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2012年10月19日(金)
ザ・ファクトリー1『白鳥の歌』『楽屋』、『アベンジャーズ』最終日

ザ・ファクトリー1 さいたまゴールド・シアター『白鳥の歌』『楽屋』@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール内特設劇場

さいたまゴールド・シアターとネクスト・シアターの新シリーズ“ザ・ファクトリー”。「彩の国さいたま芸術劇場の各ホールにとらわれず、自由な発想で劇場の中に新しい表現の場を見いだし、作品を発表する試み。劇場という創造の拠点ならではの、可能性に満ちた創作活動を目指す。」とのことです。

第一回はゴールドシアター。アントン・チェーホフ『白鳥の歌(カルカース) ひと幕の習作』約35分、清水邦夫『楽屋 ―流れ去るものはやがてなつかしき―』約80分の二本立て。演出は蜷川さんの演出助手を長く務めている井上尊晶さん。バックステージもの、役者とプロンプターの関係性、チェーホフ(『楽屋』の舞台は『かもめ』を上演している劇場の楽屋で、『三人姉妹』のモチーフも登場する)と言う共通点で選ばれたもののようですが、当日配布されたリーフレットに、清水さんが『楽屋』を書く動機となった要因のひとつとして『白鳥の歌』を挙げている非常に興味深いエッセイが転載されていました。井上さんは初日朝にこれを発見し「僕は、このエッセイを知らずに、この企画を演出したことに武者ぶるいした。この25年間、蜷川のそばにいて、ゆがんでしまった潜在意識がそうさせたのか―。」と記しています。

普段は開放されていない階段を降り、大ホールステージ上に作られている特設劇場へ。案内スタッフに見憶えのある顔がちらほら、ネクストシアターのメンバーです。“大ホール内特設劇場”は、ネクストシアターが拠点としている空間でもあります。入場するといきなり楽屋の風景。身支度をしているゴールドシアターの面々が目に入る。えっ、ここは演技エリア?客席はどこ?と一瞬狼狽。この辺り、蜷川さんが得意とする“現在から演劇への地続き”を踏襲していますが、今回のテーマにいい感じに重なっています。客席と『白鳥の歌』が演じられるエリアは、“楽屋”の隣にありました。かつてのベニサン・ピットを思い出す空間。暗転するとバミリのテープも見えないくらいの暗闇。こういうのって最近なかなかない。貴重な場所。

まずは男優のみの『白鳥の歌』。長年コンビを組んできた老優と老プロンプターが、公演がハネた真夜中の劇場で言葉を交わします。演じた役や、演じた劇場の思い出。幕開けは6人の老優が順番に登場し、同じ台詞を6回繰り返します。やがて老プロンプター5人が出てきて(こちらは一度にどどっと出てきた。衣裳もほぼお揃いで、そのヴィジュアルや醸し出す雰囲気がかわいらしくてウケていた)、老優に声を掛けます。本来はふたり芝居なのでしょうが、老優6人、老プロンプター5人、計11人で演じる構成です。全てが繰り返しではなく(そうしたら単純に上演時間も6倍になるし(笑)観客もツラいでんがな)長い台詞を分け合って発する場面もあります。台詞の言い回し、動き、そしてそれぞれ歳を経た身体全てが違う6人と5人。やがてふたり(11人)は抱き合って、劇場の奥…暗闇へと退場して行きます。出て行く先は劇場の外なのか、それだけではない“向こう側”なのか。

何故プロンプター役がひとり少ないのだろう、と思っていたのですが、七月、稽古半ばで劇団員の小林博さんが亡くなったとのこと。今回の公演にも出演する予定だったそうです。『聖地』を観たときに考えたことが現実となってきました。蜷川作品の常連だった大富士さんの訃報を聞いた二日後だったこともあり、いろいろ思うところがありました。

舞台と客席転換があるとのことで、一度ロビーに全員退場。客席の配置を換えるってどういうことかなーと思って再入場すると、果たして入場時に目にした楽屋を囲むように客席が移動されていました。実際に使っている(設定の)楽屋が舞台となる訳です。

『楽屋』も登場人物4人が分裂。女優A(顔に火傷がある)9人、女優B(首に刺し傷がある)9人、女優C(『かもめ』のニーナを演じる)3人。女優D(精神を病み入院していたらしい)のみ、最高齢の重本惠津子さんひとりが演じます。かしましくにぎやかな、女性だらけの楽屋の光景はかなりユーモラス。しかしそこには嫉妬、羨望、虚と実が入り交じります。さまざまな顔を見せる女性たちは女優そのもの。エネルギーに満ちあふれた光景です。

終幕、女性たちは皆衣裳を脱ぎシュミーズ姿になり、身ひとつで舞台に立ちます。思い切った演出ですし、演者にもかなりの勇気を必要としたものだと思いますが、台詞にもある人生の「蓄積」が、有無を言わせぬ説得力とともにそこに在りました。彼女たちの瞳はまっすぐで、じっと前を見詰めている。死者を送る目。亡霊となりなお舞台に立とうとする目。それが眩く感じられたのは、照明のせいだけではなかったと思います。

上演されたどちらの作品にも死の影が濃く漂っている。しかし『白鳥の歌』には寂寥感や諦観が強く感じられ、『楽屋』にはむしろ生命力を感じました。男女の違い、として最近は素直に受け取れるようになってきた。そういう場を実際目の当たりにする機会が増えたからかもなあ。これも蓄積、ですね。

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・毎度カフェペペロネ。本日は三食パスタのボロネーゼをいただきました。おいしかったー
・で、ペペロネに案内カードが置いてあって知りました。劇場の近くにビストロやまのマルシェが出来たとのこと。帰りに寄ってみました。ドレッシングを買ってきたーおべんとうも気になるー
・そのペペロネ、いつのまにかtwitterを始めているではないか。おお、3色パスタの画像が載っている。グラタンがある日に当たりたいよー
・すっかりさい芸行きはペペロネ込みの遠足みたいになっている

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『アベンジャーズ』@新宿ピカデリー スクリーン10

新宿での上映最終日。最後の二週間は大ヒット御礼とのことで1,000円で観られちゃうと言うふとっぱら、映画の最終日にそわそわするとは…あーもうスクリーンで観られないのね、千秋楽って感じで寂しいわー。そんな輩が続々と集合、レイトで終了0時過ぎにも関わらず盛況でございました。リピーターが多いせいか場もなんだか和やか、反応もよく笑い声もとびまくり、エンドロールも最後迄観てクスクス、客電ついて見回してみれば上気した笑顔で出て行くひとばかり。楽しかった……。

webでいろんな感想読んだりtwitterや2chでトリビア拾って読んだりしてて(特に楠野一郎さんのツイートには共感しまくりだったー。twilog張っておくので気になる方は是非。8月13日以降怒濤のツイートです(微笑)・楠野一郎(@kusunopropeller)2012年8月 - Twilog)、奥深きアメコミは知識が増えれば増える程面白みも増す。そしてそういうオタクへの愛がある!これは監督ジョス・ウェドンの愛でもあるわ。それでいて初見の楽しさはいつ迄も薄れず、いちげんさんもマニアもニッコリ。

そこを通ってリピートするとまた楽しいんだよー。スタークがロキに向かってコールソンの名前を出すとことかさ!あと氷漬けのキャップが発見されたとき「コールソンは気絶する程」って言われてるけど、それただビックリしただけじゃなくてうれしくて、だよな…とか、キャップ級長さんぽい…とか、ブラックウィドウはロキにもホークアイにも「借りがある」と言うのねーとか、ああっ観れば観る程楽しい!そしてロキのファーストカットに既視感があってなんだっけ〜とずっと思ってたんだけど三回目にしてやっとわかった、エイフェックスツインだわ↓



そっくりー!わるい顔ー!

あとホークアイの出番はトータルで約12分、ロキも10数分だったそうで…い、言われてみれば……?しかしその短時間ですんごい印象に残るんですよね、見せ場めっちゃあるし。これも演出の成せる業ですなあ…ウェドン監督の各キャラクターへの愛はすごいぜ。

いつの間にやらイメージアルバムだけでなくOSTも揃えてしまった。kaollyさんとも話したけどホントこれのスコアちょーいいんですよね、フルオケでコンサートとかあったら行きたいよ!

ロビーで『ボーン・レガシー』のパンフをガン読みしていたお嬢さんが『アベンジャーズ』開場でーすとアナウンスされたら即入場していってほっこりしました。出演作が二本同時期に公開されていて、同じ映画館でハシゴ出来ちゃうってすごいことだよなあ…ジェレミー祭りもひと段落でさびしーわー。ようやく休みに入ったジェレミーのインタヴューがあちこちに出てきていますが、一年半で五本の映画を撮ったそうで、その前後のプロモーションやらも含めると二年で二週間しか自宅に帰れなかったそう。想像を絶するわ…家族とも殆ど連絡がとれなかったそうです。おつかれさま、ゆっくり休んでくださいな。来春公開の『ヘンゼル&グレーテル』、楽しみに待ってまーす。

おまけの追記。
・Marvel's THE AVENGERS.pdf download
kaollyさんに教えてもらった台本pdf。監督本人がホンも書いてるからかト書き指定が細かくて面白い