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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年02月05日(水)
日陰の部分をどうするか


 『コーチ論』(織田淳太郎著・光文社新書)という本を読んでいる。そこから一部抜粋。

 『(京都大学)アメフト部でもう一つ驚いたのが、一年生が最も大切にされるということでした。一年生はまずアメフトを好きになることから始めなければならないという方針です。アメフトのおもしろさをトレーニングの中で徹底的に教えられ、雑用は一切与えられない(以下略)』


 雑用を下級生にさせないという考えにはさして驚かなかったが、その理由が「その競技を好きになるため」というのは、ちょっと心に響いた。


 そういや、私の姉が大学時代弓道部に入っていた。経験はなかったが、「なんかかっこいいかなと思って」というたわいもないきっかけだったが、姉は熱心に取り組んでいた。ところが、姉を待ちかまえていたのは雑用雑用の日々。チーム自体強いことはなかったが、下級生=雑用係という図式はあったようだ。毎週末、重い道具を持って、朝早く出かけ、夜遅く帰ってきた。大学1年生、多くの学生が受験から解放され、遊びやバイトに明け暮れている。それでも姉は文句一つ言わずがんばっていた。上級生になったら部員数の関係で自動的に試合に出れるんだみたいなことを言っていた。

 ところが。学校の方針が変わる。弓道部を強化することになったのだ。秋頃だったと思う。高校で弓道も有力選手を推薦で取ることが決まった。姉は、「試合には出れなくなるなあ」とちょっと残念そうだったが、クラブを辞めるとは言わなかった。

 2回生になったある日、姉はクラブに行かなくなった。急にアホらしくなったのだという。一年のときは、雑用に明け暮れ、いざ上級生になっても、試合には出れない。力がないから仕方ないのだろうけど、でも、もし、一年時に雑用ばかりではなく、弓道に親しむ機会がもっとあれば、うまい下級生が入ってきても、試合に出れなくても、「アホらしくなる」ことはなかったのではないかと思う。

 我が家と弓道は無縁だ。そんな中ささいな理由だけど、姉が弓道に興味を持った。弓道にとっては、弓道人口を増やすチャンスだった。これは野球にだって、起こっている。その競技以外の事で、その競技から離れてしまう人がいる。そして、その競技自体を嫌いになってしまうこともある。私がもしその競技(弓道なら弓道、野球なら野球)だったら、「違うんやって、誤解やから、ねえ、ねえちょっとだけでも話聞いてよ〜」と泣きそうになってるかもしれない。悲しがな、スポーツは言葉を持たない。