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2009年09月22日(火)
ねこと松尾ちゃん

『江戸東京ねこづくし』@江戸東京博物館

きたはらさんの日記で八代目団十郎の死絵が展示されていると知り、あわてて急遽行くことに。わあっ順路の初っ端にありました!

・下の方にねこがいて泣いてるでしょ

他にも二点。やー何度観ても素敵です…大人気役者の八代目が死んだ時、女と言う女がどんだけ嘆き悲しんだか!めすねこも泣いたよ!ってやつです。なんつうか、写真がなかった時代だからこそと言うのもありますが、こういうことを絵にしようって発想がすごい…。

て言うか死絵って絵はがきとかないのかな!不謹慎か!でもこうやって絵にしてるんだからいいじゃない!と思うのだがどうか。貴重な文化ですし!なかなか公開されてないのでもっと手軽に(?)観られればいいのにー!いやたまにしか観られないからいいのだろうか?ええーどっちだ。

5セクション。愛玩動物としての歴史「江戸東京に生きるねこ」、ねこと言えばの歌川国芳や安藤広重等の「浮世絵のなかの猫たち」、歌舞伎や映画にもなった「バケネコづくし」、漱石(達者な絵を描く)や朔太郎(ねこ装幀にすっごい注文つけてる)、百聞(自分ちのねこの捜索願を新聞広告に載せてる)の描いた「作家と猫」、身近な生活用品に名付けられた(ねんねことか猫足卓袱台とか)「道具のなかにねこ」。ああ〜ねこはひとの暮らしに寄り添っているね〜。

で、作品展示以外にも、捨てられているねこたちが処分されてしまう現状についての資料ポスターがありました。自分が住んでいる区は地域猫対策に力を入れていて近所に保護所もあるんだけど、そこの様子を見ていると、本当にいきものをいきものとして扱っていないひとが多くてどんよりする…いのちは大事にしましょうよ…責任を持ちましょうよ……。

時間が足りず特別展『よみがえる浮世絵−うるわしき大正新版画』の方は観られなかった…ううう。江戸東京博物館は何度行っても一日で全エリアまわれたことがない。いつも途中でぐったりする(広いわ面白くてテンションあがるわで)。

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大人計画『サッちゃんの明日』@シアタートラム

トラムを出て田園都市線に乗ったら、目の前にあった車内広告が障害者雇用援助についてと有害サイトからこどもを守るソフトの広告だった。ストライク。

なんとも判断に困る…まだ始まったばかりですし。内容は嫌いではない……時事ネタをエラい盛り込んだなあとは思いましたが。で、時事ネタをこんなに盛り込まなくても、松尾ちゃんは無意識の上から目線の足をすくいまくる鋭さを持っていて、それを書けるひとだと思っています。だからいろいろと、何故?と思ってしまう。

そしてやっぱりこのひとの暴力描写の説得力と言うものは抜群だと個人的には思っている。

役者陣の力量は流石と言うところ。クドカンってホントいい役者さんだなー。小松さんは「演出家の愛人。一演出家に一古田@野田秀樹」くらいな勢いで、どの現場にいても昔っからそこにいたかのような馴染みっぷりです。身体能力も素晴らしい。そして今回サモアリからもうひとり、家納ジュンコさんが参加してますがこれまた馴染みっぷりと身体能力が素晴らしい。サモアリは強者揃いですね…。蘭々ちゃんもこの濃いメンツの中、どろどろ爽やかと言う複雑な役を演じ切っておりました。度胸ある。そして星野くんも何故か薄っぺらく見えてしまう誠実な人物を丁寧に演じていた。

大事な台詞はかなり猿時に振られているんですが、説得力がすごい。それは猫背さんもそうで、あっこいつ偽善者だ、と見透かすカンの良さがまた上から目線を生むと言う構造をさらりと表現していた。ここ、下手に力入れると説教臭くなるし、しかしただ台詞をなぞるだけでは薄っぺらいものになるしで、さじ加減が難しい。そういう意味では、今回のホンは戯曲ではなくあく迄も上演台本なのだと思う。つまり、現在性は濃いが普遍性がちょっと弱い。勿論それはわるいことではないが…。

よだん。私は猫背さんの身体が大好きなのだが(むっちりしてた時の深キョンが好きだってのと同じ理由で)今回それが久々に堪能出来て嬉しかったです。そして松尾ちゃんちょっとふっくらしたけど、桑田佳祐に似てるね(笑)