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2007年08月11日(土)
『DOG BITE DOG』とか

『DOG BITE DOG』@新宿武蔵野館1

サム・リーの舞台挨拶付き。お誘い頂き行ってきました、有難うございますー。以下ガッツリネタバレしているので、未見の方はご注意を。

香港のレストランで起こった殺人事件。犯人のパンと、彼を追う刑事ワンの闘いが軸です。途中ワンの父親が起こした事件、パンの生い立ち、彼が逃亡中に出会う少女ユウとの交流が描かれます。途中迄はよく出来た刑事ドラマやんなあと思っていたんですが、最後の30…いや、20分か?が怒濤の展開。そこ迄やるかワン!もうビックリした…すご過ぎて笑ってしまう程だった……。

いんやもー久々にこんなバイオレンス映画観たわ…面白かったけどツッコミどころ満載だ!カンボジアの孤児たちの現状や、実際にあると言われる(つうか、あるよなあ)闘人(闘犬のひと版ね。死ぬ迄やる)でしか金を稼げないひとがいるってことや、それに出資するひとがいるって事実にも心が非常に痛むのですが、そんな酷い状況を、あかごの誕生ひとつで希望に変えてしまう腕っぷしの強さと言うか、強引さと言うか、それ迄に何人死んだよ!と言うか。

いやーでもあかごの存在ってすごいよね…とも思いました。あの子の未来が明るいとはとてもとても思えない!が、生まれるとよかったねええとか思っちゃうね!がんばれ、生きてくれ!父ちゃんも母ちゃんも死んじゃったけど!しかもすごい死に方で。ひとが生きて死ぬって何なのかしら。虚しいのう。あかごには明るい未来が開けるといいよと願うばかりです。

パン役はエディソン・チャン。いやあ…格好よかった……。殆ど振付けなしのリアルファイトだったそうで、綺麗な顔がだいなしだ!しかし元が綺麗だと怪我しても汚れだらけでもなんか掃き溜めに鶴な感じで……しかし冒頭のひとどんどん殺すシーンはすっごかったなあ。躊躇がない!なさ過ぎる!撃つタイミングとか刺すときの判断が早い早い!そうでなきゃ自分が死んじゃうからね。演技とは言えあの迷いのなさは獣のようで感嘆しましたよ……。

ワン役はサム・リー。こちらもすぐ殴る、すぐ蹴る、ひとの話聞かない。しかし英雄と呼ばれていた父親の実像を知って思い悩んだり、ビックリして銃撃っちゃったりするシーンはまだ人間味あったんだよ。それがラスト20分!もーキ・チ・ガ・イ!歯並びの悪さが吉と出ましたね…顔力がすごい!あんたそこ迄やる!いやもうむっちゃ怖かったですよ…殺しても死ななそうだ。実は死んでないんじゃないのとすら思った。じゃああの子を育てないとなあ。無理か。

上映後に出て来たサムさんはとってもジェントルでスターオーラバシバシで、でもオープン。目線ひとつひとつがキマる素敵なひとであった。『ピンポン』のイメージが強かったのですが、いー感じな大人になっていたー。格好よかったです。日本語広東語英語を混ぜていろいろ話してくれました。お昼過ぎの挨拶だったからか「オ腹空イタ。ゴハン食ベニ行キマショ」だって(笑)あと、

今回の日本の印象は?「アツイ。スッゴイアツイネー」
脚本を貰った時の印象は?「(以下広東語)最初自分はパン役だと思っていて、言葉を殆ど話さずボディランゲージでの表現は役者としてやりがいがあると思った。そしたらワン役だった(笑)でも内面の芝居を求められる役で、とても難しかった。脚本を何度も読み直した」
撮影での思い出は?「スケジュールがハードで毎日2時間くらいしか寝ていなかった。しかしそれは監督の狙いでもあったようです、寝させないで演技をさせると言う(笑)」
「エディソンとの共演は3回目で仲もよくて、これ迄は撮影が終わったら呑みに行ったりしてたんだけど、今回は敵対する役でふたりとも集中していたから、撮影が終わってもすぐふたりとも自分の部屋に帰っていた。力を入れた仕事でした。あ、今迄の仕事も力を入れてやってましたよ(笑)」
注目のシーンは?「ゴミ捨て場のシーン。タイで撮ったんだけど、サッカー場が3面くらい入る広さ。冒頭のシーンで子供と犬がゴミを漁って、食べ物をとりあっているシーンがあるが、実際にあることだそう。そのことを考えながら観て欲しい」

などなど。最後のフォトセッションではお茶目な様子も見せてかわいかったです。

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上映後フライヤーを漁っていたら、『KURT COBAIN About a Son』フライヤーにおーもりくんと山田くん@バックホーンのコメントが載っていた。あーこれいつ迄やってるかなあ、観たいなあ。『Screaming masterpiece』も観たい。これアイスランドの音楽ドキュメンタリーなんだけど、フーファイが出ているの。何で?