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■ 悪魔のようなひと。
別に、想われてるわけじゃない。 そんなこと、知ってる。
もう勘違いすらできない。 まだあたしが幼かった頃に、 友人たちからもらった慰めの台詞。 「きっと、まこのことを可愛いと思ってるんだよ」 そんな言い訳すら、できない。
あのひとには何の感情も無い。 見事なほどに、気持ちなんてない。
あるのは、欲望と
もしかしたら、たった少しの好奇心。
約束をした。 たった一度きり、と決めて 彼曰く「割り切った関係」
あたしの大好きな甘い甘い声で 在り得ないくらいの残酷な言葉を あのひとが、囁いた。
「最後に一度だけ、抱いてあげる」
あたしをひざの上に乗せたまま。
5年も前と何も変わってない。
好きで好きで仕方のなかった いかせんしか見えなかった 周りが何も見えていなかったあの頃とは 少しだけ、違って
その残酷さとか 虚しさとか ・・・自分の、惨めさとか
そういうものもはっきりと 事実、として解る年になってしまった。
それでも その残酷な誘いを、 あたしは、断れない。
本当に、たった一度きり。
あの人の言葉に嘘は無い。
それでも あたしは そのたった一度きりを
―――――心の底から、待ってる。
もう、恋人への 裏切りの気持ちも感じないほどに。
悪魔のようなひとだと知っているのに
その悪魔を、世界一愛してしまったあたし。
2004年01月27日(火)
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