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2010年04月14日(水)
よみもの

■『マンガ脳の鍛えかた ―週刊少年ジャンプ40周年記念出版』
週刊少年ジャンプで活躍されている(た)マンガ家さんたちのインタヴュー集。マンガ家を目指す若い子(小学生くらいの子も含むと思う)たちにも理解しやすいテキストになっていますが、内容は深い。マンガを描き続けると言うこと、いちばん売れているマンガ誌で週刊連載を持つと言うこと、その中でモチベーションを維持し、ルーティンワークに陥らず、自分の描きたいことを伝えるためには?と言ったことがオープンに語られ、丁寧にまとめられています。インタヴュアーは門倉紫麻さん。
第一線で活躍されている方ばかりなので、皆確固たるスタイルを持っている。そしてそれは何年も何度も葛藤した上で見つけ出したもので、持論も手法もさまざま。同じ答えはない。なので、これをまるっと参考にしたからと言って、彼らと同じになれる訳ではありません。その厳しさもオープンにされていて、とても読み応えのあるインタヴュー集でした。だから、『マンガの描きかた』じゃなくて『マンガ脳の鍛えかた』なんですね。使用画材等も紹介されてはいますが、How to本ではありません。
個人的には、徳弘正也さんのインタヴューが読めて嬉しかった。と言うか、このひとのインタヴューが載っていたから買った。イメージのまま…と言うか、ああ、こういうひとだからこそあんな作品を描けるのだなあ、と言う感じで、嬉しかったと同時にますます大好きになった。表現の規制が厳しくなり、今では『狂四郎2030』のようなマンガは描けないと仰っていたのがショックだったな…。大衆の気分が作り上げるファシズム、本質を見極めないまま安易に引かれる予防線。暗澹たる気持ちになる。そうなる前に『狂四郎2030』を描ききることが出来てよかったなとも思ったけど……。
しかし性描写について真面目な話をした後に、「きれいなおっぱいを描けない時は丸形定規を使うといいですよ(笑)!」(手を痛めてからフリーハンドではきれいに描けなくなったそうで)なんて照れ隠しで言っちゃうところがまたうわあ作品まんま!と思った。徳弘先生ラブ!
しかし皆さん作品のイメージまんまーって感じの方ばかりで、そういうところも面白かったなー。車田さんとかうすたさんとか荒木さんとか…ふふふ……

■美術手帖 2010年4月号『ディック・ブルーナの謎』
■MOE 2010年5月号『GO! GO! ミッフィー』
もうすぐ開催の『ゴーゴーミッフィー展』でうさこちゃん散財をするのは目に見えているのですが(=うさ公かつあげ)、気付かないうちに前哨戦が始まっていたようです。気付けばこの二冊が家に……。
美術手帖は、ブルーナさん、彼の作品を初めて日本に紹介した編集者・松居直さん、今春刊行された新装版をデザインした祖父江慎さん、画家の町田久美さん、デザイナーの菊地敦己さん等のインタヴューや、絵本のデザインやテキストのリズムを考察するコラム、ユトレヒト訪問と充実した内容。図版もテキストも満載で、保存版としてもいいものです。
MOEは『ゴーゴーミッフィー展』により焦点を合わせた内容で、展示に出品予定の『25人の作家がミッフィーに贈る手書きのバースデーカード』をひとあし早く掲載。和田誠さん(!)や藤城清治さん(!!!)が描いたミッフィーが観られるよー!前述の松居さん、訳者の松岡享子さんのインタヴューも。
グッズ紹介頁もあり、購買意欲があがる一方です。ああ、会場でどんだけうさ公のかつあげにあうのだろう(しろめ)。55歳のかつあげ番長……