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2024年01月22日(月)
『Re:Preconscious / 前意識について』#20

『Re:Preconscious / 前意識について』#20@LIVE HOUSE FEVER


あ、アンコール入れたら3曲でした。

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Taigen Kawabe(Vo, B)
中村弘二(G, Syn)
柏倉隆史(Drs)
中尾憲太郎(B)
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2022年8月から始まった中尾憲太郎49歳(と書きたくなる。てか中尾憲太郎21歳ももう49歳かー!)、柏倉さん、ナカコーによる即興演奏ライヴシリーズ。今回で20回目だそうです。昨年ゲスト出演したタイゲンくん再登場、前回逃してしまったのでやっと観られてうれしかった! ベース2本、しかもそれが中尾さんとタイゲンくんなんて燃えるじゃないの〜。

4人バラバラと登場し、カウントもなくニョロ〜と始まり、みるみるうちに演奏が絡み合っていく。終わりの合図もなく、ニョロっと終わる。アンコールのときだけ最後の「ジャンッ」をアイコンタクトで合わせて全員爆笑というハッピーな場面も。

この日はレギュラーメンバーである中尾さんと柏倉さんが土台と展開を主導して、ナカコーとタイゲンくんがそれに応えるような感じに見えました。とはいえ全員がフックを仕掛け、それぞれがすぐ反応し、BPMは同じでも速度が違って聴こえたり(勿論速度自体が変わっているところもあった)、12拍を6、4、3、2で割ってみよう! の様相でビートも生きもののように変化するし、まー音がうねることうねること。音色も文字通り多彩で、サイケデリックにも、プログレにも、クラウトロックにもドローンにも化ける。ただひとつ共通しているのは、音が、ぶっとい!

中尾さんとタイゲンくん、どちらも楽器が歌う歌う。中尾さんはベースの高音域をピック弾きしてギターのような音も出し、コード弾きもし、リフをメロディにもする。タイゲンくんはベースらしい音域を指弾きし、リズムをキープしつつエフェクトを加えたヴォーカルもかます。Bo Ningenの楽曲でもよく顔を出す、わらべうたのような旋律を唄う。「かえるがなくからかーえろ」と同じメロディもあった。ハミングから、明確な言葉があるもの、そしてラップと、「うた」を聴かせる。

ナカコーはギターのリフにエフェクトをかまし、シンセも扱う。浮遊と疾走、俯瞰で全体を見ているよう。柏倉さんは流石のリズムマスターっぷりで、いちばん中尾さんとアイコンタクトが多く、全体を引っ張りつつもバランス感覚を失わない、馭者のようなプレイでした。いやー面白かった! そうそう、終盤にミラボまわしたスタッフさんもグッジョブ!

思えばナカコー、実物見るの初めてだったかも。聴いているシーンは近いし、知っている楽曲も多い(「YUMEGIWA LAST BOY」なんて映画『ピンポン』大好きだったこともあって何度聴いたことか)。90年代はミックスジャンルのクラブに行くと、必ずといっていい程かかっていた。でも、ライヴに行くきっかけを逃したままだった。あのサウンドは、こうして作られていたのだなあ。昨年のsuedeもそうだったけど、何年も経って、こういう形で現在を聴けるというのはうれしいことです。

タイゲンくんは「ここでこういうこというのもいやらしいんですけど」と前置きしつつ、「お三方みんな、学生の頃聴いてて! 憧れだったんです! 少年ジャンプみたいなこといってっていわれそうだけど夢は叶うんだ!」というようなことをめちゃ早口でいって感極まっており、皆ニコニコしました。ステージ上の3人もニコニコ。

てか中尾さんELECTRICのロンT着ててさ……。hideとかミッシェル好きにはおなじみの、高橋恵美さんのブランド。確か2014年に閉店とともにブランドも終了したんじゃなかったっけ、物持ちよいな…というかだいじに着てるんだね……としみじみした。