部試合にも強そうなひとたちばかりなので外での活動も観てみたいんだけど、時期的にどうなのかな。難しいとは思うけど。

でもホント本公演も面白いんだよ!ホントに!次回は夏にオイディプスです。6月に蜷川さんも野村萬斎さんを迎えてオイディプスをやるそうで、どちらも楽しみ。



2002年01月23日(水)
帰省ついでに

帰省する時は、小郡の湯田温泉に寄って、中原中也記念館やら詩碑のある公園をうろうろしてから博多に移動、そこで一泊して翌日帰るコースがここ最近の定番。考えてみればせっかくの温泉地なのに、湯田温泉に泊まった事がない。

せっかくなので今回は湯田温泉に泊まるぞー!奮発して中原が結婚式を挙げた西村屋に泊まるぞー!初めて湯田温泉に入るぞー!(笑)

しかし今回調べてみてわかったけど、旅館系てなかなかひとりで泊まれないのね。ビジネスホテルとかだと全然オッケーなのに、旅館系は2人〜てのばっかり。いいじゃんひとり旅!楽しいじゃん!

実家に帰るのも久々なので、湯田温泉も久々。楽しみだなー。

そういやあ、三上博史さんて、中原(こっちはTV)も宮澤賢治も演じた事があるよね。面白い役者さんだなー。賢治の方は未見だけど、中原はホントよかったよ…小林秀雄役の古尾谷雅人さんも、長谷川泰子役の杉田かおるさんもよかった。確かこのキャスティングだったと思うけど自信がないな。今度ビデオ観直してみよう。



2002年01月19日(土)
ご当地最終日

『殺し屋1』@新宿ジョイシネマ3

行ってきました18日歌舞伎町最終日。しかし仕事がらみの飲み会で抜けられず遅刻、1時間過ぎた辺りで映画館に着くとチケット売場がもう閉まっている。そのまま館内に入り、翌日からの『千と千尋の神隠し』のポスターやポップをロビーに拡げて準備をしているスタッフの方に「今からでもいいから観たいんですけど…」と言うと「え、もうあと1時間くらいしかありませんよ」「構いません〜」「渋谷なら明日以降もしばらくやっていますよ」「いや、いいんです…待ち合わせもしていて…(一応付加価値理由もつけてみたり)」と押し問答(?)「いいんですか、すみませんねえ」と恐縮される。いやこちらがすみません。アホです。

入ると丁度ラーメンのシーン。あああ踵落としでドアの鍵切るとこには間に合わなかった!が、ラーメンのとこは大好きなんでニヤニヤ。席はあったがいちばん後ろド真ん中で立ち見の方がオーシャンビューなのでそのまま立って観る。ああ楽しいなあ!

リピートするとチェック度も増してくる。二郎がやられた後、垣原と三郎が部屋入ったら、ミユミユと竜の死体が寄り添うようにして置いてあったけど、あれってイチが運んであげたのかしらとか(笑)いいヤツだなイチ!車に跳ねられてもまずコンビニの袋の中身を心配するしな!

垣原の口調がギャルでおかしい。「空気読んでよ〜」「なんで死んでんの〜」てのが妙にハマる。イチに会いたくてドキドキしてるしな!ギャル決定。

終演後大森組集結。ご当地だけに歌舞伎町周辺〜百人町を「うわあ映画まんまだよ〜」「なんかいいグルーヴ漂ってる!」などと練り歩き。ああ楽しいよ!寒いのに!その後飲み。その後ふたりはクラブ行きなのでお別れ。ああ私もはやくクラブ復帰したいなー夜遊びしたいなー。



2002年01月18日(金)
うつつをぬかしつつも

大森くん狩りの合間を縫って(笑)この2本を観てきました。

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『バニラ・スカイ』@新宿文化シネマ2

上映前、館内BGMでレディオヘッドの「EVERYTHING IN ITS RIGHT PLACE」がかかっていて何で?と思っていたら、本編冒頭にいきなりドカンと使われていて嬉しいビックリ。キャメロン監督は規制楽曲をサントラに組み込むのがウマいひとだそうだ。観終わってから改めて、この曲のストーリーとの相性がピッタリだったなあとしみじみ。オリジナルスコアのサントラもいいけど、自分がもともと好きだった曲がハマッて使われていると嬉しいな。

ベースの『オープン・ユア・アイズ』は未見なのだがまあビックリ、こんな展開になるとは!痴話ゲンカで起こった事故から150年後の世界迄行ってしまうとは。ありがちなストーリーではあるけど、組み合わせ、使い方によっては面白いもんが出来るんだなあの好例。一歩間違えば安っぽいSFになってしまう所を、主人公の成長物語として見せたとこが良かったのかな。

トムクルさんはあの美しい顔を封印して(半分近く事故後のボコボコメイク顔)主人公デヴィッドを演じていました。高所恐怖症を克服し、ビルから飛び下りるシーンの晴々とした表情にはジ〜ンときた。このひとこういう「現状に満足出来ない上昇気質」「成功者故の孤独」を演じるのがホントうまい。それはトムクルさん自身の姿も反映されているのかも知れないけど。ハリウッドスターらしいハリウッドスター、観客の期待には絶対応える。すごいなあといつも思う。タフだよなあ。

ペネロペさんはかわいーなー。ほっそいなー。『ブロウ』の時は「ヤク中役だから?」と思ったけど元々細いのね。なのにボインでステキ〜。あの容姿にあの声のギャップも面白い。あのまっすぐな瞳で見つめられたらそらオチますよ。ヨゴレもうまく演じるひとなので、幅広くいろいろやっていきそう。

欲を言えば冒頭の、タイムズスクエアを走るシーンをもちっと観たかったな。壮観。

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『青い夢の女』@シネ・アミューズ・イースト

仕事疲れもあってか(つうか大森くん疲れだろ)、主人公の精神科医の様に寝てもうた。起きたら死体が!てな事はおかげさまでありませんでしたが(笑)。

寝てもうた割に結構記憶は鮮明で、全編ブルートーンの画質や美しい死体オルガの無表情の表情は目に焼き付いている。op.、en.の絵画も印象的。

でもブラックコメディとして笑っていいのかミステリとして唸っていいのか微妙すぎて戸惑ってるうちに終わり〜てな感じだった。墓場にいた死姦大好き(だけど手ごろなのが見付からずダッチワイフで我慢のコ)なDJくんがオモロかったわ…。トランスガンガンかけながらヤッてんのな。

って言えばこちらのサントラは不思議で。あの中華テイストのエンドテーマは何だったんだ〜?今も頭の中で鳴っている。何故あの曲なんだ。

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そんなこんなで今日はイチ新宿上映最終日。行きたいよー。



2002年01月16日(水)
「まじかよー」

仕事がうまく片付いたので水道橋で中古ビデオ屋巡り。先日¥500なら〜なんて言ってた『新痴漢日記』が¥4,980であって驚愕、思わずタイトルのひとりごと。なんですかこれ稀少物なんですか?だって前シリーズの『痴漢日記』は¥980とかで大量にあるのに!な、なんで…。

そんな訳で相変わらず大森くん狩りをしていますが、データベースも固まってきたのでアドレス公開します。  [Joyride]

サイト名は解る人には解る(ニヤニヤ)、ええBOOM BOOM SATELLITESでっせ!大森組(構成員3名)のrefさん命名。興味ある方は観てってくださいな。情報もお待ちしてます…。

いやーしかし年明けてからの勢いは凄かったね。今後充実した内容にすべく精進します。



2002年01月14日(月)
ジャンル分け

大森くん出演作狩り。ええ狩ってますよ!以下年明けてからチェキッたビデオ。観た順。

『ざわざわ下北沢』監督:市川準
『新痴漢日記2』監督:安藤尋
『つげ義春ワールド第4巻「義男の青春」』監督:安藤尋
『カノン』(WOWOW)監督:行定勲
『新痴漢日記』監督:富岡忠文
『天使に見捨てられた夜』監督:廣木隆一
『ビッグ・ショー! ハワイに唄えば』監督:井筒和幸

…はあはあはあ、この勢いは何なのよ。おかげでデータベースが随分まとまってきました。しかしホント出てんね〜、メインキャストから注意してないと気付かないちょっとした役迄。そのちょっとした役がオイシイとこ持ってったりするんだけど。未亡人に恋したり痴漢したりマンガ描いたりチェンバロ弾いたり痴漢未遂したりAV会社のスタッフやったり日系二世になったり大変ですよ。

面白かったのは全部面白かったんですが…突っ込みどころ満載のものもありますが…ってさあ、タイトルからして…と意を決してAVコーナー行ったのに…あからさまに他の客からギョッとした顔をされて迄探したのになくてさ…何で普通の邦画コーナー・東映Vシネマのとこにあるんだ痴漢日記シリーズ!『サンデイ ドライブ』が「エロティック・サスペンス」のコーナーにあったと聞いた時何でやねんと思ったが、こういう時のジャンル分けって誰が考えるの?店長?

とブツブツ言いながら観た痴漢日記シリーズですが、観たらAVコーナーに置いてない訳が解りました。なんだよいい話のコメディじゃん!途中から痴漢はどこに?てなもんで。AVに置いてたら詐欺だ言われるよ(笑)いや痴漢はしてるんだけれども…これならVシネやくざものの方がエロ多いって!ジャンル分けって難しいねー。いや〜これお勧めです。中古で売ってたら買ってもいいやと思う程にな!…¥500位で(笑)

…って、痴漢って言葉をこんなに書いたのも今迄で最高だと思われ。

他。『カノン』は自分が原作読んでないからか、不明瞭な箇所が多くて何とも。テンポの良さ、回想と現実のシーンの切り替えは面白かった。田中さんやらサダヲさん、慢太郎さんが出てたのが楽しかった。『天使〜』も原作ものだがこれは楽しめた。かたせ梨乃さん男前。大杉漣さん演じるゲイの隣人がすっごいいいよー!冒頭のライヴのシーンで「このライヴハウスの構造は…」と思っていたらやはり、4日前に行ったスターパインズカフェだった。奇遇。

それにしても大森くんは面白いね…しかもあなたベニシオ・デル・トロと誕生日が一緒だそうで。これはもうハマる根拠があったってなもので(笑)あははははは!



2002年01月13日(日)
ハラビ

『横尾忠則作 暗夜光路展』@原美術館

原美術館て、ハラビって言うんだね愛称。…つうか、愛称あったんだ…つうか、これ、愛称?

いつものんびり観てまわれるハラビですが今日は激混み。14日が最終日だからかな。にしても…やはり横尾さんだからか。年齢層もバラバラで、子供連れも多かった。

横尾さんのここ数年のモチーフ『暗夜光路』が一挙に観られる機会は嬉しい。絵と、資料としての元ネタ写真も一緒に展示してあり、資料に書き入れたトリミング指定とかも全部そのまま残してある。複数の場所がひとつの絵になっているものも。

道の奥は真っ暗だ。外灯も届かない暗闇。怖い。

この展覧は10月中旬から開催されていたのだが、9月11日付けの作品があったのには驚いた。それとも急遽描きおろしたんだろうか。シリーズを踏襲していながらも、この作品だけはやはり異様な迫力があった。破綻していた。その破綻がまた怖い。

作品量は流石でした。このひとといい蜷川さんといいワーカホリックとはまた違う、何かを作っていなくてはいられない強迫観念みたいなものを感じる。それを観られる事は嬉しいが、不安にもなる。画は残るけど、演劇は残らない。そこが好きでもあるんだけど。

3月の珍しいキノコ舞踊団公演のフライヤーがあったので持って帰る。楽しみ。



2002年01月11日(金)
ご当地ですよ

『殺し屋1』@新宿ジョイシネマ3

はいはいもうリピート癖ですよ!やっぱご当地歌舞伎町で観たいよ!とぴあをチェックしたら11日で終了と書いてあり、なぬ〜もう終わっちゃうの〜なんでやねーん!とダッシュダッシュ。そしたら18日迄延長になってました。嬉しいような肩すかしのような。

音はイメージフォーラムの方が断然良く(座った場所によるのかもしれないけど)、場内も明るめで入り込み感は薄目だったけど、歌舞伎町で観てる!て気分がもう楽しくて。ははさっきここ通って来たよ!とかね。映画館出てもまんまの風景だしね。しかしよく撮ったねえ…条例が緩和されたから撮りやすくもなったのでしょうが。しかしイチがバトルスーツ着てうろうろするシーンは隠し撮りだったそうで、大森くんは酔っ払いに「イチだ、イチだよ!何でここにいるの?」と声をかけられて凄く恥ずかしかったとか(笑)。その困った顔がまた三池監督を喜ばせたんでしょうな…。ホントイチだよこのひと…出てきた途端「あっ、イチだ」って感じ。原作と全然顔違うのに、そんで原作読み込んでる(…)自分がこう思うってのが不思議だった。

セーラちゃん役のひとが凄いなーと思っていて。あの死にっぷりとかいいよなあ(こういうのをいいと言っていいものか…)気になる役者さんだ。準クラリオンガールだそうなので、ボコられメイクがなければ美人さんなのだろうなあ。次回何の作品に出るか判らないけど、ちゃんとした顔で観てみたいな。

帰り道、そこら辺をイチが歩いてるような気がしてキョロキョロしちゃった。



2002年01月10日(木)
初ライヴから遅刻

トウキョーミュージックサロンvol.11@STAR PINE'S CAFE

残業で30分遅刻。くそーくそー。谷口崇さんは3曲くらいしか聴けなかった。初めて聴いたのだけど面白かったな。高音の声が綺麗。2番手はHONZI。一昨年のメトロファルスのサポート以来。いつも格好いいヴァイオリンを弾くけど、今回は自分のユニットなのでヴォーカルもあり。アコーディオンも弾いてほんわか気味。

で、3番手が小林建樹くん。絶不調の様で本人も「ホントごめんなさい、プロだからいつもちゃんと出来ないといけないんだけど…」を連発してたけど…ううむ、プロの水準は勿論ありました。これはこれで面白かったけどね。久々にグランドピアノ弾いてくれたんで嬉しかった。タッチが重いのでエレピよりアコピの方がこのひとの音は好きなんだよねえ、私は。でもホント調子悪そうだったなー。元気出してねー。

トリはリクオさん。初めて生で聴く。いきなり井上陽水の「氷の世界」をフォービートジャズアレンジでカマす。すっごい格好いい!全くアレンジが違うので最初何の曲かわからんかった。いやーいいもん聴いた!また聴きたいわー。オリジナルもよかったなあ。うたもいいけど、とにかくピアノが格好いい。先に出た小林くんがMCで「デビュー前にリクオさんのライヴ観て(あんまりピアノがうまいので)もういやんなった。俺も練習しなきゃと思って…」とか言ってたけどそりゃ同業者が観ればいやんなるわ(笑)競争心も芽生えるねー。

最後のセッションでも小林くんは「今(リクオさんのライヴを)2階で観てたんだけどねえ…僕負けず嫌いなんですよ」とかブツクサ言ってました。切磋琢磨って素晴らしい(笑)。小林くんHONZIリクオさんともに関西出身なので(谷口さんはどこなんだろう?)関西弁が飛び交って楽しかった。

STAR PINE'S CAFEって初めて行ったんだけど音がいいー!1階席がもう満杯っぽかったので2階席の柱の前で観ていたので視界は悪かったけど音はすんごい良かった。ラインナップ観たら結構面白いメンツ(勝井祐二さんとかナスノミツルさんとか)が出ているので、また来たいな。



2002年01月06日(日)
ヘコみの後にはスカッと爽やか!

と言う訳で『殺し屋1』リピート。ああスカッとする!なんでかね〜登場人物みんな「自分は後悔してないッスから」(金子)だからかね〜。あ、高山は後悔(?)してたか。だからジジイに殺されちゃうのかな。

気のせいかも知れないが、初見の時には切ったミユミユの乳首を投げた時の「ボトッ」って音がすんごいリアルでゾゾ〜!ときたんだけど、今回そこの音がちょっとちっさくなってた様な。それとも自分が慣れた?慣れたら慣れたで怖いけどな!音楽もよかったけど音響効果もよかったよ〜よかったって言うかリアル!リアル!テンプラ油で〜のとこもいいにおい(いいのか?)がしてきそう、ジュ〜て音で。

大森くんに骨抜きにされてる故今回はイチの細かいチェックも怠らず。コートのフード被って空を見上げてるシーンとジジイの肩によっかかってすーすー寝てるシーンはサービスショットって事で!有難う有難う三池監督!友人と盛り上がってHPを作ろう!と言う事になり出演作品チェックしたら物凄い量出てるのね。田中要次さんとはるサブリミナル俳優!?(某サイトによると名バイプレイヤー)『白痴』にも数シーン出ているそうなのでや、やはり観ねばなるまい…ううう…頑張るぞ…。

そんな訳で以降出演作ビデオ感想が続くかもしれません(笑)しばらくTSUTAYA通いが続きそうです。支店の入会証が増える一方です。



2002年01月05日(土)
ヘコみの二連発

『オテサーネク』@ユーロスペース2
『リリイ・シュシュのすべて』@シネマライズBF

いやもうヘコむねー。観てよかったとは思うけど。共通点としてはどっちも長い。もうちっとギュッとなってれば持ってかれたまま行けたかもしれないんですが。つうか同じ日に観たのがまたねえ…。

シュヴァンクマイエル監督って実は故人だと思ってまして…去年「『オテサーネク』着々撮影中!」とかの記事を観て「ヒー!現役でしたか!」てなもので。すみません。しかしじいさん凄い凄過ぎる。こんな事ばかり考えてるのか、この変態!面白かった。けどひとには薦めない…。食べ物をいかにまずそうに撮るかてのに関して素晴らしいです。もう食欲減ります。

リリイはやっぱ…岩井監督の“画”はやはり比類無き程の美しさで、その美しさを観るのは大好きなのだけど、いかんせんヘコみます。途中からは構成がうまい、画がうまい、役者の力を引き出すのがうまい、って方向で観る事に徹してしまった。でないと潰れそうだったので。

構成のうまさと言うのは画面構成のうまさ、編集のうまさに加えて、14歳あたりのコやある種のネット好き、文章好きが使うよなあと思う字の変換(“おもい”を“想い”と書くとか)とか掲示板の使い方は絶妙だった。いやまあホントの14歳が観たら違うと言うかも知れないね、私ももう14歳ではないから判らない。けどそんなもんでしょう。そうして歳をとるってなもので。歳をとることなく死んじゃうひともいるけどね。

まあ、これはひとには薦めない。けど、観てよかったとは思う。観に行った3人ハシゴ後はグッタリ、言葉少なにうどんをすすって別れました(笑)。



2002年01月02日(水)
耳をすます―『忘れられぬ人々』

2002年映画初めは『忘れられぬ人々』。『殺し屋1』のイチ役で骨抜きにされた大森南朋くんが出演しているとの事で、鼻息も荒く吉祥寺バウスシアター2へ。

木島等(三橋達也)は戦争で家族をなくした男やもめ。畑仕事をしながら慎ましく生活している。村田平八(大木実)は妻・静枝(内海桂子)と居酒屋をきりもりしている。伊藤民夫(青木富夫)は妻を亡くし、息子夫婦と暮らしている。彼等は今でもぼちぼち会う戦友同士。同じ部隊でペリリュー島で戦った仲だ。

静枝が体調を崩し入院した病院の看護婦・百合子の祖父が、彼等と同じ部隊で戦死した金山だった事から、百合子も平八の店で年に一度開いている『戦友会』へ出席する事になる。その後百合子の恋人、仁も店に出入りするようになり、彼等は親交を深めていく。

時期を同じくして、プーだった仁はユートピアコーポレーション(以下UC)と言う老人福祉事業を行っている会社へ就職する。ところがこの会社、霊感商法まがいの商売で老人達から金を騙しとるあくどい会社だったのだ。民夫と恋仲になりそうな気配だった上品な老婦人・小春がハメられ、静枝の病状を案じ精神的に弱っていた平八も騙される。

大事な親友が痛めつけられた木島と平八は、ある行動をとる…。

(以下バリバリネタばれしてます)

最後の“討ち入り”にはびっくりさせられた。が、思い返せば伏線はあった。木島は戦争で家族を失った事から荒れ、一時期やくざな生活を送っていた事。とは言え起こってしまった事はあまりにも唐突で、だからこそギリギリの現実感があって呆然とさせられ、その後どうしようもない悲しさが襲ってきた。実際に何かが起こる時は、いつだってこんな風に唐突だ。UCは、数多ある新興宗教・霊感商法の裏表がきちんと描かれていた。本人たちは間違ってるとは思ってないのだもの、対応が難しい。自分達と紙一重だと思わせる危うさも感じた。

木島になついてよく遊びに来ていた日本人と黒人のハーフ(今ではダブルと言うらしい←パンフより)ケン坊や、名字から予想はついたが在日朝鮮人で、無理矢理日本兵として戦場へ駆り出されたのであろう金山等、登場人物に全く無駄がない。決して多くはない台詞が重い。全体的に長回しの撮影で、その場に流れる空気がフィルムに焼き付いているかのようだ。時間はゆっくり流れているような気がするのに、ストーリーがどっちへ転ぶかまるで判らないスリル感もあり、テーマが広範に渡っているのに散漫にならない展開も素晴らしかった。

キャストは、全員無駄がなくとっても魅力的なアンサンブルだったが、特に、特に主役三氏が素晴らしい!世代的に当時の大スターっぷりは正直知りませんが。討ち入りをする時の木島と平八の表情、民夫のかわいらしい茶目っ気さ、静枝の病床でのちょっとした仕草、小春の凛としているのにどこか不安定な儚げさ。大事なものを見せて貰ったな。

リトル・クリーチャーズの音楽も謙虚で美しく、画面の青空と見事にマッチしていた。

大森くんは、プーをしていた仁をUCに勧誘する木村役。『カルテット』(未見。ネット上の画像で見た限り)時よりも痩せて既にイチルッキン。イチ役の為に極真空手に入門して、5〜6kg痩せたと聞いたが、これの撮影はイチより後だったんだろうか。やっぱ意外と大柄…猫背な役が多いから小さく見えるのかな。車中のシーンとか背がつかえそうだったし。役柄的にはハマり過ぎでいや〜んな感じでした。いるよいるよねこんなひと…“ホントにそう思っている”から反論しづらい。考え方は間違ってはいないだけに、方法論を覆すのは難しい。その思い詰めっぷりが静かに漂っている、指導者に忠実な社員像が面白かったです。ごめんルックスから入ったけどいい役者さんだ。今後追っかけますよ!

「戦争は何もいい事がなかったけど、ひとつだけいい事があった。それは、お前等みたいな友達が出来た事だ」と言った民夫の台詞が忘れられない。老境の役者達の滑舌は決して良くはない。けれど、ひとつひとつの言葉が重みを持って、心にしみいる。聞き逃してはならないと、耳をすます。



2002年01月01日(火)
年明け早々去年を振り返り

あけましておめでとうございます。

去年面白かったもの十傑。観た順で。ベストワンのみ★印。

■映画
 『PARTY7』@シネセゾン渋谷
 『リトルダンサー』@シネスイッチ銀座
 『ツバル』@シアターイメージフォーラム
 『スナッチ』@新宿ジョイシネマ他
★『トラフィック』@新宿ピカデリー他
 『レクイエム・フォー・ドリーム』@シネセゾン渋谷
 『夜になるまえに』@シネマライズ
 『GO』@渋谷東映他
 『メメント』@シネクイント
 『殺し屋1』@シアターイメージフォーラム他

■演劇・ダンス
 『真情あふるる軽薄さ2001』@シアターコクーン
 M.O.P.『黒いハンカチーフ』@サザンシアター
 山の手事情社『平成・円朝・牡丹燈籠』@ザ・ポケット
 『贋作・桜の森の満開の下』@新国立劇場・中劇場
 スズキビリーバーズ『悪霊〜下女の恋』@本多劇場
 八月納涼歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』@歌舞伎座
★『欲望という名の電車』@青山円形劇場
 ナイロン100°C『ノーアート・ノーライフ』@本多劇場
 『シルヴィ・ギエムの「ボレロ」』@東京文化会館
 『四谷怪談』@シアターコクーン

■音楽
 BOOM BOOM SATELLITES『BATTERING JAM』@リキッドルーム
 『REVERB SYNDICATE』@リキッドルーム(あぶらだこ)
 『東京FOLKLORE』@オージャスラウンジ
 『FUJI ROCK FESTIVAL』@苗場スキー場(MANICS、OASIS…)
★青山陽一VS小林建樹『live mc vol.8』@STAGE ONE
 RADIOHEAD@横浜アリーナ
 小林建樹『Boo Doo Loo #4 "MUSIC MAN TOUR"』@リキッドルーム
 『electraglide 2001』@幕張メッセ1〜3ホール
 YOSHIDA MINAKO & THE BAND『QUATTRO A GO-GO』@クラブクアトロ
 矢野顕子『さとがえるコンサート2001 スペシャル・クラブ・ギグ』@クラブクアトロ

■美術
 『ギフト・オブ・ホープ』@東京都現代美術館
★小沢剛/中山ダイスケ『クロスカウンター』@川崎市岡本太郎美術館
 『汚名―アルフレッド・ヒッチコックと現代美術』@東京オペラシティアートギャラリー
 『イメージの首飾り』@原美術館
 『私の中のフリーダ/森村泰昌のセルフポートレート』@原美術館
 『メイプルソープ&アラーキー 百花乱々展』@小田急美術館
 『レントゲン10周年記念展―C./10』@レントゲンクンストラウム
 福田繁雄展 福田美蘭展@世田谷美術館
 村上隆『召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか』@東京都現代美術館
 『胡蝶儚譚〜映画「殺し屋1」のアートワーク展』@スクエア7

他にもいろいろありましたが!今年も面白いもんが沢山観れるといいな。
旧年中お世話になりました方々、どうも有難うございました。
今年もよろしくお願いしまっす。