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ブーツィラの音楽雑記



 『The Collectable King Crimson: Volume 1 』 & 瞽女唄

キング・クリムゾンの2CD『The Collectable King Crimson: Volume 1 : Live In Mainz, 1974 / Live In Asbury Park, 1974』(DGM5001)が、9/18に発売された。
クリムゾンのライヴ盤『USA』(1975年発売)の中心となるアズベリー・パーク公演の全貌がプレス盤で聴けるため、先日、HMVからネット通販で購入した。

『The Collectable King Crimson: Volume 1 』は、キング・クリムゾンの『Live In Mainz 1974』(KCCC, CLUB15)と『Live In Asbury Park, 1974』をカップリングした2枚組で、後者は、6CD『ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン Vol. 10』の目玉であるディスク6と同じく、1974年6月28日のアズベリー・パーク公演の完全収録盤である(開演前の「Walk On...No Pussyfooting」は、収録時間の関係のためかオリジナルより短い)。

本作『The Collectable King Crimson: Volume 1 』の発売に先立ち、『DGM Live!』では、アズベリー・パーク公演の完全版を2005年11月からダウンロード販売している。ライヴ盤『USA』では編集されていた3トラック、即興演奏曲「Asbury Park」のカットなしの完全版、「Easy Money」のフェードアウトなしの完全版、「Larks' Tongues In Aspic: Part 2」のデヴィッド・クロスによるヴァイオリン・ソロが聴ける等、ファンの間でも話題となった。

現時点では、アズベリー・パーク公演の完全収録CDのバラ売りはない。本作『The Collectable King Crimson: Volume 1 』(HMVにて2,542円)の購入は、ディスク1のMainz公演をすでに購入済みの私にとっては、余分な出費となったようだ。けれども、全6CDのうち5CD持っている『ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン Vol. 10』を、アズベリー・パーク公演プレス盤だけのために10,500円も出して買うよりはマシか。

キング・クリムゾンの『Schizoid Man』(1996年発売)の5曲目のクレジット、「from USA 2(Discipline release, Spring 1997)recorded at Asbury Park, NJ on 28 June 1974」を見てから10年。『USA 2』(アズベリー・パーク公演)をプレス盤で聴きたいという願いが、ようやく叶った。

三味線奏者・月岡 祐紀子さんのライヴ「ごぜうたがたり in 吉祥寺 Winds Cafe」が、10/15(日)に吉祥寺のWINDS CAFEで行われる(18:00開場、18:30開演)。
その第二部では、瞽女唄の最も有名で人気のあった段物「葛の葉の子別れ」(全三段)の一段目の通し演奏(約40分)が披露される予定。入場無料(投げ銭方式)。

「『500もあるわけねぇ』と言われました」
ハルさんの思い出語りながら萱森さん講演 第44回三条市老人福祉大会(『越後ジャーナル』2005/10/14)

盲目の女旅芸人・瞽女(ごぜ)の小林ハルさん(1900-2005)の持ち唄は、一説には500〜700曲と言われている。小林ハルさんの訃報を伝える記事にも、そう記述されることが多かったし、定説化されている印象がある。
瞽女唄は、1曲3〜4分のポップ・ソングなどとは違い、一段30分前後もある語り物が多いので、500〜700曲という数は多すぎるのではと、前から疑問に思っていたのだが、最晩年の小林ハルさんに師事した三味線奏者の萱森直子さんを取り上げた記事を、数日前ネットで偶然読み、疑問が氷解した。
ちなみに、“人間ジュークボックス”の異名を持つニューオーリンズの盲目のギタリストで、私の好きなギタリストの一人、スヌークス・イーグリンは1,000を超えるレパートリーを持つとされる(一説には2,600)。

最後のごぜ 小林ハルさんを偲ぶ(30分41秒)(NHKラジオ第2『視覚障害者のみなさんへ』)


2006年09月29日(金)
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