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2020年08月08日(土)
八月花形歌舞伎 第四部

八月花形歌舞伎 第四部『与話情浮名横櫛』@歌舞伎座


うれしさのあまりアワアワしてたのでブレている。ひとも少なくて撮り放題だったのにコレですよ…滅多にないチャンスを……。

歌舞伎座の幕が開きました。今年は納涼歌舞伎はお休み、四部制の花形歌舞伎です。観客は勿論、表方も裏方も完全入替制。検温、手指の消毒後、チケットは自分でもぎって入場です。奥様方も後援会の受付もなく、売店は閉店。とても静か。客席には間隔を空けるためのリボンが張られ(花道両脇はゆうに四席は座れないようになっていた)、場内整理のスタッフは諸注意が書かれたボードを掲げて客席間を歩きます。かなりシミュレーションを重ねたのでしょう、何が何でも劇場を開き続けるという覚悟が感じられる徹底ぶりでした。柝の音を聴いたときはほろりと来てしまいました。

『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』。「死んだはずだよお富さん♪」の歌で有名なあのお話です。初見。よって普段の演出は知らないのですが、世情を常に取り入れていく歌舞伎ならではの演出が随所に見られました。いちゃいちゃしたい藤八をあしらうお富がながーい筆であしらったり、キセルが長かったり(笑)。声を張ろうとして、あ、ダメダメ、あっちを向いてね。という感じ。児太郎さんの声色づかいがよくて。歌舞伎の型としての、年増役の発声を堪能しました。幸四郎さんと彌十郎さんのべらんめえ調が聴けたのも楽しかった。

中車さんは出てくるなり段違いに拍手が多くて、人気ぶりが窺えました。聞けば『半沢直樹』から興味を持って歌舞伎を観にきたというお客さんも増えているとか。そういう意味では今回の一部一作品制、丁度いいかもしれません。今回演じた多左衛門は、『半沢〜』とは違う抑えたキャラクター。新しい魅力に惚れ込むひとも多いかも。思えば今月の出演者で『半沢〜』と掛け持ちしている方、三人はいますよね。撮影はまだ続いてるのかな、お身体には気をつけて!

与三郎とお富が抱擁する幕切れ、一度は近づこうとしたふたりが「あ、」とためらう。微笑んだ与三郎が「では」と腰紐を取り出し、端と端を互いに持って見得を切る。舞踊のような美しさ、なんて粋! 拍手喝采…いや、喝采はないか。拍手拍手でお開きとなりました。大向こうがないのも客席がスカスカなのも寂しいですが、観られてよかったなー。

今回は思い切って一等席(といっても普段の半値以下ですがね……)。花道を歩く彌十郎さんを間近で観られて嬉しかった。一等席でこの価格ってのも、こんなことでもなければなかろうよ。場内物販も基本なし、食堂は予約していれば利用出来たようです。筋書はリーフレットになっているものがロビーに置かれており、自分でとるという形式。たい焼き屋や売店のひとたちはどうしているのだろう。興行としての芝居について考え込んでしまいました。場内売店は外からのみ入れるようになっていて、玉三郎さんの阿古屋クリアファイルなど購入。夜の銀座は週末だというのにひともまばらでした。

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・銀座名物!「喫茶YOU」のぷるとろ「オムライス」と飲めちゃうジューシーな「オムレツサンド」をテイクアウト┃銀座グルメセラピー
よだん。先日別用で銀座に行ったとき、YOUでオムライスを買ってみました。テイクアウトでもあのボリュームは変わらず、容器にみっちり詰まったオムライスのフォトジェニックなこと……といいつつ撮影してませんが。
ここ数年は並ぶのを諦めてしまうくらい長蛇の列でしたが、今はそうでもなく買いやすかった……というのも寂しい。活気が戻る日が待ち遠しいな