Movin'on without you
mako



 取り戻したい、あの手。

2001年10月の日記(うわ・・古。)にも登場した
「おにいちゃん」という人の存在が、
あたしにはありました。


いかせんと同い年で
いかせんと同僚の、その人は
場所こそ違えど、部署がいかせんと同じで
おまけに麻雀好きという共通点もあって
比較的、いかせんに近いところに、居た人でした。


あたしはその人に結構かわいがられていて
その人はちなみに、
すごく自分のことが好きな人だったんだけど
そんなとこも含めて、あたしもその人が
けっこう好きでした。

それが、おにいちゃん。


彼と逢うとなぜか元気が出たし
いつも無条件であたしのことを褒めてくれるので
それこそ元気の無いときや
自信を喪失したときにあたしは彼に会いに行く。

そうすると、なんだか自分が特別な娘のような
錯覚に一瞬だけ陥れて元気になったりした。
単純。基本的には。



今、無性に彼に逢いたいよ。


あたしの造った罪を消して欲しい。
どうでもいい男に抱かれるくらいなら
あなたに抱かれたいと思う。

あたしの造った罪を
あたしを抱くことで彼に消して欲しいって
思ってる。



でも、そんな時に限って
彼は遠い存在になってしまっていたりする。



そしてそんな時に限って
彼は、あたしに手を出さないだろう。


そういう人だから。



いかせんに抱かれたすぐ後だったと思う。
遠い街に就職するあたしを
励ますために、彼は逢いに来てくれた。

車の中であたしを抱きしめようとしたその腕を
あたしは反射的に振りほどいた。


誰も、いかせん以外の誰も
あたしに触れて欲しくなかった。

いかせんに触れられた全ての場所を
誰の手にも汚されないまま
とって、おきたかった。


そうやって一度、彼の手を
自分から離したのに。


こうやって、自分が苦しいときだけ
救ってもらおうとするなんて。

後悔に押しつぶされそうな時だけ
手を差し伸べてもらおうなんて


そんな考えが通用するわけない。


世の中そんなに甘くないよ。



あたしの心の中で記憶の中で
おにいちゃんが、いつまでもあたしを
救い続けてくれる存在だと
信じ込んでい続けたほうが
あたしは幸せで居られる気がするよ。


24歳の確信。






2005年03月02日(水)



 記憶から消せない限り。

たった1人だけ、
何だって話せる、友達がいる。

彼とは。
高校も大学も、しかもバイト先まで同じで。

初めて会ったのはあたしが高3の時だったと
ぼんやりと記憶してるんだけど

何が原因で仲良くなったのか分からないんだけど
あたしも彼も1年ずつ浪人してて
なんかその過程で人生とか将来とかについて
多分に語り合う機会があって。

その延長であほな話をいっぱいして
けっこう滅茶苦茶してることも話したりして
そしたら彼はいつも笑ってくれるから
そんなこんなで話すようになったのかな。
人には決して言えないようなことも、沢山。



あたしが、いかせんと寝たことを
世界中で唯一知ってる、友達。

あたしが、無意味な浮気をしたことも
世界中で唯一知ってる、友達。

だから、あたしがすんごい阿呆なことを
世界中でいちばん知ってるのが、彼。


あたしの今付き合ってる、すごく大切な人には
一生言えないようなことも、彼だけは知ってる。


彼の存在が、あたしを助けてる。
そんな馬鹿なこと以外にも、いつも助けてくれる
支えてくれる、大切な人。




こないだ、その友達と電話してた時
「そういえば、こないだ、いかせんに会いました」

不意にそんな風に言われた。


「どこで?」

「バイト先です。元気か?って聞かれましたよ」


彼は、あたしと同じときに、
たまたま、バイトを辞めてる。

だけど久々にバイト先に顔を出した時に
本当に偶然、いかせんに会ったのだという。


「元気か?」ってちょっと笑いながら言う、
いかせんが瞬時にあたしの頭に浮かんだ。

あたしの想い出の中のいかせん。
だから、ちょっと笑顔で。優しくて。

すごく、羨ましくて。
あたしには一生向けられることの無いその笑顔が。


欲しくて欲しくて、堪らない。



元気か?
元気か?
元気か?


まるであたしが聞かれているような
心地の良い妄想。



聞いてよ。いかせん。あたしにも。
「元気か?」って。そして頭をこづいて。



いかせんにだったら、あと100万回だって
抱かれたいと願うのに。



逢いたいのに。



田舎に帰りたい。
あの街に帰れば、何万分の一かの確率で
街を歩くいかせんに、逢えるかもしれない。

この街で、いかせんと同じ車を見つけるたびに
それがいかせんの物かと思ってしまうあたしを
当たり前のように違って泣きそうになるあたしを


救えるのは、やっぱり今でも
そうさせてる、あなただけなんだと

ほんの少し話を聞いただけで
やっぱり心が戻る。



忘れようとしてたけど
忘れられるわけもなく。



今でも、大好き。


そばに居ないから好きなのでもない。
幻想を愛してるわけでもない。


どんなんでも、いかせんだったら好き。





2005年03月01日(火)
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