江草 乗の言いたい放題
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2014年06月17日(火) 日本は安易に外国人労働者に頼るな        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 人手不足である。その結果どんどん賃金は上昇し、居酒屋とか牛丼屋の時給は東京の深夜労働の場合は1500円にもなっている。フリーターや学生アルバイトにとってはまことにいい状況が生まれているのだ。

 今ここで大量の外国人労働者を単純労働に従事させるために受け入れればどういうことになるだろうか。せっかくの賃金上昇の流れは水を差される結果となり、低賃金も厭わない外国人のために逆に時給が下がってしまうかも知れない。もちろん企業にとってはそれは好ましいことであり、経団連が自民党に政治献金してなんとか外国人単純労働者の入国緩和をしたがってるのはよくわかる。ただ、その結果最終的に誰が困るのかということを考えてもらいたい。企業がもうかっても、国民は決して豊かにならないのである。

 今ここに二つの選択肢がある。一つは外国人単純労働者を大量に受け入れる道、もう一つはあくまで国内の労働力を活用するという道である。前者の場合、今のブラック企業はそのまま温存され、せっかく上昇しかけた賃金は再び下がり、日本人が選ばない「3K」と呼ばれる産業には大量の外国人が従事するようになる。日本の人口の中で外国人の占める割合は年々上昇し、いずれ日本人の人口を中国人が追い越すだろう。

 もう一つは、あくまで外国人単純労働者の受け入れを拒み、自前でなんとかするという茨の道である。そこで活用しないといけないのは国内にいる、ニート、フリーター、ひきこもりといった人たちである。平成25年版の「子ども・若者白書」によれば19歳から34歳の年代にこういった人たちは320万人もいるのだ。

 今、外国人単純労働者を導入しなかったら、人手不足に悩む企業はどうにかして国内でその人材を確保することになる。どうしても人を集めたいときはどうすればいいのか。給与水準を上げたり、待遇を良くしたりするしかないのである。

 ずっと非正規雇用の状態で、働いても働いても給料が上がらないワーキングプアの人たちにとって、条件の良い職種に転職できるならどんどんその選択肢を選ぶだろう。バブル以降の失われた20年間で、労働者の賃金水準はずっと下がり続けた。しかし、もうその流れは終わったのだ。景気が回復基調になったとき、少子高齢化によって人手不足が深刻化すれば給料を上げざるを得ないのである。これまで非正規雇用だった人たちを正社員にしたりして待遇改善をはかるしかないのだ。

 トヨタ自動車は組み立て工場で働く期間従業員の待遇をよくして、必死で従業員を確保しようとしている。有効求人倍率が日本で一番低い沖縄には各企業の採用担当者が押し寄せている。こんないい流れができているのに、どうしてその流れに水を差すのか。なぜこのまま待遇改善させてやらないのか。

 我々の社会はどちらの未来を選ぶべきか。3Kと言われる職場に若者は集まらず、製造業や土木建設業が外国人の出稼ぎ労働者によって占められ、その一方でニートや引きこもりの若者、大量の非正規雇用者たちは無収入や低収入のままに老年を迎え、結婚もできず人生設計もできずに空しく死んでいく暗黒の未来なのか。今、外国人労働者を大量に受け入れるというのはそういうことなのだ。本当にそれでいいのか。

 しかし、もしも外国人単純労働者を受け入れなければどうすればいいのか。それでも東京五輪やリニア新幹線という公共事業を成功させ、復興事業の遅れを取り戻すためには、それらの分野で働く人たちの待遇を劇的に改善することで「高収入であこがれの職業」として認識させ、人が必ず集まるようにしないといけないのである。結果としてこの世からブラック企業や3K労働が追放され、しんどい・きつい仕事はそれに見合った高い賃金が得られるというまことに好ましい状況が実現するのである。かつて「ワーキングプア」と呼ばれた人たちは、「労働貴族」と呼ばれるようになるかも知れないのだ。我々が目ざすべきはそうした社会ではないのか。

 高度成長の時代、働く人々はいくらでも確保できた。大企業にはいくらでも人が集まった。しかし、今はもうそんな時代ではない。少ない労働者を奪い合う時代なのである。せっかくこんないい時代がやってきたのだ。どうして日本人は目覚めないのか。

 パチンコ屋の前には平日の朝から長蛇の列ができる。失業を理由に生活保護を受給する人たちの多くはそのゼニをパチンコや酒に費やす。福祉で甘やかしてダメになった人たちを働かせるのは困難だ。日本人の代わりに外国人を単純労働につかせると言うことは、そうした堕落した人たちを増やすことなのである。仕事はたくさんあるのに、仕事をしない人たちはあまりにも多い。どうすれば彼らが働くようになるのか。国家の政策はそれをまず考えるべきである。その問題を安易に片付けてはならないのである。 

 若者よ、ガテン系に目覚めよ。そこには多くの宝物が眠っている。日本の土木工学の技術は世界最高水準である。今こそその価値を見直すべきである。


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