Movin'on without you
mako



 無になりたい。

だめだ
やっぱり好きじゃん
もう会いたい

好きだと分かっていながら
誰かに聞こえるように悪口を言う
昔からの癖も治らない
そうしないと心が保てないのも
ずっと変わってない、いつまでも子供だ。

初めてくれたメールを眺めながら
絶対に返さないと決めている
差出人の名前を
ずっと、ずっと見ている

そんなことよりもやらなきゃいけないことが
あたしにはたくさんあるんだ

2024年07月21日(日)



 三つ子の魂。

思い返してみれば

ずっと
甘えられる人はひとりだけ、だった。

もう、10歳に満たないうちから
不特定多数には甘えない
でも、たったひとりにだけベッタリ甘える
そんな幼児だったな

初恋もその中で経過した

だから、あなたに今甘えているのも
何ら不思議はないんだ

昔、狂うほどに好きだった人は言いました。
いつも、会うたびに泣いていたから
「甘えてばかりでごめんね」と言ったあたしに
「本当に迷惑なら、今俺はここにいない」と。

あの人が、いろんなことを言いつつも
あたしの側にいてくれたことが
あの頃のあたしを生かしていた。確かに。

そういう存在によって、あたしは生かされてる
もうずっと

今も知ってるんだ
あなたが離れていかないことを
あなたは優しいんじゃなくて
臆病で、自分がかわいいから、
人を切り捨てられない性格なのを
あたし、知ってて、たぶん、甘えてる。

三つ子の魂は百までなんだなって
思い知った。今日。

2024年07月19日(金)



 あわよくば、触れたい

思い返してみれば
「makoは嫉妬するかもしれないけど」
なんて、随分と自信家で傲慢な台詞

それでもご想像通りに、
あたしはちょっと嫉妬しちゃったりしながら
あなたの特別な人の話を聴いた
特別な人の話を聴くあたしもまた
ちょっとは特別なんじゃないかっていう
錯覚をしてみたりなんかして

友達って
相手に彼女ができたら
喜ぶものだよねきっと
幸せを祝えるものだよね

だったら
私は友達にはなれそうにないな
あなたに彼女ができて
その話を笑って聞ける自信がまるでない

嫉妬するかもとはわかってはいるんだよね
その台詞は
一体どういう意味なのか
あたしの好きは
どんなふうにあなたに伝わってるの?
友達としての好きなの?

知ってる?
あたしの好きは
あわよくば触れたい、の、好き、だよ


2024年07月05日(金)



 女をきれいにさせる人

女の子を
もれなくきれいにさせられる人を知っている。

二度ほど飲んだだけだけど
その場にいた女性という女性が
みんなきれいになって帰っていった。
なんてことはない。
彼自身が、全員をもれなく女性として扱い
大切にもてなすからだった。

あのときのキラキラ感はないけれど
でも不思議だね
今日のあたしも、ちょっときれいだと思うよ。

あの人と違って
あなたがきれいにできる人なんて
あたしくらいだと思うよ、って
いつか言ってやりたいな。

あの人の時とは違う
あたしが勝手に、女性になるんだ、きっと。
シグナルは鳴らなくても
それでもやっぱり女でいたいんだ
できることなら。


2024年07月01日(月)



 甘えたがり。

会ったらどんな風になるんだろうと不安だったけど
何も起こらないし何も変わらなかった

この凪みたいな状態を保ち続けることが
あたしたちには一番いいんだろうな

ピンチの時に助けてくれたから
あたしはそれを恋だの愛だのと錯覚して

なんだろう、ずっと
ただ甘えていたかっただけなのかも

子どもみたいに、ベタベタに甘えて
それでも拒否されないことを確認して

人って、いくつになっても甘えたいんだね
大人は大人って生き物なんだと思ってたよ

近しい人の前で出せないメンヘラぶりを
他人の前で見せてるあたしを見たら
近しい人は何を思うんだろうね
幻滅するのかな。わかんないね

あたしのおなかのずっと奥のところにある
アラームみたいなものが鳴らなかったことだけが
ちょっと、安心して
ちょっと、さみしい

2024年06月30日(日)



 裸の心で。

あなたは
愛した女性を、自分と同じように
たいせつに、愛せる人で
全部を、受容れられる人で

いつも、誰とでも、
裸の心で、向き合える人で

そんな性格だから
いつもあなたの周りには
老若男女、たくさんの人が慕って
いつも、みんな、あなたの優しさや
人間性や笑顔の虜で、

あたしは
自分以外をどうしても愛せなくて
みっともない所を見せたくない方が勝って
傷つきたくなくて

予防線を張って、
愛することでも愛されることでもなく
自分が傷つかないことを、第一に
ずっと生きてきて

だから、わかるの。
万が一にもないけど、
もし、あなたがあたしことを
全身全霊で愛してくれたとして

あたしはきっと怖くて逃げる
どこかでブレーキを踏んでしまう
生理的にも心理的にも
あたしはブレーキを踏み続けながら、生きてきた
もう、足から離れない
この枷を外したいって死ぬほど思ったけど
外せない。

今も、ほんとは、外したいよ。
でも、世界でいちばんくらい
憧れてるあなたでも
外せないんだろうなって思うなら
きっと、外せない。

だって、みっともない所は見せたくないし
傷つきたくないし
嫌われたくないし
生身同士でぶつかるなんて
武器も持たず、防弾チョッキも着ずに
そんなの、怖くて、できない。

防弾チョッキを着ていたら
絶対に感じられない温もりを
感じたいって熱望する一方で
そうなったら撃たれるかもしれないという
わずかな危険性を考えてしまう
そして、怖くて、また、
武器を持って、人と接してしまうんだ

あなたみたいになりたかった
ほんとうは。
今も、なりたいよ。
そう生きられる人を
羨ましいと思ってしまう。

でも、なれないものに憧れをいだくほど
不毛なことはないことは
もうわかってる。
だったらなれないって
認めてしまったほうがずっとがいい。

素っ裸で付き合えたらいいのに。
全部を、見せられたらいいのに。

偽り続けて生きてるのに
ちょっとだけ、疲れた。

2023年10月23日(月)



 ごめんね。

旦那さんと仲良くね、って言われた瞬間に
明確に線を引かれたことに気づいた。

元々、亀裂のない夫婦だったら
こんな気持ちにならなかったのかな。

ヒビが割れていた箇所に
あなたは修復材ではなくて
水を入れて去っていった。

蓋をしてきた心の隙間に
水が染み込んできて
ヒビ割れが少しずつ、広がっていく。

あなたのせいじゃないんだよね。
知ってる。
あなたはただの、
きっかけだっただけ。

ずっと、ただ、
時間が過ぎていくのを、
いまは、ただ、眺めてる。

それしかできないから、
ただ、眺めて、
少しずつ、削られてく。

ごめんね。

2023年04月06日(木)



 しょうもないプライドを捨てる方法。

人を愛せないのは
プライドが高いからだと思う。
傷つくのが怖くて
それなら踏み込まないでおこうと
たぶん、無意識に決めている。
みっともないところを見せるのは嫌。
みっともない自分を見るのも嫌。
でも本当は、嫌われるのが怖い。
真正面からぶつかって、怪我するのが怖くて
ぶつからない道を、いつも選んでる。
実は、無意識にそうしてる。

あたしがこんなだから、
たぶん、相手もそんな人を引き寄せる。
あたしが誰かに全身全霊で愛されないのは
誰かを全身全霊で愛せないからだ。

全部で愛したいと思う人に出会ってしまった。
だけど、彼は、それをさせてはくれない。
愛しても愛してはくれない。
天上から降りてきた蜘蛛の糸って表現は
自分で言うのもなんだけど的確だ。

掴んではみたけど、
決してのぼれない。

屈託なく、笑顔になれるあの人を見て、
誰からも愛されるあの人を見て、
なぜ彼はあんなにも
人を愛せるのか、聞いてみたくなった。
なぜこんなにも
愛されているのか知りたくなった。

あたしと彼の人生は、何が違ったのか。
考えても答えは出ない。
ただ、彼が大切にしてきた全てが
彼の人生をつくっているし、
あたしがきっと大切にして来なかったものが
あたしの人生をつくってる。

プライドなんて本当は捨ててしまいたいのに
誰か捨て方を教えてくれる人はいませんか。
教科書には載ってなかったんです。
愛して愛されて死にたいのに
その方法を教えてくれる人はいませんか。

にんげんって、なんのために
生まれてきたんだろう。
何十年かぶりにこんなことを考える。

眩しくて、遠くて、
いつも、ずっとずっと先を歩いている
あこがれの、ひと。

2023年04月05日(水)



 蜘蛛の糸。

もうダメだ、と、
ハッキリと気がついたのは
たしか、真夜中の出来事。

おなかの真ん中らへんの
いちばん、芯みたいな部分が
はっきりと自己主張してくる瞬間が
あたしの人生には数度だけ、あって、
懐かしすぎる痛みに
絶望すらしました。

こうなるともう、
自力で止めることなんてできない。
いや、今なら、
もしかして今なら、止められるの?

こうは、なりたくなかったんです。
なることなんて
どうなったって無いと思っていた。

誰がどう見たって
魅力的すぎるあなたの
殻の外側に、ほんの少し触れたって
重力に逆らえないとか
単純すぎやしませんか。

蜘蛛の糸みたいに
天上から垂れ下がってきた一筋の糸を
掴んでしまうなんて
安直すぎやしませんか。

2023年03月29日(水)



 握った腕の感触だけ。

最後に一度だけ、抱いてあげる。
そう言ったひとは、ほんとうに一度だけ
あたしを抱きました。

永い永い時間が経って
あたしが覚えているのは、
背中に手を回したときの
ザラザラとした触感だけです。

一度だけしか抱かれないことが
あんなに辛いと知ったとき、
でも、後悔はまったくしなかったとき、
もう、二度目を約束できないセックスは
しないでおこうと、思いました。

天から人間界に降りてきた
そのひとの、腕を握ったときの感触だけが、
どうしても忘れられない自分に
気がついた時に
もうこれは、
踏み越えてしまったのだと
悟ってパニックになって
心が動いた自分を
今、じんわりと受け止めています。

会えない時間と距離しか
忘れる方法はないこと。
だから、大丈夫なこと。
全部、ずっとずっと前に経験したから。

人をもし殺めたと聞いても
一緒に逃げようと思えた人は
方程式がぶっ壊れた人は
人生にひとりだけだと思っていたのに、

愛することだけ長けてしまって
あたしは、愛される勇気がありません。

忘れられない腕の感触を
泣いて泣いて泣いて落ち着いた頃に
思い出して、これはいつまで
続く記憶なんだろうと
人間界に降りてきてしまった瞬間に
気がついたあの時に
もう止まらないんだろうと

とりとめのないことを、
ただただ、思います。

春が、来ます。





2023年03月27日(月)
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