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2013年07月27日(土)
『FUJI ROCK FESTIVAL '13』2日目

NINをひきずったまま起床、11時前迄ホテルでBSの『あまちゃん』一週間分を金曜日分迄だらだら観てしまう。あかん、あかんわー。ようやく出発すると、そうだった今日は土曜日だった…前日よりシャトルバスの列もリストバンド交換の列も桁違いに長い。駅から会場迄徒歩含めて計50分くらいのところ、3時間近くかかった。焦った。そして雨が降り出した。

■奥田民生(GREEN STAGE)
「俺にしては珍しいですよ、こんな雨は!」と言う程降りました。新旧織り交ぜハードなセット、「悩んで学んで」では「昔の曲はキーが高いぜ!」「死ぬかと思ったぜ」なんて言っていた。荒天の状況を目にしてか、久々のフジだったからか、結構厳しい表情が見られました。演奏も前述したとおりハードと言う言葉がふさわしい。でもMCはゆるくてそのギャップが民生らしいなあと思ったり。いんや格好よかった。
ベースが小原礼さんだった!久々に聴けて嬉しかったな。

雨が本気降り、これは参った。そういえばおひるごはんもまだだった…カールの前に何か食べとかないとこのあとはきっとありつけない。と言う訳で恒例おにぎりの長い列にとりあえず並ぶ。新メニュー「豚汁雑炊」なるものが出来ている。大雨のなか並んでいる間に考える、一年に一度しか食べられないおにぎりマスターのおにぎり…しかし前日の頁に書いたとおり、雨のなか立ったまま皿を二枚持っての食事は非常に厳しい……結局雑炊にする。要はねこまんま豚汁版で、ねこまんま好きはウハウハです。うまいわあったまるわでよござんした。
ちょっとでも雨を避けようとレッドへ移動すると、椅子がびっしり。ここはスタンディングエリアじゃないんかい。邪魔なんじゃいと進むうち、二列目迄来てしまった。

■DARKSTAR(RED MARQUEE)
一列目がおかーさんとちっちゃい女の子で、母「大丈夫なの?」娘「大丈夫だよう」の会話を何度か聞く。しかし始まると飽きちゃったか眠くなったか、女の子はステージに背を向けてしゃがみこんでしまいました(苦笑)。おかげで視界のよいことよいこと…と言いつつ、こちらはこちらで立ったまま寝た…ごめん!
いやダークなエレクトロで非常に気持ちよいサウンドでですね…お腹も満たされてましたし……ホントすみません。いい曲だったんだよー!

このままではいかんと外に出る。雨は止んでいた。

■KARL HYDE(GREEN STAGE)
バックドロップは本人が描いたのであろう巨大なドローイングが四枚。小柄なカールが中央で、UNDERWORLDのときとは全く違う佇まいで立っている。ソロアルバム『Edgeland』を聴いたときはそのあまり穏やかさに驚き、これはグリーンでのライヴだと苦戦するのではないか…なんて思っていたのでした。いやいやすみません、全然そんなことなかった。雨上がりの曇り空になんとも言えない色彩の夕暮れ、ステージ上空に漂う靄、ひんやりした空気。美しい高地の風景に、しっとりと漂うカールの声。空模様も彼に味方したかのようでした。
スケッチのような短い曲を、微笑を浮かべて唄うカール。本当に素敵な表情をするひとだなあ。そしてギフトな声を持っている。この声をじっくり聴けるソロアルバム、本人も歌とじっくり向き合ってみたかったのかな。
すごくよかったです。歌がすごく伝わるライヴだった。

ふわふわした足取りでレッドへ向かう。久々のHURTS!

■HURTS(RED MARQUEE)
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Setlist
01. Exile
02. Miracle
03. Wonderful Life
04. Somebody To Die For
05. Evelyn
06. Sunday
07. Sandman
08. Blind
09. The Road
10. Unspoken
11. Illuminated
12. Better Than Love
13. Stay
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2011年1月の単独来日以来。なんか3.11以前のことは皆随分昔のことのように感じる。
と言う訳で二年半振り、今年出た新譜はリリースと同時に聴き込んでおりましたが、彼らの動向とか迄はチェックしておりませんで……こんなに大化けってかスケールデカいバンドになってたとは!
初っ端から客の盛り上がりがすごくて、フェスだから?なんて思ったりもしていたらいやいやいや、めっちゃシンガロングですよ。しかも男性ファンがすごい多くてセオー!とか叫んでて…野太い声で(笑)。しかもそのセオがさ、もう貫禄ってなくらいのステージング。初来日のサマソニでは緊張して手が震えてた子が!シャイなモリッシーみたいだったあの子が!黒革の手袋、スーツ、ときにはらりと落ちるオールバックの前髪、ビッシビシにキメたスタイルで自在に観客を操っておる!ぽろりと出る笑顔がまたかわいい、そしてそこでも「キャー!」ではなく「おおおおおお!」の轟き。いや初来の頃は「キャー」が多かったと思いますよ。こういうとき女性ファンの慧眼と言うものに思いを馳せますね。
とは言うものの、あまりの盛り上がりにバンドも面喰らっていたよう。ビューティフォーワンダホーエクセレントを連発してました。フジー!とか叫んじゃったり。胸に手をあててジーンと来てる様子を見せたり。
なんだ…何があった……確かにすごいポップでいい曲ですけど、大好きですけど、こんなに盛り上がるきっかけって何かあった?別にタイアップとかあった訳ではないし。web含む口コミだとしたらそれはそれですごい…洋楽も捨てたもんじゃないぜ。好きなひとはどこかに必ずいる!しかしこんなにいるとは!
で、ここでふと思う。多分欧米ではもっと盛り上がってる筈だ。大物になりそうな気配、もはや本国ではアリーナクラスなのではないか?デペッシュモードみたいになっちゃったらどうしよう…日本のマーケットを相手にしてくれなくなるかも……いやー!それはいやー!!日本のスタッフさんがんばって!またつれてきて!
バンド編成で、前回の単独ではお休みだった(上の日記参照)アダムもお初。お初と言えばデビューアルバムのアオリは「おハツです!大注目の男前ドラマチック・ポップ・デュオ見参」だったね…日本のスタッフさんがんば(略)オペラ歌手のサポートさんは来ていませんでした。その分インダストリアル色が強まったか。そういえばNINの『The Downward Spiral』のことがライナーに書かれていたな。もはやエレポップデュオと言う範疇では語れない…なんだろオルタナのオルタナと言うか、ひとまわりして懐古でもなく今流行りのものでもなく、まさに個性のあるバンドになったな!と言う感じです。スタイリッシュでい乍ら反骨精神溢れるマンチェ出身。もう最高ですよ。
あああ、新譜は国内盤で買ってるんだが、DVD付スペシャルエディションの外盤も買っちゃおうかなと思いました……。泥だらけの長靴でごめん、カッパでごめん。次の単独にはキメキメで行くよ!また来てー!出来るだけ早く!「Stay」をまた大合唱したい!

興奮冷めやらぬままグリーンへ向かう。寒くて持ち歩いてる飲み水が減らないので荷物が重く、腰が痛い。

■björk(GREEN STAGE)
やはり激混み、うっかり前方へ行ってしまったらひとの背中しか見えない状態に。近くのひとが撮影してたカメラのモニタ画面で様子を知ったと言う…ズームで観れてよござんした。何しに行ったんだ。
ええと白状しますとダンサーインザダーク前後からアルバム聴いておりません。今どんなんやってるんだっけ?と言う…しかし後半は初期曲結構やってくれて嬉しかった!今「Army Of Me 」や「Hyper Ballad」を聴けるとは思ってなかったもの。もろEDM!って感じの音になっていましたが、これはこれで面白かった。
とにかく声の威力。女性コーラス隊を従え、人間の声にはこんな可能性があるのだと思い知らされ、そのことに敬意を抱かせる。聖歌隊のようにも、アニミズムどっぷりの霊的なものにも思える。圧倒されることしきり。
あとメタルのショウではおなじみの、あれなんて言うんだっけ火柱をぼわっと出す特効!あれをああいうふうに使ったところもビョークならではだなあと思った。何をやってもオリジナルに見える恐ろしさ。

ウィルコ・ジョンソンを観られなかったのが心残り。本人の体調次第のことだったし、急に決まったことなので仕方がない。フジに来られてよかった。また来れるって思ってもいいじゃない。元気で、また来てください。待ってる。

いやーなんか今回は狐につままれたかのような気分で観たものが多かった。山だけに何かいますよね。トンボも今年は多かった、バッタも沢山いた。
翌日はお昼過ぎ迄越後湯沢にいて買いものなんぞして帰りました、野菜を買って帰ると言うのを去年覚えたからね…こちらにはない神楽南蛮を買ったりしました。おいしいんだーこれ。そして路上で蛇を見た。最後の最後迄不思議な気分。