Howdy from Australia
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2005年08月29日(月) The longer you hang in there, the stronger you get

金曜は職場の皆で会社帰りにパブに行ってビールで乾杯し、土曜は女友達4人をうちに招待して昼食会を開き、日曜はテニス教室の前に韓国人Mと待ち合わせをして一時間練習をしたりして、久々に予定が盛り沢山の週末だった。9月は研究発表など締め切りが控えているので週末も忙しくなりそう。

Mの就職が決まってからは、MSNのビデオチャットもできなくなり、唯一声が聞けるのは日曜だけ。先週末も夕方から電話があるかもしれないと待っていたのだけれど連絡がなかったので、電話の子機を枕元に置いて眠った。その日は試合があると聞いていたので、その後仲間と飲みにでも行ったに違いないと思いつつも、泣きながら寝てしまったせいで翌朝はまぶたが重く、それでなくても憂鬱な月曜の朝がもっと耐え難いものになってしまった。

その後、Mからのメールで案の定、仲間たちと飲みに出かけて楽しい時を過ごしたことを知る。「ごめんね!」とあったけれど、素直に受け止められなかった。たかが電話一本なのに、何でここまで相手を責めるような気持ちになるんだろう。とはいえ、遠く離れているので今までのように思ったことをそのままぶつけることもできないし、けんかになるのが正直怖かったりする。

実は親しい人にしか打ち明けていないのだが、今の仕事の契約が切れたら日本に帰国しようと思っている。一旦帰ると決めてからは、残りのオーストラリア生活を存分に楽しもうという前向きな気持ちになれたのだけれど、それも一時的だったというか、自分でもどうしていいか分からないくらい下降気味。これぐらいのことを乗り越えられなかったらしょせんそれまでだから…と強がってみても何だかむなしい。


2005年08月20日(土) great night out

クリーニング店を探していて、偶然見つけたイタリアレストラン(Sabatinis)。落ち着いた雰囲気でとても素敵だったので、ネットで調べてみたら、サービス、料理共に評判もなかなか。日系情報誌などでは全く宣伝されていないようなので、これはもしかしたら穴場かもしれない。早速、友達Yを誘って一緒に行くことに。

赤ワイン持参だったので、メインは鴨にし、かぼちゃの入ったラビオリと前菜を注文。全て二人で分けたのだが、これまたものすごい量。前菜(Antipasto)が運ばれて、テーブルの中央にどかっと置かれたときは、衝撃的とも言えるほど。

何種類もの生野菜に焼き目のついたナスやムール貝、乾燥トマトにアンチョビ、チーズ、オムレツ、ソーセージ、オリーブなどなど。数種類のペーストも彩りよく飾られて、まさに盛り沢山。一つ一つ味わいながら楽しんでいたら、結局全てきれいに無くなってしまった。

ラビオリもふっくらとしていてクリームソースが絶妙だったし、鴨も外は香ばしくて中は柔らか、まさに「う〜ん」とのけぞりたくなるほどの美味しさ。量が多いね〜などと言っていた割には、カプチーノとデザートまできっちりいただいて、大満足。値段もクレジットカードの特典で2割引になり、お一人様3200円(チップ除く)。

この値段でも貧乏学生をしていた頃だったら高いと感じたかもしれないが、そこは安月給でも社会人。日々質素で孤独な生活を送っているからこそ余計に感じる、食後に食器を片付けなくてもいいありがたみと、気の合う相手とおしゃべりをしながらゆっくりと食事する喜び。

その後、パブに場所を移し、ビール片手(195円)にラグビー観戦。このパブは地元のラグビークラブが経営しているのだが、パブというよりは開放感あふれるお洒落なバーといった感じ。入り口で身分証明の確認をしたり、非会員の場合は住所を書かされたりと面倒な手続きもあるのだが、隣のビルに映し出される巨大映像とあたりに響き渡る音声はかなりの迫力。応援している豪州代表は現在連敗中で、この日も南アに惜敗。

それにしても、お腹が一杯と言いつつもカロリー気にせずデザートを一人一皿頼み、豪州代表の戦いぶりに一喜一憂し、バーベル運動のクラスで使うウェイトの重量で競い合い、3時間も長電話が出来る女友達というのもなかなかいない。


2005年08月13日(土) living and working overseas

テニスを通じて知り合った韓国人Mをうちに招待した。外食も好きだけれど、家の方が落ち着くし、ゆっくりできる。

彼女が時間通りにうちまで遊びに来てくれた時、私はというとまだ台所でばたばたとしていて、何とりんごのタルトに詰めるりんごをぐつぐつと煮ている状態であった。それから、冷蔵庫で寝かしておいたタルト生地を伸ばして型に敷き、ラム酒で味付けしたりんごの煮たものをつめ、さらにその上に薄切りにしたりんごを敷き詰め、バターと砂糖をちらしてやっとオーブンに投げ入れる。待たせてしまって申し訳なかったけれど、台所で料理をしながら立ち話をするのもこれまた楽しかった。

用意したものは、野菜もお肉も同時に取れてしかも準備の簡単な鶏のつくね鍋。大根、白菜、えのき、しいたけ、にんじん、さといも、豆腐、ねぎ。海外にいるとは思えないほど、材料も一通り揃う。だしの味だけでは韓国人の彼女には薄味すぎるのではないかと、コチュジャンも用意しておいた。

実は、ベトナムレストランで牛肉麺の透明なスープが真っ赤に染まるほどチリソースを入れている韓国人女性を見て、度肝を抜かれた記憶があったのだ。まぁ、私の心配は無用だったようで、コチュジャンの出番はなかったのだけれど。

食事をしながら、シドニーでの生活や仕事のこと、結婚とか将来のことなど、色々なことについて話をした。途中から首相の靖国参拝のことや終戦記念日のこと、さらには反日教育から領土問題にまで話題が発展して、なかなか有意義だった。口論になったりしなかったのは、お互い海外生活が長いからかもしれない。実際に海外に身を置いて初めて分かることもあるし、彼女自身、韓国にいる時は日本人の友達なんて絶対に作らないと思っていたそうだから。

そして今度はテニスの練習を一緒にする約束をした。週に一回では物足りなくなってきたし、初心者教室の参加者はコートの利用が無料なので、練習しない手はない。また、私と韓国人Mの共通の友人である、日本人Mも誘って今度仕事の帰りに三人で夕食でもしようということになった。近いうちに実現させなくては!


2005年08月07日(日) comfort zone

今日で三回目となるテニスの初心者教室。毎回一週間が待ち切れないほど楽しみで、昨晩は23時35分開始の生放送のラグビーの試合(南ア対NZ)すらタイマー録画にして、テニスに備え早めに寝てしまったほど。

三週連続申し分のないお天気が続き、今日も冬とはいえ半袖でも大丈夫なくらいの暖かさ。今日はボレーを中心に指導を受け、あっという間に時間が過ぎた。いつも私のパートナーとなってくれる韓国人Mとも帰る方向が一緒なので話をするようになり、今日は初めてクラスが終わってから一緒にお茶をした。

話してみると、年齢も住んでいる場所も職場も近く、共通の友人までいることが判明。10年以上前に韓国語を勉強したことがあるのだと打ち明けたら、何と彼女も現在日本語を習っているのだという。さらに彼女、かなりお酒が強いらしい!思わず韓国焼酎の話で盛り上がる。

別れ際に次に会う約束まで決め、やや興奮気味。共通の趣味を持つ貴重な友達に出会えたのも、自分の快適で安全な場所(comfort zone)から抜け出したからこそ。昔から友達と呼べる存在が自分には少ないという自覚はあったけれど、遠距離恋愛にならなかったらここまで自分で行動範囲を広げる努力はしていなかったはず。そう考えると、人との縁って本当におもしろい。


2005年08月05日(金) commitment phobia

元上司は例の名前の一件から薄々勘付いた通り、最近日本人女性と会っているらしい。で、思わず、フィットネスインストラクターのオーストラリア人女性とはどうなったの?と聞いてみたら、彼女とも続いているよ〜とのこと。元上司は40も過ぎ結構な年齢なのだが、家庭を持って落ち着く気は微塵もないらしく、「母親にもあきらめたわよって言われるんだ」と笑っていた。

元上司は話題も豊富だし、海外生活も長いので異国の文化にも寛容、時間にも正確で、細かい気配りができ、自分の仕事にも誇りを持っている。だが、ひとたび恋愛の話になるといい男気取りというか、「女には困ってない」という態度をちらつかせる非常に嫌なタイプ。

一人の女性と長続きしない理由も「次の女性が難なく見つかるから」というのが根底にあるような気がしてならない。余程結婚の枠組みに縛られたくないのだろう、結婚には何の夢も希望も抱いていない様子。複数の女性と交際して自由に楽しみたいなんて虫がよすぎるというか無責任すぎるように思えるが、お互い割り切っているのなら問題もないのだろうか。私にはよく理解できない。

仕事が終わって元上司のそんな話に付き合っていたら、どうしようもなくMと話がしたくなったので、予定していたバーベル運動のクラスには行かずそのまま帰宅。今から出かける所というMをぎりぎり捕まえ、「ちょっと、聞いてよ〜」と半ば一方的に話を聞いてもらい、気分すっきり。

大学院時代の友人K(ヨルダン出身)は私とMが遠距離恋愛をしていることを知って、「いい仕事なんてどこでも見つかるけれど、いい男となるとオーストラリアにはいないよ。」と、きつい一撃。男性の目から見てもそうなのだろうか。


2005年08月04日(木) Oh, you poor thing!

火曜日に研究生Vに頼まれ血液採取に協力したのだが、ちょうど運悪く手の空いている人が前回私の腕に注射針を二回も刺した産婦人科医Sしかいなかった。

「今回は失敗しないようにね!」と頼むと、涼しい顔で「あれ、そうだったっけ?失敗とかいやな経験は記憶から消すようにしてるから、覚えてないけど」と言われる。おいおい、失敗から学んでくれよ…と不安に思いつつ片腕を差し出すと、「ウェイトトレーニングしてるね!」と指摘される。えぇ、家に早く帰っても誰かが待っているわけでもないし、フィットネスクラブにも週四回は行ってるし、ご指摘の通り二頭筋も鍛えてるって。自分で言っていても悲しくなってくるけれど、とにかく一回で終了し、ご褒美にチョコレートをもらった。

そうしたら、二日後の今日。今度は先輩科学者Sから血液が欲しいんだけど…と頼まれる。いつもお世話になっているだけに、断りにくい。内心まじっすかと思いつつ、全然構わないですよと笑顔で答えてしまう。研究生Vも、博士課程研究生Kも、「Oh, you poor thing!」(かわいそうに!)と口を揃えて同情してくれた。そして、またしても手の空いている人が産婦人科医Sしかおらず、彼が血液を採取することになった。

「はい、今からちくっとしますよ〜。あ、いたた。ごめんね〜」

と、こういう時だけ患者さん向けのよそゆきの顔を見せるS。注射針を怖がる小さな子供になった気分。いや、実は一種の先端恐怖症じゃないかと思うほどペン先や注射針が苦手で、血液を採取されている間もどこかよそを向いていないと、気分が悪くなりそうになる。ま、火曜日に引き続き、今日も一回で済んだのでよかったけれど。断る勇気も必要なのであるが、ちょっとの我慢で人様のお役に立てるのであれば、別にいいかなとも思う。

今日は会社を定時で切り上げ、友達YとC駅で待ち合わせをし、木曜恒例の屋台のたこ焼きを初めていただいた。熱くて口の中をやけどしてしまったが、紅生姜が入っていてとても美味しかった。19時からスペイン語のクラスがあるという友達と別れた後は、分厚いステーキと赤ワイン(セールで595円)を買って家で夕食を取った。ヘム鉄補給しないとね!


2005年08月03日(水) keep fingers crossed

ここ二ヶ月ほど打ち込んでいた失敗続きの実験がやっと成功した。先週初めて結果が出て喜んでいたのだが、本日、先輩科学者Sからこれなら次の段階に進んでもいいんじゃないの?と言われ、ほっと胸を撫で下ろす。

これも実験方法などを丁寧に教えてくれた医師兼博士課程研究生Jのお陰。どんな質問にも明確に答える彼にはいつも感心させられる。というか、ごく稀に「それについてはよく知らないんだけれども」と彼が言うのを聞いて、彼にも分からないことがあるのだと分かって、逆に安心するぐらい。

博士課程在籍何年目なのかは正確なところは誰も知らないが、多分かなり長いらしい…。最初、無口で硬い表情という印象があったので、彼が実験の最中にラジオに合わせて歌を歌っていたり、息子さんが一人でトイレに行くことができるようになったと喜んでいる姿を見て、少々驚いた。やっと実験が上手く行ったと彼に伝えると、よかったね!と満面の笑顔で言われて、何だか照れくさかった。

あと、ずっと愚痴を聞いてくれたのが同室の研究員T。彼は実験で失敗して落ち込んでいる人を見ると必ず「それが科学というものだよ!」と慰め、自分がいかにひどい失敗をしてきたか語り始めるという癖がある。この彼の癖に助けられている人間は私以外にもかなりいるようで、落ち込みがひどい場合には、これでも食べて元気だしなよ、と引き出しの中からチョコレートが出てくることもある。

前進したり、後退したり。毎日周囲の人に助けられて仕事をしている。


2005年08月01日(月) doesn't time fly?

郵便受けに届いていた絵葉書。今はキャンベラに住む元同僚Aからだった。前の会社で一緒だった彼はインド系のオーストラリア人で、通勤のバスが一緒でよく色々な話をしたっけ。オーストラリアで育ったせいなのか、彼が変わっているのかは分からないけれど、大学院の研究室で一緒だったインド人の友達Bとは驚くほど考え方や価値観が違っていた。例えば、ご両親に紹介されて一度だけ会った男性と結婚したBとは対照的に、お見合い結婚は論外と言い切るA。インドの古いしきたりや伝統をオーストラリアでも出来る範囲内で守っていこうとしていたBに対し、Aはそういうものには一切拒否反応を示していた。

そういえば、しばらく連絡を取りあっていなかったせいで、彼に今の職に就いたことも知らせていなかった。絵葉書に、就職はどうなった?成功を祈っているよ!と書かれてあって、ちょっと胸が痛んだ。ニュータウンのバーで生演奏を楽しんだり、パブ巡りをしていた彼にとって、キャンベラでの生活はかなり退屈なようだ…。

それにしてもメールアドレスも知っているはずなのに、わざわざ絵葉書を送ってきてくれたとは感激。嬉しかったので私もすぐにシドニー湾の絵葉書を使って返事を書いた。

そういえば、前の職場からも「再雇用の案内」が届いたけれど、丁寧に断りの返事を入れた。経験者は優遇されるので公募になる前に連絡が来ることになっている。私の知っている人で何人ぐらいが復帰するのだろう。大学入学願書を朝から晩まで審査していた日々が懐かしい。


yumiko |mail

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