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2008年05月17日(土)
『大岩オスカール:夢みる世界』

『大岩オスカール:夢みる世界』@東京都現代美術館

昭和40年会でいちばん素性?が判らない大岩オスカール。以前は大岩オスカール幸男名義で作品を発表していました。今回から幸男はとったのかな。通常の企画展スペースの半分で、大きなサイズの作品メインだったので数は決して多くはありませんでしたが、これだけ一挙に彼の作品が観られる展覧会は日本では初めてではないでしょうか。12セクション、約70点。

エッチング作品ばかり観ていたので、モノクロな世界観のひとだと思っていた。こんなに華やかな色彩が溢れているとは!圧巻は『野良犬』『虹』『フラワーガーデン』『ガーデニング(マンハッタン)』のエリア。前のエリアから角を曲がって、この区画に足を踏み込んだ途端鳥肌が立ちました。圧倒されて口をポカーンと開けたまましばらく立ち尽くしてしまった。

『ガーデニング(マンハッタン)』の実物を目に出来ただけでも来てよかったと思った…これはメディアには収まり切らないわ。摩天楼に降る花。雲かも知れない。いや、どちらでもいい。ニューヨーク上空の庭園。煤けたような建物群と、それを覆い尽くす色とりどりの花。綿菓子のようにも見える。2002年に描かれたもの。『野良犬』も、炭色の廃墟をうろつく真っ黒ないぬに、胞子のようなふわりとぼやけた花たちがまとわりついている。地上にいるものを哀れみ、寄り添い慰めているようにも見える存在だが、反面これに取り込まれたら二度とここには戻ってこられないだろうと言う恐怖も感じる。誘惑にも思える。でもその誘惑に負けるのも悪くない。

白昼夢を描いているような印象だが、展示されていた制作過程のラフ等を見ると意外にシステマティックだった。まずは頭にイメージが浮かぶのだろうが、そこから形にする迄に、多数の資料写真を撮り、コラージュ着色している。ここらへんは職人的だなあ。

なすび画廊の作品が観られたのは嬉しかった。阪神淡路大震災がモチーフ。なすび画廊シリーズ、会田誠さんは『さりん』だったな。今観ても胃が重くなる作品です。

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常設展示は新収蔵作品展、『賛美小舎』上田コレクション。エリザベス・ペイトンが描いたカート・コバーンの肖像画があった。ハワイで結婚式を挙げた時の姿。パジャマを着て、小さな花束を持ってぽつんと立っている。フレーム内にいるのは彼ひとりだけ。結婚式の絵なのにね。

こんなところでカートを見るとはなあ。小さな作品でしたが、しばし見入ってしまった。他にもシド・ヴィシャスやジョン・ライドンを描いたものもあった。これはまだなんか納得しちゃうところがあるんだよな。なんと言うか…アイコンとして扱われているってことに。カートは、まだなんか違和感があるな。