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2022年01月08日(土)
『壽 初春大歌舞伎』第三部

『壽 初春大歌舞伎』第三部@歌舞伎座



『岩戸の景清』
踊りあり殺陣あり、衣裳も華やかで美しい。景清と闘い次々ととんぼを切る敵方の役者さん方にどよめきと拍手が飛びまくり。花形役者揃いぶみの見得も気風が良くて縁起もの、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」、は『三人吉三』ですけども。幸先の良いスタートです。
スタートといえば、翌日大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まりまして。「明日から始まる『鎌倉殿の13人』に、我らの名前はなけれども」なんて台詞があって、客席が湧きました。
この『岩戸の景清』での時政役はキリリとキメた巳之助くん。『鎌倉殿』の時政は彌十郎さんが演じていらっしゃるのですよ〜。キャラクターが濃く、早くも時政パパなんて呼ばれ始めてニヤニヤです。
・鎌倉殿「時政パパ」人気の予感 真田丸に続き頼れる親父がキャラ強烈┃デイリースポーツ online
こんな記事も出ちゃって。うふふ。
新悟くんは今回朝日役。すっと伸びた背が美しく、声もよく通って素敵でした!

『義経千本桜』川連法眼館の場
わーい四の切久々、こいつぁ春から以下略。久しぶりに観たので亀井六郎と駿河次郎がごっちゃになり、また猿弥さんクリスマスツリーみたいな衣裳着て〜、似合うわあなんて思っていました。ごめんなさい。
猿之助さんの狐忠信がすごいのはいつものことなんですが、人外なのにかわいらしい仔狐っぷりがたまりません。忠信(人間)のときは静かな佇まいで場を締める。流石です。
身体能力が要求される狐役。軽やかで柔軟。「狐詞」での台詞まわし、「狐手」「狐足」の所作も細やか。最初の登場場面はいつも花道からの音に騙されてまんまと見逃す。そういう「騙された!」感も楽しい舞台です。
雀右衛門さんの静御前も素晴らしく、狐忠信の身の上話を聴いている間微動だにせず。その姿の美しいこと! 絶妙の頃合で短刀をそうっとおろす。見惚れました。
大詰、宙乗りの準備をする猿之助さんを役者さん方が囲んで観客に見えないようにする場面がありました。普段だったら気にならないのですが、肩を組んで輪になるその姿が丁度サッカー高校選手権で話題になっていた高川学園のセットプレー・トルメンタの形に似ていて、ぐるぐる廻り出したらどうしようとか思った(笑)。「今」とともに残る、生の舞台の記憶。やっぱりいいなあと思ったのでした。

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・『岩戸の景清』『義経千本桜』ともにお弟子さん方が大活躍。彼らがいなければ成り立たない場が沢山ある。なかなか公演が打てないなか、少しでも出演の機会を増やしたいという座頭の考えもあるのかなと思いました。ということを思ったのも、この番組を観たから↓


私が歌舞伎を観始めた頃、彌十郎さんは中村屋によく出てらして。その後四代目猿之助襲名を機に澤瀉屋の舞台に出られるようになり、「また猿之助一座に加われてうれしい」というようなことを仰っていたので不思議に思っていたのです。
海外公演の夢を実現したいと一座を離れ、同時に舞台に出演する機会も失ったとき「勘九郎(当時)さんが声をかけてくれた」のだそう。その間ずっと猿翁さんは彌十郎さんのことを気にかけてらしたそうで、後日そのことを知った彌十郎さんは号泣したそうです


澤瀉屋一門の最年長、寿猿さん。昨年夏コロナに感染し心配しましたが、無事回復して舞台を続けられています。これからもお元気でいてほしい

・三階の物故者スペースに吉右衛門さんの写真が加わっていました。そうだけど、そうだけどさ……わかっちゃいてもやっぱり寂しい


いやホント頼む、エンタメをこれ以上痛めつけないで! 公演の内容に集中させて! めでたい焼美味しかったです!