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2003年06月19日(木)
『N響オーチャード定期 第25回』

『N響オーチャード定期 第25回』@オーチャードホール

■オール・ラヴェル・プログラム
『鏡』
バレエ音楽『ラ・ヴァルス』
組曲『クープランの墓』
『ボレロ』

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昨日行ってきました。現在、日にちと曜日の感覚がなくなっているので、寸前に思い出してそそくさと退社。ああめちゃめちゃ普段着だよ…Tシャツとワークパンツでクラシックを聴きに行く羽目に。は、はずかちー。いや別にいいんだけどね、ジーンズのお客さんも沢山いるんだけどね、形から入ると気持ちがしゃきっとしたりするじゃないですかトホホホホ。ああでも思い出してよかった。

それはともかく、ラヴェルをいっぺんにいろいろ聴けるいい機会。

『ボレロ』は…う〜ん、今ひとつ。リズムキープに集中力を使う分、音がブレる印象があった。完璧!な『ボレロ』を聴けることはなかなかなく、奥が深いなあとつくづく思う。観客のコンディションにも左右されるし。それもあってのめりこみがちなんですが。これからもいろんなオーケストラ、いろんな指揮者、いろんなホールで聴きたいなあ。

しかし音の繊細さは素晴らしかったー。あれだけの広さのホールで、針1本落ちる音さえ聞き取れそうな静けさは気持ちがいい。お腹が空いてて「今ぐーって鳴りませんように!ぐーって!」と違う意味の緊張感も持って聴いていました(笑)鳴らなくてよかった…。

『ラ・ヴァルス』がすんごいよかった!最初は1組のワルツを踊るカップルの描写、カメラがひくとカップルが徐々に増えていき、やがて舞踏会が行われているホールが映し出され…と、ここまで画が浮かぶような曲なんですよ。これはかなりびびった、やっぱり生で聴くと違う。

そしてこれ、数学好きのひとが聴いたらまた面白く聴けるんじゃないかなーと思った。なんかね、曲が緻密な設計図みたいなんですよ。終盤、ぱっと聴きでは混沌を極めている数種類のパターンが、最後の最後でビシッと組み合わさる瞬間には鳥肌がたった。

『鏡』はもともとのピアノ曲しか聴いたことがなく、オーケストレーションは初めて。しかも全曲通しての演奏はかなり珍しいらしい、貴重なものが聴けました。あーこのバージョンも面白いなあ。特に「道化師の朝の歌」の弾けっぷりがよかった。『クープランの墓』はタイトルまんまの哀悼感に溢れた美しい作品でした。

今回の指揮者、ウラディーミル・アシュケナージ氏は、2004年9月からN響の第2代音楽監督に就任が決まっているひと。ピアニストとしても著名だが、最近は指揮の方をメインに活動している様子。しかし実物初めてみたんだけど、出てきた時に「ち、ちっちゃい…」と思わずつぶやいてしまった。こんなに小柄なひとだったのね…手も相当ちっちゃいだろうこれなら。これでショパンとかほいほい弾いてたの!?かなりビックリしました。しぐさもとことことこって出てきて、にこにこっと笑って、でも指揮は迫力。照れ屋なのか、アンコールでは自分の挨拶は早々に片付け(笑)オーケストラのメンバーたちをぴょこぴょこ飛びあがらんばかりに全身で煽っている。か、かわいい…(失礼)タケダさんが「欽ちゃんに似てるね」なんて言うから、それ以降は仮装大賞で「よかったなあ〜、おめでとウッ!」って司会してる欽ちゃんと被って被ってニヤニヤしてしまいました。どうしてくれよう。いやでもこのひとの振る『ラ・ヴァルス』、かなり気に入ったので、また聴いてみたいです。

そしてタケダさん、「ここのコンサートマスターの堀正文さんって、蝶野(格闘家)に似てるんだよー」ってそんな遠いジャンルから似たひとを見付けて来なくても(笑)でも確かに似てました…。蝶野フェイスでヴァイオリニスト。ステキ☆