Movin'on without you
mako



 ぶっこわれた方程式。

いかせんが好きだった。

ほんとうに、ほんとうに好きだった。
本気でめちゃくちゃ好きだった。
たぶん、最高級の「好き」を
さらに1.2倍するくらい好きで好きで仕方なかった。


尊敬と少しの嫉妬すら混じるこの気持ちを
自分でどうすることもできなかった。

あたしの中にはいつもいかせんがいたし
尊敬する人はいつもいかせんだったし
あこがれる人も
でも一緒にいて何故か悔しくて
辛くて切なくて泣きたくなる人も
世界でいちばん好きな人も
結局いっつも「いかせん」だった。



だからいかせんには
いつまでもあたしの好きないかせんで
いてほしかったのかな。




理想を勝手にあてはめて
偶像に恋をしていたと言われればそれまでだけど

でもどんないかせんでも
あたしは嫌いにならない自信があったし

たとえあの人が罪を犯すことがあっても
あたしはそれでも
きっと嫌いになれないんだろうなって

そんな自分に嫌気がさしたりもしたのに。




ほら、だから
今も嫌いになれない。


嫌いになんかなれるわけがない。





こんなに幻滅して
こんな部分は知りたくなかったと
どこかでそう思うのに
それが「まとも」な考え方なのに

今まで知らなかった
こんな、いかせんの一部分を
知ることができてよかったと
幸せとすら思ってしまう

あたしの頭のなかの方程式は
どこかで絶対壊れてて







人が聞いたら
誰もが「やめろ」って言う。


たぶん、あたしでもそう言う。

だって、実際思ってる。







なのに。



たった一夜きりの
苦い苦い約束を。



大切な人を裏切ってまで犯す
甘い甘い過ちを。





過ちとも思えなくなってしまった自分に
これが必然だとでも言いたげな
運命という言葉を利用しそうな自分に





納得してる自分自身が、
確かに、存在してる。










結局
誰を置き去りにしても
あたしは
あたし自身といかせんだけが
この世で、必要だったってことかもしれない。









2004年01月26日(月)
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