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2003年03月18日(火)
『映画はこうしてつくられる Vol.5 六月の蛇』(3)

続きです。

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■雨

海外のプレスには「なんで『六月の蛇』ってタイトルなんですか」ってよく訊かれる/東アジアじゃないと梅雨ってのが/欧州ではわかんない/蛇出てこないし/武藤「なんで蛇なんですか?」/うねうねした感じ/エロい/黒沢さん本人は明るい/蛇が宿った瞬間の顔、表情を撮りたかった

全編雨/ポイントだけ雨にすれば簡単だったけど、それは嫌だった/武藤「プロデューサー的にいちばんヤなのはナイトオープンでの雨のシーン」/昼の方が雨を“撮る”のは難しい/太陽光が邪魔して映らない/夜の方が照明あてれば綺麗に撮れる/夜の雨の撮影は、環境は厳しいけど/がんばればいいんで/僕らががんばればいい/寺島さんのスケジュールとかもあって、条件が1日、その日しかなかった/未知数/思いっきりがんばって作業すればいい/運がむいてくる/ツラそうにしてるスタッフに、小首を傾げて「がんばってね」と言う/「がんばって」/『双生児』の時、がんばったらすごい風が吹いてちょっとしかないスモークがぶわあ〜っと空に舞い上がって/すごい画が撮れた/がんばらなきゃダメ、手を抜いたらそこまでのものしか/曇るように願かけ/川原(伸一・助監督)くんがお参りに/ひとりだけで、内緒で/「だから曇ったんですよ」(ニッコリ)/「ふう〜ん、有難う」(そっけなく)/(嬉しかった癖に!(笑))

雨の撮り方/逆光照明にすると綺麗に撮れる/水道の蛇口が3つあれば普通規模の雨のシーンは撮れる/広いオープンセットに全面降らす時はタンクを使う/タンクに水を補給する時間も考えておかないと/女優への気遣い/裸を撮る訳だし/その一瞬の為に皆ががんばってセッティングを/空間を作る/お膳立て/役者をノセる/女優さんに安心してもらうようなケア/スタッフ以外には絶対見えないように/暗幕を窓に張ったり/雨、火を見るとコーフンする/ちっちゃい火の方がコーフンする/おっきい火は落ち着く/キャンプファイアーとか/エロは常に身近にある

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■次回作?

体験してから/『TOKYO FIST』ではボクシングを習った/『BULLET BALLET』では拳銃撃ちに行った/次は自転車映画の予定だった/アフリカの大自然の映画を撮ろう/前準備として自転車で熱海へ/ぎっくり腰/1ヶ月療養/前厄/動けなくなって、悶々として部屋の窓から外を眺める/窓から夏が過ぎて行く/で、都市の映画を撮ろうと/戦争映画/大岡昇平の『野火』/カナルプレスがお金出してくれなくなって/ポシャッた/資金繰りしなきゃ/『鉄男アメリカ』で稼ごう/ずっと言ってる『悪夢探偵』も撮りたい/最後に撮る映画は決まってる/定年を60歳から70歳に延ばした/あと何本撮れるか/次回は医学生が医者になる話/2年生になると解剖を/見学/肉体の内側/都市の中の自然

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まだまだ続きます。