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ブーツィラの音楽雑記



 平家(平曲)演奏家・今井 勉「たった一人の検校として」

『平家物語』に節をつけ、琵琶の伴奏で物語る――この語り物の音楽を平家、近世では平曲あるいは平家琵琶ともいう。平家(平曲)は、およそ800年前の鎌倉時代に琵琶法師が語り始めたとされ、当道座(盲人男性の互助組織)に所属する盲目の音楽家(僧侶ではない)によって伝承されている。

平家琵琶検校、今井 勉氏(1958−)。検校(けんぎょう)とは、当道座における最高の官位のこと。4歳から地歌・筝曲を学んだ今井 勉氏は、12歳の時に平家(平曲)演奏家・三品正保(1920−1987)に弟子入り。1992年に国風音楽会の検校の官を受けている(【注】当道座は1871年に検校などの階級制廃止)。

当道の伝統を今に伝える平家(平曲)演奏家・今井 勉氏の話と平家(平曲)が下記で聴ける。
ネットで聴けるラジオ番組「たった一人の検校として」(約30分, NHKラジオ第2『視覚障害者のみなさんへ』)

なお、右上の画像の上は『平家物語の音楽』(1991年, 廃盤)、下は『萩野検校没後200年 当道の平家−名古屋三代の系譜』(2001年)。どちらのCDにも今井 勉氏による平家(平曲)が収録されている。
いつの日か今井 勉氏の平家(平曲)を生で聴きたい。

【今井 勉氏による平家(平曲)の動画2件】
ウェブで見る「平曲」今井検校の語り(『萩野検校顕影会』)
「宇治川」平家琵琶/今井 勉(『文化デジタルライブラリー』の「日本の伝統音楽 歌唱編」)

高田瞽女(ごぜ)の杉本キクイさん(1898−1983)の5CDセット『瞽女唄』(1991年に新潟県上越市が発売, 15,000円, 1997年改訂版)を最近入手。本作の存在は3年以上前に知っていたものの、すでに廃盤or品切れになっていると思い込んでいたので、上越市が今でも販売しているとは思いも寄らなかった。
5CDセット『瞽女唄』は、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されている杉本キクイさんの瞽女唄を保存し、後世に伝えるため、上越市が1978年から1980年にかけて録音した瞽女唄・全346分を収録。CDの購入・問い合わせは、『上越市』のトップページ下にある「その他」→「刊行物(書籍・CD等)販売」→「生涯学習推進課」にて。

2007年10月21日(日)
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