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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■アンジェスの不都合な真実



 「アンジェス」というのは大阪大学医学部教授の森下竜一氏を創業者とする創薬ベンチャーである。2002年9月には東証マザーズに上場している。株価は300円前後を推移するのだが、時折暴騰してはまた元に戻っていくという不思議な値動きをする。最近では2020年夏に、吉村知事が「大阪ワクチンを年内に供給開始」というたいした根拠のない風説を流布したおかげで3000円近くまで暴騰したということがあった。

 アンジェスはこれまでも何度も何度も新株を発行して資金調達している。そのため投資家界隈では「株券印刷業」と呼ばれるくらいで全く人気がない。ではどういう人がこの株を買うのかというと、初心者で投資に詳しくない人とか、投資セミナーで騙された人とか、吉村知事の信者とかである。うっかり高値で買ってしまったものが最終的に暴落して落ち着くわけで、投資家はそのまま値下がりした株を塩漬けするか、あるいは損切りするしかないのである。

 アンジェスには国からの補助金も大量にぶち込まれている。新型コロナワクチン開発のために100億円近い資金が補助されたが、最終的にアンジェスはワクチンを完成できずに開発から撤退した。アンジェスの作ったワクチンの治験結果は「効果はないが、毒でもない」というもので、要するにただの水レベルだったということだ。

 そのアンジェスはこれまで大量の新株を発行して資金調達してるのだが、なんとまたしても新株を発行することがわかった。42回目の今回はワラント債という形で3800万株を発行して、下限行使価格は124円である。ちなみに9月26日の終値は234円だったわけで、今アンジェスを保有している株主はおそらく逃げ切れないだろう。9月27日はもしかしたらストップ安に張り付くかも知れない。

 オレがとても不思議なのは、これまでにこの会社が手に入れた資金がどのように使われたかということである。創業者の森下氏は大株主であるわけで、高値の時に彼が売却して安くなってから買い戻すことを繰り返せば資金は何倍にも増えていく。もちろん創業者本人ではなく、そのインサイダー情報を周辺に与えれば大きな利益を手にすることができるのだ。不審な値動きがないかどうかは、当日の取引の結果を精査すればすぐに明らかになる。誰が売って誰が買ったのか、それをしらみつぶしに明らかにして、その中に森下教授の周辺の人物や、大阪ワクチンという大風呂敷を広げてマスコミに発表した吉村知事の周辺の人物がいればインサイダー取引は確定である。もしもこの株の値動きを利用してインサイダー取引を行うならば、1000億円以上の利益を上げることが可能だった。誰も関与していない方がおかしいのである。絶対になんらかの不正が存在したとオレはにらんでいる。

 証券取引等監視委員会は全くこの件に関してスルーだ。これもいつものことで、取り締まられるのはせいぜい金額にして数千万程度の小物だけというのがお約束である。オレは過去に銀行が金主だったような大規模なインサイダー疑惑を目にしてきたが、一度も立件されたことがない。おそらく政治家にもゼニが流れていてお目こぼしになってるのだろう。今回のアンジェスに関する疑惑も背後に政治家がいる。だから調査対象から除外されてるとオレは思っている。

 アンジェス株にだまされて損失を出した株主たちは訴訟を起こすべきである。少なくとも株主には、ワラント債や国からの補助金で調達された資金がどのように使われたのかを知る権利があると思う。

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09月26日(月)
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