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| 2003年07月25日(金) ■ |
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| ラストシーン |
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2回裏、先頭バッターの打球はふら〜っと、それでいて力強くセカンド後方へ飛んだ。セカンド・北山選手がバックする、バックする…。後ろからライト・今堀選手もボールを追って前進。しかし、間に合わず。ボールは無情にも芝生の上に落ちた。ランナーはすでにセカンドベースに達していた。
試合は負けた。2回に3本の長打を集められ3失点、7回には2本のヒットにボークも絡んで1点を追加され、ダメ押しは8回の押し出し四球だ。なんて効率のいい攻撃なんだろう。一方の東山は、12本のヒットに2つにエラーをもらいながら、取った点は1点のみ。ノーアウト満塁から併殺間に入ったもの。究極の拙攻と書いたら叱られるかな。
悲壮感とかあるかもしれないと思ったが、試合後球場出入り口に姿を見せた選手たちの表情は明るかった。父兄さん、OB、ファンなど多くのギャラリーの前に選手が整列し、高橋キャプテンが挨拶。
「ぼくたちのチームは不祥事があり、辛いこともあったけど、部員が辞めないで最後まで続けられてことがうれしかったです。3年生でベンチに入れないヤツもいたけど、みんな、応援してくれて…。試合には勝てませんでしたが、悔いはありません。今までありがとうございました」
本当に晴れやかな顔だった。
そのあと、記念写真の撮影が始まった。「はじけようけぇ」の声があがり、みんなざわめきはじめた。父兄さんのデジカメから、女子高生のカメラ付き携帯まで、選手たちには複数のレンズが向けれた。「こっち向いて」「こっち向いて」とあちこちから声があがる。被写体の選手たちは、「どこ見てええかわからん」「カメラ多すぎ〜」とか言いながらも、きっちりサービスポーズを決めた。一歩離れたところで、なんとも言えない優しい笑みをした監督がそんな選手たちをじっと見守っていた。
ひとまずキリがつき、ギャラリーがカメラや携帯を片づけたころ、選手がまたパフォーマンスを始めていた。みんなで何か叫びながら、帽子を一斉に空に向かって放ったのだ。安っぽい青春ドラマみたいやなと思いながらも、白い雲をバックに舞った帽子の残像は脳裏にしっかり焼き付いてしまった。
そうしてパフォーマンスは終わり、選手たちは特別ではない試合後の姿に戻った。服を着替えたり、パンをほおばっていたり、家族と写真を撮っている選手もいた。そのとき、声が聞こえてきた。
「あれは、オレが(捕りに)いったろって思ってたら、ヤスオがな…」。 セカンドの北山選手だ。誰かに話しているようだ。彼はいつも明るい。でも、あれが試合の明暗をわける大事なシーンだったんじゃ?!それを、「こないだおいしいラーメン屋見つけてん」みたいな感じの軽やかな口調で話していたのだ。そんなん聞いてたら、なんか、「ま、いっか」って思えた。
落ち着いた選手たちは、再び球場に入った。すでに次の試合が始まっていた。
<準々決勝> 東山 1−5 京都外大西 (西京極)
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