空虚。
しずく。



 まどろみ。

目が覚めてから起きるまでの間、
意識がはっきり覚醒しない時間は、
少しだけ、心地良いと思う。

肌に触れる布の感触とか、
ぼんやりとしか映らない天井とか、
ひどく不安定で、ふらついた自分だけど、
嫌な意味の不安定じゃなくて、
なんだか、あたたかいから。


何処に出かけるわけでもないけど、
お気に入りの黒のワンピースを着た。

パソコンをつけて、
音楽を流して、
お気に入りの曲を口ずさみながら、
キーボードに触れる。

いつもの事。
昨日と同じ、繰り返し。

どこかの誰かが言ってたっけ。

『退屈は人を殺せる。』

刺激の無い生活。
ぬるま湯につかったままの。

この家を出て、
あてのない旅でもしてみようか?
資金も何も無いけれど。
私の求める"何か"が掴めるかも知れない。

けれど、「死」は格段に近くなる。

足が向かうは確実に死ねる場所。
今度は未遂で終わらぬように。
もう、何も考えなくて良いように。
輪廻転生を信じるわけじゃないけれど、
もう、生まれ変わらなくてもいいように。

この場所に、サヨナラを告げて。


・・・、
これ程死を望んでおきながら、
死を避けるために自己を護る?

・・・結局私も、全てを捨てる勇気がないだけなんだろう。


"「死にたい?」それとも「死にたくない?」"


2002年02月05日(火)
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