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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年05月28日(水)
関係ない話 その2 『地域密着を目指す病院』


 今年のはじめ、近所にKクリニックがオープンした。地元の総合病院から独立した医者さんが開業した病院である。父は総合病院時代にこの医者に診てもらっていたため、開業後はここに通っている。家と病院が一緒になっていて、玄関には子供の自転車とかがおいてある。見るからにアットホームな雰囲気。

 ある日、父がその病院から帰ってきた。母が、「自転車は?」と訊く。どうやら父は、自転車で行ったにもかかわらず歩いて帰ってきたようだ。父は、「なかった」と答えた。病院の前に止めておいたのが、出てきたらなかったのだという。「鍵かけといたか?」母が訊くと、父は気まずそうに、「ハハ、病院の中やし大丈夫やと思って…」。すると、ここぞとばかりに母が責め立てる。「何言ってんねんさ。今の世の中ぶっそうやで。家の前にちょっと止めといただけでも、持っていかれたりすんねんから。自業自得やわ。あれ、高い自転車やで。わたし買い物行くときに使ったたのに…」。自転車なくなり、母には同情されるどころか、叱られて。父も踏んだり蹴ったりである。

 と、そのとき、電話が鳴った。母が出た。
 「はいはい、あ、おります。はい、はい、わかりました」
 どうやら、父宛にかかってきた電話のようだ。でも、父に代わることなく切ってしまった。母は今にも吹き出しそうな表情をしていた。受話器を置いたあと、父は「何やったん」と訊いた。

 「いや、そこのKクリニックの奥さん。ちょっと買い物に行くから、ご主人の自転車借りてたって。」

 おばはんっ。どこに患者のチャリ勝手に借りて買い物に行く院長夫人がおんねんっ!びっくりするわ。母も父も、そして私もただ笑うしかなかった。