空虚。
しずく。



 不安・利用。

誰かに会う前っていうのは、
緊張して、そわそわして、ドキドキするもの。
いつからか、それだけですまなくなった。
・・・会いたくないよ。誰にも。

何が恐いとかじゃない。
ただ、漠然とした不安。それだけが。
道行く人の瞳が全部自分に注がれているような、
嘲笑われているような。
そう思うと、反射的に死にそうになる。
ああ、外ってこんなに危険な空間だったんだ。
そんな事をぼんやり思う時、私はいつも笑顔だ。
・・・そういえば何回か言われた事があったっけ。
『怒った時に笑うのやめてくれない?』って。
もう、癖になってるなあ。・・・この顔は。

別に、いいけど。
他の顔なんて、もう手に入らないし。


ふ、と。
隣にいる、"人間"の顔を見る。

ああ、この子には顔がある。
普通に笑えるし、
辛い時には泣けるし、
腹が立てば怒れるし。

それを見て、やっぱり私は笑う。


君には、解かるかな?
君のその存在が、苦しいって事を。

誰かがいると、頭に浮かぶんだ。
苦しいとき、辛いとき、泣きたいとき。
・・・本当に、物好きだよね。
僕なんか放っておけばいいのに。
何度も、・・・これからも。
突き放すよ、僕は。

君の心と、
自分の心を傷つけるために。

結局、僕は君を利用してるだけなんだ。
・・・自分の心を追いつめ、壊すために。


君は解かっていないんだ。
本当に恐いのは、"彼女"じゃない。

紛れも無い。
この僕自身だということを。

2002年03月12日(火)
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