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2002年10月17日(木)
Parco Trial Series Vol.1『ダブル・スタンダード』(2日目)

Parco Trial Series Vol.1『ダブル・スタンダード』@PARCO劇場


初日の翌日が楽日(笑)はやいはやい。


『おーい、救けてくれ!』

うーん、面白い。男の心理が読み切れないんだよなあ。勿論少女を騙すつもりだったんだろう。脱獄出来て、ふたりでサンフランシスコに行ったとしてもここで少女を捨てるんじゃないかなーとか。でも、それだけではない“何か”をムラジュンには感じたな。だからこそ、あの最後は切なかった。
今日は最前だったので、台詞も聞き取りやすかった。石橋さんをはじめ、あとから出てくる3人の微妙な表情の変化が観られたのは収穫。


『動物園物語』

・休憩中ロビーを光石さんがうろうろしていてビックリ。ここから演技は始まっていたらしい。周囲はじろじろ観ていいものか困っていた(笑)ご本人は到って自然体、知り合いらしい方と談笑していたり、持っている本(後藤繁雄の『テクノドン』だった。バーバラ・クルーガー撮影表紙の)を読んだり。ベンチへ行く前に、ふらりとここへ寄ったような佇まいで格好よかった
・と言うことは、反対側のロビーでは田中さんがうろうろしていたのか?
・1日目は田中さんがスタンバイしていた真横の席だったので緊張した(私が緊張してもな…)
・役名クレジットはあった。しかし台詞には出てこない。お互い名前も訊かない
・予想はしていたが両日とも演技プランが違った。フリーの部分は何をやってもいいとの設定だったんだろう
・2日目に投げた袋の中身は何だったの?(怖)
・やっぱり全公演観たかったな…しかし追加公演が平日16:00では…(泣)
・構成を変えたことで、サスペンス的な緊張感が出た
・その集束感があるものの、戯曲本来のテーマと離れた気がしないでもない
・個人的には1日目のプランがアタリ
・役者陣は本当に素晴らしかった。この戯曲は、台詞が膨大にあるジェリーに目が行きがちだが(勿論田中哲司さんは素晴らしかった)、光石研さん演じるピーターの受けの演技には引き込まれた。感情が戸惑いから興味、迷惑、疲労、不快、怒りへと移っていくさまがありありと感じられた
・『ジェリーと犬の物語』はもう何度聞いたかわからない程だが、田中さんの落ち着いた声には説得力があった。緊張感もあったが、比較的リラックスして聞ける美しい声なので、聞いていてとても悲しくなった
・ラストの暗転で感じた孤独感はかなり大きかった
・実際ジェリーが自分の目の前に現れたとしたら?逃げるだろうか。席を立てるだろうか


それにしても関係者の多かったこと。客席も豪華でした(笑)2日間のみの公演だしね。出演者だけでなく、裕美さんとスズカツさんの人望を見た気もして嬉しかったり。過去ピーターやジェリーを演じた方々(大石継太さんや久松信美さん)もいらしていて、どういう気持ちで観たのかなとちょっと考えた。
町蔵が来ていたのは嬉しかった。ムラジュンが出演していたからと言うのもあるだろうが、スズカツさんの舞台を町蔵が観に…。ちょっと泣きそうになった。『SWEET HOME』の降板は今でも本当に残念に思っているし、そして今でも町蔵が出演していたらどういう舞台になったかは知りたい。