Movin'on without you
mako



 ぎりぎりの賭け。

賭けだった。


あなたがどちらを選ぶかで
あの夜のことを、なかったことにしようと思ってた。

もし、あたしを選んでくれたら
甘い夢を見続けようと思ってた。



でも、あなたは来なかった。
自分の意思で、あたしに会うことを拒んだ。


その瞬間、
こんな、ものわかり悪いあたしもようやく悟った。


――夢だったんだと。


あの夜のことは、
一夜限りの甘い夢だったんだと。


あなたは、
全てを忘れることを望んでいるのだと。



気がついたから、忘れてあげるよ。
あたしも流石にもうそこまで無邪気になれない。

拒まれ続けながら好きでいることなんて
無責任に気持ちを押し付け続けることなんて
できないから、なかったことにしてあげるね。



大丈夫、わかってる。
いかせんとのことで、痛いくらいに知ってる。


人は、忘れる生き物だから。


大丈夫、いかせんとの6年だって人は忘れてく。
あなたとの半年なんて、あっという間だから。


ましてや、一夜の思い出なんて
すぐに記憶から抹消できるから。

だから、安心して。うん。

2006年04月25日(火)
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