ATFの戦争映画観戦記



【File067】Auf Wiedersehen Steiner・・・【追悼ジェームズ・コバーン】

2002年11月24日(日)

身の回りの忙しさとPCの不調の為、更新を2週間近くもほったらかしておりまして、観戦武官諸卿に対しては誠に申し訳ない次第であります。さて今回は前置きはさて置いて、早速本題に入らせていただきます。

【突然の訃報・・・】
皆さんも既にご存知の通り、11月18日戦争映画ファンを自称する方々にとって最も著名な俳優の一人が世を去りました・・・そう彼の名は�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚�自宅で夫人と一緒に音楽を聴いて寛いでいる時に心臓麻痺に襲われ、搬送先の病院で息を引き取られたそうです(享年74歳)戦争映画ファンなどと自称していると、過去様々な俳優の訃報に接して来ました・・・ジョン・ウェイン、スティーブ・マックィーン、三船敏郎・・・しかし正直言うと、今回のジェームズ・コバーンの訃報に接した時ほどの衝動が沸いた経験はありませんでした・・・何故・・・いろいろ考えた挙句に思いついた結論・・・それは�狎鐐茲里呂蕕錣伸�という戦争映画の存在なのでした・・・。

【戦争のはらわた】
1977年、それまでの戦争映画のイメージを変えたエポック・メイキング的作品と言っても過言ではない作品・・・�爛丱ぅ�レンスの帝王�甅犹�戮と鮮血の美学�甅爛好蹇璽癲璽轡腑鵑留覗�美�瓩覆匹巴里蕕譴織汽燹Ε撻�ンパー監督による『戦争のはらわた(原題:CROSS OF IRON)』が日本で公開されました。内容に関しては今さら言うまでもありませんが、ドイツ軍の敗色の色が見え始めた1943年の東部戦線黒海戦区を舞台に、歴戦の古参下士官と彼の率いる小隊が、�狹棺住�章�瓩箸いμ祥斥澆剖遒蕕譴織廛蹈轡�貴族出身の中隊長の策略によりロシア軍後方に取り残され、多くの犠牲を払って脱出するまでを、ドロドロに汚れきった人間模様と肉弾と鮮血が飛び散る激しい戦闘を絡めて描いた、戦争映画のみならず映画史上にも残る名作です。主役のシュタイナー軍曹(伍長や曹長などと表記される場合もありますが、ここでは�犒柿皚瓩謀�一させていただきます)は、寡黙だが体の奥底から真の男の強さを醸し出し、戦功よりも日々生き残る事を重視する古参下士官、対する中隊長シュトランスキー大尉はプロシア貴族出身で旧体制の呪縛に捕われ、名誉欲に取り付かれており、部下を顧みない実戦経験の無い将校。この二人を核にした人間臭さ溢れる登場人物たち、一癖も二癖もあるシュタイナー小隊の兵士たちや、シュタイナーを見守る連隊長や連隊司令部付参謀、シュトランスキーに取り入る同性愛者の部下など、戦場という極限の状況下で�爛哀張哀牒瓩肇献奪�リ煮込まれた�犂鵑仔�(人間ドラマ)�瓩��爐海譴任發�・・・�瓩噺世δ�のペキンパー流味付で仕上げられています・・・う〜む、ゲップ!戦後、西ドイツで製作される作品以外では、余りメインキャラとして取り上げられる事の無かった�爛疋ぅ跳格嫉劉瓩鮗膺邑�に描いた事、大半の戦争映画における�狹�(ここではロシア軍)�瓠甅牋�役(憎まれ役)�瓩箸いΩ�式を崩し�猝J��瓩涼罎豊牋�役�瓩鯢舛�出した斬新な設定、血を噴き上げ肉片を飛び散らせながら倒れていく兵士の姿、銃火器の発射炎や弾倉交換・排莢シーン等を、お得意の�爛好蹇璽癲璽轡腑鶚瓩筬爛▲奪廰瓩梁人僂砲茲辰憧儺劼量椶望討�付ける手法、余りの残虐描写の連続から当時流行っていたスプラッター映画�犹猯遒里呂蕕錣伸瓩望咾辰凸震召気譴伸犧把祗瓩碧�題、凝った登場人物設定やそれぞれの軍装、二次戦当時の実物兵器の数々・・・「プライベート・ライアン」を遡る事20年以上も前に、これ程の作品が作られた事に感動と共に驚愕を禁じ得ません。
戦争映画史上最大の謎についてはコチラ

【その男・・・ジェームズ・コバーン】
この『戦争のはらわた』を語る上で忘れる事が出来ないのが、主人公である�爛轡絅織ぅ福七柿�(Sergeant Steiner)�瓩任△觧�を否定される方は、まずいないでしょう・・・その強烈な個性溢れる主人公を演じ切ったのが�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚瓩別�です。過去何度か�爛轡絅織ぅ福七柿皚瓩鬮爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚甍奮�(上)に演じる事が出来た俳優がいるか、と言う事を考えた事があります。答えは・・・�猗櫚畤�多くの戦争映画において、個性豊かなキャラクターを演じた俳優は他に多々おりますが、やはり�爛轡絅織ぅ福七柿皚瓩廊爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚瓩任覆韻譴个覆蕕覆�・・・と言うのがATFの達した結論でした。
�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚瓩�1928年アメリカはネブラスカ州生まれ。大学卒業、2年の兵役後演劇に興味を持ち、オフブロードウェイでの舞台、テレビCMの端役を経て、1959年「ネバダの決闘」で映画デビュー。翌年映画史上に残る名作西部劇「荒野の七人」に出演し、寡黙なナイフ投げの名人�爛屮螢奪鉢瓩魃蕕�(最後、ナイフを突き立てて死ぬシーンは印象的)以後、数多くの作品に出演。40年近い芸暦の中で、初期〜中期までは190cmの長身と長い手足を駆使した多くのアクション系作品への出演が多かったのですが、後期では演技面も評価され、1998年には「白い刻印」で念願のオスカー像(助演男優賞)を受賞しました。またブルース・リーの弟子で空手の使い手、ヨガや禅、仏教の研究など将に文武両道の俳優でした。映画以外では、日本で1983年からテレビで放映された煙草「LARK」のCMでの「スピーク・ラーク!」の台詞が流行語となった事が記憶に残っています。

【戦場の�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚瓠�
「荒野の七人」他�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚瓩僚弍藝酩覆録�多くあるのですが�犲�称戦争映画ファン�瓩裡腺圍討六椎阿覆�ら「荒野の七人」や「スノー・ドック(遺作?)」を含めた一部作品しか観ていません。それも殆んどが戦争(戦闘)映画!と言う訳で、ここではATFが過去観賞した�爛献А璽爛此Ε灰弌璽鶚畚弍蕕痢慇鐐茲里呂蕕錣拭抂奮阿寮鐐�(戦闘)映画作品の想い出によって彼を偲ばせていただきます。
【突撃隊1961】
「荒野の七人」で共演した�爛好謄�ーブ・マックィーン�畆膠蕕砲茲襯疋鵝Ε掘璽殴覺篤頂酩福�マックィーン演じる人間付き合いは下手だが歴戦の兵士(元下士官だが降等)�爛蝓璽広瓩汎韻己�隊で、ちょっと気弱で大人しい(眼鏡ッ子・・・爆)が、手先が器用(ジープ改造戦車は傑作)な�爛悒鵐轡隋叱狡広瓩鮃ケ蕕靴泙靴拭�リースたちが独断で行ったジークフリード線独軍トーチカ夜襲作戦に参加するも、トーチカ前面の地雷原で被爆、背負っていた火炎放射器が誘爆して壮絶な戦死を遂げるシーンは、戦争映画でも有数の悲惨なシーンのひとつです。
【コンバット】
言わずと知れた超人気テレビシリーズの2nd Season(1963年10月〜)に放送された中の一話「第33話/仮面のドイツ兵」にゲスト出演し、米兵に変装しサンダースたちの部隊に潜入する非情なドイツ兵を演じました。賭けポーカーをやる時の「ハッヴァ、ハッヴァ」という口癖の掛け声が印象的・・・最後はサンダースに射殺されるんでしたっけ?(記憶無し・・・失礼)
「コンバット」には他にゲストスターが多く登場していますが、有名な所では「第31話/また、一人減った(リー・マービン)」「第38話/老兵は死なない(エディ・アルバート)」「第43話/落ちた偵察機(ジェームズ・カーン)」「第54話/戦争と植物学(ボー・ブリッジス)」「第92話/爆破命令(チャールズ・ブロンソン)」「第137話/生と死の間(ジェームズ・フランシスカス)」「第141話/助けを呼ぶ声&第152話/さらば戦場(ロバート・デュバル)」「第144話/砦と化した教会で(テリー・サヴァラス)」「第146話/恥知らず(トム・スケリット)」「第148話/戦場のジャズメン(デニス・ホッパー)」等があります・・・。
【大脱走1963】
前回の観戦記でも書きましたが、オーストラリアからの義勇兵・・・セジウィックを飄々と演じています。トンネル用の送風機など、手先の機用さを活かして何でも作る通称�狎渋げ悪瓠Cα�時に持っていた大きなトランクには�爛�ンガルーへの土産�瓩任い辰僂い世箸�戦友に言われていましたが、実際は自転車を盗むのに便利な工具とか入っていました・・・脱走に成功する3名の内の一人・・・最も距離の長いスペインルートを選んだのが�狢臉飢鬮�・・・。
【ダンディー少佐1964】
『戦争のはらわた』と同じく、ペキンパー監督による南北戦争を舞台にした傑作アクションです。アパッチ族に襲われ誘拐された開拓民の子供を救出する為、北軍兵士と南軍捕虜との混成部隊を率い、執拗に追跡する北軍将校をチャールトン・ヘストンが名演。南軍捕虜のリーダー役のリチャード・ハリスも先日惜しくも世を去りました・・・。本来敵同士である南北両軍兵士を、共通の敵(アパッチ族)に立ち向かわせる設定が秀逸・・・ただ中盤プレッシャーから酒に溺れるダンディー少佐はちょっと・・・。ジェームズ・コバーンが演じたのが、片腕ながら乗馬や短銃身ショットガンを巧みに操り、先住民の内情に詳しいプロのスカウト(斥候)である�爛汽潺絅┘襦Ε櫂奪牒�・・・どこか後年のシュタイナーに通じる役どころではないか・・・と思うATFなのでした。
【地上最大の脱出作戦1966】
イタリア戦線の町パレルモで、やる気の無い典型的ヤンキー米軍部隊と、町の守備隊である伊軍部隊(同じくやる気が無くサッカー試合の真っ最中)・・・が意気投合し、今さら戦争なんてバカらしいと飲めや歌えのバカ騒ぎに突入・・・味方偵察機を騙す為に戦闘ゴッコを繰広げたり、アホな中隊長をやっつけたり、ドイツ軍の捕虜になって奇想天外な脱出作戦を展開したり、とハチャメチャなストーリーが繰り広げられます。二次戦後、監督のブレイク・エドワーズが息子に「パパは戦争で何してたの・・・What did you do it the war,dadoy?」と聞かれたのが、そのままタイトル(原題)になった傑作風刺戦争コメディ。ジェームズ・コバーンは米軍のクリスチャン少尉を好演。喜劇なんですが妙に考証が凝ってたりします。
【ダーティ・セブン/要塞攻防戦1972】
「ダンディー少佐」と同じく南北戦争を舞台にしたアクション作品。南軍の難航不落の砦を攻撃する北軍�爐覆蕕瑳�(脱走兵、殺人者、強盗等)部隊�瓩里�話。ジェームズ・コバーンが演じるのは、この�爐覆蕕瑳塢�隊�瓩鯲┐い襯撻鵐屮襯奪�元北軍大佐。実はペンブルックは元砦の守備隊長。南軍のワード少佐(テリー・サヴァラス)の策略によって妻子を人質に取られた為、止むを得ず砦を放棄、その罪により軍籍を剥奪され絞首刑になる寸前という設定(妻子は殺された)。まあ復讐絡みの作戦な訳です。味方の裏切などお定まりの設定ですが、ジェームズ・コバーン演じるペンブルックは、復讐心を内に秘めたプロの軍人って設定でした。テリー・サヴァラス演じる悪役、南軍のワード少佐が意外な程�爛悒織讚瓩覆里�・・・勘弁な!
【ミッドウェイ1976】
太平洋戦争の帰趨を決した大海戦を描いた超大作。実写シーンや他有名作品の使い回しシーンばかりだとか、実は�犹晃螻こだ鎰瓮掘璽鵑�あるのだがカットされてるとか、日系人女性と主人公の息子とのラブストーリーは無用とかいろいろ言われていますが・・・とにかくオールスター登場でアメリカ建国200周年を記念して製作された作品です。ジェームズ・コバーンが演じたのはマドックス大佐・・・余りにオールスター総出演の為、ちょっと影が薄いのが難点・・・。
【スカイ・ライダース1976】
ジェームズ・コバーンが、テロリストに誘拐された実業家の妻子(実は別れた妻と子で実業家と再婚していた)を救出する為、ギリシア山中の切り立った断崖絶壁の上に聳える難攻不落のギリシア正教修道院に、ハンググライダースタントマンを雇い急襲するプロフェッショナルを演じた傑作スカイ・アクション。将にジェームズ・コバーンの本領発揮と言える作品で、ハンググライダーによる夜襲シーンは秀逸・・・それ以上に、あんなところに修道院を建てた昔の人は凄い・・・としか言いようがない!
【犠牲-ある兵士の死-1985】
太平洋戦争下のオーストラリアを舞台に、猟奇連続殺人犯の米兵と、彼を精神異常者として弁護する米軍法務士官のお話。ジェームズ・コバーンが演じるのが法務士官ダネンバーグ少佐。オーストラリアの国民感情を危惧した総司令官マッカーサー将軍の判断により、軍法規を無視した死刑判決を覆そうとあらゆる手段に訴えます(大統領に直訴したり・・・)が、結局死刑判決は覆せず処刑が実施されてしまいます。他のジェームズ・コバーン演じる役柄と異なりアクションシーンは無く、一種の法廷サスペンス劇で、法解釈の正義と軍人としての命令の間で苦悩する軍人を好演していました。

その他未見の作品なんですが・・・
【卑怯者の勲章1964】
ジェームズ・ガーナー、ジュリー・アンドリュース主演による戦争ラブコメディ。ひょんな事から英雄になってしまう米海軍将校のお話です。なんと1964年のアカデミー賞で撮影賞と美術監督・装置賞にノミネートされています(白黒だけど・・・)ジェームズ・コバーンが演じるのは主人公の同僚のカミングスという少佐らしいのですが・・・実は今ネット通販で注文中なので、詳細は後日・・・
【ダーティー・ソルジャー/野良犬軍団1981】
未見の為、南米コロンビアで麻薬カルテルの上前を刎ねる連中を描いたアクション映画・・・としか解りません・・・謝

以上、今までにATFが観た(観てないのもあり・・・汗)ジェームズ・コバーン出演の戦争(戦闘)作品について感想(って程じゃないですが・・・)を書いてみました。でもやっぱり『戦争のはらわた』っすねぇ・・・その余りのインパクトの強さに他の作品は霞んでしまいます。物語の終盤、恨み重なるヤツながら、ろくにシュマイザーの弾倉も交換出来ない�爐悗辰圓蟾��瓩離轡絅肇薀鵐好�ー大尉を引き連れ、あの独特な�犢眈个き瓩魘舛�せながら、PPsh41サブマシンガン�爛丱薀薀ぅ��瓩魴發膳�るラストシーン�狹棺住�章の獲り方を教えてやるぜ・・・(虚覚え)��の台詞が、あたかも�狎鐐莟撚茲辰討發里鬚�前たちに教えてやるぜッ��って台詞に聞こえてしまうATFなのでした・・・
Auf Wiedersehen Steiner!・・・【続く】

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