Movin'on without you
mako



 優しさに包まれてく。

昔、バイト先に、
お兄ちゃんみたいな人がいた。

年上の兄弟のいないあたしにとっては
本当のお兄ちゃんみたいな人だった。

どんなときも優しくて、あたしを守ってくれる人。



会社に入ったあたしには
もうそんな存在の人は現れないかと思ったけれど
ひとりだけ、心許せる存在の人がいます。
でも、お兄ちゃんなの。あくまでね。


こないだ。
お兄ちゃんが、あたしの頭をぽんぽんってしてくれた。
本当に落ちてるあたしを気遣って
元気出せよって、ぽんって。


あたしね、思った。
あたし、ずっとこの手が欲しかったんだって。

そんな、漫画の台詞みたいなこと思った。


だって、ぽんってその手があたしに触れた瞬間
すーって、何かが溶けてった。
何か、あたしの中にある邪悪なものが
すーって消えてくのがわかって、

守られてるっていうのは、こういうことなんだって。
勘違いでも、そんな気が向こうには無くても
それでもあたし、救われた気がしたの。
あの手に。


うん。救われたの。
あの手に。

大好きなの、あの手も、お兄ちゃんのことも。
大切なの。もの凄く。

2006年04月26日(水)
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