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2011年06月23日(木)
『THE SPOT』振替公演、『CLOUD』初日

LIVE POTSUNEN 2011『THE SPOT』@天王洲 銀河劇場

3月、震災の影響で延期になったポツネンの振替公演。だったんですが……。

事前にごはんを食べようと、12:30に劇場前で友人と待ち合わせ。開演1時間半前に何故か開場しており、「チケットをお持ちの方はこちらにお並びください」等と言っている。近寄ってみると「『緊急のお知らせ』本日(6月23日)の昼および夜公演は本人左手負傷のため急遽中止とさせていただきます。なお、今後の対応は決定次第、ホームページ等でお知らせいたします。」との張り紙が。えええ?

スタッフさんが丁寧な説明をしてくれ、プログラムを頂きました……。

いやーつくづく縁がない。振替の振替公演って…あ、あるのかな……流石に厳しいんじゃないかな……。残念だけど仕方がないわね…こればっかりは。相当無理してたんじゃないかなあ。

ご本人のコメントはこちら。まずはじっくり治してください、おだいじに。→・『KENTARO KOBAYASHI WORKS 小林賢太郎のしごと|message』

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と言う訳で夜迄まるっと暇になったので(…)表参道で遊んだりしてました。休日は混んでるTORAYA CAFÉに余裕で入れてラッキーではあった。

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『CLOUD』@青山円形劇場

まず情報から。開演10分くらい前から席に着いておくと楽しいものが観られます。『ウェアハウス circle』の仮チラも配られてました。こちらも今から楽しみ。

と言う訳で『CLOUD』初日です。今回クラウドコンピューティングがモチーフのひとつと言うことで、公演前からブログ(suzukatz-cloud)、twitter(オガワクラウド(@ogawacloud)team-cloud(@suzukatzcloud2))、tumblr(SUZUKATZ CLOUD)を通していろいろなイメージが提示されており、はてどこ迄がフェイクか?どこからトラップか?舞台を観るうえでのヒントはどれだけあるか?と考え乍らチェックするなかなか楽しい日々でした。シノプシス等が掲載されている公式サイトはこちら→CLOUD

それにしても一挙に仕掛けましたわね…どないしたんと思いましたが、プログラムを読む限りでは震災のことが多少なりとも影響したように受け取れました。影響しないわけがない。もともとwebツールを駆使しようとは決めていたのかも知れませんが、いざ始まってみたそれは『CLOUD』と言う公演だけに留まらない内容になっていく。決してひとりだけで自己完結することが出来ない、多くのひとが関わる舞台作品の醍醐味を、幕が開く前から目撃するような不思議な感覚もありました。いや、舞台だけには限らない。ひととひとが関わることには、誤読やズレが必ず起こる。ひとがいる限り、コミュニケーションが起こらない場所はない。

「『LYNX』の構造を使って、50歳になったオガワを描こうとしていた。だが、僕はそれをやめることにした。『LYNX』の構造を使うのではなくて、『LYNX』の感覚を取り戻すことこそが必要だと感じた」。

勿論舞台だけを観てもいい、『LYNX』を知らなくてもいい。全部を掴むこと等出来はしない。どこに目が、耳が、興味が行くか。それは自分が何を観たいか、聴きたいか、知りたいかだ。自分が体験した『CLOUD』はどんなものになる?

果たしてそこにあったものは、自分にとってはとても居心地がいいものでした。95分と言う、弛緩することなく集中出来る上演時間。沈黙ひとつひとつが饒舌、リラックスした状態なのに鋭くなる一方の感覚。冴え冴えとエキサイト出来る、“あの”スズカツさんの舞台。

いやー、opの画ヅラだけでもう満足した(笑)その後からがまたたまらなかったんだけど。遅刻厳禁よ!

以下メモ。Bブロックから観ました。多少ネタバレあります、未見の方はご注意を。

・今回スズカツさんとは初顔合わせの、小原敏博さんの衣裳がすごくいいです。パッと見た印象からして、登場人物と演者のイメージにピタリと合うシンプルな格好いい衣裳なのですが、あの距離感なのでとても凝っているのがよく見える。一緒に観たアパレル業界のサさんが「丁寧に作ってるわねー、しかも洒落てる」て言うてました。神は細部に宿るねー

・もともと皆さんキレる方たちではありますが、あのメンバーのなかに身体がビュンビュン動く若手が入ると全体のフォーメーションがすごく面白くなります。門人くん、皆からかわいがられてるのがよくわかる(微笑)。opの門人くんは、20年前インクスティック芝浦の客席からステージに駆け上がったトモロヲさんの姿を彷彿とさせました。格好よかったYo!

・そんななか相当動きを抑えている浩介さんの存在感、いいですよー。このひとにしては珍しいタイプの役柄かも、それがかなり魅力的な造形になっています

・あれよね『銀龍草』のときの久松さんといい『ウェアハウス』の松重さんといい『LYNX』の哲司さんといい、スズカツさんは男優さんの新しい魅力を引き出すの得意よね!これからスズカツさんのことは演劇界のティム・ガンと呼ぶよ!(笑)

・tumblrに投稿されていた『ANDY WARHOL SILVER CLOUDS』がモチーフと思われる原田愛さんの舞台美術。どう動くか予測不可能な小道具もあるんだけど、それが今回狙ったかのような動きをする。まるで意志を持っているかのよう。これには鳥肌たったわー。どこ迄予測して作っているのかな

・丁度今『憂鬱と官能を教えた学校』を再読していて音韻と音響について考えていて、あー自分が舞台にアホみたいに行くのは音響に魅入られているからかなあなんて思ったりした。この考えからすると、オガワさんの理念は音韻があればいい、ってことだよね。面白い

・しみじみデヴィッド・ボウイとイギー・ポップのことを考えた

トモロヲさんや粟根さんやヨタロウさんについてもいろいろあるんだが、それはリピートした際に!(笑)テキストについても。いやー楽しかった。次回が楽しみ。