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2013年07月10日(水)
パール兄弟『お元気ですか?30th…集合は高円寺!』

Show Boat 20th Anniversary パール兄弟『お元気ですか?30th…集合は高円寺!』@Show Boat

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Vo:サエキけんぞう、G:窪田晴男、B:バカボン鈴木、Drs:松永俊弥、Key:矢代恒彦
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ええと、23年振り?このメンツが再び揃うことがあろうとは。長生きするといいことあるぞ。いや〜何から書いていいかわからん。

窪田さんがパール兄弟をやめて(勘当されて)、バカボンもやめて、サエキさんと松永さんと矢代さんでバンドを続けるも活動停止して、窪田さんが戻って再開したとき松永さんと矢代さんはやめていて。松永さんはS-KEN & HOT BOMBOMSもやめてしまっていた。いろいろ邪推もしたりして、もう一緒にやることはないのかなと思ってて……だからすごく嬉しかった。

ひととひととの再会ってとこにもジーンときておりましたが、何よりも感動し震撼したのは、それぞれのフィールドで活躍し続け腕を磨いてきたミュージシャンたちが再び集ったときの演奏の凄まじさでした。もともとばかうまなひとたちだったけど、それを判っていてもうわっとなる変幻自在っぷり。なんだあれ…すごすぎた……。明らかに以前とは違ったんです、どう説明すればいいのか判らないけど。お互いのフレーズのしっぽを捕まえ、新しいグルーヴをみるみる生み出していくその拡がり、その膨らみ。特にまっちゃんがかなり演奏スタイル変わったと思う。16が基調になってて、過去の楽曲のリズムが全く違うものに聴こえた。それに窪田さんやバカボンがジャズ、インプロのアプローチ+ニューウェイヴ魂で乗っかってくるので、楽曲の構成は変えていないのに内容がまるっきり化けていると言う演奏のマジック。それでいてここぞと言うキラーフレーズの瑞々しさと言ったら。これをどう言葉で説明しろと……。

あまりにも演奏が巧いので、アレンジがどんなにややこしくてもポップスとして楽しく聴けてしまうのがこのバンドの恐ろしいところです。こんなのを十代のいちばん吸収率のいい時期に聴いていたのですよ…これで音楽聴きの素地は固まったと言える。恐ろしいやら有難いやら、改めて感謝。そしてその進化形をこの日聴けた。あー長生きするといいことある(再)。また皆楽しそうに演奏するんだ、窪田さんなんて終始ニコニコしてました。窪田さんほんとまるくなったよね…外見も含め……(笑)真剣に唄ってるサエキさんとぱっと目が合ったとき、彼にニコッと笑いかけたその姿にはちょっと萌えた(笑)。

この日のライヴ録音してないのかな、配信でもいいからリリースしてほしいくらいです。

これを機に定期的にライヴをやれたらいいね、「盆暮れのパール」(サエキさんが徳島の大学生だった頃、盆暮れに帰省したときにしかライヴが出来なかったためそう言われていた)復活でさ。次は年末にやれたら…なんて言っていたので期待してる。このメンツでの演奏、また聴きたい!もっと聴きたい!

以下おぼえがき。

・入場時に塩あめが配られる。ナイス配慮
・前三列が椅子席。客層を判っておられる、ナイス以下同
・めちゃ込み。即完にも驚いたけど(当日券もなし)皆どこから聞きつけてきたんだ!SNSってホント便利よね……とこういうときは思う。上手端っこに入り込む。近いがバカボンは殆ど、矢代さんは全く見えなかった
・最後の挨拶でやっと全員見られた。矢代さん見たの23年振りだったんですが、会社の社長さんみたいなロマンスグレーになっておられておおっと思いました。渋い(訂正:2009年にボンボンズで観てた。…けどそっからも随分渋くなられてましたわ…)
・めちゃ暑かった。最初のMCが「パール救援介護センターを設置しておりますので気分の悪くなった方は〜」でしたからね
・窪田さんもことあるごとに「大丈夫?皆水飲んだ方がいいよ?」と言っていた
・しかし本人がいちばんやばそうだった。白シャツが汗でみるみるシースルーに……
・もはや「きゃ、エロい☆」どころじゃなく「だ、大丈夫?ネクタイとっていいよ?水飲んで!」とハラハラした
・1st setは全員白シャツ+黒パンツ+タイでキメていたが(これはちょっとアガッたわー。やっぱ皆さん格好いい)あまりの暑さに2nd setはどこぞの川遊びかみたいなTシャツ半パンor綿パンに着替えていた。特に窪田さんは夜中家からコンビニに出掛けるくらいの格好であった
・しかしサエキさんはリラックス服に着替えてもやっぱオシャレだわ

セットリスト(暫定。やった曲は全部出てると思うんだけど、順番忘れた)
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1st set
バカヤロウは愛の言葉、少女マヌカン、江戸時代の恋人達、ヨーコ分解、しがらみクラブ、イノセント・グレイ、世界はGO NEXT、○。○○○娘
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2nd set
メカニックやくざ(メカニックにいちゃんじゃなくて)、ゴム男、焼ソバ老人、終電ガール、酔ってらっしゃい魅てらっしゃい(新曲)、ケンタッキーの白い女、LIFE=事務、タンポポの微笑み、快楽の季節
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encore
AMのPARK
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・一曲毎にアレンジとか全然変えてるんで、一曲に一本のライヴくらいの精力注ぎ込んでる。準備に時間がかかるんで、間にメンバー紹介とか入れるんですよ〜(サエキ)
・特に窪田先生がね、たいへんなんですよ(サエキ)
・単に皆トシだと言うのもある。客もな
・しかしサエキさんは若々しいわー、やっぱメンテちゃんとしてるわー
・むしろ歌は上手くなったよね。高音が出なくなっているのは年齢のこともあるだろうけど、声すごい出るようになったし、太くなったし、当時とは比べものにならないくらいの安定感
・だって当時はばかうまなバンドの弱点とか言われてたじゃない(…)でもサエキさんには詞の才能と話術の巧さがあったから!
・てか今回のMC聞いててほんと名人芸の域だわと思いましたわ、あのうざさ、ねちっこさも含め。サエキさんじゃなかったらぶっとばしたくなるくらいです
・マーケティングが〜て連呼しててホントうざかった(笑)
・それにしても鬼に金棒とはこのことか(ちょっと違う)いくつになってもひとにはのびしろがあるしバンドは進化し強靭になるのだなあと思って嬉しくなったりもした
・あー聴けてホントによかったー!

・窪田さんは一曲毎に椅子に座っておった。しかし立奏出来るだけでも立派ですと思うことにした
・てか窪田さんはメンテしないからねー、ファッションにも頓着ないからねー。わかってた、わかってたよ……
・おまえは自分の美貌をわかってない!当時から言われてたけど!
・まあそういう、ファッションに頓着ないのに演奏は素晴らしいってとこがまたいいんですけどね……
・しかし演奏となるとシュッとするよ!そこがいいんだよ!錆びるどころか切っ先はますます鋭く
・ちょっと前腱鞘炎の手術したと聞いていたので心配していた。杞憂であった。冴えまくりでした。終盤爪割っちゃったようで「なさけない」と言ってたが、言われなきゃ判りませんてな演奏であった
・あ〜何度言っても足りないが何度でも言う、このひとのギターがいちばん好きだわ〜
・あのパキッとしたギターはもはや私の血肉になっております

・MCでは主に松永さんがターゲットにされていた。窪田さんとバカボンの動向はずっと追ってて、サエキさんは追わなくてもそれなりに伝わってくるので(笑)松永さんだけ何してるか知らなかったんだけど、水樹奈々のバックで東京ドーム公演とかされてるんですね。知らなかった!
・久々の再会は武道館、僕は客席、まっちゃんはステージ…そうそうまっちゃんじゃないんだよ!違う名前なの!マーチンとか呼ばれてるの!(サエキ)
・マーチンじゃない、マーティン(松永)
・「まthなが」を思い出した(あこや会会報より)
・バックバンドには北島健二さんとかもいて、彼らだけのビデオとかあるんですよ!歌も唄うんですよ!(サエキ)
・歌は唄わないよ(松永)
・どっちがホントなんだ。サエキさん盛ってないか
・次に会ったのは東京ドーム。遠いところに行ってしまった、パールやめてよかったですよね(サエキ)
・そうですね!(松永)
・あーもーうざいサエキさん(笑)
・変わってしまった、と言う雰囲気になりそうなところをまっちゃんが反撃。パール兄弟が停止した後、「名古屋駅でKANちゃんのツアーで移動中のヤッシーにばったり会って、『やっしー!』って手を振ったら柱の影に隠れちゃったの。KANちゃんのバンドのドラマーの清水さんが、殆ど僕とは面識ないのに『やっほー』って返事してくれたんだよ。恥ずかしかった」
・矢代さんは憶えていないふうだった(笑)
・ひとつのバンドを終えたメンバーは、いろいろぎこちない……(苦笑)
・それにしてもまっちゃんをちゃんと見たの23年振りだったので、いやもう…感慨深い…シュッとしたままだったことにもおおっとなりましたし
・やっぱタイコ叩くのってエクササイズ……
・ブルースブラザーズみたいな格好しててね。サングラスにソフト帽で。サエキさんに「ビースティボイーズにいそう、サボタージュのビデオに出てそう」と言われてた

・パール兄弟と言うバンド名についてからおピンク兄弟の話に。どっちが先か?て言う
・本当に偶然で、お互い知らなかった筈なんだけど、ウチらのが先だと主張したいサエキさん
・おピンク兄弟はその後PINKに。「なんで僕たちパールにならなかったんだろね」と窪田さん
・「田村直美さんがいたからですよ〜」とすぐ返すサエキさん。どっとウケる観客。世代
・「でもPearlが出てきたのもその随分後ですからね!」とどうしてもこっちが先だと主張したいサエキさん。うざい。芸風

・「江戸時代の恋人たち」の前に富士山が世界遺産登録されたことを『未来はパール』のアナログジャケットを持ち出し祝うサエキさん。時事ネタからめてきました
・三保松原も一緒に!と裏ジャケを見せてはしゃぐ
・数年前思い出巡り?で三保松原に行ってみたんだそうです。「あの頃より砂利が痩せちゃっててね…(しんみり)」
・サエキさんのセンチメンタルな感性を垣間見る。繊細な歌詞を生み出す源泉ですね(といい方に解釈)
・しかしその後「世界遺産登録されたことだしそういうところも保護していきたいですね!」とか言う
・うざ(略)
・いや勿論保護はせねば!そのとおりです!

・サエキさんも時節柄と言っていたが、「タンポポの微笑み」を今こんな気持ちで聴くことになろうとはなあ
・「タンポポの微笑み」は、チェルノブイリの原発事故を受けて作られた曲です
・と言えばこれのレコーディング(残響込みで録るため)+MV撮影を大谷石採掘場で行ったんだけど、二ヶ月後そこが崩落したって思い出話。あったあった
・採掘し終わって観光用になっていた場所(大谷石資料館)で、近所に住居もなく、誰もいない時間帯に崩落したと言う意味ではよかったねと
・僕だってネタにするときは気をつけますよ!ケガ人とか出てたらしませんよこんな話!(サエキ)
・うざ(略)

・「焼ソバ老人」のバッキングがまるっきり変わっておった
・「ケンタッキーの白い女」、イントロ冒頭の「ハッ!」て掛け声をライヴで初めて聴いた。それがバカボンの声だったってのも初めて知った。「皆忘れてたよねー」
・空海最高!空海最高!(どういう流れでそうなったか忘れた…)

・「ヨーコ分解」の前にバカボンのスティックに言及するサエキさん。「日本のトニー・レヴィンだよね〜」
・髪型だけだよ(バカボン)
・スティック同好会とかあるんでしょ?喫茶店に集まったりとか(サエキ)
・ないよそんなの、知らないよ!(バカボン)
・やっぱサエキさん盛ってるでしょ……
・そっからクリムゾン、ロバート・フリップ引退話になって、フリップは一日8時間練習する、僕は2時間くらいだよと言う話を窪田さんが
・これ+「しがらみクラブ」誕生の流れで若かりし頃のサエキさんが曲を作るため初めて窪田さんちに泊まったときの話を始める
・曲は6時間くらいで出来て、さあ寝るかってことになったらベッドを窪田さんが譲ってくれたんですよ。そのとき「おふろに入ってからベッドを使ってね」って言われたの!なんて上品なんだろう、しっかり育てられたんだろうなって感激したの!で、寝たんだけど、背後からカチャカチャカチャ…って音が聴こえてきて…ギターの練習を始めたの。寝られない!でも「なんて熱心で真面目なひとなんだ、こんなひととバンドをやってくんだ」とまた感動して、そのカチャカチャを聴いてて…そのうち窪田が「はあ」ってためいきひとつついて、練習が終わったの(サエキ)
・細かいニュアンス違うけどこんな感じ。長年追ってきたがこんな発掘ネタを今聞けるとは!あ〜長生きは(以下同)
・クロコダイルでやってた当時、ライヴ毎に絶対一曲は新曲入れるようにしてたって話も面白かった。この辺りはよく聞いた話だけど何度でも面白く聞ける。サエキさん話芸のひとつですね
・しかし今思えばこれ、窪田さんがやってた『GIRL GIRL GIRL』に繋がるなあ。FM横浜で毎週新曲かきおろしっての

あーもう面白かった…またの機会がありますように。待ってる!