江草 乗の言いたい放題
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2009年03月05日(木) 誰もが新幹線に乗りたいとは限らないぜ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 大阪から名古屋に行く場合、新幹線に乗れば1時間くらいかかるのだが、近鉄特急で行けば2時間かかる。所要時間が倍もかかるということで利用者がほとんどないのかと思えばそうでもなく、けっこう近鉄特急に乗る人は多い。それは新幹線の正規運賃が6380円かかるのに対して、近鉄特急は回数券を買えば3400円正規運賃で4150円で行けるわけでかなり安くつくからである。1時間辛抱して差額が2000円以上あるということは、時給2000円で働いたことと同じであり、それなら安い方で行くという関西人が大勢居るのである。おそらく名古屋から大阪に来る人で近鉄特急を使う方も同様の感覚なのだろう。

 そんなオレの想像は九州新幹線が部分開業した新八代―鹿児島中央も同様だったようである。新幹線開業時に熊本―鹿児島の高速バス「きりしま号」は運行を停止していたのだが、利用者の要望が多くて4月から復活することになったのである。以下、その記事をアサヒコムから引用したい。

熊本―鹿児島の高速バス復活 新幹線より遅いが安く 2009年3月4日19時24分
 九州産交バス(熊本市)など3社が熊本―鹿児島の高速バス「きりしま号」を4月に復活させる。この路線は90年から運行していたが、04年3月の九州新幹線鹿児島ルート(博多―鹿児島中央)の新八代―鹿児島中央が部分開業した前日に廃止されていた。
 しかし九州産交のホームページなどに再開を望む声が多く寄せられ、昨年10月から1日3往復で試験運行したところ、1日平均約100人の利用があり、採算が見込めると判断した。
 高速バスは熊本交通センターと鹿児島本港(高速船ターミナル)間を最短3時間25分で結び、片道3600円、往復6千円。JRは熊本―鹿児島中央を特急と九州新幹線の乗り継ぎで最短58分で着くが、片道5850円だ。九州産交は「新幹線にお客さんが流れると思っていたが、安さを求める人が予想以上に多かった」と話している。
 4月からは九州産交と鹿児島市の南国交通、いわさきバスネットワークが共同で1日6往復運行する。座席は電話予約(096・354・4845)が必要。


 この熊本―鹿児島というのは大阪―名古屋間と距離や時間の感覚がよく似ている。どっちも新幹線では1時間という距離である。熊本―鹿児島のJR在来線の方はどれくらい掛かるのだろうか?ヤフーの路線情報で検索すると、4180円と安いがその代わり4時間も掛かっている。快速しかなく、それも何度も乗り換えが必要である。これならバスの方が速い。そういうわけで高速バスが便利だったわけである。

 ただ、新幹線ができる前のJR在来線にはもう少し速い列車が走っていたはずである。どうして新幹線ができたということで完全にそれを切り捨ててみんなに無理やりに新幹線を利用させようとするのか。在来線に直通の安い快速があればそっちに乗りたい客もいるじゃないか・・・と思うがそんなことをすれば新幹線の儲けが減ってしまうのである。JRとしては少しでも新幹線に客を乗せてゼニを稼ぎたいわけで、在来線に安い列車を走らせることは全く考えていないのだろう。大阪―名古屋間もそうである。もしもそこに新快速を走らせれば、ケチな関西人はきっとそれを利用する者がかなり発生するだろう。その結果新幹線の乗客が減少することになるのでそんなもの走らせないのである。

 運賃が安いのなら多少遅くてもいいという客の存在をある程度想定して、在来線にも客を分散させることで混雑を緩和し、不採算の在来線にもある程度の客が来るようにするという発想はJRには全くない。それもそうでJR各社は新幹線でいかに稼ぎまくるかということを考えてるのであり、乗客の数に限りがある以上はその乗客から1円でも多くゼニをぼったくりたいわけで、ライバルは飛行機であって在来線ではないのである。切り捨てた在来線の赤字は地元自治体に押しつけ、新幹線の利益はがっぽり持って行くというJRの戦略を考えれば、バカみたいに新幹線を誘致したがってる田舎者たちの思慮の浅さにオレは悲しくなるのである。

 昔と違って長時間電車に乗ることの退屈は大いに緩和されている。それは任天堂DSなどの携帯型ゲーム機の充実である。乗車中の時間はのんびり読書や睡眠に使うこともできる。睡眠に使えるのならば1時間よりも2時間や3時間の方がいい。しかもぐっすり眠れてゼニも浮くのならばなおのこと安い方がいいということになる。

 北陸新幹線もいずれ開業するだろうし、日本全国にそうして新幹線網を張り巡らせることの便利さをオレは否定しない。しかし。倍の時間が掛かっても安いのならそれでいいという選択肢もちゃんと残しておいて欲しいのである。そこにもある程度の需要を発生させることが並行在来線を生き残らせる道だと思うのだ。選択肢は多い方がいい。

 青春18切符に乗って在来線でのんびり旅をする人は多い。そうした旅の多様性だけはちゃんと残しておいて欲しいと思うのである。東京から九州へのブルートレインがなくなり、旅の選択肢が大いに狭められてしまうことを悲しく思うのはオレだけはないはずだ。大学生の頃に少しでも旅費を安くあげようとして信州に行くときに夜行の「急行ちくま」を利用していたオレは、そうした旅のスタイルが完全に失われたことを悲しく思うのである。

 JRの前身である旧国鉄は、かつて東京―鹿児島間に夜行急行の「桜島・高千穂」を走らせていた。かつて多くの旅人に愛された夜行急行の「八甲田」「津軽」「屋久島」などは現代のニーズにはもう合わないのだろうし、夜行バスの快適さと低料金と勝負にはならないのだろう。夜行列車に長時間揺られた旅は、すべて思い出の彼方にしか存在しないのである。 


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