doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 Hermeto Pascoal vs Cyro Baptista


「全世界60億人の頂点に立つ至上最狂の奇才音楽家決定戦」、11/6(土)に東京・代官山のUNITで行われたエルメート・パスコアルとシロ・バプティスタのライヴの模様が、ORGANIC GROOVEVIDEO&PHOTO GALLERYで公開されている。ただし、「VIDEO」は、12/6の時点では「COMING SOON IN A FEW DAYS」とのこと。エルメート・パスコアルの画像は、すべて2ndセットでのものだ。

実は私、本公演の1st&2ndセットとも観ている。
1st&2ndセットとも、最初に行われたのはシロ・バプティスタのソロ・パフォーマンス(実際には、ヒカシューや近年では口琴奏者としても知られる巻上公一との二人でのライヴに近い)、次にエルメート・パスコアルのソロ・パフォーマンスが披露された(数曲で、エルメート・パスコアルの若くてきれいな「ガールフレンド」Aline Morenaがヴォーカルとギターで登場)。
ジャム・バンドのファンらしき20〜30代の観客が多く集まったオール・スタンディングの会場は、両セットとも(特に2ndセットが)満員電車並みの混み具合だったこともあり、風邪をひき、咳をすると右胸に鋭い痛みがあった私には、体力的にきついライヴであった(シロおよびエルメートのパフォーマンス時間は、1st&2ndセットを合わせると、シロは計約90分、エルメートも計約90分のライヴ。共演はなし)。

音楽の変態度の高さ、奇天烈さでは、シロ・バプティスタもかなりのものがありそうだが、やはりエルメート・パスコアルの右に出る者はいないだろう。
本公演でもエルメート・パスコアルは、十八番のやかんのブローによる「'Round Midnight」を始めとして、自分が履いている靴をグランドピアノの弦の上に投げ入れてのソロ・ピアノ、握ると「ブー」と音が出る幼児向け人形を楽器として用いたり、自らの髭を奏でるなどといった、音の出るものなら何でも音楽にしてしまうマルチ・インストゥルメンタリスト、エルメート・パスコアルならではのパフォーマンスを見せてくれた。
約2年ぶりにエルメート・パスコアルのライヴに接し(前回の2002年はバンドを率いてのライヴ)、エルメート・パスコアルの全く独自な音楽と言えども、ブラジルの伝統的な音楽を基底とした上でのものであることと、今回特に、エルメート・パスコアルの自宅でのパーティーに招かれたようなアットホーム的なあたたかさをとても感じたライヴであった。
ちなみに、1stセットには音楽ライターで、「よろずエキゾ風物ライター」のサラーム海上氏、2ndセットには音楽評論家の村井康司氏が観に来ていた。

Hermeto PascoalとAline MorenaのHP
ジョウロ(?)を奏でるエルメート・パスコアル
ところで、今年9月に埼玉・秩父ミューズパークで開催されたインプロ系の音楽フェスティヴァルTrue People's CELEBRATIONの模様が、12/10(金)19:00〜21:00にMUSIC ON! TVで放映される。
「ジミー・クリフとMIGHTY CROWNのスペシャル対談など、貴重な映像満載。 9/4(土)〜5(日)の2日間にわたり、埼玉・秩父ミューズパークで行われたイベント「True People's CELEBRATION」のライブ、インタビュー、そしてドキュメントをお送りする2時間スペシャルプログラム。
出演:JIMMY CLIFF、Tabla Beat Science、Medeski,Martin&Wood、EGO-WRAPPIN'他 」

2004年12月06日(月)
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