空虚。
しずく。



 病院めぐり。

久しぶりに親と外出した。
もう、辛いとかそんなんじゃなかった。
ただ、何も感じないように切り離してた。

出かける前に、鞄にカッターを入れた。
必要なければそれにこした事ないけど。
多分、無理だろうな・・・。

車に乗って、ずっと景色を見てた。
霞がかった視界を、色のついたものが通り過ぎる。

・・・出来事も、こんな風に流してしまえればいいのに。
どうしても、私は、ある一点で、ブレーキを踏んでしまうから。


病院に着いても、降りなかった。
別段興味もなかった。感慨もなかった。
カッターを取り出して、皮膚に当てた。
切るつもりじゃなかった。
けれど、力を込めすぎたらしい。
血が出た。
痛みも何もなかった。
試しにもう一回やってみた。
やっぱり血が出た。
痛みはなかった。

その事に、恐怖もなかった。
ああ、本当に何も感じなくなったんだ。
と、思った。

だけど、瞳からは涙が出てた。
血のついた指でそれをぬぐった。
「誰が泣いたんだろう?」
ぼんやりとそんな事を思った。

入院する事になるかもしれない。
けれど、別にどうでもよかった。
自傷が出来ないのはつまらないけれど、
薬を飲めるなら、まあ、いいか。


"誰が満たせるんだろう。"

"この、渇きを。"

"誰が救えるんだろう。"

"この、自分を。"


2002年03月02日(土)
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